男女平等産別統一闘争



自治労は男女がともに仕事と家庭を無理なく両立できる社会をめざしています。そのために、職場における男女平等の取り扱い、組合での一層の女性参画、地域における男女平等政策作りを進めていくため、2002年6月に男女平等産別統一闘争を実施します。
 

男女平等(最終回)

男女がともに歩むまちに条例で啓発を促進


男女平等の理念を地域での生活の場面で具体化すること。それは自治体の重要な役割だ。先進的な条例が注目されている福岡・福間町を訪れた。


福間町職労の原田正明委員長
●福間町職労の原田正明委員長。今回の条例のことでは「組合は何もせず見守っただけ」と言う。「福間町では、職員採用の面接に職員代表として委員長が加わったり、人材登用で組合が意見を言うなどの労使慣行がある。こうしたことが間接的にプラスに働いたかも」と控えめなコメント。

「事業者等が町と工事請負などの契約を希望し業者登録をする場合、男女共同参画の進捗状況を届け出なければならない」。
 「福間町男女がともに歩むまちづくり基本条例」の第6条第3項の文言だ。今年4月1日から施行された。

画期的と言うけれど「当たり前」のこと

 「様々な反応があり、『そんなすごいことしたのかなあ』と思ったくらい。たいしたことではなく当たり前のこと」と、条例づくりに事務方として関わった企画調整課・男女共同参画係長の福田慶子さんは言う。
 条例原案を討議した女性問題審議会(現在は男女共同参画審議会に改称)の委員たちと「どうせつくるなら個性的な条例を」と話すうちに、「事業者の職場の女性の状況なども知りたい」などとといった問題意識を条例につなげてみよう、ということに。条例の前文もデアル調でなく、親しみやすいようにとデスマス調にした。
 議会では議員20人のうち7人の女性議員は会派を超えて賛成で一致。採決で反対した議員は4人。全員が男性だった。「第6条の目的は事業者への啓発。地方自治法の変更ではなく補完」と福田さんは強調する。
 この4月以降、これまで1386件の事業者登録があった。いずれも条例が求める「男女共同参画推進状況報告書」が記入され提出されているという。報告書の記載項目は、女性従業員の数や育児・介護休業の取得状況、仕事と家庭の両立支援策など、ごく簡易なもの。「報告書に不備があれば業者登録できませんが、簡単な報告書なので負担はないはず」と福田さんは言う。

男女平等の推進はまちづくりの柱

左から、福田慶子さん(男女共同参画係長)、白石智子さん(同係員)、藤井佐恵子さん(町職労女性部副部長)
●左から、福田慶子さん(男女共同参画係長)、白石智子さん(同係員)、藤井佐恵子さん(町職労女性部副部長)

 福間町の男女共同参画の取り組みの端緒は93年に遡る。庁内に女性フォーラムが設置され、担当係長(男性)と女性職員8人で研修会や職員意識調査などを重ね、報告書を作った。96年に発足した女性問題審議会は、この報告書を素材に討議し、男女共同参画施策を答申したのが98年3月。現在、「男女共同参画プラン・ふくま」として実施され、今年から後期計画年度に入った。
 また町が現在進めている「4次総合計画」にも、その柱の部分に「男女がともに歩むまち」の項をすえ、「プラン」推進を掲げる。
 福間町では取り組み開始の早さに加え、熱意もすごい。条例制定に向けた住民意見の反映のため昨年8月に開いたシンポジウムには370人が参加。住民数が4万2千人弱の町でこの人数は、さすが。職員向けの条例学習会には全職員の81%が参加した。
 住民の意識はどう変わってきたのだろうか。「子育て支援の『エンゼルプラン』策定のためのアンケートに、『あなたは子どもを健やかに産み育てるため、どのようなことが必要と思いますか』という質問があります。回答項目では『男性も女性と一緒に家事、育児に参加していくという考え方を広める』が1位でした。これを見たある方が、『男女共同の考え方が行き届いてきましたね』とおっしゃいました」と福田さん。「福間は来年に『男女共同参画都市宣言』をする予定です。基本条例は行政主導でしたが、住民とともに宣言できるよう、どう取り組むがが課題です」と意気込む。

