2008−2009年度運動方針
第2章 たたかいの指標と具体的進め方
1. 総合的な生活改善と賃金闘争の再構築
政府は、総人件費削減政策の名の下に、中立・第三者機関である人事院・人事委員会に対して官民(公民)比較方法の見直しを要請・強要するとともに、さらに地方公務員に関しては、地域の民間給与のさらなる反映とボーナスの支給月数の地域格差の反映を求めています。また、逼迫する自治体財政を背景とした独自の賃金カットを実施した自治体は過半数を超える深刻な状況となっています。これらの課題については、人事院・人事委員会勧告制度の限界性という権利面での対応もさることながら、公務と民間、雇用形態、地域間における賃金格差の改善、さらには自治体財政の確立と自治体職員の賃金水準の確保にむけた取り組みなど、総合的な観点に立った賃金闘争の推進が必要です。
公務・民間の垣根を超えた、社会的横断賃金を形成するため、臨時・非常勤等職員、パート職員などの賃金格差の是正を最重要課題と位置づけ、労働者全体の賃金の底上げと公正配分の実現に取り組みます。また、質の高い公共サービスの維持に必要な財源配分の見直しと適正な賃金原資確保にむけて、労使による財政分析と協議を促進します。さらに、労働基本権の確立に基づく労使交渉による賃金・労働条件の決定を展望し、新たに中央交渉システムの創設をめざします。 |
【賃金闘争の推進にあたっての基本方針】
1. 賃金闘争の推進にあたっては、以下を基本に、社会的横断賃金形成にむけた基盤を整備します。
@ 臨時・非常勤等職員、パート職員などの賃金格差の是正を最重要課題と位置づけ、連合に結集して、最低賃金の引き上げとともに、均等待遇原則に基づく処遇改善に取り組みます。
A 地域公共サービス民間労働者、全国一般評議会に結集する中小企業労働者の賃金改善のため、自治労として春闘に積極的に参画し、相場への波及力を重視した役割を積極的に担います。
B 労働基本権の確立に基づく労使交渉による賃金・労働条件の決定を展望し、自治体における標準的な勤務条件等の参考指標等を決定する権限と機能について、新たに中央交渉システムの創設をめざします。
C 自治体賃金闘争については、引き続き、勧告制度に基づく給与決定システムのもとにおいて、給与制度見直しを踏まえた到達闘争の再構築・活性化および自治体職員の標準的給与の確立をはかります。
【賃金要求の基本的考え方】
2. 社会的横断賃金の形成をはかるため、以下の考え方を基本に、標準的な生計費を確保し、賃金格差の是正と公正な賃金配分の実現に取り組みます。
@ 公務と民間、職種、雇用形態等の違いによる賃金格差の是正をはかるため、地域労働運動への積極的な参画を通じて、最低賃金の引き上げ、均等待遇原則に基づく処遇改善に取り組みます。
A 同一価値労働・同一賃金の原則に基づく公正な労働と配分の実現をめざす連合運動を主体的に取り組みます。
B 労使の交渉によって、自らの賃金・労働条件を決定する普遍的な原則の確立に取り組みます。
3. 具体的な取り組みは、以下の通りとします。
@ 組合員賃金実態調査を実施し、賃金水準と格差の実態の把握・分析に基づく交渉を行います。
A 連合の個別賃金要求(同一職種銘柄)方式を踏まえ、公務・民間を含めた社会的横断賃金の形成に資する賃金要求基準を基本として、生計費を確保し、同一価値労働・同一賃金の原則に基づく仕事(職務)の価値に対応した賃金の確立をめざします。
B 単組は、団体交渉による自主的・主体的な賃金決定の重要性を踏まえ、近隣単組との連携等により、交渉力の強化をはかります。県本部は、自治体の自己決定権を踏まえた統一闘争機能の強化に取り組みます。本部は、全国的統一指標の明示、自治体財政の確立、政府の自治体に対する労働条件の決定事項への介入阻止に取り組みます。
C 春闘期は、以下を基本に取り組みを進めます。
ア 公務においては、労使交渉・協議を通じて、新年度の賃金に関する基本方針および原資確保について合意し、年間を通じて確保していく取り組みを進めます。自治体単組および公共民間労組については、春闘期の合意内容を踏まえ、確定期に最終妥結をはかります。
イ 春闘期におけるパート共闘、中小共闘などの地域労働運動に参画し、労働者全体の賃金水準の底上げをはかります。また、積極的な情報の共有と開示を通じて、地域全体の相場形成の波及に取り組みます。
D 質の高い公共サービスの維持に必要な財源配分の見直しと適正な賃金原資確保にむけて、労使による財政分析と協議を促進します。また、民間労組は、単組の交渉力を背景に、企業経営への参画を通じて、適正な賃金原資の確保に取り組みます。
【公務における賃金闘争の推進】
4. 自治労は、公務員連絡会に結集して、公務員全体の賃金闘争に取り組みます。
@ 秋季を年間賃金闘争の出発点として、政府への給与改定財源確保および人事院への賃金・労働条件に関わる基本要求提出に取り組みます。
A 春闘期は、政府・人事院に対して賃金・労働条件改善の基本政策の確認を求めます。
B 人勧期は、春闘期の確認を踏まえて、人事院に対して、民間の賃金改善を反映し公務員の生活維持・改善につながる給与勧告の実現に取り組みます。
C 確定期は、給与法等の改正等に関わる対政府交渉と国会対策に取り組みます。
5. 公務員全体の賃金闘争と連動して、公務員連絡会地公部会構成組織とともに、次のように地方公務員の賃金闘争に取り組みます。
@ 春闘期は、自治体当局・人事委員会に対し賃金・労働条件改善の基本政策の確認を求めます。
A 人勧期は、民間の賃金改善と人事院要求を踏まえ、人事委員会に対して地方公務員の生活維持・改善につながる早期の給与勧告を求めます。
B 自治体確定闘争の推進にあたって、本部は統一指標と具体的な推進方針を提起するとともに、総務省等との交渉を実施します。県本部は、各都道府県人事委員会勧告後、速やかに、対県(市町村行政主管課)交渉を実施するとともに、重点指標の設定、確定ヤマ場にいたる統一交渉日の設定、市長会・町村会などとの交渉を進め、県本部統一闘争として取り組みを進めます。単組は、人事院勧告・人事委員会勧告後速やかに要求をまとめ、十分な労使交渉・協議を通じて労使合意と書面協定に基づく給与条例等の改正を求めます。
C 自治体確定闘争とあわせて、本部は地方財政確立を求め、対政府交渉と地方六団体要請行動に取り組みます。また、県本部・単組は、各自治体における予算・財源確保に取り組みます。
6. 地財危機を理由とした賃金抑制提案に対し、本部・県本部・単組が連携し、少なくとも説明義務、資料提供義務を満たす誠実交渉を履行させる取り組みを強化します。また、議会による労使合意への介入を許さない取り組みを行います。
【到達闘争の再構築・活性化】
7. 地域給与・給与制度見直しについては、基本的に制度が完成する2010年4月までの期間を視野に置き、給与制度見直しを踏まえた到達闘争の再構築・活性化をはかります。具体的には、2010年4月が制度完成時であることを踏まえ、大量に退職していく団塊の世代の賃金原資を活用し、以下の指標(国公行(一))の達成に取り組みます。これらの指標を達成している単組は、さらなる改善をはかります。
@ 給料表 7級水準達成、8級水準導入
A 到達級 5級到達確保、6級到達
B 水 準
30歳標準労働者 3級17号俸水準相当
35歳標準労働者 3級45号俸水準相当
40歳標準労働者 4級54号俸水準相当
8. 勤務実績の給与への反映については、一人ひとりの労働者の働きがいを高め、組織全体の活性化をはかる手段として機能すること、一人ひとりに差をつけることが目的ではないこと、評価に基づく賃金の減額については、無断欠勤など客観的な事由以外は排除することを基本に、十分な労使協議、交渉、合意を前提とすることとします。また、人事評価結果の拙速な給与への反映は行わないよう求めます。
【自治体職員の標準的給与の確立】
9. 地方公務員賃金を規制してきた国公準拠を相対化し、自治体職員の標準的給与の確立をめざします。その具体化にあたっては、公平な公務サービスの提供と目的達成、職務と責任の同一性、自治体間で類似の職種のあるべき給与等との関係を踏まえ、以下を基本に、取り組みます。
@ 全国人事委員会連合会の体制・機能の強化や人事委員会相互の連携方策等の条件整備をはかること。
A 自治体職員の標準的給与については、公務員連絡会との交渉・協議、合意を前提として、給料表および諸手当を作成・構成すること。
【臨時・非常勤等職員の処遇改善】
10. 自治体に雇用されるすべての労働者、地域公共サービス民間、公社・事業団、社協労働者を対象とする自治体最低賃金を確立し、書面協定化と必要な財源措置を求めます。
11. 自治体単組の賃金闘争サイクルと連動し、春闘期および確定闘争期に賃金改善、法違反の一掃、雇用確保などの自治体要求を行います。
@ 春闘期においては、新年度における雇用と賃金に関する基本方針および原資確保に関する合意をはかります。
A 確定期においては、自治体予算の確定と連動して、次年度の雇用確保と賃金の底上げ、労働条件の改善に取り組みます。
12. 勤続加算にともなう水準の引き上げを進めるため、賃金表と定期昇給制度の確立をはかります。
13. 臨時・非常勤等職員の賃金については、正規・常勤との均等待遇に基づく改善を求め、以下の取り組みを進めます。
@ 臨時職員の賃金・諸手当・一時金の改善を進め、退職手当の支給を確保します。
A 非常勤職員については、同一職種・同一勤続年数の常勤職員の賃金に時間比例させる賃金水準の確立を求め、諸手当相当分の支給を確保します。
B 任期付短時間勤務職員制度を活用し、雇用の継続と均等待遇に基づく比例按分賃金と諸手当支給をめざします。
【公共サービス民間労働者の処遇改善】
14. 公共サービス民間労働者の賃金改善については、次のように取り組みます。
@ 春闘では、秋闘で妥結をする単組を含めて、全単組が要求書を提出します。春闘で妥結する単組は、委託費や交付金の確定を踏まえ、賃金の改善を求めます。
A 予算編成期には、県本部・自治体単組が中心となって対自治体交渉を実施し、賃金・労働条件の改善が可能となる適切な委託費や交付金の確保を追求します。
B 自治体に準拠して、確定闘争で妥結している公社・事業団などの単組は、自治体単組の妥結を下回らないことを基本に賃金改善を進めます。
【地域最低賃金確立の取り組み】
15. 県本部・単組は、地方連合会とともに、地方労働基準局、経営者団体に働きかけ、地方最低賃金審議会の決定する地域別最低賃金の引き上げと早期改定を求めます。本部は連合に結集し、中央最低賃金審議会の示す目安額の引き上げや目安制度の改善・充実に取り組みます。また、委託費の確保や、自治体最低賃金の実現を通じて、地域別最低賃金を引き上げるための環境整備に取り組みます。
16. 自治体に対して広報などによる最低賃金額の周知と違反の一掃を求めます。地域別最低賃金違反の企業の摘発を行うとともに、国・自治体の監督体制、行政指導の強化を要求します。
【退職手当見直しに対する取り組み】
17. 本部は、総務省の新たな公務員制度としての年金の仕組みの見直しの動向を踏まえ、公務労協に結集し、現行の退職手当の水準の維持とともに、新たな年金部分を含む退職給付の総額確保の実現に取り組みます。県本部・単組は、退職手当財源を確保するため、年次別の退職者の動向を把握し、必要な退職手当総額の推計を行い、退職手当基金の計画的な積み立てをはかるよう求めます。
【地方公務員共済組合制度確立の取り組み】
18. 本部は、公的年金制度の一元化にともなう新たな公務員制度としての年金の仕組みの設計にあたっては、公務労協に結集し、総務省対策・交渉を強化します。
【共済組合短期給付事業、自治体健康保険組合への対応】
19. 地方公務員の医療保険制度に関する懇談会の結論を踏まえ、自治体健康保険組合の共済組合化(短期給付事業への移行)については、2009年度を目途に、共済組合の被保険者の適用範囲の見直しを課題として、関係者の合意形成を基本とした対応をはかります。
20. 地方公務員共済制度・事業について、性とライフスタイルに中立な制度設計を前提として、両立支援策や福祉事業などを充実するよう対策を進めます。具体的には、介護休暇全期間に関わる掛金の免除、育児休業・介護休暇に関わる休業給付金の支給水準・期間の改善、出産費・出産手当金の増額などを求めます。
21. 地方公務員共済組合をはじめとする公的年金の積立金の運用にあたっては、地方公務員共済組合に対して、運用先の企業・組織等が社会的責任投資(SRI)に配慮した対応をはかるよう求めます。
【雇用保険制度・社会保険制度等に係わる取り組み】
22. 公務員の雇用保険の適用に関しては、労働基本権の確立と労働諸法の適用関係などトータルな観点から検討を進めます。
23. 自治体に雇用され、適用要件を満たす臨時・非常勤等職員の雇用保険・社会保険加入に取り組みます。
【福利厚生等の改善の取り組み】
24. 自治体における福利厚生制度については、自治体の使用者責任を前提に労使協議に基づく事業内容の点検・拡充、必要な見直しを進めます。
互助会・厚生会などの設置と運営の民主化や事業内容の点検、臨時・非常勤等職員の加入などについて、互助会・厚生会等の自主性・自立性を踏まえた取り組みをはかります。
25. 定年以降の新たな就業に適応できる条件整備や退職準備プログラムの策定を求めます。この一環として、ライフプラン協会等が行っているシニア対策関連事業を活用します。
2. 雇用確保と公正労働の実現
政府と経済界が進める雇用労働市場の規制改革は、「労働ビッグバン」と称して労働法制を全面改悪し、労働市場の弾力化・流動化、さらには労働組合活動の規制をも進めようとするものです。
典型・非典型、地域間、企業規模間、世代間、男女間等における格差の拡大と二極化が深刻化しており、低賃金で不安定雇用の労働者が増大し、「ワーキングプア」といわれる労働者の存在も問題となっています。自治体における公共サービスのアウトソーシングや委託費削減は質・量ともに一層進められおり、民間委託や指定管理者制度などに加え、市場化テストの導入も具体化されつつあります。これらにともない、賃金切り下げや解雇・雇い止め、常勤職員から嘱託・パート職員への置き換え、分限免職や任用替えなど雇用安定と確保が喫緊の課題となっています。
雇用の安定・確保と公正労働の実現を基本に取り組むとともに、連合に結集して、雇用労働市場の規制改革と労働諸法制改悪に反対し、ワークルールの改善と公正労働基準の確立、ILO条約等国際条約の批准など、ディーセントワーク確立にむけた取り組みを強めます。 |
【労働法制改悪と雇用労働市場規制改革に反対し公正労働を実現する取り組み】
1. 雇用労働市場の規制改革として提案されている、「労働ビッグバン」 ― 解雇規制の緩和、解雇金銭解決の導入、労働者派遣期間制限の撤廃、公共職業紹介事業の民営化などに反対します。
とりわけ、日本版ホワイトカラー・イグゼンプションの導入や裁量労働制の拡大を許さず、時間外、休日および深夜の法定割増賃金率の引き上げと、労働者の権利の確立を重視する連合の「労働契約法案要綱骨子」を具体化する法律の制定をめざします。
また、労働組合の交渉権の否定や集団的労使関係における使用者の責務を緩和しようとする労働諸法制の改悪の動きに反対し、連合とともに取り組みを強めます。
2. ハローワーク(公共職業安定所)における無料職業紹介事業の市場化テストに反対し、日本が批准しているILO88号条約(職業安定組織)を踏まえ、すべての国民の公平な就業機会とセーフティネット機能を維持するよう求めます。
3. 日本版業務譲渡に係る労働者保護法(仮称)など、労働者の雇用継続と公正ワークルール遵守を義務づける新たな法令の検討・研究などについて、研究者や関係団体、連合と連携し作業を進めます。公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律における派遣対象法人の拡大など、現行法制の見直しを含め取り組みます。
4. 外国人労働者の人権と労働者保護の観点から、外国籍労働者の雇用環境改善と公正労働の確保に取り組みます。とくに、「研修生・技能実習生制度」の抜本改革を求め、連合とともに取り組みます。
また、FTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定)による看護・介護分野への外国人労働者の受入れについては、安易な拡大に反対するとともに、十分な訓練機会の保障と公正労働が確保されるよう検証していきます。
【公正労働基準の確立】
