【自主レポート】

第38回地方自治研究全国集会
第9分科会 「やっぱはまりで、ぬぐだまる」(津軽弁)

 西東京市職労は、「市民の多様なニーズに応える良質な公共サービスに向け、市民との協働を強めよう。」という方針を掲げ、福祉、環境、子育て、被災地支援等の活動を展開してきました。市民の力に依拠した自治体改革、市民とともに学び活動する人材育成が求められているという問題意識からです。結成20年の活動を踏まえ、人と人との繋がりを大切にした労働組合、自治体の役割を考えます。



活動の中で生まれた絆と生命を守る力
―― 人と人の繋がりを大切にした健康応援都市西東京 ――

東京都本部/自治労西東京市職員労働組合・執行委員長 後藤 紀行

1. ウィズコロナ時代に求められる「健康」応援都市の役割

 新型コロナウイルス感染症拡大の「緊急事態」の中で私たちの心に刻まれたのは、医療、介護、福祉、子育て支援の職場で働く仲間、インフラ・公益、物流・生活必需品の供給を担う仲間が感染のリスクを負いながらも生命と暮らしを守ったことです。
 連合等が実施した最前線で働く仲間に「感謝とエールを伝えよう」という活動に大きな反響がありました。一方で感染対策の不備や雇用不安に対し、安心して働ける環境を、連帯の力で整備していくことも大変重要になってきています。
 また、新型コロナ感染症の影響による休業や失業により多くの方が生活困窮に陥り、生活支援を求めています。
 私は、4月に西東京市に開設した、「福祉丸ごと相談窓口」で、生活サポート相談員として働いています。
 多くの皆さんが「収入が減って生活費のことで悩んでいる」「家賃が払えなく困っている」等切実な相談に来庁します。
 住民に身近な自治体として、市民の健康と生活を支えていく地方自治体の役割の重要性を日々実感しています。
 そのような中、西東京市職員労働組合として、新型コロナウイルスの感染症緊急対策に関する制度政策要求とあわせ、生活困窮者、子ども食堂等へ食料支援するフードドライブ、介護事業所への医療用防護服等衛生用品の提供等の活動も実施してきました。
 西東京市は、都市部ならではの急激な高齢化と単身世帯数の増加に直面しています。住み慣れた地域で人生の最期まで自分らしく暮らせるまちづくりのため、オール西東京で「フレイル予防」に取り組んできました。
 「健康」応援都市の実現を自治体戦略の基軸に位置づけ、健康都市連合にも加盟しました。
 まち全体の「健康」に向け、地域、住民が互いに支え合う「健康」応援都市をめざし施策を展開しています。
 このような時代を迎え、私たち自治体職員には、何が求められているのか、労働組合として私たちになにができるのか、結成後20年を迎える私たちの活動の実践から考えます。

2. 「西東京市ワークライフバランス労使推進宣言」で進めた働き方改革

 西東京市は、21世紀最初の都市型合併で、2001年1月21日に誕生しました。自治労西東京市職員労働組合は、合併に伴い、2001年4月に旧保谷市職と田無市職が統合し結成され、今年で20年を迎えます。
 究極の行政改革といわれる合併に伴う人員削減の中、働き方改革に取り組み、10年目には、労使で「ワークライフバランス労使宣言」を締結しました。
 職員が、仕事にも生活にも喜びを見出し、お互いに助けあい、支えあい、いきいきと働くことのできる職場環境の構築を労使の共通の目標としました。
 特定事業主行動計画で「自分が変わる」「まわりが変わる」「上司が変わる」「どこから変わる」を合言葉に、「ワークライフバランス」を職場に根付かせるとともに、社会全体に広げることも宣言し活動してきました。
 私自身このような取り組みがきっかけで、次女が生まれた2005年10月に産後24日間、西東京市の職員として初の育児休業を取得することができました。
 今では、後輩の男性職員が、当たり前のように、育児休業を取得する職場風土ができ、大変うれしく思います。
 私たちは、子育てにとどまらず、介護やスポーツ地域活動などと仕事を両立する多様な生き方、働き方を後押ししてきました。結果として、職員として働きながら、パラリンピックに2010年2018年と出場する組合員も輩出することもできました。
 この流れは、2016年3月31日には、「健康な職場環境を目指す健康市役所」宣言を労使で締結、2017年5月には、市長、組合委員長、管理職が、「健康」イクボス、ケアボス宣言をするというように発展し進化しています。
 「ワークライフバランスを通じ、働き方生き方について、労使で学び、実践し、地域に広げる」私たちが、労働組合として果たしてきたひとつの社会的役割の成果だと思います。
 私自身、地域に関心を持ち、PTA活動、おやじの会等の活動に参加し繋がることで、生き方が変わり、人生が豊かになりました。貴重な財産です。
 私たちの働き方の基本となる「特定事業主行動計画」について、今年度後期計画(2021年~2025年度)の策定作業を実施しています。
 コロナ禍で在宅勤務の充実も課題となっています。介護と育児のダブルケアをする職員も増えています。
 ワークライフバランスの職場で、地域で広げていく活動はとっても重要です。