●福間町広報誌の最終項は男女平等の企画の連載にあてられる。記事は毎年4月に町立図書館で行う男女共同参画に関する本の紹介コーナーのお知らせ。なお今年の重点課題はジェンダー教育。小中学校と幼稚園に推進委員を置く。


男女平等(第2回)

継続した実態調査と自己改革でステップ・アップ


職場の男女格差の撤廃と運動プロセスへの女性の参画は、男女平等産別統一闘争の大きな柱だ。6月の取り組みに燃える、岐阜県本部の活動について聞いた。


坪井さん(右)と三尾さん(左)
●男女平等のガイドブック「Let's Step Up」を手に。坪井さん(右)と三尾さん(左)。

 「係長に女性が1人もいなかった町の町長に、女性登用を3年間求め続けました。最初の申し入れのとき、その町長に『ウチにはそんな資質のある女性職員はいない』と言われ、くやしかった。次の年の申し入れでは、保健センターに女性係長が。お礼を言ったら『専門職だから』と、町長。その次の年には、その町長は『次の異動を見てくれ』と言いました。一般行政部門に3人の女性係長が生まれ、継続した取り組みの必要性を実感しました」。岐阜県本部副委員長で、県本部「男女平等産別統一闘争委員会」の委員長を務める坪井弥栄子さんは言う。
 地道で継続した取り組みは、岐阜の地で着実に成果を生みつつある。

データが語る「男女格差」

 岐阜県本部では毎年の単組賃金実態調査に、4年前から男女別比率の項目を盛り込んでいる(左図)。上位級に女性がほとんどいないのは、昇進格差を如実に物語る。確定闘争の交渉では県本部が単組を巡回。当局にこの資料を示して是正を迫る。この資料を見た女性組合員も、男女格差の現実をリアルに知り、「やっぱりおかしい」と気づく。
 「今年は、過去5年にさかのぼって職種別に採用者の男女比を調査しています」と県本部書記長で「闘争委員会」事務局長の三尾禎一さんは語る。「女性職場」「男性職場」の垣根を両側から越える運動の根拠データが作られる。

級別・男女別在職者数

「参加」促す運動の改革

 岐阜県本部が「女性参加推進計画」を作ったのが97年。自治労が初めてこの方針を打ち出した年だ。
 改革は、県本部大会への「クオーター制」の導入だった。単組ごとに女性代議員数を割り当てるこの方式は、「最初は一部にとまどいがありましたが、今は定着しています。公務員は条例などで定められた社会で働いているから、漠然と女性参加を求めるより、割り当て方式はかえって受け入れやすいのかも」と三尾さんは言う。
 県本部の主催する各種のセミナーも「推進計画」に引き続く2000年10月からの「男女がともに担う推進計画」にもすべて位置付け、女性の積極参加を呼びかける。女性が参加しやすい環境整備や課題設定、運営の工夫もしている。
 年2回開く「レディース・フォーラム」は講義の聞き放しでなく、グループ討議の参加型を中心に。昨年7月には「グループごとに要求書を作って発表した。不満を話すだけでなく、解決に結びつけることが必要。要求書を自分たちで作ることで、『自分たちで出来た』という達成感がある」と坪井さん。また、「グループ編成も色々試しましたが、年齢も職種も混合の方が発見があって面白いという参加者の評価」と話す。
 女性の意識改革にも意欲的だ。昨年の女性組合員意識調査では、自分の仕事を「男性に負けていない」と61・3%が回答。しかし自分の昇進・昇格は「今のままでいい」が56・2%という結果に。「賃金格差の実態を当局に突きつけると、このアンケート結果に現れている傾向を当局が指摘する」と三尾さん。「女性のお茶くみも、女性の先輩が若手に求めているケースが多い。こうしたことも組合員に率直に話す」という。

6月は男女同数の交渉団で

 今年4月24日、岐阜県本部は執行委員会で、6月の男女平等統一闘争の行動計画を決めた。5月16日の単組代表者会議は各単組男女1人ずつの参加を要請。6月3日から全単組オルグを行う。また県本部は、知事、市長会長、町村会長、首長、理事長への申し入れも。「単組で男女同数の交渉団が、首長に向かって交渉することが獲得目標」と、坪井副委員長と三尾書記長は強調する。





●ポジティブ・アクションのためのワークシート