5. パート、臨時・非常勤、有期契約、労働者派遣、請負等多様な就業形態における均等待遇による処遇改善と公正労働の実現に取り組みます。このため、国内法の改正とともに、ILO111号条約(差別待遇禁止)、175号条約(パートタイム労働)等関係条約の早期批准を求めて取り組みます。
6. 雇用の分野における男女の均等な機会と処遇を確保するため、改正男女雇用機会均等法を活用し、公民を問わず、間接差別を含むあらゆる差別を根絶するとともに、ポジティブアクションの実施を事業主に求めます。
7. 労働者派遣については、労働者派遣法の厳格な適用と労働者保護の観点から、常用代替禁止、派遣元と派遣先責任の強化、派遣先雇用責任の担保、差別禁止と均等待遇など、さらなる法改正にむけて連合とともに取り組みます。また、偽装請負・違法派遣の一掃にむけた、指導・監督の強化、請負現場における関係諸法令の遵守を求めます。
8. 連合に結集し、雇用労働に係る国内労働法制の整備を進めるとともに、ワークルールの改善、男女平等、均等待遇の推進などILO条約等国際条約の批准および遵守の取り組みを強めます。またすでに批准されている原則の実現に取り組みます。
【雇用安定・確保の取り組み】
9. 公務公共サービス職場において、公共サービスの規制改革や事業の見直しにより、民間委託やアウトソーシング、経営形態多様化が進んでいることから、雇用の安定と雇用確保を最優先に取り組みます。
経営手法の転換やアウトソーシング、民営化や事業統廃合にともなう配置転換、任用替え、分限免職、雇い止めなどの雇用問題に対し、本部は、雇用に係る動きや、先進事例などの情報提供を行うとともに、雇用労働相談対応、法律対策等支援体制を強化します。
10. 臨時・非常勤等職員、任期付短時間勤務職員制度、派遣労働者等の配置状況などを把握し、不当な雇い止めを許さない取り組みを進めます。
@ 県本部・単組は、各職場の臨時・非常勤等職員の実態を調査し、その任用根拠の明確化と処遇改善を進めます。
A 任期の更新については、任期付短時間勤務職員制度を活用し、総務省交渉の結果を参考に雇用継続を確保します。
B また、これらの取り組みを通じて、均等待遇と定年制の確保を原則とする任期の定めのない「短時間公務員制度」の実現、公務における臨時・非常勤等職員の雇用安定と処遇改善に取り組みます。
11. 公共サービス民間労働者の公正労働基準を確立するため、県本部・単組は、公社・事業団の統廃合、競争入札による委託企業の変更に対し、雇用維持をはかるため、自治体の使用者責任を明らかにした「雇用保障」や「雇用継続」の協定を自治体、当該事業団体、労組の連名で締結する取り組みを進めます。
12. 委託先企業の労働者の雇用と労働条件を守るため、自治体の競争入札や指定管理者の選定に当たっては、落札企業・選定企業による雇用継承義務を契約条項に盛り込むよう要求します。また、委託労働者の賃金水準を確保するために、次年度の予算要求で、自治体に対し適正な委託費の確保を求めていきます。
13. 指定管理者の選定が2009年4月までに二巡目に入ることから、指定管理者の選定において、その基準に、公正労働基準と継続雇用を保障する条項を盛り込むよう要求します。
14. ILO94号条約(公契約)の考え方に沿って、公正な労働基準と最低賃金などの労働条項および社会的条項を盛り込んだ公契約条例・要綱づくりなど、公契約と入札の制度改革を地方連合会や連合地協と連携し取り組みます。
また、ILO94号条約の批准を求めて取り組みます。
【労働紛争の迅速な解決と紛争解決機関等の活用】
15. 個別労使紛争の解決にあたっては、労働審判制度の積極的活用や、自治体の労政事務所や労働相談機能、都道府県労働局による解決援助システムの活用を促進し、紛争の早期解決をはかります。
16. 集団的労使紛争については、地方労働委員会、中央労働委員会の機能を活用して取り組みます。
また、連合とともに、改正労働組合法の効果を検証し、労働委員会の改革と見直しに取り組みます。さらに、労働事件における裁判の簡便化や、労働組合による訴訟代理、団体訴訟など、訴訟手続きの改革整備を求めます。
3. 労働基本権の確立と自治・分権型の民主的公務員制度改革の実現
財政権限を背景に、国は、自治体における公共サービスの縮小や職員の賃金・労働条件を一方的に方向づけ、地方自治および労使関係を蹂躙する深刻な状況が続いています。このような状況に対しては、対等・平等かつ安定した労使関係を確立し、労使の責任において、市民の多様なニーズに適確に応える公共サービスのあるべき方向性、職員の賃金・労働条件について決定し、市民に対する説明責任と合意形成をはかりながら、市民本位の透明・公正な地方自治の実現に寄与する必要があります。このため、労働基本権を確立し、市民ニーズの変化や地方分権の進展などに対応した自治・分権型の民主的公務員制度の実現に取り組みます。 新たな人事評価制度をめぐっては、国の人事評価の第3次試行や、地方公務員法改正などの議論が行われているものの、制度の設計や運用に関して労働組合の参画が不十分な状況です。労働組合としても、新たな人事評価制度に関する課題について分析・把握するとともに、制度の設計や運用にあたっては、労働組合の参加保障を前提として、十分な労使交渉・協議、合意に基づき決定するよう取り組みます。 |
【労働基本権確立と自治・分権型の民主的公務員制度改革の実現】
1. 連合、公務労協に結集し、ILO勧告を踏まえた労働基本権の確立と、労使関係の改革を前提とした民主的な公務員制度改革の実現にむけ取り組みを進めます。
2. 労使関係制度について、国・地方の対等・協力関係の原則、労使対等の原則に基づき、国際労働基準を充足する民主的・分権的な地方公務員制度の実現に資する抜本改革がはかられるよう、「地方公務員法・制度改正」自治労指針を踏まえ、行政改革推進本部専門調査会(以下専門調査会)の最終報告および政府・国会への対策を強化します。
3. 労働基本権確立のもとでの賃金・労働条件の決定制度を展望し、専門調査会の最終報告を踏まえた賃金決定システムと闘争サイクル等の変革を視野に置き、本部・県本部・単組は一体となって、団体交渉による決定システムの確立の実現に取り組みます。具体的には、各単組は、地方公営企業等の労働関係に関する法律第7条で規定する事項(交渉の範囲)を最低達成目標として、協約・協定を締結する取り組みを進めます。また、各自治体当局に対して、労働組合法第7条第2号を踏まえた誠実交渉義務の確認を徹底する取り組みを進めます。
4. 自治体の行財政運営に関わる事項についても、労使協議の充実・強化を通じて、労働者がその決定に参加するシステムの確立に取り組みます。これらの取り組みを通じて、市民のニーズを、自治体政策や市民に提供するサービスに反映させ、効果的・効率的な行政運営の実現に取り組みます。
5. 労使交渉・合意に基づく賃金・労働条件に関する決定事項が担保されるよう、次の課題に取り組みます。
@ 勤務条件法定(条例)主義との調整については、自治体当局に対する労使決定事項を実現する努力義務や、議会に対する労使決定事項の尊重義務が課されるよう制度改正を求めます。これらの取り組みによって、地方公務員法による勤務条件詳細法定主義から、勤務条件基準法定主義への転換をめざします。
A 財政民主主義との調整については、決定された労働条件と議会の審議権との間における調整・ルール化をはかります。また、その調整方法については、地公労法第10条(予算上資金上不可能な支出を内容とする協定)の規定を参考に、労働協約に対する財政の民主的コントロールの確立に取り組みます。
6. ILO勧告を踏まえ、関係団体への対策等を通じて、消防職員の団結権の付与による民主的な職場の確立に取り組みます。
7. 公務における労使自治を否定し、公務員労働者の権利の制約をはかろうとする動向に対しては、政府、国会等への対策に取り組むとともに、単組・県本部・本部が一体となって対応します。
8. 一方的な管理職等の範囲拡大に対しては、これに反対するとともに、大宇陀町職(現宇陀市職労)訴訟最高裁判決(2006年10月27日)の成果を共有し、自治体当局・人事委員会・公平委員会交渉を強化します。
【民主的で公正・公平な人事制度を確立する取り組み】
9. 地方分権の進展と公務における人事制度の見直しの状況を踏まえ、任用(採用・登用・配置)、分限・退職、能力開発(研修)、服務、評価制度を含むさまざまな人事制度について、公平・公正で民主的な基準の確立にむけ、以下の取り組みを進めます。
@ 人事・評価制度の民主的な改革
ア ライン職に集中している権限と責任を分権・分散し、現場の職員の職務と役割を明確にするため新たな人事制度を確立します。
イ ライン職およびスタッフ職等の選択にあたっては、相互の職における双方向性と職員の納得性が担保されるよう求めます。
ウ 公平・公正な任用を実現するため、客観的な職務評価に基づく公正な任用基準を確立します。
エ 人材育成と職業能力開発等の制度的な保障を求めます。
オ 自治体における新たな評価制度の導入の実態を踏まえ、制度的に欠陥を有する勤務評定制度に代わる、労働組合が設計と運用に関与する4原則(公平・公正、透明、客観、納得)2要件(労働組合の関与、苦情解決システム)が確保された新たな評価制度の確立にむけ取り組みを進めます。また、制度導入にあたっては、職員間に差をつけることが目的ではないことを明確にさせるとともに、拙速に給与等への反映を行わないよう求めます。
また、本部は、各単組での制度導入・運用状況について調査・分析に取り組みます。
カ 人事委員会における実効ある苦情処理制度の創設と機能強化を求め、具体的な制度設計と運用についての協議を行います。あわせて、地公労法第13条の規定に基づく「苦情処理共同調整会議」およびこれに準じる枠組みを設置するよう求めます。
キ 国の新たな人事評価制度の整備にあたっては、公務員連絡会に結集し、評価の試行結果を踏まえ、4原則2要件を具備した信頼性の高い制度として確立するよう、総務省、行政改革推進本部事務局等との交渉・協議を強化します。
A 採用・登用・配置における男女間格差是正
ア 採用・登用・配置をはじめとする男女間の処遇上の格差を是正し、雇用の全ステージにおける男女平等の職場づくりを推進します。
イ 県本部・単組は、男女別の採用・登用・配置実態、賃金実態に関わる格差の実態と要因を労使間で共通認識し、女性職員の採用・登用・配置の拡大計画の進捗状況の点検を進め、女性の採用・登用・配置の改善の取り組みを進めるとともに、これらに資する新たな評価制度を確立します。
B 雇用・任用制度の改革
ア 本格的短時間公務員制度の創設と一般職非常勤職員制度の整備にむけ、地方公務員法などの改正に取り組みます。
イ 県本部・単組は、臨時・非常勤等職員の処遇改善にむけ、労使交渉を進めます。
ウ 自治労モデル条例(案)をもとに自動失職の特例を定める分限特例条例の制定・改正に取り組みます。
エ 採用・任用に係る公平性、中立性を確保するため、公平委員会による競争試験および選考とこれらに関する事務の実施を求めます。
C 公務員採用・登用における国籍条項撤廃
自治体職員の採用・登用における国籍条項については、公権力の行使等の任用基準を含め、すべての職種でその撤廃を求めます。同時に、募集要項に「国籍を問わない」ことを明記することを求めます。
【労使関係等に関わる情報公開についての対応】
10. 自治体の情報公開と説明責任を重視する立場を踏まえ、自治体労働者の賃金・労働条件および職員団体・労働組合の活動および運営などに関わる公開すべき情報の取り扱いについては、「個人のプライバシー保護」と「団結権に基づく正当な利益の確保」を前提とします。なお、労使関係については、市民に対する説明責任を果たすため、誠実交渉をルール化(対面協議義務、譲歩の意思の存在確認、資料提供義務等の履行)することを基本として、情報公開をはかります。
また、地方公務員法に基づく人事行政の運営等の公表については、労使協議に基づき、勤務条件と組合活動を阻害しないための対応をはかります。
4. 時短・人員確保・安全衛生体制確立の取り組み
| 地域の公共サービスニーズの拡大、地方分権のもとでの事務事業移管や行政改革の進展で、仕事の質の変化、過密・長時間労働など、職場には多くの負荷がかかっています。このような職場環境のなかで、自治体、民間を問わず、公共サービス職場での健康問題や、自殺・過労死・メンタルヘルス不調で長期病欠となる労働者が増え続けています。また、労働災害、公務災害も増えています。労働者一人ひとりの心身の健康が保持され、能力を発揮できるような快適な職場環境をつくるため、職場の労働安全衛生活動の活性化が喫緊の課題となっています。自治労は、職場における労使対等な労働安全衛生委員会活動を重視し、労働安全衛生活動の推進を通じて、健康と安全の確保、公務災害・労働災害対策、快適職場づくりを実現します。これらを梃子に、総労働時間の短縮や事務・事業の推進に必要な人員確保に取り組み、市民の多様なニーズに応える良質な公共サービスの提供と仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に取り組みます。 |
【短時間公務員制度の創設とワークシェアリングにむけた取り組み】
1. 労働時間を短縮し仕事を分かち合うことによって雇用を創出し、仕事と生活の調和、職員個人の能力開発・自己実現に資するため、柔軟かつ多様な働き方を選択できる仕組みの導入と、雇用創出型・多様就業型ワークシェアリングの実現に取り組みます。
2. 本人選択制を担保し、処遇については時間比例按分による均等待遇原則に基づく短時間公務員制度の実現にむけ、地方公務員法などの改正に取り組みます。あわせて、定員管理の方式を要員数の管理から時間数の管理に変更するよう、法制度の改正を求めます。
【年間総労働時間短縮の取り組み】
3. 年間総労働時間1800時間の達成をめざし、人員確保の取り組みや安全衛生活動と連携し、事務・事業内容を点検、見直すとともに、実効ある時間外労働規制策、勤務時間管理策を労使で策定します。取り組みにあたっては、以下の通り、労働時間短縮に関する計画の策定、実施、検証、改善の運動サイクルを確立し、労働時間の短縮を進めます。
@ 年間総労働時間1800時間のモデルを以下の通りとします。
ア 所定労働時間 1日7.5時間×240労働日
イ 時間外労働(休日労働を含む) 150時間
ウ 年次有給休暇 1日7.5時間×20日
エ 年間総労働時間 ア+イ−ウ=1800時間
A 人事院、人事委員会に対して、公務の所定勤務時間の短縮を求めます。また、使用者に所定労働時間の短縮を求め、労働協約を改定します。
B 時間外労働を縮減し不払い残業を撲滅するために、36協定の締結を推進します。また、労働基準法第33条第3項による時間外労働についてその厳格な適用を進めます。
C 年次有給休暇の完全取得にむけ、労使協議により計画的取得に取り組みます。
4. 全単組で、「36協定のてびき」を活用し、1日2時間、4週24時間、3ヵ月50時間、1年150時間を上限とする36協定締結を推進するとともに、協定内容の点検、見直しを進めます。
@ 人員確保の取り組み、7月の安全衛生活動と連携し、時間外・休日労働などの職場点検を進めます。
A 10〜11月に、36協定の基本内容および必要な時間外手当財源確保に関する交渉を行います。とくに、36協定を締結していない単組は、労使での締結にむけた基本合意をめざします。
B 2〜3月に、協定の内容を確認し、新たに36協定を締結します。
5. 労働者全体の労働時間の短縮をはかるため、当面、2010年3月までに、連合時短方針を踏まえ、以下の最低到達目標の達成をめざします。
@ 年間所定労働時間2000時間を上回る組合をなくします。
A 年次有給休暇の初年度付与日数を15日以上とします。
B 年次有給休暇の完全取得をめざし、一人あたり平均取得日数10日未満の組合をなくします。また、取得日数5日未満の組合員をなくします。
C 時間外労働等に関する手当については、法定割増率に基づく全額支給を実現します。また、民間職場においては、時間外労働等の割増率が法定割増率と同水準にとどまっている単組をなくします。
D すべての組合員の時間外労働(休日労働を含む)を1ヵ月45時間以下に抑えることを基本とし、少なくとも過労死につながる1ヵ月100時間または2ヵ月160時間を超える過重労働を根絶します。
