【インタビュー】臨時・非常勤等職員 図書館職員に聞いてみた。

今回は、臨時・非常勤等職員の立場から図書館職員のユミコさんにインタビュー。

図書館職員になった経緯や仕事内容などについて伺いました。

 

 

Q1:【志望動機、きっかけ】

子育てがひと段落し、子どもの頃の夢を再び追うことを決めました

 

A1:私の夢の職業は「図書室の先生!」。小学2年生まではとても病弱で(誰も信じてくれませんが)、本を読んで過ごす毎日を過ごしていました。学校をお休みするときは必ず母が本を買ってくれて、私にとって本はとても身近な存在だったんですね。すっかり元気になって、本の魅力にとりつかれた私は、学校に行くと図書館に入り浸る日々。1年で何百冊という本を読みました。図書館のはじからはじまで、それこそ図鑑から国語辞典に至るまで、読み尽くしてきたんです(笑)。先生が薦める色々なジャンルの本を読み、先生と交わす本についての会話も楽しく、ますます本が好きになりました。

 

大学では教員資格を取得したものの、専門職としての学校図書館司書採用は、ほぼ皆無の状況。大学卒業後は民間企業に就職し、図書館で働くとは夢にも思っていませんでした。40歳になって家事や子育てがひと段落し、ふと立ち止まってみたんです。「人生80年、残りの人生はやりたいことをやろう」、「社会の一員として働きたい!」という強い思いから一念発起。どうしても図書館で働くことが諦めきれず、市の図書館嘱託員採用試験を受験し、非常勤職員として採用されました。その後、3ヵ月間大学に通い、猛勉強を経て司書資格を取得しました。非常勤職員の募集でも、図書館で働きたいと希望する人で、全国からの応募があり、倍率は高く狭き門となっています。

 

 

Q2:【仕事内容】

本の情報だけでなく、世の中のあらゆる知識を持つ仕事

 

A2:カウンター対応、本の選定、児童サービス、レファレンスサービスなど業務は多岐にわたります。カウンター対応はみなさんも想像がつくと思いますが、本の貸し出し業務です。本の選定は、図書館に置く本を選定する業務。新作を一冊ずつチェックしながら、本を購入するかどうかを会議で検討していきます。

 

レファレンスサービスとは、調べものをするサービスのこと。図書館には、日々たくさんの質問が寄せられます。例えば、「どの本がおすすめですか?」、「子どものころ読んだこんなあらすじの赤い表紙の本のタイトルは?」、「植木鉢に生えてきたキノコの種類を知りたい」、「ブーメランの作り方は?」、「古文書を読み解きたい」、「自分のルーツを探りたい」など、本当にさまざま!私たち図書館司書は週に何百冊も入ってくる新刊書をザッとチェックしているので、どの本に何が書いてあるかは大体把握しています。利用者の方に「この本にはこう書いてありますよ」と紹介しながら、ありとあらゆる「なぜ?」「どうして?」に答えていきます。中には、何ヵ月もかけてチームで答えを探っていくケースもあり、「これだ!」という答えが見つかったときは嬉しいです。

 

その他にも、赤ちゃんや小学生向けに本の読み聞かせを行なったり、映画鑑賞会やお祭りなどのイベント開催、中高生向けの図書館オリエンテーションや職場体験、大学生の研修を行なうこともあります。業務内容としては、本当に幅広いんです。

 

 

Q3:【良かったこと・嫌だったこと】

利用者とのやりとりやコミュニケーションから、やり甲斐が生まれます

 

A3:利用者の方に感謝されること、人の役に立てることが嬉しいですね。「紹介してくれた本、面白かったよ」、「貸してくれてありがとう」と言葉をかけてくださる方もたくさんいらっしゃいます。特に印象深いのは、0歳児からのお話し会を開催したとき。不安を抱えて子育てをしているんだろうなというお母さんがいらっしゃって、はじめは沈んだ表情だったけれど、一緒に本を読むうちに心から癒されている表情に変わっていったときは、私も嬉しく思いました。図書館に来て少しでも心が安らいでくれたんだな、と。利用者の方々との日々のやりとりやコミュニケーションの中から、仕事の喜びを感じています。

 