3. 東日本大震災復興で実感した組合員の連帯の力、地域の繋がり

 2011年3月11日の東日本大震災後、私たち自治労は、「被災者の支援・援護を行っている自治体職員・組合員の業務を支援すること」を目的に、全国から連日300人規模の職員を、被災地に派遣、避難所の運営業務、行政支援業務、支援物資の仕分け、医療支援業務等の支援活動を展開しました。
 西東京市職労としても、4月10日から、組合員を派遣、支援活動を実施しました。具体的には、福島県相馬市の避難所での保健師の健康相談、心のケア、福島県新地町での避難所の運営、岩手県大槌町での被災家屋の片づけ、瓦礫の撤去等のボランティアを実施しました。
 地域住民の生命と健康を守り、不眠、不休で復興にあたる現地の職員を支えるという気持ちで活動しました。
 全国の仲間とともに、被災地の仲間を支える労働組合の社会的意義を実感した貴重な体験でした。
 これらの経験で、私たちの組合活動も大きく進化したと思います。いくつかの活動を紹介します。

(1) 福島県新地町の復興に向けて「生涯学習フェスティバル」を支援
 新地町と西東京市の交流のはじまりは、東日本大震災直後4月に開始された自治労の復興支援活動からです。360度見渡す限り瓦礫の山という想像を絶する被災状況。厳しい状況の中でも住民同士で助け合っている住民と支え合う地域の強い絆。住民から信頼を得て、避難所としての機能と住民を繋ぐ地域の拠点としての機能を担っていた公民館、不眠不休で住民と連携し、公共サービスを守る職員の姿に感動しました。このまちの住民、職員と結びついていたいという西東京市の組合員の思いから、公民館を通じた交流が開始しました。
 2011年11月に開催された芝久保公民館まつりでは実行委員会が、支援バザーを実施、翌年から「しんちまち生涯学習フェスティバル」の「復興支援カフェ」の運営支援等の活動が開始、2013年には、田無公民館まつり実行委員会も支援に加わり、市民と組合員が新地町へ訪問、大豆雛を仮設住宅の皆さんにお届けする活動、「えほんうたライブ」を図書館、児童館、保育園で実施、交流を深めました。
 2014年には、公民館の組合員、市民、総勢50人で参加。「絆音楽交流会」では、ウインズパストラーレ吹奏楽団、江戸前かっぽれ西東京道場の皆さんが笑顔と涙の感動的なステージを演出、新地町民と西東京市民の交流が、双方の生きていく力になっているのを感じました。
 2013年には、新地町生涯学習課長、2014年には、村上さん(語り部・被災した新地町旅館「朝日館」女将)に西東京市に来ていただき、防災についての講演と紙芝居をして頂きました。
 村上さんは、震災で140年続く旅館も家も全て流された当日の様子、避難所での暮らし、町や仮設住宅での様子、孤独死を出さないための取り組みなど映像を交えてお話されました。
 市職労の活動から、公民館活動を通じた交流に発展しました。
 交流の輪は広がり、さらに交流の絆が強まり私たちの財産となっています。西東京市にあるクリスマスローズ農場ふみやさんから、毎年寄贈頂いているクリスマスローズは、新地町の地に根を張り、毎年、東日本大震災の発生した3月頃花を咲かせています。
 地域のコミュニティーを再生する拠点としての公民館、災害時の役割も再認識することができ、活動の輪は、公民館から、児童館等様々な分野に広がりました。
 「生涯学習フェスティバル」を通じ、新地町の住民、職員と、西東京市職員、旭製菓さん、公民館利用者、クリスマスローズ農場ふみやさん等市民の交流は、9年を経過した現在も継続しています。
 また、西東京市民、職員が、自分事としてどのような防災対策をしていくのか交流し学んだ成果は、様々な活動、政策に結びついてきています。防災対策、まちづくりに確実に反映しています。
 私も、地元の小学校の避難所運営協議会の会長として、地域の皆さんと防災対策等地域活動をしています。
 