6. 労働者の生涯設計に応じた休業制度、短時間勤務制度や各種休暇制度の新設・拡充に取り組みます。以下の制度については、公務における制度化を進めるとともに、民間職場でも積極的に取り組みます。あわせて、人事院に対して、自己実現、社会貢献のための総合的休業制度の創設を求めます。
@ 修学部分休業制度、高齢者部分休業制度、自己啓発等休業制度
A リフレッシュ休暇、有給教育休暇
B 育児短時間勤務の制度化と育児部分休業制度の拡充
C 育児・介護を行う職員の早出遅出勤務の制度化と時間外労働制限の徹底
【人員確保の取り組み】
7. 市民ニーズに対応した公共サービスの水準と提供体制の確立、雇用・労働条件の確保をはかる観点から、今後の事務・事業に対応する計画的な職員配置を行うとともに、人員確保の取り組みを通年的に進めます。その際、今後の団塊世代職員の大量退職を踏まえ、年齢・男女別の職員構成に偏りのない計画的な採用の実施を求めます。本部は、良質な公共サービスの提供に資する人員確保のため、地方財政計画における財源確保を政府に要求するとともに、地方団体対策を行います。
8. 県本部・単組は、労使参加のもと、以下を基本として、事務・事業内容と人員確保・配置に関わる中期計画の策定、実施、検証、改善に至る運動サイクルの確立に取り組みます。
@ 行政評価手法を活用した自治体の施策、事務事業内容および組織体制の点検・検証、見直しを行います。
A 不払い残業を含む超過勤務実態、年休取得実態、臨時・非常勤等職員、任期付短時間勤務職員制度、派遣労働者等の配置状況などを把握し、必要に応じて業務内容や職員の仕事量および配置の見直しを行います。
B @〜Aの取り組みの実施と検証結果を踏まえ、人員確保・配置に関わる自治体予算要求に取り組みます。
C 客観的な行政ニーズの減少による事務・事業の縮小・廃止については労使の事前協議によることとし、配置・職種転換が必要な場合には、雇用の確保と労働条件の維持を前提として、職業訓練、業務研修の実施を求めます。
9. 民間の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正を踏まえ、希望者全員の雇用を確保します。あわせて、公務における定員の弾力的扱いを求めます。公務における定年延長の動きに対しては、雇用と年金の連携を重視する立場を基本に、公務員連絡会と連携して取り組みます。
10. 障害者の法定雇用率を下回る自治体を一掃し、職場におけるバリアフリーの促進やワークアシスタントの配置など障害者のための職場環境の整備を求めます。
【安全衛生体制の確立と快適職場づくり】
11. 改正労働安全衛生法や関係労働法を活用し、長時間労働の点検、健康と安全の確保、職場および仕事のあり方を点検します。これらを通して、総労働時間短縮、人員確保、仕事と生活の調和をはかります。
12. 労働安全衛生委員会を全職場で定期的に開催し、職場点検などを通じた参加型の取り組みで職場改善をはかります。また、安全衛生委員会未設置単組の解消、小規模事業場における安全衛生委員会の設置をはかるため、本部・県本部・単組が連携した点検、サポート活動を進めます。
13. 本部は、労働安全衛生活動の人材(活動家)の育成および経験・情報の共有のため、安全衛生講座と安全衛生集会を隔年開催し、それぞれの機能強化と充実をはかります。また、関係機関と連携し、衛生管理者養成講座など、専門家育成に取り組みます。
14. 労働安全衛生委員会への女性の参画を促進し、「男女がともに担う安全衛生活動」を確立します。また、健康診断や職場点検の対象に、臨時・非常勤等職員や派遣職員を含めるとともに、公共サービス民間、全国一般などの職場における労安体制の確立に取り組みます。
15. 公契約における委託先労働者の安全と健康への配慮を公的機関に義務づけたILO94号条約を踏まえ、委託元責任を明らかにし、委託職場・労働者の安全衛生確保に取り組みます。
16. 7月の安全衛生月間を中心に年間サイクルを確立し、本部・県本部・単組一体となって、労安活動の活性化をはかります。
【労働安全衛生活動の活性化と人材育成】
17. 自治労安全衛生対策室、自治体労働安全衛生研究会と連携し、調査・研究、先進事例の共有、実践的な研修・啓発活動、予防と早期対策の観点からの職場マネジメントシステムの確立など、職場対策を強化します。
18. 増え続ける過労死や自殺、メンタル不調対策確立のため、産業医、専門家、関係機関と連携して取り組みます。また、「自治労メンタルヘルス対策指針」等を参考に、職場対策および復帰プログラムづくりに取り組みます。
19. セクシュアル・ハラスメントをはじめ、モラル・ハラスメントやいじめ対策について、使用者責任を明確にしつつ、情報提供や予防対策、被害者救済対策に取り組みます。また、福祉・医療・看護職場における暴力防止対策について、「ILO暴力防止ガイドライン」を参考に取り組みます。
20. アスベスト対策については、今後被災者が増えることを想定し、職場対策、地域対策、法制度対策など、総合的な対策を連合や関係団体・機関と連携して取り組みます。
21. 重大事故防止対策、危険有害業務対策、有害物質対策など、改正労働安全衛生法、健康と安全に関するILO条約など国際基準をベースに取り組みを進めます。
22. 労働安全衛生活動に関する好事例や最新情報などホームページを充実させ、情報共有とネットワークづくりに取り組みます。また、職場改善アドバイザーシステムを拡充し、学習会や人材育成機会に機敏に対応できるよう努めます。
【労働災害・公務災害をなくし、職場の健康と安全を確保する取り組み】
23. 労働災害、公務災害の災害補償制度の適用関係に即し、すべての労働者に平等に業務上の災害補償が受けられるよう取り組みます。同時に、災害補償制度の民営化を許さない取り組みを連合とともに進めます。
24. 業務に起因すると判断できるすべての災害、疾病について災害認定請求に取り組みます。本部は、県本部・単組との連携を強め、認定闘争を通して、認定基準の改善と災害補償基金制度の民主的運営を求めます。
25. 臨時・非常勤等職員について、条例に基づく災害補償制度の点検を進めます。
26. 災害補償の上積補償制度を確立させ、自賠責保険横並びの補償を求めます。
27. 重大災害が発生した場合には、現地調査を行い、原因を究明し再発防止策がとられるまで操業させない取り組みを進めます。
28. 腰痛対策、指曲がり症対策を引き続き強め、認定基準の改善、障害認定の拡充に取り組みます。また、過労対策を強め、循環器系疾患の認定範囲の拡大と過労死・自殺にかかる認定基準の見直しを求めます。
29. セクシュアル・ハラスメントやモラル・ハラスメント、いじめなどによる新たな労災・公務災害認定について、先行事例や判例を参考に取り組みます。
5. 自治体改革運動の推進と公共サービス規制改革に対する取り組み
公共サービスは、人びとのくらしを支え、働く人びとの権利と利益の向上をはかり、社会経済の活性化と持続可能性の基盤となっています。誰もが、排除されることなく平等にアクセスできる、質の高い公共サービスを確保することは、公正な社会を築く上で不可欠です。今日、政府と経済界によって進められている、公共サービス分野の徹底した民間開放と規制改革は、公共サービスの質と水準を企業利益に置き換え、社会的規制の担い手としての行政の役割と自治体が負うべき公共サービス提供の責任をあいまいにし、地域の不可欠なサービスや緊急サービスなど確実なサービス供給の基盤を破壊するものです。こうした一連の動きは、自治労がめざす安心と信頼の公共サービスに支えられた「労働を中心とした福祉型社会」の実現に逆行するものであり、コスト本位の自治体経営手法の多様化、アウトソーシング、「市場化テスト」などの導入は、地域公共サービスの質と水準、雇用の安定と労働の質を劣化させるものです。
自治労は、地域の「公共の力」を破壊し、公共サービスの質や水準を問わないまま価格競争にさらすこうした動きに対し、市民や連合、関係団体と協働し、地域のセーフティネット確立と生活の質(QOL)を高める取り組みを強めます。質の高い公共サービス確立を基軸とし、公共サービスの担い手の多様化を踏まえ、分権自治の時代における地方政府の責任による自己決定、地域の合意に基づくまちづくりを推進する自治体改革運動に取り組みます。 これらの運動を、幅広い自治研活動で支え、公共サービスを崩壊に導く市場万能主義に抗する広範な社会運動を形成し、持続可能な地域づくりに取り組みます。 |
【質の高い公共サービス確立を基軸とした自治体改革運動の推進】
1. くらしを支える公共サービスの質と水準を守り、市民が主体となった自治分権を推進し、協働参画型の地域社会を確立する運動として、質の高い公共サービス(QPS)確立を基軸とした自治体改革運動を職場・地域から展開します。
また、公共サービスを担う労働組合として、「公共サービスの改革」「行政及び仕事のあり方」に積極的に関与し、地方政府としての自治体の公共サービス提供責任を明確にし、市民ニーズに即した自治体政策を確立します。
@ 情報公開と説明責任を基礎に、公共サービスの質の評価、行政評価制度の活用、モニタリング活動に取り組み、地域と市民のニーズを、地域公共サービスと自治体政策に反映するよう取り組みます。
A 公共サービスのアウトソーシングの進行にともない、人身事故や安全に関するトラブル、契約事業者の違法・脱法行為、契約放棄によるサービス中断などの事態が多発しています。安全で安定したサービスの継続的供給に係る自治体責任を問うとともに、アウトソーシングのあり方について、市民への情報公開と検証のための協働作業に取り組みます。
B 公共サービスの安定的提供に関する自治体責任を明らかにするとともに、災害時や緊急時対応、地域に不可欠なライフライン ― 医療・福祉・介護・保育、水・廃棄物処理などの確保、サービス水準の評価指標モデルおよび基本的な技術・ノウハウ継承と人材の確保のため、これら業務のコーディネートと実施責任主体としての直営部門を確保するよう取り組みます。
C 公共サービスの担い手の多様化を踏まえ、市民ニーズに対応する主体的な「現業(職場)活性化」を推進し、「職の確立」をはかります。
D 安心してくらせる地域社会と質の高い公共サービスの創造にむけ、「公共サービス憲章」や社会的価値を体現する公契約条例の制定、入札改革など、市民と連携した取り組みを強化します。
【質の高い公共サービス・キャンペーン】
2. 県本部は、地方連合会、NPO、市民、法人市民、議員、有識者などで構成する「公共サービス改革フォーラム」(仮称)などをつくり、「質の高い公共サービス」に係る地域キャンペーンに取り組みます。
このため、福祉・医療・環境・水・食などくらしに不可欠な課題を優先して課題を設定し、サービスの質と水準の指標づくり、公共サービスの役割の再評価、協働シンポジウムの開催など通年的に取り組みます。この協働作業を地域活性化とまちづくりにつなげます。
3. 本部は、公務労協の「良い社会をつくる公共サービス・キャンペーン」と連携し、連合をはじめ地方連合会や市民団体とともに、「公共サービス憲章」制定運動を積極的に推進します。
これらを軸に公共サービスに関する社会的キャンペーンを展開し、幅広い国民的な運動と世論形成に取り組みます。
また、PSI「質の高い公共サービス・グローバル・キャンペーン(第2次)」と連携し、効果的にキャンペーンを展開するため、QPSセミナーを開催します。
【自治体公契約条例による公共サービスの水準確保と公正なルールづくり】
4. アウトソーシングにより、委託契約後の公共サービスの質と、委託労働者の雇用・労働条件が低劣化しているケースが多いことから、 最低制限価格制度、ダンピング防止、総合評価方式による入札改革に取り組みます。また、受託者によるさらに低額な再委託の防止とサービスの質および労働実態などの検証・評価システムづくりに取り組みます。
5. 自治体が行う公契約を通して社会的公正を促進するため、公正な労働基準を守る労働条項と、「公共サービスの質の向上と社会的価値を重視した自治体政策に資する入札」いわゆる社会条項を盛り込む公契約の改革に取り組みます。具体的には以下の通り取り組みを進めます。
@ 自治労が作成した「社会的価値の実現をめざす自治体入札・委託契約制度の確立にむけて」(手引き)を参考に、労働条項と社会条項を盛り込んだ自治体公契約条例・要綱等の制定に取り組みます。
A 総合評価方式に基づく自治体公契約ルールの改革を、連合、地方連合会、関係団体と連携して取り組みます。
B すべての自治体単組は、公契約条例・要綱等の制定をめざし、市民や、地方連合会との連携を強化し、労使協議や議会対策に取り組みます。
C 本部は、連合をはじめ関係団体等と連携し、好事例などの調査研究、情報提供に取り組みます。あわせて、ILO94号条約(公契約)の批准と国内法整備を求めて取り組みます。
【公共サービスの規制改革に対する取り組み】
6. 自治体への市場化テスト導入、指定管理者二巡目への移行、民間委託など、さまざまな公共サービスの規制改革とアウトソーシングの動きに対し、先行事例を検証しつつ、行政のサービス提供責任、企業の社会的責任、コストおよびリスク負担の明確化、事業選択における透明・公正なルールについて、調査研究および個別事案のモデル化など、交渉・協議や市民合意にあたっての課題を明らかにして取り組みます。
7. 経済財政諮問会議や、規制改革会議などにおいて、民間開放の対象とされている公共サービスについて、規制改革の影響と問題を実証的に分析し、関係省庁や機関、法律・国会対策など必要な対策に取り組みます。
8. 公共サービスの質と水準に関わる変化は、地域社会と市民にとって切実な課題であることから、自治体改革運動や地域キャンペーンと連携をはかり取り組みます。
9. 自治総研や関係機関などと連携し、公共サービス政策や、サービスの質と水準を検証しうる評価指標モデルの作成、日本版業務譲渡に係る労働者保護法(仮称)の検討、情報収集や調査・研究に取り組みます。
【自治体経営手法の多様化、指定管理者、自治体市場化テスト等への対応】
10. 指定管理者二巡目を迎え、指定管理者選定にあたっては、公共サービスの質と水準の担保および雇用保障がより厳しく問われる段階に入ります。制度の不備から、選定事業者が必要な人材が確保できない、本来の事業目的を果たせない、人件費縮小のため再委託や派遣・契約労働者で事業運営や、引き継ぎ・教育訓練機会がないなど深刻な事故につながる事例も出てきています。このため、具体的には以下のように取り組みます。
@ 県本部・単組は、指定管理者の選定の二巡目にあたっては、自治労「規制改革対応指針」および「指定管理者選定基準モデル」を参考に、対策に取り組みます。
A 今日までの指定管理者制度の実態調査結果などを集約・分析し、制度の問題点を明らかにします。県本部・単組は、指定管理者一巡目の課題や実態について、情報を規制改革対策本部に集中します。
B これらを踏まえ、指定管理者制度の見直しや改善を求め、関係省庁、機関等への要請・働きかけを行います。
C 各自治体においても、一巡目の課題を精査・評価し、本来の事業目的が達成されているかどうかを基本に労使協議、交渉を進め、コストカット偏重の安易な二巡目突入とならないよう取り組みます。
11. 自治体市場化テストについては、自治体に判断権限があることを前提に、自治労「公共サービス分野の規制改革・対応指針(ガイド)」を参考に、以下の取り組みを行います。
@ 自治体市場化テストに対しては、その必要性について、地域のニーズ、業務上のニーズ、市場化テストによらない改革改善方法の検討など、職場・事業単位で、問題点を明らかにし、導入に反対します。
A 導入が検討される場合には、市民や関係者に情報と課題を公開するとともに、実施要項や入札基準、評価指標など、サービスの質に留意した対策に取り組みます。
また、市場化テストの雇用への影響について労使協議を行い、継続雇用を確保します。
12. 自治体において進行しているアウトソーシングや経営手法の多様化に対しては、以下の取り組みを行います。
@ 自治労規制改革「対応指針」を活用し、自治体の動向を把握・分析し、労働組合との十分な事前協議と合意に基づいた決定を求め、労使協議に取り組みます。
A 当該労働者の雇用安定を最優先課題とし、公共サービスの提供責任を有する自治体と早い段階からの労使交渉に取り組みます。
B PFI、地方独立行政法人、「自治体株式会社」などについて、自治体の動向を事前に把握・分析し、分限免職や整理解雇を起こさせないことを基本に、本部が作成したマニュアルや対応指針に沿って対応します。
