未来を見据え、持続的で安定的なサービスの提供をめざし、水道・下水道集会を開催

公営企業評議会は、4月18~19日、山口市湯田温泉にて、水道・下水道集会を開催した。37県本部から集まった240人の参加者は、シンポジウム、分科会を通して、人口の減少が進み、水道・下水道事業が、普及・拡大から維持・管理、さらに効率的経営の時代へ転換期を迎えるなかで、サービスを持続的・安定的に提供するために、災害対策など直面する課題ついて議論した。

 

「地方公営企業会計とこれからの上下水道を考える」と題して行われたシンポジウムでは、パネリストに、簡易水道事業を行う小規模自治体から、北海道京極町の山崎一雄町長、総務省公営企業課で会計制度見直しの制度設計を担った、脇雅昭神奈川県県民局国際課長、実際に会計制度見直し作業を現場で進めた、地元山口市上下水道局の北川喜久総務課長を迎え、会計制度見直し、簡易水道や下水道事業の地方公営企業法適用など、水道・下水道の持続的事業経営について議論した。山崎町長は、委員として参加した、総務省の地方公営企業法の適用に関する研究会とその報告について説明し、研究会では、簡易水道事業を担う自治体の立場から、法適化には弾力的対応ができる制度設計を、議会の議決・条例による従来の特別会計継続など例外適用を、などと意見反映したことを述べ、「小規模な自治体では水道・下水道事業は町全体の行政運営・予算のなかで行っている。自治体は規模も事業体の経営形態もさまざまなので、政府はすべてを一律に法適化するのではなく、もう少し自治体を信用して任せてもよいのではないか」と訴えた。また、会計制度の見直しについて説明した脇課長は、「効率的な経営の時代を迎え、より健全な経営とノウハウの維持継承にむけて、民間企業の会計基準を活用し、より実態に近い正確な財政状況の把握をめざし財務諸表の見え方を変えたことにある」と述べた。さらに北川総務課長は、「今回の会計制度見直し作業では、利益増加による事業報酬の考え方の整理や予算決算時の事務量の増加への対応と担当者のレベルアップが課題となった」と述べ、さらに、財務諸表で損益等が明確化されたことにより、現在の経営状況や料金改定について市民や議会への説明に、より効果的に活用ができると評価した。また今後、大都市圏だけでなく地方の実態を見据えた制度設計を望む、と述べた。

その後、千葉水道部会長、石川下水道部会長より部会の活動報告、山本局長より基調提起がされた。

 

2日目は、水道、下水道、共通課題の3つの分科会に分かれ、議論を進めた。水道の課題を検討する第1分科会では、厚生労働省水道課の日置課長補佐による、「地域水道ビジョンの策定について」と題した講演を受け、第2分科会では、山口市上下水道局により、山口市の下水道事業の現状と課題について報告を受けた。さらに第3分科会では、上下水道の組織統合と労働組合の組織化等について、川崎市、山陽小野田市、奈良市の事例報告を受けて、課題を検討した。

また、3つの分科会とも分科会後半には、現在改定作業を進めている「公企労働者の権利Q&A」の設問と回答について検討し、集会を終えた。

この集会を通して、議論した内容を各職場で実践的に活かすことを期待する。