2003年6月21日 第1802号

東電の原発停止

脱原発へ
チャンス到来
エネルギー政策転換へ


現在、事故隠しの点検で東電の原発15基が停止。夏の電力危機が喧伝されている。脱原発の視点から、その対応を自治労脱原発ネットの末田一秀さんに聞いた。

かしこいライフスタイルで温暖化ストップ、脱原発社会を!
●自治労は、7〜8月を「省エネ月間」とし、節電・省エネ運動を展開する

 東京電力は事故隠しをきっかけに、点検・修理のため4月15日までに全17基の原発を停止し、一時的に「脱原発」の状況を生みました。(その後、一部再稼働)
 修理で配管は交換されていますが、炉心の部材はひび割れたままでも問題ないと主張されています。しかし、ひび割れを防ぐ方法が見つからないことや、ひび割れの測定法に問題があって、どの程度の割れか把握できないことなど、技術的な問題は何一つ解決していません。
 安全性に関する疑問が解消されないにもかかわらず、電力危機キャンペーンで運転再開を急がし、原発立地の自治体に犠牲を強いる動きには憤りを覚えます。

 

●原発依存が電力危機招く

 もともと原発は点検のために総停止せざるをえない技術で、今回の事態は原発に頼りすぎていたら電力危機を招くという警鐘です。
 しかし、この夏、原発停止で電力危機になるというのは正しくありません。電力不足とされるのが、一瞬のピーク需要であるからです。1日の電力需要は変動しており、午後の一瞬のピークに足りるかどうかだけが問題です。
 原発を停止している東電の供給力とされる6000万キロワットを超えたのは、一昨年と昨年に数日ずつ、合計しても年30時間未満です。このピークをつくり出しているのは主として業務系の冷房需要で、節電・省エネに努めればピークを抑えることができるはずです。
 電力自由化時代のコスト競争に勝たなければいけない電力会社にとっても、ピーク需要が伸びると普段は使わない設備をスタンバイさせる必要が生じるだけでひとつもいいことはありません。
 全国的には不況の影響もあり電気は余っています。ところが、日本の電力網は東電より東側が周波数50ヘルツ、中部電力より西側が60ヘルツの地域となっており、この境を越えては最大90万キロワットしか東西の間で融通できないのです。電力自由化にも対応できるよう周波数変換所や送電網を整備してこなかった失政が災いしているのです。

●原子力政策も構造改革を

 構造改革が言われる中、原子力政策だけが聖域ではないはずです。特に再処理が問題です。使用済み燃料から取り出したプルトニウムが既に38トン余りも貯まっています。北朝鮮の核武装で問題とされているよりも桁違いに多い量です。
 高速増殖炉「もんじゅ」の安全審査無効判決が出され、普通の原発で燃やすプルサーマル計画もめどが立たない今、プルトニウムの使い道はありません。プルトニウム抽出を