C 新地方行革指針に基づく集中改革プランについては、とくに公共サービスの提供において、地域ニーズとユーザーである市民の合意形成を尊重するよう求めます。また、その検討過程において、労働組合との十分な協議を行うよう求めます。
13. 公共サービス分野のアウトソーシングや民営化、民間移譲は、福祉・介護・保育・医療、公営企業、現業、公社、事業団、臨時・非常勤等職員の雇い止めや雇用問題に波及しています。アウトソーシングの矢面に立たされている労働者の雇用保障と組織化の取り組みを強化します。
14. 本部は、これらの状況について、調査研究、情報の収集と共有、先行事例・好対策事例の紹介などに取り組むとともに、必要な法対策などサポート体制を強化します。
【公共サービス改革対策本部の機能強化】
15. 本部は「規制改革対策本部」を「公共サービス改革対策本部」に改組し、集中的かつ責任体制を明確にして強化をはかります。具体的には、以下の課題に即して取り組みます。
@ 質の高い公共サービスへの改革と社会的キャンペーンの推進
A 規制改革・規制緩和動向の把握と、法制対策、省庁対策などの取り組み
B 入札改革と公契約条例・要綱制定推進の取り組み
C 雇用対策と雇用確保の取り組み
16. 県本部は、県本部に設置した「対策本部」を基盤に、県内の状況把握と公共サービス規制改革対策を強化します。単組は、県本部と連携し、自治体の動向把握、自治体政策や地域公共サービス、雇用などに関する協議を早い時期から行い、コストカット目的のアウトソーシングが行われないよう取り組みます。
【自治研活動の活性化】
17. 自治研活動は、これらの活動の最も基礎的な受け皿であり、自主的な調査研究や、地域を視野に多様なチャレンジが可能な活動です。
自治研中央推進委員を中心として、単組・県本部・本部の日常的な活動の活性化をはかります。その結節点として、2年に一度自治研全国集会を開催します。
分権自治の実践、公共サービス改革、地域の活性化などをテーマに、能動的な活動へと改革をはかります。
@ 全国モデル単組・県本部モデル単組を指定するなど、第32年次自治研全国集会を結節点に、地域での取り組みを進めます。本部は、県本部・単組の取り組み支援のための資料作成や、自治研作業委員会による調査・研究・政策立案などの協働作業を進めます。
A 地域と市民を視野にいれ、協働作業によるまちづくりや政策提起、実践活動を重視した自治研活動へとバージョンアップをはかります。自治総研、各県自治研センター、自治研助言者と連携した活動を展開します。また、この作業の成果を地域と市民に公開します。
B 自治体行政および公共サービスについて市民とともに検証・評価、政策提起する場としての自治研活動を展開します。
C 本部が作成した「自治研の手引き」を活用し、学習機会の提供と、とくに若い世代を中心とした人材育成に取り組みます。
D 自治研活動の成果を地域政策活動のための「地域・自治体政策集」に反映します。
E これらの取り組みの成果を検証し、交流するために、第32年次自治研全国集会を2008年10月に札幌市で開催します。
F 自治研活動および自治労の政策活動の理論誌・交流誌として『月刊自治研』を活用し、読者層の拡大をはかります。
【地域経済の活性化と雇用創出】
18. 地域社会の安定と活性化、市民生活の質向上の観点から、地方連合会や関係機関などと連携し、「地域雇用創造支援事業」を活用し、地域経済の活性化と、福祉、介護、子育て支援、環境、まちづくりなど公共サービス分野の雇用拡大・創出に取り組みます。
県本部・単組は、地方連合会と連携し、自治体に対して、県・自治体レベルの「政労使雇用対策会議」の設置、地域における常用雇用を創出するための雇用創出プランの策定を求めます。また、「地域労使就職支援機構」を設置し、地域労使就労支援事業の活用をはかります。
19. 自治体が積極的に雇用労働対策を推進するため、職業安定事務などの労働行政権限を自治体へ移譲するよう求めます。また、可能になった無料職業紹介・就労支援事業に、自治体が積極的に取り組むよう求めます。
20. 農林水産業を地域生活活性化基盤と位置づけ、持続可能な農林水産業、農山村・漁村の再生・活性化に取り組みます。また、食糧自給率の向上やデカップリングとしての中山間地従業者への所得保障制度の拡充を求めます。
連合が取り組む「100万人ふるさと回帰運動」に参加し、都市と農山漁村の交流促進をはかります。
21. 地域経済・雇用・仕事づくりについて、先進地域を参考に、地域の特性を活かした、行政、産業、大学、研究機関、金融、労働組合、経済界などのネットワークを形成し、情報の共有化や相互利用、技術開発支援、起業家の育成などを支援するシステムの構築について、地方連合会などと連携し取り組みます。
6. 地方分権・地方財政の確立と政策・制度改革
の推進
地方分権改革推進委員会で第2期分権改革の議論が開始されましたが、地域とくらしを支える公共サービスの充実と地域の自己決定権の拡充を基本に分権改革の実現に取り組みます。財政再建、行政改革のみを目的とした分権改革とすることなく、国・地方の役割分担のもと、義務づけ、国の関与の見直しを進め、地域間格差の是正と公共サービス水準を確保する税財政制度の分権改革に取り組みます。同時に、「平成大合併」が進展したもとで、道州制や小規模自治体のあり方など地方制度の再編の議論が進められていますが、地域の合意なき一方的な再編に反対するとともに、地方自治の基盤としての自治体の役割を強化するため、第2期分権改革と一体的に地方制度改革に取り組みます。
さらに、地域の不可欠なサービスの確保を重点とした自治体財政確立、財政健全化を強化するとともに、分権自治を実践するため、地域の資源を活かした条例づくりや自治基本条例の制定、市民との協働によるまちづくりや住民自治の拡充にむけて地域から取り組みます。 |
【総合的政策活動の推進】
1. 連合、政党、協力国会議員団、地方自治総合研究所、NPOなどと連携し、分権改革の実現と持続可能な社会システムを構築するため、政府、国会、各種審議会対策に取り組みます。
2. 地方における地域政策づくりのため、「地域・自治体政策集」を改訂し、地域政策の充実にむけた取り組みに活用します。さらに、連合の政策活動に反映し、中央・地方で積極的に論議に参画します。
3. 市民協働のもとで政策策定力を養成するため、財政、政策法務、地域政策など自治体改革、分権自治の実践につながる集会、セミナーを中央・地方で開催し、活動者育成をはかります。
4. 本部は地方自治総合研究所と、県本部は各地方自治研究センターと連携し、政策分析やフィールド調査、政策要求の立案に取り組みます。さらに、地方自治総合研究所・各地方自治研究センターのネットワークを拡充します。
【第2期地方分権改革の推進】
5. 第2期の地方分権改革は、公共サービスの充実・確保と地域の自己決定権の確立を基本に連合、地方団体と連携し、取り組みを進めます。具体的には、国・地方の役割分担と責任の明確化、不必要な法令や通達などによる国の義務づけ・関与の排除、条例制定権の拡大、税財政の分権改革の実現をめざします。このため、自治総研や有識者との連携のもと、「第2期地方分権改革ビジョン」(仮称)の検討・策定を進め、分権改革推進委員会や分権一括法対策に自治労として積極的に意見反映を進めます。
6. 国と地方の協議の場の法制化の実現をめざし、連合、地方団体と連携し取り組みを強化します。また、国から地方へ、都道府県から市町村への権限移譲、国・都道府県・市町村の対等で透明な意見交換を促進します。
7. 第1期分権改革で十分に実現していない住民自治拡充にむけ、地域から取り組みを進めます。自治体の憲法ともいえる「自治基本条例」の制定などの取り組みを進め、直接請求制度、住民監査制度の活用促進など、住民自治拡充に取り組みます。
8. 公聴会の活用や積極的な情報公開を進め、市民に開かれた地方議会改革の実現にむけ、市民・NPOなどと連携し、取り組みます。また、地域・まちづくりに関する条例制定・整備を市民・NPOなどとの協働で取り組みます。
【税財政改革の取り組み】
9. 国・地方の役割分担のもと、地域の公共サービスの水準と自治体の自由度を高める税財政制度を確立するため、国と地方の税収割合5対5をめざし、一層の税源移譲と国庫補助負担金改革を進めます。税源移譲にあたっては、地域偏在性の少ない所得税、地方消費税の充実にむけ、連合や地方団体と連携し、第2期分権改革対策と一体的に取り組みます。
10. 税制の抜本改革は、所得再分配機能の強化と不公平税制の是正を基本に、所得税の累進構造や法人税の租税特別措置の見直し、金融資産課税の総合課税化、地方消費税の充実強化など、連合や地方団体に意見反映し、公共サービスの充実強化と地方分権の基盤となる税制改正に取り組みます。
11. 地方交付税制度は財源保障と財政調整機能を堅持・強化し、自治体の安定的財政運営に必要な一般財源の確保にむけ取り組みを進めます。地方財政計画、交付税総額や算定方法など、交付税制度のあり方に対し地方の参画・関与を強め、交付税制度の透明性確保に取り組みます。また、自治体間の財政力格差の是正は地方税の充実強化、地方交付税機能の強化を基本とし、人口、面積で算定しがたい行政需要の適切な算定、行革実績に応じた交付税の優先配分の廃止・縮減、段階補正の復元措置などの取り組みを進めます。
12. 地方分権にふさわしい地方債制度の実現にむけ、国主導による地方債の増発を通じた景気・財政政策を許さず、税源移譲を通じた元利償還のための財政基盤の拡充、地方債計画へ地方が関与できる仕組みづくりにむけ取り組みます。また、小規模自治体に対する長期・低利の安定的な資金調達を行うため、地方公営企業等金融機構の機能強化に取り組みます。
【公共サービスの確保にむけた自治体財政の確立】
13. 医療、福祉、環境など地域の不可欠なサービスの確保を基本に、以下の通り自治体財政確立に取り組みます。
@ 本部は、自治体財政確立にむけ、国の概算予算、政府原案への要求反映をめざし、連合、公務員連絡会、協力政党などと連携のもと、政府、政党、地方団体に対し予算要求行動を進めます。
A 県本部・単組は、住民生活に直結する公共サービスの確保を基本に自治体予算要求の取り組みを強め、自治体予算編成期、予算確定期に労使協議、交渉を進めます。
14. 自治体財政健全化法への対応は会計間の連結を踏まえ、事業の性質上やむを得ず生じる赤字や財政規模などの実態を踏まえた「健全化計画」、「再生計画」判断基準の設定、見直しにむけて取り組みます。また、情報公開のもと、住民、議会による監視や監査機能の強化により財政規律を高め、自治体の自主的な取り組みを重視した早期財政健全化にむけ取り組みます。
15. 健全化計画、再生計画の策定は、質の高い公共サービス確立の取り組みと連動し、住民参加のもと、公共サービスの維持・確保を最優先とする計画策定と財政支援措置の明確化にむけ取り組みます。夕張市の財政再建問題は、国の責任を追及し、財政計画の見直しや支援策の充実にむけ、北海道本部と連携し対策を進めます。とくに財政状況の厳しい自治体は、本部、県本部と各県自治研センターとの連携を強め、財政健全化対策を強化します。
16. 本部は自治体財政の確立と健全化法対策として、公会計制度や連結決算など財政システムの変化に対応するため、自治体改革セミナーや地方財政セミナーなどで財政分析の担い手育成を強化します。県本部・単組は、財政分析活動と行政評価、事業評価活動とを連動させ、自治体財政の歳出構造の見直し、財政健全化に取り組みます。
【地方制度改革の取り組み】
17. 道州制や小規模自治体のあり方など地方制度再編に関する検討は、国主導の一方的な検討とすることなく、十分な国民的議論と地域の合意のもとでの検討をはかるよう取り組みます。地域のくらしを支える自治体の役割を一層強化する観点から、政府などに意見反映を進め、第2期地方分権改革対策と一体的に取り組みます。
18. 道州制は国・地方の抜本的なシステム改革であり、組織・人員のスリム化や道州を国の下部機関とするなどの地方分権に逆行する検討に反対し、国民的議論や地方の参画のもと慎重な対応を求めます。国・地方の二重行政の排除、国から地方への十分な権限・財源の移譲を前提に、自治総研などと連携し、自治労として道州制のあり方について議論を深め、政府、地方団体などに意見反映をはかります。
19. 都道府県と市区町村の対等・協力関係のもとで、両者の協議と合意を通じて権限・財源の移譲を進めます。増大する市町村の事務事業に対して都道府県の補完・支援策の強化、広域連合制度の活用、近隣自治体との連携など、市町村のニーズに見合った行政・財政上の多様な支援策の充実に取り組みます。とくに、小規模市町村については、コミュニティの重要拠点として市民と連携したまちづくりを進めるとともに、補完・支援措置の充実と権限移譲のあり方について十分な検討を求めます。
【市町村合併への対応】
20. 合併新法下での強制的な合併に反対し、引き続き対策を強めます。合併の是非は、行政コスト削減などを判断指標とすることなく、地域コミュニティ機能や公共サービスの確保などの多様な観点から検討をはかり、地域の自主性と住民合意を基本に置いた取り組みを進めます。
21. 合併した市町村のまちづくり、サービス水準と行政組織体制、財政状況と財政計画、特例債事業や新自治体建設計画、地域自治組織や選挙区制度など市民参加の状況などについて、検証・研究し、合併後の事業・財政計画に適切な修正や、条例制定・改廃に関して提言できるよう取り組みます。
【透明・公正な行政と市民自治によるまちづくりの実現】
22. 自治体総合計画の策定にあたり、審議会の公募や市民参加が確保できる仕組みの確立に取り組みます。市民参画のもとで行政評価制度の活用を促進し、市民への説明責任を十分に果たすための情報公開条例の制定・改正に取り組みます。
23. 市民の参画と協働によるまちづくりを進めるため、NPO、NGOの自立的活動基盤を整備し活動促進をはかります。また、「安全・安心のまちづくり」を基礎に、地域防災計画の策定、改善に取り組みます。
24. 行政手続きの透明・公正・迅速性を確保するための条件整備に取り組みます。また、外部監査制度の導入や監査事務局の機能強化、公益通報者制度の導入など、自治体オンブズ制度の整備・拡充に取り組みます。
25. 住民投票制度は、20歳未満や外国籍市民など幅広い市民の意見反映を可能とするよう制定し、自治体の将来を左右する重要施策の決定に活用するよう取り組みます。
【自治体の情報政策への対応】
26. 「自治のための電子政府研究会」の提言に基づき、市民参画の促進にむけた地域情報政策の充実、自治体業務や労働者に最適なシステムを実現するため、労使協議に取り組みます。国・地方の役割分担を踏まえた自治体の自由度の高いシステムの導入、小規模自治体間で共同利用可能なシステム開発、世代間・地域間のデジタルデバイド(情報格差)の解消などに取り組みます。
27. 個人情報保護法の趣旨を踏まえ、県本部・単組は情報セキュリティの運用を点検し、自治体の情報システムおよび個人情報のセキュリティ確保とプライバシー保護のレベルアップを進めます。また、個人情報のコントロール権の確立に取り組みます。
28. 住民基本台帳閲覧、住民票写しと戸籍謄抄本の交付は、プライバシー確保と犯罪防止の観点から不正利用の排除にむけた厳格な運用を求めます。住基ネットワーク・システムは自治事務であることを踏まえ、引き続き検証と改善に取り組みます。また、個人情報保護を原則に行政の信頼性、サービス向上の観点から、行政情報の管理、活用などのあり方について検討を進めます。
【地域男女平等政策の展開】
29. 男女共同参画社会基本法を地域で活かし、市民参加による男女平等の地域社会づくりに取り組みます。このため、男女平等産別統一闘争の経験を踏まえ、県本部・単組は、「男女平等条例」「男女平等行動計画」の策定に取り組みます。
30. あらゆる分野におけるジェンダーチェックを進め、ジェンダーバランスの確保に取り組みます。地方連合会やNPOと連携し、地域の男女平等実現にむけた提言、政策評価などに取り組み、審議会などへの女性の30%以上の登用、自治体内部の女性職員育成・登用に取り組みます。また、国・地方議会の女性議員の拡大に地方連合会とともに取り組みを強めます。
【地域教育政策の展開】
31. 地域の子育て機能の拡充、地域に開かれた学校・学習環境を確立するため、市民自治の確立と地方分権にふさわしい地域教育システムづくりに取り組みます。このため、市民参加のもとで「学校評議員制度」の改善、「学校運営協議会」の活用を進めます。
7.
