【自主レポート】 |
第38回地方自治研究全国集会 第11分科会 青森で探る「自治研のカタチ」 |
本単組の自治研部では、組合員自らが地域活性化や地域課題の解決など、各業務内容をより良くすることを目的に企画した学習会に対して、経費を補助する取り組み(自治研活動支援事業)を実施しました。本レポートでは取り組みについての経過報告と、取り組んだことによる効果について報告します。 |
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1. はじめに あさぎり町役場職員組合自治研部では、2019~2020年度に組合員自らが地域活性化や地域課題の解決など、各業務内容をより良くすることを目的に企画した学習会に対して、経費を補助する取り組み(自治研活動支援事業)を実施しました。そこで、これまでの自治研部の取り組みについて報告させていただきます。2. 自治研活動支援事業の立ち上げに至ったきっかけ 本事業に取り組んだきっかけについて述べます。これまでの自治研部の予算執行率は16%程度でした。理由として、自治研活動は幅広く学習会等のテーマが絞りづらかったことがあります。また、他の女性部や青年部等のように複数の組合員で構成されている部ではなく、当時は部長一人だったため、業務が忙しくなると思うような活動ができていませんでした。 一方で、ホワイトボードミーティング研修など、自治研活動として捉えられる職員の自発的な学習会が実施されていたり、防災や地域づくりなど、担当部署に関係なく職員研修の必要性を感じている組合員から、学習会の要望があがるようになりました。 そこで、自治研部が主体となって自治研活動を実施するのではなく、自治研活動として捉えられる組合員の活動を支援する方が、より効果的、効率的な予算執行が図られるのではないかと考え、本事業に取り組むことになりました。 3. 自治研活動支援事業に取り組むまで (1) 自治研部体制の見直し2019年度から、新たに副部長を加えてほしいことを執行部に相談し、2人体制で活動ができるようになりました。2人体制になったことで部としての活動について話し合いができるようになりました。 (2) 本事業実施要項の作成 実施にあたり、事業内容や補助対象経費、申請手続きなどを明記した要項を作成し、執行委員会で説明、実施することに承諾をもらいました。 4. 自治研活動支援事業の1年目の取り組みについて (1) 自治研部学習会の開催組合員に、事業内容を説明する機会をつくることとあわせて、自治研活動について知ってもらうための学習会を企画しました。講師に、地区支部の前自治研部長のKさんにお願いしました。Kさんから、これまでの自治研との関わりや、単組での学習会について、面白おかしく話をしていただきました。参加者からの感想は以下の通りです。参加した組合員から、下記のような感想が聞かれたのは、自治研部としてとても嬉しく感じたところです。
自治研部学習会開催後、組合員からそれぞれ4つのテーマでの学習会が企画・実施されました。
5. 自治研活動支援事業2年目以降の取り組みについて (1) 2019年度自治研活動支援事業取り組み報告会の開催2020年度も、組合員から多様な視点での学習会の企画・実施に取り組んでもらいたく、事業の説明と併せて、2019年度に取り組んだ4人の方からの報告会を開催しました。4人の方には、学習会の目的・概要・成果・反省点について報告をしてもらいました。 前年度の学習会では、見かけなかった組合員の参加も見られました。前年度に引き続き、講師はKさんにお願いしましたが、本単組の取り組みについて評価していただいたことは自治研部の活動として一歩前進出来たのではないかと感じました。 参加者からのアンケート結果は下記の通りです。
(2) 組合員自ら企画・実施した学習会~1年目との違い~ 報告会終了後、初めて参加した組合員から、学習会の企画書の提出がありました。前年度にはなかった取り組みとして、どの部署においても必要な業務("公文書作成""財務")についての学習会でした。基本的なことを共通事項として認識することで、どの部署に行っても悩むことの時間を削減できるのではないか、という思いでの企画でした。学習会のタイトルも「今さら聞けない"公文書作成""財務"の基本」で、講師もその業務を直接担当している本町の組合員で、快く引き受けてもらえました。 日頃の業務にすぐに活かせる内容ということもあり、これまで参加したことがなかった組合員の参加や、40代の参加が多くみられました。終了時刻を過ぎても、講話後の質疑が絶えず、迷いや悩みがありながらも日頃は聞けずにいる結果ではないかと思いました。 (3) 自治研部学習会からの発展 「今さら聞けない"公文書作成""財務"の基本」を実施後、数人の組合員から「参加していない職員にも学んでほしい」「どの部署においても必要な内容なので、昼間(業務中)の職員研修として開催してほしい」という声があがりました。 執行部に相談したところ、今年度の独自要求書に「業務に必要な研修会(公文書作成や財務等)は、どの年代においても定期的に開催すること」と盛り込んでもらうことができました。回答はまだですが、自治研部から組合全体の活動につなげることができたのではないかと思います。 6. 自治研活動支援事業の立ち上げによる波及効果と、今後の自治研部としての取り組みについて 自治研活動支援事業の立ち上げによる効果として、①業務や担当課が全く違う職員同士で、色々な考えや思いを語り合う機会ができた。 ②いざという時、将来を見据えた時、起こりうることをたくさんの職員で事前に考えることができた。 ③職員自身の学びとして実施した研修から、実際の業務(対住民)に活用することができた。 ④企画した人も目的も違う4つの学習会であっても、報告会という形でまとめを行うことで、自治研活動に関心を持ちはじめる組合員が増える。 ⑤個人の日頃の業務における思いや悩みを、学習会という形にすることで、他の組合員にも共通する悩みであることがわかり、組合全体としての活動につなげることができた。 の5点が挙げられます。 本単組の取り組みは、先進的に取り組まれている自治研活動にはほど遠いことかもしれませんが、まずはいろんなテーマの学習会を通して、職員同士の対話の場を積み重ねて実施していくことを、継続していけたらと思っています。また、組合員の中には、業務の忙しさなのか、置かれている立場からか、「学習会をやりたくてもやれない」と思っている人もいるため、自治研部が主になって企画したほうがいい内容は、組合員の要望を把握しながら実施していきたいと考えています。 今年は新型コロナウイルスの影響により、思うように学習会が開催できていません。しかし、世の中を見てみると、Zoom等Webでの研修会も増えてきました。自治研部の学習会も"新しい学習会様式"としてZoom等の活用ができれば、もっと活動の可能性が広がり、参加者も増えるのではないかという気がしています。 まだまだ本単組としての取り組みは今からですが、自治研部として一歩前進できたのは、副執行委員長(前自治研部長)をはじめ、執行部および組合員、講師を引き受けていただいたKさんのご理解とご協力があったからだと思っています。ここに感謝申し上げます。 |