行政機関における障害者雇用に関して総務省および厚生労働省に要請

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行政機関における障害者雇用に関して総務省および厚生労働省に要請

2018/09/18

国の行政機関における障害者雇用の再点検結果を受けて

2018年8月28日に公務部門における障害者雇用に関する閣僚会議が開催され、2017年6月1日時点での国の全ての府省における障害者雇用の状況に関する再点検結果が報告された。報告では、国の行政機関が法定雇用率を満たすためには、全体で3,396人の障害のある方の雇用が必要であることが確認されている。また、地方自治体においても法定雇用率を下回っているとする公表が相次いでいる。

こうした状況は、障害者雇用の促進と障害者が安心して働き続けることができる労働条件、職場環境の整備に取り組んできた自治労として、看過できない大変重要な問題である。自治労は9月12日、総務省と厚生労働省に対し、今回の問題に対する原因等の検証、チェック体制の強化、法定雇用率の速やかな達成、地方自治体への助言について要請した(以下要旨)。

(トップ画像:厚生労働省に要請書を提出する石上局長(中央)と相星障労連代表(右))

総務省への要請(要旨)


同日、13時30分から要請を行い、自治労からは、石上総合政治政策局長、佐保社会福祉局長、障害労働者全国連絡会(以下、「障労連」とする)の相星代表が出席し、総務省から松本大臣官房秘書課長、木本自治行政局公務員部公務員課理事官が対応した。

要請に対し、松本大臣官房秘書課長は冒頭謝罪を行った上で「非常に重大な問題だと受け止めており、検証委員会の調査へ協力し再発防止をはかる。法定雇用率については所管官庁への協力要請等も行いながら対策を進めていく」と回答した。

相星障労連代表は「毎年障労連では総務省に対し要請行動を行っており、この5月にも実施したところ。雇用率については適正に対応していると回答を受けていたため、今回の問題は非常に残念である。各省庁でガイドラインの認識がずれていたという報道もあることから、再度雇用率の適正化という点でも対策していただきたい」と述べた。

石上総合政治政策局長は「自治体に対し助言や全国での取り組み紹介等もしていただき、単なる数合わせのような話ではなく、各自治体でしっかりとした形で達成できるようお願いをしたい」と述べ要請を終了した。

厚生労働省への要請(要旨)

 同日、16時30分から要請を行い、自治労からは、石上総合政治政策局長、佐保社会福祉局長、相星障労連代表が出席し、厚生労働省からは松下職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長が対応した。

要請に対し、松下職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長は「制度を所管する立場であり、法律、障害者雇用促進法の中でも事業主という立場もある。障害者雇用の場や雇用拡大等への責務・責任があり、今回の問題についてお詫びを申し上げたい」と冒頭謝罪を行った上で、閣僚会議・関係府省会議の中で示された4つの論点(①今回の事案の検証・再発防止、②法定雇用率の達成にむけた計画の策定、③雇用の質の改善・検証、④国家公務員の任用面での検討)について説明を行い、10月までに取りまとめを行うと回答した。その上で自治労からの要請項目について以下の通り個別回答した。


①要請項目1・2(再発防止のチェック体制強化・法定雇用率の速やかな達成)

「上記4つの論点について閣僚会議・連絡会議で検討を行い、一刻も早く量の回復、そして公務でも安心安定して働けるような職場環境づくりを進めていきたい」


②要請項目2(法定雇用率の速やかな達成)

「行政機関ごとに法定雇用率の不足人数の規模観が異なる。年内に達成できる行政機関については速やかに解消に努め、難しい場合は障害者雇用促進法の中に規定がされている採用計画を各役所で策定し解消してほしい。それらを進めながら量だけでなく質の面でも対策をはかっていきたい」


③要請項目3 (地方自治体への助言)

「国だけでなく自治体においても再点検を依頼させていただいているところ。今後の対応についても総務省と一体となり、自治体の状況をみながら法定雇用率の達成にむけた支援等、障害のある方の活躍の場の拡大といった取り組みを進めていきたい」


これに対し、相星障労連代表は「毎年障労連では厚生労働省に対し要請行動を行っており、この5月にも要請を行ったところ。以前にも外郭団体において水増し問題が発生しており、熱が冷めないうちに今回の問題が起きたことに対し非常に残念に思っている。再度雇用率の適正化という点でも対策していただきたい」と述べた。

また、石上総合政治政策局長が「数の問題だけでなく質も含めて考えると短期間で解決する問題ではない。財政的な面も含め取り組んでいただきたい。また、全国の好事例等も紹介していただき、単なる数合わせのような話ではなく、各自治体でしっかりとした形で達成できるようお願いをしたい」と述べた。

最後に松下職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長が「これだけの数が出てくると、定員・予算問題も生じる。一厚労省の問題だけでなく政府全体の問題でもある。現在内閣官房が音頭を取り、各省に対し指示・取りまとめをしている。予算・定員についてもできる限り最大限の配慮をしていくという話も受けているため、我々としても予算・定員という点からも配慮していきたいと思っている」と回答し要請を終了した。

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