安心と信頼の社会保障制度改革の推進
急激な少子・高齢社会への移行のなかで、年金・医療・介護・福祉など社会保障制度の拡充とそのための財政基盤の確立が求められています。 しかし、小泉政権に続く安倍政権は、「経済・財政との調和」を理由に「負担増と給付抑制」を国民に押し付けています。さらに、市場万能の経済財政運営や公共サービスの規制緩和施策の継続により、社会のあらゆる面で競争と格差を拡大させ、将来への希望を含めた深刻な「格差社会」をつくっています。
「ワーキングプア」といわれる低賃金労働者が増大し、生活保護世帯も108万世帯を超えるなど、社会全体に貧困層が拡大し、こうした社会状況を反映して、自殺や過労死、いじめや虐待、犯罪の多発などの社会病理が深刻化しています。医師・看護職員不足による「地域医療の危機」が深刻化し、介護や保育の分野でも不安定・低賃金雇用の拡大による人材不足が一層拡大し、安定・安心・信頼の公共サービスの基盤を根底から崩壊させつつあります。
こうしたなかで、「誰でもが安心して暮らしていける社会」「将来に希望が持てる社会」にするために、社会保障給付費抑制を目的とした市場原理主義による「小さな政府」ではなく、政府・自治体の公的責任を明確にした「安心と信頼の社会保障制度」の確立が重要かつ喫緊の課題となっています。そのために、社会保障給付抑制に反対し、税・財政構造改革による社会保障給付財源の拡充に取り組むとともに、地方連合会や市民と協働して自治体の医療・保健・福祉計画策定に積極的に関与・参画し、地域から「共生と連帯」を基本とした福祉型社会の構築にむけ取り組んでいきます。 |
【分権自治型地域福祉拡充の取り組み】
1. 地域・在宅を基本とした医療・保健・福祉・介護サービスの提供体制の確立をめざします。このため、自治体単位で策定作業が進められている各種地域計画策定に積極的に参画し、地域生活を支える総合的な自治体政策の構築にむけ、地方連合会・市民と連携して取り組みます。
取り組みの推進にむけ、県本部に社会保障関連政策対策委員会を設置し、単組と連携した自治体改革運動を推進します。
@ 次世代育成支援地域行動計画や障害福祉計画、介護事業計画策定にむけ、当事者・市民参画を基本に、地方連合会とも連携し、サービスの質と量の確保に取り組みます。
A 医療制度改革で法定された医療費適正化計画の策定や医療計画の改定により、医療提供体制の大幅な見直しが進行しています。医師・看護職員不足を改善し、地域の医療体制の整備・拡充にむけ、市民・利用者・医療従事者の連携による地域医療計画の策定に取り組みます。
B 23万床の療養病床廃止・転換により医療ニーズを持った高齢者が、地域で安心して暮らしていくために、都道府県医療計画や医療費適正化計画、介護事業支援計画の策定や都道府県の地域ケア整備構想の策定に積極的に関与し、内容の検証・要求反映に取り組みます。
【社会保障財源確保の取り組み】
2. 経済成長や財政収支バランスを優先させた社会保障財源の抑制・削減や利用者負担の引き上げに反対し、所得税をはじめとした不公平税制の是正、租税負担率の累進性の強化など公平・公正な税制改革と社会保障給付費の政府予算に占める割合改善など、福祉型社会への転換をめざし、税・財政構造改革の実現をめざします。
3. 「骨太方針2006」で方針化された「5年で1兆1千億円の社会保障給付費削減」の具体化に反対し、連合と連携し、積極的な社会保障財源の確保にむけ取り組みます。
また地方分権の推進にともなう「国庫補助負担金の一般財源化」にあたっては、ナショナルミニマムの確保や各種施策の最低基準の堅持を基本に取り組みます。また、自治体予算の検証を通じ、サービス水準の低下を許さない取り組みを行います。
【高齢者福祉・介護保険制度改革の取り組み】
4. 「安心と信頼の介護保険制度の構築」を基本に、2009年度介護事業計画策定、介護報酬改定にむけ、制度的に懸案となっている諸課題の解決をめざします。
@ 介護保険の「被保険者・受給者の範囲見直し」については、適用年齢の拡大と財政基盤確立を基本に取り組みます。障害福祉施策の介護保険活用については、障害者自立支援法の改善・定着を優先課題として先行的に取り組みます。
A 2006年度から導入された「予防給付」の検証・見直しを行い、軽度要介護や要支援者が必要なサービスを確保できるよう、国会対策や厚生労働省交渉などに取り組みます。
B 療養病床廃止による医療ニーズを持った高齢者の福祉施設などへの移行にあたっては、高齢者の医療と介護を保障する受け入れ態勢の整備にむけて取り組みます。
C 市町村の保険者責任を明確にした地域包括支援センターの機能充実にむけ、実施状況の検証を行い、保健・医療・福祉との一体的施策の推進にむけた取り組みを強めます。
【障害福祉施策確立の取り組み】
5. 障害者権利条約の早期国内批准・差別禁止法の制定にむけ、国会対策を強めるとともに、障害者団体と連携し、幅広い運動を構築します。県本部・単組は障害者運動や市民運動と連携し、自治体単位での権利条約の趣旨を踏まえた条例化の取り組みを強めます。
6. 障害者自立支援法の立法理念である「障害者の地域生活と社会参加の保障」を基本とした障害福祉施策の確立にむけ、障害当事者の運動と連携し、以下の取り組みを進めます。
@ 報酬体系・単価、費用徴収基準の抜本改善をはかるとともに、地域生活支援事業の財源基盤の拡充をめざします。
A 障害者自立支援法の施行にともなう市町村の基盤整備や実施体制の拡充をめざし、地方財政計画・交付税措置の改善に取り組みます。
B 障害者の所得保障のための障害基礎年金や特別障害者手当の改善をはかるとともに、障害種別を越えた障害者雇用の拡大や就労支援策の拡充にむけ取り組みます。
C 障害者の障害特性に配慮した必要に対応するサービスの保障や、自立支援医療費自己負担軽減など、利用しやすい制度の実現に取り組みます。
D 精神障害者の地域生活を円滑に支援するため、精神保健福祉センター・保健所・市町村の連携、地域の生活支援機関との協力体制拡充に取り組みます。
【医療制度改革の取り組み】
7. 「いのちと健康を守る」ための医療を、「いつでも、どこでも、誰にでも」保障するため、保健所・市町村・市町村保健センターとの連携・協力体制強化や地域医療体制の整備・拡充をめざします。
@ 高齢者福祉・保健施策・生活習慣病対策の総合的な推進にむけた市町村の保険者責任を明確にし、教育・研修体制の充実と総合的な健康対策推進に取り組みます。
A 自治体財政健全化法や「公立病院改革」に名を借りた地域医療の切り捨てに反対し、救急医療やへき地医療等「不採算部門」を含め、自治体の責任による住民に必要な地域医療体制の確保・拡充をめざします。また、地域医療の中核としての公立病院の意義と役割を明確にし、存続をめざし取り組みます。
B 政府管掌健康保険の公法人化による「全国健康保険協会」の設立・運営開始にあたっては、連合と連携し保険料率の設定や保険事業の運営等についての意見反映に取り組みます。また、国民健康保険財政運営の安定にむけ、都道府県の役割・関与の強化をはかるとともに、利用者や被保険者代表の意見反映に取り組みます。
C 後期高齢者医療制度の施行にあたっては、真に医療が必要な高齢者が医療サービスを受けられるよう財政基盤の確保をはかるとともに、広域連合の運営への意見反映をはかり、運営の公平性・透明性確保をめざします。
【子ども・家庭支援施策拡充の取り組み】
8. 児童虐待防止にむけ、子どものいのちと人権を守ることを基本に、児童相談所や市町村の相談・支援や緊急保護機能の強化、児童福祉施設との日常的な連携の促進に取り組みます。
児童福祉司や心理職員の大幅な増員とともに、実効性ある虐待防止ネットワークの構築、連携機能を担保する市町村の実施体制の整備に取り組みます。
9. 一人ひとりの子どもの豊かな育ちの保障を基本に、財政負担軽減を目的とした公立保育所の民営化や保育サービスの市場化に反対し、地域全体の子育て支援機能の強化と連動した保育所機能の強化にむけ、保育所保育指針改定や次世代育成地域行動計画へ積極的に関与・参画し、政策への意見反映に取り組みます。
【「子どもと家族を応援する日本重点戦略会議」への取り組み】
10. 政府の「子どもと家族を応援する日本重点戦略会議」中間報告は、重点戦略の方向性として「働き方の改革」「包括的な次世代育成支援の制度的な枠組みの構築」「税制・社会保障制度を含めた総合的対応」「効果的な財政投入」などに言及し、多角的な検討を進めています。「子どもの最善の利益の保護」を基本に、児童福祉法上の「国・地方自治体の責務」規定の堅持、子どもと家庭への必要な支援の確立、安定した財源基盤の確保、ワーク・ライフ・バランスの推進等をめざし対策を進めます。
【生活保護改革の取り組み】
11. 憲法の生存権理念に基づく最低生活保障の堅持を基本に、年齢により分断しない普遍的な最低生活保障・最後のセーフティネットとしての水準維持と生活保護制度の改革に取り組みます。
@ 生活保護基準引き下げに反対し、政府・厚生労働省交渉や国会対策に取り組みます。
A 「モラルハザード論」や生活保護の適正化に名を借りた「保護申請権」の侵害や地域実態を無視した受給抑制の解消を求めます。
B 生活保護における自立支援機能を強化するため、関連する住宅・医療・雇用施策における低所得者対策の拡充と連携をはかり、「利用しやすく自立につながる生活保護制度運用」に取り組みます。
また、そのために、福祉事務所の実施体制の整備、ケースワーカーの配置基準の改善と専門性の向上・人材確保にむけた自治体の人事政策改善に取り組みます。
【年金制度抜本改革の取り組み】
12. 年金制度に対する国民の信頼回復にむけ、「年金記録問題」の解決が何よりも優先されることから、未統合記録を確実に給付に結びつけるための提言と取り組みを進めます。
13. 安心・信頼・持続可能な年金制度の実現にむけ、従来の届け出主義に依拠しない利用者の立場に立った執行体制を確立し、真の年金改革に取り組んでいきます。
14. 雇用形態の多様化の進展を踏まえ、パート・派遣・臨時・非常勤労働者などへの年金制度の完全適用を進め、制度の担い手を拡大し、持続可能性を高める改革を求めます。
また、ライフスタイルの多様化を踏まえ、性別とライフスタイルの選択に中立な制度への改革を求めます。
15. 自治労は公的年金の成熟期における抜本改革として、「21世紀の年金改革構想」に基づき、年金目的税の導入と基本年金制度の創出をめざします。また、給付の削減と負担の増加を招く「保険料水準固定方式」と「マクロ経済スライド」の早期撤廃を求めます。
【医療・福祉労働者の人材確保と処遇改善の取り組み】
16. サービスの質の確保・向上のためにも、劣悪化する医療や福祉労働者の雇用・労働条件の抜本改善にむけ、以下の課題に取り組みます。
@ 国際的にも医師の配置が低い水準を反映し、地域医療機関における医師や看護職員の不足は深刻さを増しており、「緊急医師確保対策」や「看護師・助産師などの確保・定着策」の具体化にむけ、診療報酬の改善や病院経営基盤の確立、過重労働の解消、労働環境の整備、研修体制拡充に取り組みます。
A 介護職員や保育士も雇用形態の多様化を反映し、人材不足が一層深刻化しつつあります。労働法令違反を許さず、公正労働基準の確保に取り組みます。また、介護報酬などについて、地域の平均的賃金水準が確保できるよう報酬額の引き上げと賃金の配分基準の策定や職員配置基準の改善を国に求めていきます。
B 外国人労働者の受け入れにあたっては、自国労働者の賃金・労働条件の抜本改善をはかりつつ、受け入れ施設の低賃金・不安定雇用の維持・拡大を許さず、就労する外国人労働者の人権保障と日本人労働者との均等待遇を基準化する取り組みを強めます。
8. 環境自治体づくりと脱原発の取り組み
京都議定書で定めた温室効果ガスの排出削減目標に対し、日本の温室効果ガスはすでに増加しており、大規模な自然災害も頻発しています。このため、日本が先導役となり削減目標実現をめざすとともに、すべての主要排出国を含めた温暖化防止策の新たな枠組みづくりに取り組む必要があります。こうした地球規模の目標実現と地域の環境対策の最前線となる自治体の役割を果たすため、「わたしのまちのエコチェック」に基づき政策提言を進め、持続可能な社会づくりに地域、職場、家庭から取り組みます。
さらに、大量生産、大量消費、大量廃棄などのライフスタイルの脱却をめざし、自然環境を重視した国土保全、3R(リユース、リデュース、リサイクル)を基本とした資源循環型の廃棄物行政や水政策、食の安全確立のため「環境の視点」から自治体政策を見直す運動に取り組みます。また、温暖化防止、環境保全推進の観点から、再生可能エネルギー導入による地域分散型エネルギー政策の確立、省エネルギーの推進を結合した脱原発社会の実現に取り組みます。同時に、あらゆる原子力関連施設に対し、地域を主体に原子力防災体制の確立をめざします。 |
【環境自治体づくりの取り組み】
1. 環境主義に基づく自治体の確立をめざし、「環境自治体づくり」の取り組みを進めます。
@ 「わたしのまちのエコチェック2007」を活用し、環境診断結果に基づき、地域の環境政策の充実に取り組みます。廃棄物の資源循環の推進、水資源や森林の保全など、地域の環境政策の充実にむけ、労使協議、地方連合会などへの意見反映を進めます。
A 持続可能の地域社会づくりをめざし、「エコチェック」で明確にされた課題に基づき、市民との協働のもとで環境基本条例や地域行動計画(ローカルアジェンダ)の制定、見直しにむけた取り組みを進めます。
B 市民による監査と意見反映の仕組みを取り入れ、労使協議を前提に、地域、職場の環境マネジメントシステムの確立を求めます。また、職場におけるグリーン購入制度の導入に取り組みます。
2. 地域環境政策の環境NGOである「環境自治体会議」に積極的に参加し、市民やNGO、首長や議員、研究者や事業者などと連携・協働し、地域環境政策の充実強化に取り組みます。また、環境自治体会議全国集会と連動し、自治労環境政策担当者会議を開催します。
3. 連合が提案する「エコライフ21」および「今日から始める環境にやさしい10の生活」を推進し、地域、職場、家庭から環境負荷削減にむけ、実践をはかります。
【地球温暖化・大気汚染防止の取り組み】
4. 地球温暖化対策が国際的な重要課題であることを踏まえ、温室効果ガス6%削減目標の実現にむけ、連合と連携し、産業部門、運輸部門、家庭部門の各部門の着実な削減に取り組みます。また、森林国内自給率の向上にむけた森林整備、交通体系の見直し、フロン回収促進など、実効ある温暖化対策の推進にむけ、連合とともに政策提言をはかります。なお、環境税の導入は、雇用拡大、環境対応の技術革新の促進をめざすEU諸国の事例を踏まえ、具体的検討にむけて連合に意見反映を進めます。