仕事の厳しいところは、図書館利用者を増やすこと。私の働く市ではなんと図書館を利用している方は、市民全体の1/4しかいないんです。それでも全国に比べるとかなり利用度は高いほうで、利用されている方はみなさん熱心に図書館に通ってくださっていますし、新しい図書館のオープンも予定しています。図書館カードを持っていない、図書館に行ったことがないという方に足を運んでいただくのが一苦労。例えば、小学校に行って読み聞かせをしたり、図書館利用の入門講座をしたり、団塊の世代の方々とコラボレーションしたり、映画鑑賞会やお祭りなどのイベントを開催しながら、図書館利用をPRしています。利用者の方の要求もどんどん高くなっているように思いますね。その対応が大変だと思うこともあります。図書館の席とりで揉めたり、「ここにソファを置いてほしい」と言われる方がいたり。全ての要望に答えていけないのが心苦しいところではあります。

 

 

Q4:【イメージとのギャップ】

非常勤職員が安定的に働きにくいという現状を知りました

 

A4:図書館司書として本に囲まれて働くという、子どもの頃からの夢を叶える事ができ、毎日が充実していますね。この仕事に就いてはじめて知ったのは、正規職員と非常勤職員の差。なんと、67.8%が臨時・非常勤職員で構成され、図書館サービスの基幹的な部分を担っているんです。(「自治労2012年度自治体臨時・非常勤等職員の賃金・労働条件制度調査結果」より)私も非常勤職員ですが、仕事の内容は正規職員とほぼ同様で、図書館業務全般に関わっていますし、図書館の今後を考えるといった重要な会議にも参加しています。責任のある仕事を任せてもらえる環境はとても刺激的でやりがいがあります。ですが、正規職員と比べると待遇の格差や雇用の不安定さがあり、まだまだ安心して働き続けられる制度が整っていないというのが実情です。

 

正規職員として図書館で働くのも大変で、自治体で採用されても必ずしも図書館で働けるとは限りません。図書館で働きたいという人は、専門職として採用される図書館の非常勤職員をめざす人も多いんです。中には、非常勤職員としてスタートして、正規職員になる人もいるのですが、その道はとても狭き門。やり甲斐のある仕事だとは思いますが、待遇や雇用の面で安心して働ける職場作りが急務となっています。

 

Q5:【一緒に働きたい人は…】

魅力的なのは、チームワークを大切にしてくれる人、未来を見据えて働ける人

 

A5:図書館で働きたいという人は、本が好きという人が多いと思うのですが、人が好きであることも重要ですね。日頃からコミュニケーションを取りながら、信頼関係を築いてくれる人だと嬉しいです。利用者の方とは日々やりとりがありますし、図書館の仕事はチームで動くことが多いので、協調性が求められるんです。特にカウンター対応では、職員同士の連携が命。本の貸し出しをする人、利用者の質問に答える人、お互いのアイコンタクトだけでスムーズに仕事が回るときも多いんです。利用者の方が何をしたいのか、何に困っているのかを察知し、サッと機転を利かせて動ける人とは、一緒に働いていて気持ちがいいですね。

 

あとは、先を見据えて動いていける人。特に非常勤職員だと、将来が見えなくなったり、生活が不安になったりすることも多いと思うんです。その中でも、理想の未来を思い描いて、前向きに仕事に取り組んでくれる人だといいなと思います。ここで経験したことは決して無駄にはなりません。例えば、他のキャリアを選んだとき、また結婚して家庭を持ったとき、さまざまなシチュエーションで活きることもあるはず。それを信じて頑張れる人だと嬉しいです。若くて可能性に溢れた人たちが、少しでも長く働ける職場を作っていくこと。これが私の役目だと考えています。

東京都 図書館司書 ユミコさん

岡山県生まれ、現在は東京在住。小学校の図書室の本を片っ端から読むほどの本大好き少女!私を本の世界に誘う「夢先案内人」のような図書司書の先生に憧れ、将来の夢は図書館司書!と思っていた。しかし、大学卒業後はハウスメーカーに勤務。結婚により東京都西部の市に移り住む。2001年、長年の夢だった図書館司書として、市立図書館嘱託員に採用され、現在に至る。