【自主レポート】

第34回兵庫自治研集会
第10分科会 「地域力」「現場力」アップにむけた学び合い

みなと総局職場の活性化にむけて


兵庫県本部/神戸市従業員労働組合・港湾支部 山田 浩之

1. はじめに

 神戸市には、古くから国際貿易港として、国内外の数多くの物や人の流れとともに発展してきた神戸港があり、最近では国の国際戦略港湾として大阪港・神戸港を阪神港として位置づけ、更なる飛躍をしようとしているところです。また空の玄関口として、人工島のポートアイランド沖に、‘マリンエア’の愛称で親しまれる神戸空港が2004年2月に開港しました。市民約160万人が住む国際色豊かな都市‘KOBE’です。
 神戸市みなと総局は、旧港湾局と旧開発局の統合により出来た局で、その事業は、港の沿岸部から住宅団地の内陸部まで広範囲に及んでいます。
 また、ここで想定される非常事態としては、船舶の衝突、油の流出による汚染などの事故や密輸、密入国などの犯罪、さらにはテロ行為などの港湾施設や船舶に対する危害行為、海外からの病原菌などの侵入、自然災害の地震や津波、高潮など極めて多岐にわたっています。
 私たち神戸市従港湾支部は、日常の業務と防災に関する取り組み、現業活性化に向けた取り組みの一例について報告します。

2. 日常業務について

 ここでは、港湾の緑地管理(公園・緑地・港湾道路)と港湾施設の維持、小修繕などを行っている神戸港管理事務所工務課保全係について説明します。

① 班員は、作業を伴う自動車運転手2人と土木工手5人の計7人の1班体制です。
② 作業車(直営使用分)は、クレーン付の大型ダンプ1台、4tトラック1台、2tパッカー車1台、4輪駆動車1台です。
③ 現場は、おもにメリケンパーク、ポートアイランドの北公園・中公園・しおさい公園、ポートアイランドⅡ期のCATパーク、六甲アイランド、新港第1突堤~新港第8突堤間の幹線道路などです。
④ 作業内容は、港湾緑地の草刈り、芝刈り、低中木の剪定、中高木の枯れ枝や、折れた枝・幹の撤去、芽かき作業、花の植え替えを年2回(夏の花・冬の花)、灌水、施設の小修繕(公園内のインターロッキング舗装・ブロック・平板の張替え、側溝や雨水ますの修理、散水栓の設置、廃材を利用した公園ベンチやテーブル、花のプランターの作り換え)、機械類の整備(油脂類の交換・給油、清掃、部品交換や調整などの修理)、会計検査時に4t車で工事書類の般出入などを行っています。


3. 現業活性化について

 景気の後退と共に公務員を取り巻く情勢は年々厳しさを増し、草刈りや剪定だけを業務として行ってきた従来からの業務だけをやっていたのでは、今後私たちの職場は生き残れないということで、職場で議論が始まりました。

 

(1) 仕事のあり方
 まず、市民に安心してもらえる親切・丁寧なサービスと、公務員である責任感が大切。また仕事の質の高さも必要。緊急時など不測の事態に即対応出来る機動性などを発揮出来るように努める。

(2) 何が出来るか?
 例えば、労務職は民間経験者が多いので、過去の経験や知識を生かしたやり方などが出来る。時代のニーズに合った市民感覚の視点に立った業務を行うことが可能。

(3) 話し合い
 まず、自分たちは仕事をどうしたいか考え話し合う。他の関係部署とお互いの要望などについて連携をとる。班長を中心として、始業時に一日の段取りについてなど。終業時に一日の反省会として問題点の提起と今後の対策についてなど。毎月1回の係会議(事務所全員参加)での報告・連絡・相談と問題点について対策など定期的に話し合っています。少しでも連携が取れるように、些細なことでも協議するようにしています。

(4) どうすればいいか?
 従来から行ってきた仕事から、新しい事をすることに抵抗が出るときがあります。その原因の一つとして、得意、不得意があると思います。私たちは班で仕事をするので、出来る人が苦手な人に教える。今まで出来ていなかった従来からの業務のあり方を変え、人に伝えること(技術の継承)により、責任ある業務が出来る可能性が出来る。ただ業務を増やすことだけが目的ではなく、直営の総合力向上のために‘みんなで良いものを作っていこう’とそれぞれの班員が前向きに考えて日々の業務を行っています。

4. 防災について

 2004年に、台風の上陸が相次ぎ、神戸港の港湾施設・港湾機能に大きな影響を与えただけでなく、都市機能にも多大な影響を及ぼしました。これは、台風の規模が大きく、神戸港寄りのコースに加えて、阪神・淡路大震災による地盤沈下も影響して被害が大きくなったと思われます。また、港湾区域および海岸保全施設が未整備の地区における防災対策、体制があったことも一因です。
 神戸市みなと総局では、今後の台風などの自然災害に対処するため、これまで沿岸部に防潮堤や防潮鉄扉を整備し、台風に伴う高潮や地震による津波の被害を防止するべく体制を整えてきました。さらに2004年の台風による新港地区付近の浸水被害からは、内水排除施設を担当する建設局とも歩調をあわせ整備を進めています。しかし、施設の充実だけではこれらの災害を防ぐことは出来ません。気象情報を早く正確につかみ、迅速な情報伝達の上、鉄扉、水門などの施設の確実な開閉操作が必要となります。もし、被害が出ればいち早く状況をつかみ必要な措置をとることが肝要です。
 また、文部科学省が2004年9月に発表した「紀伊半島沖の地震活動の評価」によると東南海・南海地震の発生は、今後30年以内で60%程度と高い確率で予想されています。
 また、2011年3月11日に起こった東北地方大震災では、想定をはるかに超えた大津波が来襲し、甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいところです。
 現在、国や県で津波対策を中心とした防災計画の見直しが進められていますが、それを受けて各自治体が必要な対応が求められます。

① 神戸市従業員労働組合港湾支部の組合員のほとんどが、神戸市みなと総局防災組織計画に入り、神戸市の防災体制の一端を担っています。
② 海岸保全施設の数は、鉄扉204箇所、制水扉70箇所、角落15箇所、水門6箇所、ポンプ場7箇所、現在は計302施設あります。防潮胸壁など未整備箇所は、順次整備中です。

5. 最後に

 私たち自治体で働く公務員に係る役割や責任は、いつの時代も変わらないこと。しかし、市民ニーズに応えるべくいかに業務を行うかということを、考え行動するときが来ているのだと思います。より良い市民サービスの実現と、市民の生命、財産を守るために職務に取り組まなくてはなりません。
 神戸市従港湾支部は、自治労兵庫県本部に結集して、様々な課題に対し、全国の仲間とともに取り組んでいきます。