5. 市民参画のもと、すべての自治体で策定が求められている地域の温室効果ガスの削減目標を定めた「地域推進計画」の策定に積極的に関与し、着実な計画実行にむけて取り組みを強めます。
6. 地球温暖化防止活動推進センターの全都道府県への設置、市民参加のもとでの地球温暖化対策地域協議会設立やその活動を支援し、市民主体の温暖化防止対策の強化を求めます。
【環境保全・資源循環型廃棄物行政の確立】
7. 一般廃棄物処理については、市町村に対し、一般廃棄物処理計画に基づく総合的な施策の確立と、分別収集を基本にした減量化、資源化・リサイクルの推進を求めます。また、減量化の効果が十分検証されていない「ごみの有料化」への対応は、分別収集の徹底を基本に排出抑制に取り組みます。
8. 各種リサイクル法の対応については、生産から廃棄まで生産者が責任を持つ拡大生産者責任の徹底や、素材の統一化、わかりやすい番号による表示化の導入など、循環型社会形成を推進する法制度づくりを進めます。
9. 廃棄物対策については、自治体に対し、適正処理にむけた行政関与による施設整備や十分な職員配置を求めます。また、不法投棄防止に対する環境パトロールの強化にむけ、人的・財政的措置の拡充などの体制づくりに取り組みます。
10. ダイオキシン、アスベストなど有害化学物質に対し、実効ある排出源対策を求めるとともに、安全な処理体制の確保に取り組みます。
11. 国に対して、震災や水害時等に発生した廃棄物対策に関する財政措置の確立を前提とした、災害廃棄物処理に関する法制度の整備を求めます。
【循環型水行政の確立】
12. 水は公共財であると位置づけ、流域を単位とした統合的な水管理を基本とする「水基本法」の成立を求めます。また、自治体に対しては、水に対する関係部局の横断的な機関の設置を求めるとともに、労働組合や市民の参画による開かれた政策調整機能を確立するよう求めます。
13. 「自治労節水マニュアル」を活用し、ライフスタイルの転換と積極的な節水行動を職場・家庭から取り組みます。
14. 自治労水週間については、地域に開かれた参加型の運動を基本に展開し、水事業における公営の意義と、健全な水循環確立への取り組みについてアピールします。
15. 災害時における生活用水や飲料水などの安定供給の確保に取り組みます。
【食の安全の確立】
16. 食品安全行政の確立をめざし、自治体に対して「食の安全基本条例(仮称)」の制定を求め、地域の食生活の改善と食の安全に関する情報公開を推進します。
17. 自治体に対し、地域で生産した農産物をできるだけ地域内で消費する「地産地消」の積極的な導入に取り組みます。
18. 食品の安全・安心と消費者の信頼確保のため、生産・流通過程における履歴の明記(トレーサビリティ)の推進に取り組みます。また、BSE検査への対応や食品の虚偽表示などに対応するため、食品安全管理の監視・検査体制の拡充にむけ取り組みます。
19. 食品安全委員会に対し、遺伝子組み換え食品に関する情報公開や適切な対応を求め、消費者保護が最優先されるよう取り組みます。
【持続可能な地域分散型エネルギー政策の推進】
20. 「自然エネルギー促進条例」(仮称)を制定し、NPO・市民・事業者などとの連携をはかり、地域の特性に応じた自然エネルギーの開発・利用促進に取り組みます。
21. 国に対し、自然エネルギーおよび未利用エネルギーの開発を促進するため、税制・金融面などの優遇措置の充実をはかり、自治体施設や地域住民への導入奨励策を求めます。また、エネルギー基本計画の3年ごとの見直しにあたっては、省エネ・地域分散型自然エネルギー利用への転換を重視した計画となるよう意見反映に取り組みます。
22. 自治体に対して、地域の環境条件を活かし、太陽光や風力、バイオマスなどの新エネルギーや、中小水力発電などの再生可能エネルギーの積極的な導入を求め、地域分散型エネルギーの促進に取り組みます。
【脱原発の取り組み】
23. 国の原発エネルギー政策の転換を求め、環境団体や平和フォーラム・NGO・立地県の反対運動団体などと連携し、次の取り組みを行います。
@ 上関や大間原発などの新設、泊や川内原発などの増設に反対し、浜岡原発の停止、老朽化した原発の運転停止を求めます。
A 稼働中の原子力発電所については安全確保のため点検・検査を実施し、徹底的な情報公開を求めます。とくに、耐震安全性確保にむけ、全原発施設に対する徹底した点検を求めます。
B 青森県六ケ所村核燃料サイクル施設における、再処理工場の稼動を許さない取り組みを強めます。また、政府のプルサーマル計画や計画受け入れ県に対し中止を求め、対策を強めます。
C 補助金付きの高レベル放射性廃棄物の処分場公募については、住民とともに自治体に対して処分地候補への立候補をさせない取り組みを進めます。
D 国に対し、産業廃棄物処理場への「規制レベル以下の放射性廃棄物」搬入禁止と事業者による自己処理責任を求めるとともに、原発廃材による再生品化を許さない取り組みを進めます。
E 高速増殖炉の研究開発は、世界の先進国ではすでに撤退がはじまっており、国内でも実証炉のメドさえたっていません。安全性すらも立証・確保されないまま改造工事を終え、ナトリウムの再注入を行った「もんじゅ」の廃炉へむけた運動を強めます。
24. 自治労「新原子力防災ハンドブック」を活用し、国や県が行う防災訓練に対して情報公開を求めるとともに、監視行動を強めます。
25. 代替エネルギーの開発と脱原発の政策の推進をはかるため、市民団体・NGOなどによる6月期の節電・省エネ・自然エネルギーなどの積極的活用を進める行動に連携した取り組みを進めます。
26. 自治労脱原発ネットワークの活動を強化し、関係省庁との協議・交渉を進めます。
9. 平和運動の推進
小泉政権を引き継いだ安倍政権は、引き続きアメリカ追従を明らかにし、「憲法改正」や「戦後レジームからの脱却」を掲げ、教育基本法や米軍再編成関連法、国民投票法、イラク特措法などを強行に成立させ、憲法の解釈改憲から集団的自衛権の合憲化をめざす実質改憲へ動きを強めています。成立した国民投票法は、公務員への政治的行為の制限を国民投票に適用させ、国民投票が及ぶ範囲、投票権者の範囲などについて18本の付帯決議がされるなど、重要な論点が不明確のままです。教育基本法や関連法の改悪により偏狭なナショナリズムが強化されています。さらに、沖縄辺野古地区への基地建設をめぐって、自衛隊の派遣や自衛隊による平和団体・市民団体の活動状況の調査・情報収集などの監視行動が明らかになりました。また、沖縄戦集団自決の教科書内容修正や「従軍慰安婦」問題など安倍内閣の歴史認識が国内外で批判されています。
アメリカの世界戦略の変化にともなう「米軍再編」は、日本をますますアメリカに従属させ、憲法の平和主義の空洞化を進め、日米同盟の根本的な変化をめざすものです。自治労は、平和運動を職場・地域からの参加型運動として展開し、平和と民主主義を前進させる取り組みを進めます。これを基礎に全国の平和を希求する市民・団体と連携し、台頭してくる排外的なナショナリズムや復古主義に抗し、人権の尊重を基本とした平和運動を推進します。また人間の生活・生命・尊厳に対する脅威を克服するために「人間の安全保障」確立の取り組みを進め、国連を軸とした協調的安全保障体制の構築と地域安全保障体制の確立を求めながら、海外の労組や市民、国内外のNGO、国際労働機関と連携し、アジアをはじめ世界の平和と安定をめざし、運動を進めます。 |
【憲法改正問題の取り組み】
1. 憲法改正問題については、憲法の基本理念である積極的な平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を前提に、憲法の前文および第9条を堅持する立場で、今後の憲法審査会審議について国民への徹底した説明と合意形成を求め、連合や平和フォーラム、協力政党、市民団体との連携を強化して、平和基本法(仮称)制定運動や地域における学習会を通じて、憲法改悪を許さない多数派形成をはかります。
2. 自民党を中心とした政権は、憲法第9条の解釈改憲により、自衛隊の組織拡大や活動内容において違憲的状況を拡大してきました。憲法の積極的平和主義理念を現実化するために「平和基本法」(仮称)の制定をめざし、具体的には、「平和基本法案要綱」を作成し、平和フォーラムや協力政党と連携をはかり、制定に取り組みます。
3. 自衛隊の組織、能力および基地は、領空・領海・領土内に限定しつつ段階的な縮小を進めるとともに、現在の自衛隊を密入国、テロ、麻薬対策などを主要な任務とする警備組織と、災害救済・復旧、環境保全組織への再編・改組を求めます。
4. 国連を中心とする普遍的安全保障確立の観点から、PKO協力法の抜本的見直しを求めていきます。また、人道的な国際貢献活動、治安維持活動などは、非軍事・文民・民主を原則とする別組織を創設し、海外での活動に自衛隊を参加させることに反対します。
【平和創造の取り組み】
5. 多くの自治体で非核(平和)宣言が行われていましたが、市町村合併により宣言の位置づけが曖昧になっています。あらためて全自治体での成立をめざすとともに、地域平和運動センター・市民団体と連携し、自治体における平和・人権教育の推進や公共施設の安全と平和利用を定めた「自治体平和条例」制定に取り組みます。
6. 都道府県、市町村で策定された国民保護計画については、国家統制のもとに人権を大幅に制限する計画から、近年頻発する大規模自然災害や原発防災など、国民生活にとって身近な安心・安全の確保にむけて、地域の連携や協力を推進するための計画へと転換をはかります。そのために、県民・市民集会や自治体要請行動などの運動を市民と連携し取り組みます。また、有事を想定し、防災訓練との連動した国民保護計画を実施させない取り組みを強化します。
7. 連合の平和行動(沖縄、広島、長崎、根室)、核兵器廃絶運動、反戦・反基地運動に、中央・地方で積極的に参加します。また、地域における平和運動の一層の推進にむけ、自治労として取り組むと同時に、各県・地域における平和フォーラムの基盤整備と強化を進めます。
8. 偏狭なナショナリズムの動きに強く反対するとともに、諸外国との間に共通の歴史認識をつくる取り組みを求めます。同時に、外国籍市民への人権侵害を許さず、多文化共生の社会をめざす取り組みを進めます。
9. 日米安保条約については、軍事的安全保障から脱却し、平和友好条約への転換をめざすと同時に、日米地位協定の抜本的改正や在日米軍基地の整理・縮小を求める運動を中央・地方で積極的に進めます。とりわけ、米軍再編の焦点となる沖縄、山口、神奈川など、各地のたたかいに取り組みます。また、東アジアにおける平和を確かなものとするために、アメリカの軍事戦略に抗しつつ、米軍の縮小と東北アジア非核化、東アジア地域安全保障体制の構築を追求します。
10. 朝鮮半島の緊張緩和と、両国の自主的平和統一の取り組みを支持するとともに、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に対する植民地支配の清算、人権問題としての拉致問題の解決を求め、日朝ピョンヤン宣言に基づき、日朝国交回復を求めます。六カ国共同宣言や北京合意を基本に核兵器廃絶とNPT体制への復帰を求め、東北アジアでの非核・平和の確立の取り組みを支持します。また、韓国の労働組合・平和運動団体との交流を進めます。
11. 日本とロシア国民の友好関係と信頼醸成に努め、日ソ共同宣言に基づく平和条約の早期締結を求めます。連合とともに日ロ間の課題解決に取り組みます。
【核兵器廃絶の取り組み】
12. すべての核兵器の開発や核実験、核兵器の保有に反対するとともに、NPT体制の強化や包括的核実験禁止条約(CTBT)発効の促進、カットオフ条約(FMCT)の前進、国是である非核3原則の法制化など核兵器廃絶にむけ、連合、核禁会議、原水禁や平和市長会議その他市民団体と連携をはかりながら取り組みます。
13. 被爆者援護法採択にともなう附帯決議である被爆二世の健康診断の継続や放射線影響研究所の運営および予算配分に関しての改善、在外被爆者の「来日要件」の改正を目的とした被爆者援護法の改正など、被爆者問題の解決にむけて取り組みます。また、世界の被爆・被曝被害に日本が人的・組織的な貢献を積極的に行うことや被爆者の側に立った原爆症認定制度の抜本的改善を政府に求めます。
10. 人権を守り共生社会を実現する取り組み
| 日本は2006年5月、国連の人権委員会に替えて新設された人権理事会の理事国に選出され、名実ともに理事国にふさわしい国内外の人権基準確立が求められています。また、格差社会の深刻化のもと、人権侵害の多発、差別や排外主義の傾向が強まるなかで、「すべて人は人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、民族的もしくは社会的出身、財産、門地その他の地位またはこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享受することができる」との世界人権宣言の理念の具体化が求められています。地域で生活するすべての人権を保障するため、市民とのパートナーシップに基づく人権のまちづくり、人権保障機構としての自治体づくりを運動の中心に据えた取り組みを進めます。このため、部落差別の撤廃、男女平等参画社会の創造、外国籍市民との多文化共生社会の実現を通じて安心して暮らせるまちづくり・社会づくりを進め、選択の自由と違いや多様なあり方を認めあう共生社会づくりに積極的に参加します。 |
【人権基準を確立する取り組み】
1. 人権をキーワードとした共生社会の実現のため、「女子差別撤廃条約選択議定書」や「移住労働者等権利保護条約」など、未批准の国連の人権に関する条約の早期批准に取り組みます。
2. 人権NGOや市民との連携のもと、「人権市民会議」の提言に基づき、新たな人権保障法制度の構築にむけて取り組みを強めます。とくに、国連の人権規約を基本とした人権侵害の救済を目的とする「人権侵害救済法」(仮称)の早期成立の取り組みを進めます。また、本部は人権市民会議の提言などの具体化にむけて人権集会を開催します。
3. すべての自治体であらゆる差別の撤廃と人権教育・啓発などを盛り込んだ条例制定や宣言採択の取り組みを進め、「人権相談窓口」を設置し、自治体を人権保障機構とする取り組みを進めます。
4. 「人権教育のための世界プログラム」の行動計画を踏まえ、自治体における人権教育・啓発基本計画の策定を求めるとともに、自治体行政の場での人権教育施策の実施に取り組みます。
【部落解放、人権のまちづくりの取り組み】
5. 部落解放中央共闘・地方共闘に結集し、地域から人権尊重のまちづくり運動を進めます。
