【自主レポート】

第33回愛知自治研集会
第1分科会 自治体の「かたち」を変える

 網走市内では四季折々のイベントが数多く開催されていますが、その多くで自治体が様々な形で関わりを持っています。本レポートでは、数あるイベントの中から特徴的なものについて取り上げ、私たちの各イベントへの関わり方(市民・市職員・組合員等)、市民との関わり方についてまとめ、まちづくりや市民との協力を考えながら組合活動につなげていくことを議論していきたいと思います。



網走市職員のイベント参加と協働のまちづくり


北海道本部/網走市役所労働組合・自治研推進部

はじめに

 網走市はオホーツク地域の中核都市として、四季を通じてイベントの多いまちです。5月は「名勝・天都山さくらまつり」、6月は「オホーツクあばしりツーデーマーチ」、7月は「オホーツクあばしり夏まつり」、「オロチョンの火祭り」、8月は「豊郷神楽」、「網走神社祭」、9月は「七福神まつり」に「さんご草まつり」、「フラワーガーデンはな・てんとまつり」、「網走一番 秋まつり」、10月は「モヨロの夜祭り」そして、2月には「流氷まつり」と月を代表するイベントを挙げるだけでも事欠かないほどです。
 各イベントは担当する部署(課・係)が準備段階から事務局や実行委員として関わることはもちろんですが、市職員という枠の中で各種イベントへの参加協力も行ってきています。
 その参加協力体制は、組合の活動としての取り組みから、連合傘下の単組としての協力、一市民の立場としての協力まで様々ですが、市職員としての自覚のもと多くの組合員の参加があってイベントが成立していることも事実です。
 現在のところ自治研活動の一環と位置付け取り組んでいるものはないのですが、市職員の立場で継続して取り組む姿勢が、自治研活動の基本中の基本であることから、今回、網走市職員のイベントへの参加協力の一部について紹介したいと思います。

1. フラワーガーデンはな・てんとへの参加協力

 「フラワーガーデンはな・てんと」は、網走湖を一望する網走レイクビュースキー場の山頂ロッジの緩やかな斜面約3.5haを活用し、毎年、6月から10月にかけて市民や市内の企業・団体の手によって管理される市民ガーデンです。2001年から市観光課が市民の手で新しい観光地を作ろうと企画した事業で、現在、サルビアやマリーゴールドなど約9万本が担当する企業や団体ごとに区割りされた畑ごとに管理されています。

 
2010年6月19日の作業の様子

 市職員の参加協力は、当初より実施され、現在では全面積の約10%程度、約0.4haを担当しています。月に一度程度の活動ですが、月末の土曜日の早朝約2時間程度、全庁的に呼びかけ毎回40人程度の職員が除草や水やりなどの管理を継続し、8月から10月にかけ色鮮やかな花を咲かせ、観光客や市民に喜ばれています。
 また昨年より、網走地区連合もフラワーガーデンはな・てんとに参加協力しており、一区画を担当しています。網走市労連としては、地区連合の区画に、月に一度程度、執行委員を中心に組合員を派遣し、他単組の方たちと一緒になって花の管理を行っています。
 フラワーガーデンはな・てんとの活動を通じて、日頃接することの少ない職員同士の親睦や他単組の組合員との親睦が図られているのと同時に、市民と一緒になったガーデンづくりを通じ、組合の活動を市民に認めてもらうことにもつながっています。

2. あばしりオホーツク夏まつりへの参加協力

 
2010年7月23日の千人踊りの様子 

 「あばしりオホーツク夏まつり」は、今年で64回目を迎える網走の夏の定番イベントです。例年、千人踊りや花火大会が催され、近隣市町村から多くの観光客を迎えるイベントです。主催は商工会議所や商店街振興組合が中心となる実行委員会ですが、毎年、網走市役所として千人踊りへ参加協力を行ってきています。最も多くの踊り子が参加する団体として例年イベントを盛り上げ、イベント後は、繁華街へ繰出すことも恒例となっています。
 網走市役所として管理職も組合員も一緒になって参加協力を行っており、市民に顔が見えるイベント参加として定着しています。

3. 健康まつりへの参加協力

 
2009年10月4日健康まつりスタート 

 「健康まつり」は、市民を対象に健康や食生活について考えてもらうイベントとして、1994年から市内の健康団体や食育団体が中心となって、毎年、9月に実施されるイベントです。このイベントへは、網走市労連現業評議会の給食部会が中心となって2006年より参加してきています。参加へのきっかけは、学校給食の自校方式を堅持する網走市の給食をもっと市民に知ってもらおうという思いから始まりました。
 例年、こどもたちにも人気の「スペシャルカレー」や「ホワイトゼリー」、「揚げパン」などを出品しており、試食した市民からは「美味しかった」「学校給食は大切」「網走の給食を守って」など好評を得ており、感想を直に聞くことができました。
 組合単独のイベントへの参加は、実はこの健康まつりが初めての参加でした。組合活動が市民に見えるこの種の参加協力は大変意義あるものと考えています。イベントを盛り上げるのと同時にこちらが意図する目的も達成するという意味合いのもとで互いにメリットを得る取り組みとなっています。

4. オホーツクあばしり流氷まつりへの参加協力

2010年2月の流氷まつり雪像
(網走市教育委員会) 
 

 網走を代表する祭「オホーツクあばしり流氷まつり」は、今年で45回目を迎えた歴史と伝統のある冬のイベントであり、毎年2月に開催されています。例年、網走市労連としては、網走地区連合の傘下単組として大雪像づくりに参加しています。
 また同時に、市役所の各部単位で雪像づくりにも参加しています。過去には、全部局が参加していた雪像づくりですが、ここ最近は職員数の減少等もあり、一部の部や同期会などのチームのみの参加となっていました。今年は45回という節目の年であり全庁的に参加しようという機運のもと、ほとんどの部局が参加体制を整え、力を合わせて雪像づくりを行いました。結果、教育委員会がデザイン賞を受賞する快挙を果たし、市民からも市職員の活躍が讃えられました。
  流氷まつりでの雪像づくりは、北国「網走」ならではのイベント参加の典型ともいえます。今後も雪像づくりへの参加を通じて組合活動の一端が市民の目にも留まるよう活動を継続して行きたいと考えています。

おわりに

 今回紹介したイベントへの参加協力は、組合員が参加している各種イベントの一端でしかありません。この他にも、組合員が参加協力しているイベントは、各種ゴミ拾いや芸術文化事業など多岐に渡っています。それぞれのイベントに参加協力している組合員は、ある場面ではそのイベントの中心となり、ある場面ではサポーターとなり、市職員としての自覚とまちを盛り上げようという一念のもと参加協力を行っています。
 自治研活動として、議論の中から一つの方向性を見出し、組合が行う活動としてイベントへの参加協力体制を構築して行くのが理想であり、網走市労連自治研推進部としてもそうした取り組みを実践していかなければならないと自覚しています。しかしながら、様々な組合員の活動が市民との「協働」を生み出し、まちづくりに貢献していることも事実です。自治研推進部としては、そうした組合員の活動をサポートしていくこともまた自治研の役割とも考えます。さらに、網走市労連現業評議会が実践する「市民健康まつり」への参加は、自らの存在意義と学校給食の大切さを訴える良い機会となっており、組合活動がイベントを盛り上げるのと同時に学校給食の大切さや自らの職場を守るアピールにもつながっています。
 網走市労連自治研推進部として、現業評議会が取り組む活動に学び、地域の活動やイベントに組合活動として、継続的に参加協力できることについて、今後議論していきたいと思います。