【自主レポート】

第33回愛知自治研集会
第13分科会 温暖化ガス25%削減 地域での可能性を模索する

 一般家庭からの適正なごみの排出は、循環型社会を形成、促進する上で重要な役割を果し、それはまた、住民の意識(モラル)と協力によると共に、大きな役割を果たすと言えます。本レポートでは、それに対して自治体が担う役割と責任を果たし、また、自治体職員だからこそ行える活動(サービス)を模索する観点から、啓発活動の一環としての以下の活動を提起します。



幼児期からの環境教育により培う、
住民がごみにやさしい街づくり

石川県本部/金沢市従業員労働組合

1. はじめに

 自治体のはたす役割、責任の一つとして、環境問題は重要な一つにあげられると思います。
 その中において、一般家庭からの適正なごみの排出は、循環型社会を促進する上での、廃棄物の発生抑制やリサイクルの推進を図る取り組みとして、非常に大きな役割を果たします。
 またそれは、住民一人一人の意識(モラル)と協力により行われ、住民全員が携わることからも、循環型社会を形成する上での重要な役割を果たすと共に、自治体においてもその意識の向上を図ろうとする事は、環境問題に対する責任の一つと言えるのではないでしょうか?
 このような状況を踏まえ、金沢市従業員労働組合(青年部)においても自治体の中においての役割と責任の一端を担う立場として、日々従事している清掃業務に加え、以下のような新たな活動に取り組んでいます。

2. 環境紙芝居とごみ収集者の機能説明(活動1)

目的  循環型社会の促進を図る観点から啓発活動の一環として、次世代の担い手であることと、また家庭内全体における意識の向上にもつながるという思いから保育、幼稚園児を対象とし、より楽しく興味もって考えてもらうため、紙芝居を用いてリサイクルの必要性や分別の大切さを訴える。

<紙芝居の内容>
 ごみ収集車のパッカーくんがごみを荒らすザンパンマンの悪戯に困ってしまいます。それを助けるためにリサイクルマンがやってきますが、分別されていないごみの前に力が出せず倒されてしまいます。主人公のゆう太君や町の人たちがごみを分けなおすことでリサイクルマンが復活し、みんなの協力でザンパンマンを追い払うという内容で、ごみの分別やリサイクルなどについて一緒に考えてもらいます。

<園児参加のクイズで分別にチャレンジ>
 実物のごみサンプル等を使ってのごみの種類当てクイズをします。リサイクルやごみの分別を楽しく勉強することを目的として、紙芝居に関連性をつけることで園児を飽きさせないことも考慮し、紙芝居の途中でクイズ形式の分別体験をします。


<実際のごみ収集車を使ってごみ収集の実演>
 安全を充分に確認した上で収集車を使っての機能説明、ならびにごみサンプルでの収集作業を見てもらっています。収集車とその機能を見てもらうことにより、よりごみに対しての興味も高めてもらえればと思っています。


 園児たちには、紙芝居を見て一緒に勉強してくれたお礼と、今後もごみに対して思いやりをもって接してほしいという想いから、組合員で手作りしている収集車のパッカー君のマグネットをプレゼントします。



3. ダンボール・コンポスト(活動2)

目的  ごみの減量(再利用)の促進を図る意味での模範的活動の一つとして、ダンボール箱を容器として用いて、生ごみを分解する堆肥を作り、庁舎内で出る生ごみ(一部)の減量化を図ります。又その堆肥を利用し、植物や野菜などの栽培に活用します。



 この取り組みについては、住民に対しての直接的な活動ではありませんが、ごみの排出抑制及び、生ごみを堆肥に変えて有効活用するという、家庭内で行えるリサイクルの取り組みとしての模範的活動になればと思っています。また今後、このダンボール・コンポストの活動により出来た植物の種などを、紙芝居を観て頂いた園児等にプレゼントすることにより、この活動を住民に知って頂くと共に、家庭内での環境に対する活動の呼びかけにもなればと思っています。

4. 活動の課題と展望

 この「環境紙芝居」と「ダンボール・コンポスト」の2つの活動は、現在ボランティアとして行っています。
 この活動(環境紙芝居)を、自治体の取り組み(公共サービス)として取り入れ、住民への啓発活動の一環として行うことは、自治体だからこそできる取り組みとして、地域に対して自治体が担う役割の1つを果たすと言えるのではないでしょうか?
 そしてこの活動を通して、自治体と住民が協力した“ごみにやさしいまち”づくりに繋がればと思うと共に、我々金沢市従業員労働組合(青年部)においても、今後も住民の意見などを取り入れながら、住民に必要とされる活動になるよう努めていかなければいけないと思っています。