6. 狭山事件の第3次再審請求の段階での取り組みは、新100万人署名運動の成果を踏まえ、部落解放共闘会議や連合とともに地域での学習会・集会を通じ、運動の拡大をはかります。
7. 就職差別の撤廃のため、統一応募用紙の徹底、身元調査禁止など職場段階からの点検活動を進めます。また、公正なワークルール確立にむけ、ILO111号条約(差別待遇禁止)の早期批准を求める取り組みを進めます。
8. 「部落地名総鑑」の発行・購入やインターネットによる流布を止めさせる運動に取り組みます。また、差別助長につながる住民票の閲覧・交付を監視するよう求めます。
【性差別と暴力をなくす取り組み】
9. 改正均等法に基づき、セクシュアル・ハラスメント防止対策を着実に進めるため、防止計画・指針の策定に関わる啓発や研修の充実、相談窓口の設置を自治体に求めます。
10. 改正「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」を踏まえ、被害者に対する都道府県・市町村の保護・支援体制の強化に取り組みます。とくに、努力義務とされた市町村の被害者保護の基本計画策定や相談支援センターの強化に取り組みます。
11. 人身売買(トラフィッキング)は、国連の人身売買禁止議定書と刑法に定めた人身売買罪に基づき、未然防止策を強化し、人権に配慮した被害者の保護と帰国、再定住までをフォローするよう求めます。このため、婦人相談所における母国語通訳や日常生活支援、健康支援等の支援体制の整備に取り組みます。
12. 女性の性と生殖に関わる自己決定の権利(リプロダクティブ・ヘルス・ライツ)に基づいた母体保護法の改正および刑法の堕胎罪の廃止を求めます。
13. 夫婦別姓の選択、同姓から別姓への転換が可能となる民法第750条の改正、事実婚、同性愛者などの基本的人権の保障にむけた法制度の改正など、多様なあり方を認めあう共生社会づくりにむけた取り組みを進めます。
【子どもの人権を守る取り組み】
14. 子どもの権利条約の批准を踏まえ、関係国内法の改正を求め、婚外子、無国籍児への法的・社会的差別の撤廃に取り組みます。また、離婚後300日以内に生まれた子どもに対する嫡出推定は、子どもの人権保護の観点から柔軟な嫡出推定のあり方を求め、民法改正に取り組みます。
15. 少年法改正による触法少年に対する厳罰化と警察権限強化に反対し、触法少年の育成歴や家族、地域、学校などの環境を総合的に踏まえた福祉施策の充実に取り組みます。このため、児童相談所や市町村の相談支援機能の強化、配置基準改善や児童福祉施設最低基準改善に取り組みます。
16. 改正児童虐待防止法で市町村に対する安全確認義務と都道府県への保護者に対する出頭要求や面会制限などの権限強化を踏まえ、実効ある虐待防止策の実現にむけて児童相談所、児童福祉施設、市町村の相談支援体制の整備をはかります。
17. ILO138号条約(就業の最低年齢)、182号条約(最悪の形態の児童労働即時禁止)の批准にそって児童労働の廃止にむけ取り組みます。また、「児童買春・児童ポルノ禁止法」の周知をはかり、啓発を進める取り組みを行います。
【外国籍市民の人権確立の取り組み】
18. 外国籍市民の地方参政権の確立、外国籍市民も含めた住民投票条例の制定、協議会の設置や各種審議会への積極的登用にむけた取り組みを進めます。
19. 外国人登録票の常時携帯・提示義務の廃止、罰則規定の削除、登録票原票の第三者への開示禁止を求めます。また、「内外人平等」を明記した国連人権規約、難民条約の遵守、政治亡命の権利保障をもとに強権的な入管行政の転換にむけた取り組みを進めます。
20. 歴史的に経緯のある在日韓国・朝鮮人、中国人への無条件の永住保障、強制退去・再入国許可制度の適用除外と、年金・就職などの生活権を保障するための法・制度改革にむけた取り組みを進めます。
21. 自治体における相談窓口や日本語講座など生活全般にわたる施策状況の点検・改善拡充、大学受験資格の付与をはじめとする民族教育の制度的保障、多住地区における社会教育施策や施設設置を求めるなど「多文化共生」のまちづくりに取り組みます。
22. 国連「移住労働者権利条約」の精神に基づき、合法的就労かどうかにかかわらず、外国籍労働者の労働条件の確保や法令遵守にむけて取り組むとともに、自治体に相談業務の強化を求めます。また、外国人研修・技術実習生に対する劣悪な研修・労働条件や人権侵害を許さず、厳正な運用にむけて取り組みます。
【人権を守る連帯活動の取り組み】
23. 先住民族としての権利保障のため、「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」の改正を求めるとともに、人権侵害の防止のため啓発活動や人権相談体制の整備にむけた取り組みを進めます。
24. エイズやハンセン病復帰者に対する正しい知識と予防対策の普及・徹底を求め、差別や偏見のないともに生きる社会環境づくりにむけた啓発活動を推進します。
25. アムネスティ・インターナショナルなどと連携し、人権や平和、地球環境保全、開発の犠牲となりがちな女性や子どもの支援など国際人権問題に取り組みます。
26. ホームレス支援については、「人権尊重と自立支援」を基本に、就労、医療、住宅、福祉の連携による総合的な施策の展開をめざし取り組みます。また、全国実態調査結果を踏まえた「新基本方針策定」にむけ、全自治体で自立支援事業が実施できるよう相談・支援体制の整備に取り組みます。
27. プライバシー保護の観点から、個人情報保護条例や情報公開条例の制定・見直し、セキュリティポリシーの確立にむけた取り組みを進めます。
28. 法律サービスへのアクセスが容易でない司法過疎解消にむけ、連合、日弁連、日本司法支援センター(法テラス)と連携し、取り組みを進めます。
11. 「自由・公正・連帯」社会の実現にむけた政治活動の推進
2007年7月の第21回参議院選挙は、民主党の大勝と自民党の大敗北という結果をもたらし、とくに、民主党は大きく議席をのばし、単独で自公を上回る参議院の第1党となりました。次期衆議院総選挙において政権交代を実現するための展望を切り拓き、二大政党化と政権交代の流れが一層明確になりました。戦後つくりあげてきた「平和と民主主義」を崩壊の危機にさらし、格差社会の深刻化、地域の公共サービスの解体を進める自公政権に国民が不信任を突きつけた結果であり、速やかに解散・総選挙に追い込まなければなりません。
このため、自治労は、国民に犠牲を強いる自公政権に終止符を打ち、民主党を中心とした、政権交代の実現をめざします。そのうえで平和の創造と民主主義の強化、「労働を中心とした福祉型社会」の構築にむけて、政策実現運動・政治活動を展開します。
これらの課題実現のために、第1に、組合員の政治意識の活性化を通じて、主体的な政治参加を拡大し、その基盤の上に労働組合の政治活動を発展させます。第2に、「自由・公正・連帯」の社会をめざすという自治労の基本的な理念と価値観を共有し、その方向に沿った政策の実現をめざす政治家・政党との協力関係を主体的に選択します。第3に、労働組合の求める個々の要求・政策の実現のため、協力政党以外であっても、政策実現に責任を持つほかの政党・政治家とも政策協議を進めます。第4に、協力政党が参加する政権であっても、政権に対しては毅然として対応し、連合・市民団体と連携した大衆運動を背景に政策要求の実現を迫ります。第5に、勤労者市民の声を政治に反映させるため、連合の統一対応を基礎に、他の労組とも積極的な対話・協力を進めます。 |
【政権交代にむけた民主・リベラル勢力の総結集の取り組み】
1. 第21回参議院選挙結果を踏まえ、早期に衆議院解散・総選挙を求め、政権交代の実現にむけ、総力をあげ取り組みます。自治労は基本的な理念と政策の方向を共有し、自民党を中心とした保守政権に代わり、政権を担いうる勤労者・市民に立脚した民主・リベラル勢力の総結集をめざすことを最大の戦略におき、その実現をめざす政党・政治家と協力します。
このため、連合の選挙闘争方針、統一対応を基礎に、比例代表選挙、小選挙区選挙ともに民主党への支援・協力を基軸にたたかいます。また、社会民主党も支援してたたかいます。
【政治参加の促進と政治活動の活性化】
2. 地域とくらしを支える質の高い公共サービスの確立と「自由・公正・連帯」の社会の創造にむけた政治・政策活動が必要です。自治労は、連合・他産別・NPOなどの市民団体との日常的な連携を通じて政策づくりに取り組みます。それを基礎に大衆行動を背景としながら、政策立案段階から中央省庁対策、審議会対策、政党対策に取り組み、政策の実現をめざします。政党対策では自治労協力国会議員団を中心とした協力政党との連携を強化するとともに、その他の政党とも必要に応じて政策協議を進めます。
3. 有効な地方政府の創造と、地域での福祉・環境・人権などの社会政策の確立をめざし、政党・自治体議員・労働組合・市民の連携を強化し、自治体政策づくりを推進します。そのために、自治体議員連合との連携を強化するとともに、分権改革の進展や市町村合併を踏まえて自治体議会への組織内・協力議員の確保・拡充に取り組みます。具体的な政策要求では、連合、市民団体との連携による多数派形成と、自治労協力議員を中心とした自治体議会対策により、自治体政策の実現をはかります。
4. 組合員の主体的・積極的な参加を基本に「自由・公正・連帯」の社会の創造のため、創意工夫ある運動に取り組みます。県本部・単組は政治学習討論会、対話集会などを開催するとともに、地域の市民・NPO・議員との政策論議を通じて、組合員の政治意識の活性化と人材の育成をはかります。本部は、中央・地方の政治活動に関する情報収集・提供を進め、組合員の政治参加の促進に取り組みます。
【政治活動、選挙闘争の推進】
5. 自治労の政治活動、選挙闘争については、法令遵守を徹底して取り組みます。
6. 男女平等参画社会の実現をめざす立場から、女性議員の拡大をめざします。
7. 自治労は、民主・リベラル勢力の基盤となる政党・政治家、市民の連合の形成にむけ、労働組合の立場と領域を踏まえて、ほかの労働組合や市民と連携して中央・地方で活動します。
【第45回衆議院選挙闘争の推進】
8. 政権選択が問われる小選挙区中心の衆議院選挙の意義を踏まえ、各選挙区で民主・リベラルな政党・政治家による統一候補の擁立にむけ、連合とともに努力します。自治労協力候補は、連合の統一対応を前提に「各種選挙における自治労の推薦基準」に基づき、本部・県本部との協議により候補を擁立し、必勝をめざしてたたかいます。
12. 国際労働運動の発展と国際連帯・ネットワークの促進
グローバリゼーションの進展がもたらす世界的な規模での新自由主義経済の広がりは、世界的な格差や貧困の深刻化、地球温暖化をはじめとした地球規模の環境問題、地域紛争や人権の侵害、雇用の弾力化とインフォーマル経済の増大など、国際社会をあげて取り組むべきさまざまな課題を私たちにもたらしています。
21世紀が進むにつれて、国連のミレニアム開発目標(MDGs)のなかで表明された理想は、市場先導型の民営化などの経済政策に依存した手法では達成できないことが明らかになりつつあります。PSI(国際公務労連)は、2007年結成100周年を迎えますが、基礎的公共サービスが、人間らしい生活を送る上で不可欠であり、貧困の解消と社会の格差の解消に有効であることを再評価し、質の高い公共サービス・グローバル・キャンペーンの第二局面に入ります。
2006年11月に統合・結成された国際労働組合組織ITUC(国際労働組合総連合)は、公正さと社会正義に貫かれた新たな世界をつくり出すために新たな一歩を踏み出しています。 自治労は国際労働運動を担うとともに、とくにアジア地域でILOの中核的労働基準の確立、国連ミレニアム開発目標の達成にむけ、国際労働組織や、国際機関、NGOなどと連携し協働の取り組みを行います。また、PSIとともに、WTO(国際貿易機関)での貿易自由化交渉やGATS(サービス貿易に関する一般協定)およびFTA(自由貿易協定)による市場万能主義に基づく公共サービス「市場化」に反対し、経済活動への社会条項と労働条項の導入、「質の高い公共サービス」確立とディーセントワーク(尊厳ある労働)の実現に取り組みます。 また、「アジア子どもの家」の経験を発展継承した国際協力事業の自主的な組織である「エファジャパン」の活動を支援し、県本部・単組組合員のボランティア活動への参画と国際連帯の活性化をはかります。 |
【国際公務公共サービス労働運動の発展・強化の取り組み】
1. PSIはウィーン大会(2007年)において、公共サービス100年を再評価し、「質の高い公共サービス・グローバル・キャンペーン」の第二局面に入ることから、このキャンペーンを国内外において積極的に推進します。
「PSIグローバル政策と戦略目標2008−2012」に基づいて、質の高い公共サービスを守り発展させることを目標に、各国間および国内の社会格差の解消、貧困撲滅、公共サービス労働者の労働基本権確立、公共サービスの市場化反対、汚職・腐敗の追放をめざすグッドガバナンス(良い統治)の確立、男女平等参画など、各国共通の重点課題での運動の活性化をはかります。
@ PSI−JC(PSI日本加盟組合協議会)の活動を積極的に担い、日本におけるPSI加盟組合の拡大など組織強化に寄与します。とくに、保健・医療、水、エネルギーなどの公益事業部門における活動を強化します。
A PSI規約に基づき、あらゆるレベルでの男女平等参画(ジェンダー・メーンストリーミング)をめざします。女性委員会活動の強化とジェンダー監査手法の導入により、女性の組合活動への積極的な参画、雇用における男女間格差の解消にむけて、同一価値労働・同一賃金(ペイエクイティ)と均等待遇実現運動に取り組みます。
B 国際労働運動とその課題において、意見交換と経験交流、連帯の進化・蓄積をはかります。このため、シンガポールAUPEおよびフィンランド自治体労組(KTV)、中国中華全国総工会との定期交流を実施します。
C これらの取り組みを通じて、国際労働運動の情報や成果を内外に積極的に受発信します。
【アジア・太平洋地域を中心とする国際連帯の取り組み】
2. フィリピンにおける労働組合および人権弾圧(ILO、国連調査中)、ビルマ軍事政権下での強制労働(ILO29号条約違反)と労働組合権否定の問題(ILO87号条約違反)、インドの児童労働問題、ネパールやパキスタンの労働組合弾圧、アジア・太平洋地域におけるディーセントワーク達成に支障となる諸課題の解決に、PSIアジア太平洋地域の仲間とともに連帯して取り組みます。
また、ヒト・モノ・カネが国境を越えるグローバル化で、移住労働や人身売買の問題が顕在化していますが、APEC(アジア・太平洋経済協力会議)やASEANレベルの二国間、多国間での投資協定や自由貿易協定締結などの動きを監視し、各国の人権状況や公共サービスの市場化への影響など、アジア・太平洋地域における諸課題に対し、PSI−APRO(アジア太平洋地域組織)、連合・ITUCとともに、アジア太平洋地域での取り組みを強化します。
@ OECD(経済協力開発機構)のTUAC(労働組合諮問委員会)やPGC(公務運営委員会)の活動にPSIを通じて参画し、「質の高い公共サービス」の確立がOECDの取り組みに位置づけられるよう取り組みます。
A IMF(国際通貨基金)、世界銀行の政策とシステムを抜本的に見直すとともに、日本政府の関わり方について、NGOと連携して改革提言を行います。とくに、WTOのGATS協定については、公共サービスの国際貿易ルールによる市場化の動きに反対し、ILOの中核的労働基準を協定に盛り込むよう、PSIと連携し対策を強めます。
B 地域国際金融機関のひとつであるADB(アジア開発銀行)に、ILOの中核的労働基準の尊重を融資の条件とすること、ADBが融資するプロジェクトが質の高い公共サービス確立に寄与するよう、PSIとの協議を継続するよう求めます。また、日本のODAを途上国の社会的発展に貢献するものへと改革するため、「ODA基本法」の制定を連合とともに進めます。
C 途上国労働運動の支援のため、JILAF(国際労働財団)の各種プロジェクトへの参加・協力を進めます。
3. アジアの公共部門労働組合との連携活動を進め、平和・民主主義・人権などの普遍的価値の実現にむけた労働運動を前進させます。
@ 中国・中華全国総工会との交流を進め、平和・友好・人権・ディーセントワークの理念についての共通基盤の構築をはかります。
A 韓国の公共部門労働者の労働基本権確立にむけて、日韓の共同・連帯のたたかいを重視し、東アジア・太平洋地域の公共部門労働者の運動強化に努めます。
B 市場経済への移行期にあるベトナム・モンゴルなどの労働組合に対し、労使関係や労働安全衛生、環境政策などにおける支援・協力を行います。
【ILO対策の強化】
4. ILOの「政・労・使」三者構成主義を守り、国際労働基準の設定と向上に積極的な役割を果たします。ILO理事、ILO駐日事務所、日本ILO協会と連携し、連合に結集して国内外における運動を展開します。
5. ILO94号条約(公契約)、105号条約(強制労働廃止)、111号条約(差別待遇禁止)、149号条約(看護労働)、183号条約(母性保護)など未批准条約の批准促進にむけ、連合とともに取り組みを強化します。
【国際協力・連帯の強化】
6. 自治労はNGOと連携した国際協力・連帯活動を展開し、国際協力活動を通して平和・人権・多文化共生社会の基盤形成の取り組みを強化します。とくに、途上国における教育、保健医療、水など基礎的公共サービスの確立に貢献します。
@ エファジャパンの活動を強化します。
A 県本部・単組の国際協力活動の支援をエファジャパンとともに推進します。
7. 自治労の「国際連帯救援カンパ」に取り組み、平和・人権・環境をテーマに自治労方針に基づいて、連合「愛のカンパ」への拠出やNGO支援など有効活用を はかります。また、各国での大規模自然災害などに際しては、率先して支援活動に取り組みます。
13. 男女平等参画社会実現の取り組み
2005年12月の男女共同参画第2次計画策定、2007年4月における改正男女雇用機会均等法の施行、パート労働法の改正(2008年4月施行)など、国の制度における男女平等参画の取り組みは課題を持ちつつも着実に前進しており、少子・高齢社会を迎えるなか、「仕事と生活の調和」において男性の働き方の見直しを含むさまざまな議論が進んでいます。しかし、自治体における推進計画の策定状況は、46都道府県で策定済みであるものの、市区で72%、町村では23%にとどまり、制度と実態の開きが大きなままとなっており、また、地方議会におけるバックラッシュの動きも千葉県市川市の男女平等条例改廃など後を絶っていません。 雇用労働者の約4割、自治労組合員比率においても約4割が女性というなか、女性がすべての活動とプロセスに参画することは、社会の発展や自治労運動の活性化のために不可欠です。
自治労は、2002年から雇用、政策、組合活動への「三位一体」の男女平等参画をめざす運動として男女平等産別統一闘争の取り組みを開始し、「男女がともに担う自治労第3次計画」には女性役員の人材育成の機会として重視し、労働組合のすべての分野における参画推進のための闘争として位置づけました。しかし、まだまだ自治労全体の運動にはなっておらず、十分な取り組みが進んでいません。男女平等参画は自治労組織の活性化の要であり、経済・社会の持続可能性の基盤であることを基本に、男女平等参画は女性のみの課題ではなく、「仕事と生活の調和」の観点からも男性や基本組織の課題であることを認識する必要があります。2006年さいたま大会で決定した「男女がともに担う自治労第3次計画」の着実な実践とあわせ、職場や地域、労働組合において男女がともに生き生きと活躍できる場の実現にむけ、全力で取り組みを進めます。 |
【男女平等参画の取り組み推進】
1. 「生活と労働の調和する男女平等参画社会の実現」をめざし、地域、職場、労働組合内の男女平等を三位一体で推進する男女平等産別統一闘争を全県本部で取り組みます。
2. 「男女がともに担う自治労第3次計画」を着実に実践するため、単組・県本部・本部が一体となって取り組みます。
3. 男女平等参画を視点としたワーク・ライフ・バランスの実現にむけ、政府・地方団体に対する取り組みを進めます。
【男女がともに担う自治労づくり】
4. 本部・県本部・単組における機関会議・各種委員会・各種集会・行動参画における男女のジェンダーバランスを達成するため、女性の参画拡大目標を30%とし、第3次行動計画に定めた、第1期(2006〜2008年)25%以上、第2期(2008〜2010年)30%以上をめざします。
5. 本部が開催する中央委員会・定期大会等の機関会議において女性の参画拡大目標に到達していない県本部については、「自治労大会代議員・中央委員の選出運用基準」に基づき、本部・県本部が共同してその原因の分析と対策を行い、とくに到達率が低い県本部(15%未満)については、基準達成にむけた計画を策定します。
6. 本部全体の運動の前進を目的として、本部は役職員の採用・育成・登用における男女平等参画を推進します。また、女性の参加しない会議やプロジェクトをなくすことを目標にします。
7. 男女平等参画を保障し、活動家の養成・育成をめざした教育研修制度を確立します。
@ 女性リーダーセミナーを引き続き開催し、基本組織のリーダーとなる人材の養成・育成をめざします。
A 本部の主催する講座の体系的見直しとジェンダーの視点に基づいた改革をはかります。
B 会議・集会などの環境整備・運営方法を検討し、「参加したくなる」会議・集会をめざした「参加型」の運営を意識します。同時に「参加しやすい」会議・集会となるよう日程設定・早期周知などに配慮します。
8. 県本部・単組における男女平等参画の推進支援のため、ホームページ「男女がともに担うweb」の内容豊富化など情報発信の充実化に取り組みます。
9. すべての県本部において、「男女がともに担う自治労委員会」の常設設置、「男女がともに担う自治労計画」の策定・見直しをめざした取り組みの推進をはかります。また、本部作成の「セクシュアル・ハラスメントの防止および問題解決に関する要綱」を参考とし、パワー・ハラスメントを含めた要綱づくりと啓発活動を行います。
10. ジェンダー監査を活用し、課題を明確にしたうえで男女平等を推進します。
11. 男女平等参画の一層の推進をはかるため、各地連ごとに男女が参加する「男女平等参画リレーセミナー」を開催します。また、運動の強化をはかるための県本部セミナーを開催します。
【雇用における男女平等の推進】
12. 男女共同参画社会基本法を踏まえ、あらゆる社会制度・慣行をジェンダー中立のものにするため、男女平等政策および職場における雇用平等推進にむけ、自治体・雇用主要求を行います。
13. 常勤職員と比較して劣悪な労働条件下にある自治体職場の臨時・非常勤等職員、民間事業所のパート労働者について、圧倒的に女性が多いことを踏まえ、職場における男女平等の観点から、均等待遇・公正労働の実現とともに組織拡大を重点に取り組みます。
14. 市民ニーズに対応した公共サービスの水準と提供体制の確立、雇用・労働条件の確保をはかる観点から、今後の事務・事業に対応する計画的な職員配置を行うとともに、人員確保の取り組みを通年的に進めます。その際、今後の団塊世代職員の大量退職を踏まえ、年齢・男女別の職員構成に偏りのない計画的な採用の実施を求めます。(【人員確保の取り組み】より再掲)
15. 採用・登用・配置における男女間格差是正
@ 採用・登用・配置をはじめとする男女間の処遇上の格差を是正し、雇用の全ステージにおける男女平等の職場づくりを推進します。
A 県本部・単組は、男女別の採用・登用・配置実態、賃金実態に関わる格差の実態と要因を労使間で共通認識し、女性職員の採用・登用・配置の拡大計画の進捗状況の点検を進め、女性の採用・登用・配置の改善の取り組みを進めるとともに、これらに資する新たな評価制度を確立します。(【民主的で公正・公平な人事制度を確立する取り組み】より再掲)
16. 人事院の「育児を行う職員の仕事と育児の両立支援制度の活用に関する指針」等を参考に、育児・介護を行う職員の早出遅出勤務制度を活用します。
17. 育児・介護を行う職員の超過勤務の制限を徹底します。また、育児のための短時間勤務制度について、条例化を進めるとともに実効性を高める取り組みを進めます。さらに、介護を行う職員のための短時間勤務制度の実現に取り組みます。
18. 雇用の分野における男女の均等な機会と処遇を確保するため、改正男女雇用機会均等法を活用し、公民を問わず、間接差別を含むあらゆる差別を根絶するとともに、ポジティブアクションの実施を事業主に求めます。
(【公正労働基準の確立】より再掲)
19. 次世代育成支援対策推進法に基づき策定された「一般事業主行動計画」「特定事業主行動計画」が着実に実施されているか点検を行い、その結果に関する情報提供や内容の拡充など必要な措置を講ずるとともに、計画の充実改善をはかるよう求めます。
20. 地方公務員共済制度・事業について、性とライフスタイルに中立な制度設計を前提として、両立支援策や福祉事業などを充実するよう対策を進めます。具体的には、介護休暇全期間に関わる掛金の免除、育児休業・介護休暇に関わる休業給付金の支給水準・期間の改善、出産費・出産手当金の増額などを求めます。
(【共済組合短期給付事業、自治体健康保険組合への対応】より再掲)
21. 雇用形態の多様化の進展を踏まえ、パート・派遣・臨時・非常勤労働者等への年金制度の完全適用を進め、制度の担い手を拡大し、持続可能性を高める改革を求めます。
(【年金制度抜本改革の取り組み】より再掲)
22. 安全衛生委員会への女性の参画を促進し、男女がともに担う安全衛生活動を確立します。
23. セクシュアル・ハラスメントをはじめモラル・ハラスメントやいじめ対策など、新たなハラスメントの課題についても、使用者責任を明確にしつつ、情報提供や予防対策、被害者救済対策に取り組みます。
(以上、【安全衛生体制活動の活性化と人材育成】より再掲)
【制度・政策における男女平等の推進】
24. 男女共同参画社会基本法を地域で活かし、市民参加による男女平等の地域社会づくりに取り組みます。このため、男女平等産別統一闘争の経験を踏まえ、県本部・単組は、実効性のある「男女平等条例」「男女平等行動計画」の策定に取り組み、これを本部は積極的に支援します。
25. あらゆる分野におけるジェンダーチェックを進め、ジェンダーバランスの確保に取り組みます。地方連合会やNPOと連携し、地域の男女平等実現にむけた政策提言、政策評価などに取り組み、審議会などへの女性の30%以上の登用、自治体内部の女性職員育成・登用に取り組みます。また、国・地方議会の女性議員の拡大に地方連合会とともに取り組みを強めます。
(以上、【地域男女平等政策の展開】より再掲)
26. 改正均等法に基づき、セクシュアル・ハラスメント防止対策を着実に進めるため、防止計画・指針の策定に関わる啓発、研修の充実、相談窓口の設置を自治体に求めます。
27. 改正「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」を踏まえ、被害者に対する都道府県・市町村の保護・支援体制の強化に取り組みます。とくに、努力義務とされた市町村の被害者保護の基本計画策定や相談支援センターの強化に取り組みます。
28. 人身売買(トラフィッキング)は、国連の人身売買禁止議定書と刑法に定めた人身売買罪に基づき、未然防止策を強化し、人権に配慮した被害者の保護と帰国、再定住までをフォローするよう求めます。このため、婦人相談所における母国語通訳や日常生活支援、健康支援等の支援体制の整備に取り組みます。
29. 女性の性と生殖に関わる自己決定の権利(リプロダクティブ・ヘルス・ライツ)に基づいた母体保護法の改正および刑法の堕胎罪の廃止を求めます。
30. 夫婦別姓の選択・同姓から別姓への転換が可能となる民法第750条の改正、事実婚、同性愛者の基本的人権の保障にむけた法制度の改正など、多様なあり方を認めあう共生社会づくりにむけた取り組みを進めます。(以上、【性差別と暴力をなくす取り組み】より再掲)
31. 地方議会におけるバックラッシュの動きに対し、地方連合会や民主団体との連携をはかり、地域政策における真の男女平等を求める取り組みを進めます。
【国際的な活動における男女平等の推進】
32. ワークルールの改善、男女平等、均等待遇の推進などILO条約等国際条約の批准および遵守の取り組みを強めます。
(【公正労働基準の確立】より再掲)
33. アムネスティ・インターナショナルなどと連携し、人権や平和、地球環境保全、開発の犠牲となりがちな女性や子どもの支援など国際人権問題に取り組みます。
(【人権を守る連帯活動の取り組み】より再掲)
34. PSI規約に基づき、あらゆるレベルでの男女平等参画(ジェンダー・メーンストリーミング)をめざします。女性委員会活動の強化とジェンダー監査手法の導入により、女性の組合活動への積極的な参画、雇用における男女間格差の解消にむけて、同一価値労働・同一賃金(ペイエクイティ)と均等待遇実現運動に取り組みます。
(【国際公務公共サービス労働運動の発展・強化の取り組み】より再掲)
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