(2) 産業支援のかりん糖誕生
 新地町の仮設住宅の皆さんと和やかな時間が過ごせればと西東京市に本社のある「旭製菓」のかりん糖をお土産に訪問したのがきっかけではじまった「しんちまち生涯学習フェスティバル」での「復興支援カフェ」と旭製菓の寄贈による「かりん糖大抽選会」。交流の中で、「風評被害に負けず、雇用と産業が元気になるよう特産品をつくりたい」と新地町町長、農協関係者等から意見が出されたことを契機に、JAそうま新地支部、旭製菓守下社長等関係者の熱い思いでニラ、トマト、りんご、ネギ味噌、ごぼう人参、いちご、そばといった新地町産の特産品が、「復興応援キリン絆プロジェクト」の助成を受け、旭製菓とJAそうま新地支部で共同開発され、販売されるようになりました。市民交流から、雇用、産業づくりに発展した好事例だと思います。

(3) 児童館で実施された「若者たちの防災会議」
 復興支援活動の中で学んだ防災への備えについて、西東京市の子どもたちに伝えたいという思いで、2015年8月8日、9日、児童館において「若者たちの防災会議」を開催しました。特に、若者同士(大学生から小学生)が自分たちで、情報を共有し話し合い、共感と共同作業を通して、交流し絆を深めていきました。児童館職場の組合員が子どもたちと一緒に、大学生をコーディネーターに据えて、泊りがけで、会議が進められました。
 自分たちで地域の防災情報を調べ、実際に震災で被害にあった大学生たちから話を聞き、自分たちができることについて意見を出しあいました。家族で逃げる避難所を決め必ず集まる待ち合わせ場所にする、など考えることは大人にも引けを取らない内容でした。
 市職労からは、自炊用食材や飲料、非常食などの食糧の配給をし、真剣に取り組んでいる子どもたちの力の源になる物資の支援を通して、頭を使ってへとへとの子どもたちの一助になりました。

(4) 復興支援活動を災害支援体制、地域包括ケアを学ぶ
 「いつまでも地域で暮らし続けるために」をキャッチフレーズに地域の中で365日、24時間のサービスの必要性を発信、デイサービス、訪問介護、グループホーム等介護保険事業および配食事業等の活動を展開、今年20年目となるNPO法人サポートハウス年輪と協力し、東日本大震災支援活動を展開してきました。
 バザー、メーデー等での被災地の物販販売、災害時の体制づくりを学ぶための講演会の開催、連合の制度政策集会への参加、宮城県石巻市、石巻市社会福祉協議会、福島県相馬市のグループホームなどの福祉施設へ共に出向き、義援金等を届け、現地の職員等と学習と交流を深めてきました。
 災害時は、想定外のことが多く発生します。特に高齢者等福祉施設では、生命に関わることが次から次に起きてきます。想定外を想定内にする平時からの災害協定や訓練等の重要性、市、社会福祉協議会、企業、NPO、市民との連携、地域づくりの必要性を学ぶことができました。
 また、地域の一員としての活動の必要性を改めて感じ、市職労としても、「災害ボランティアサポートチーム」を結成、高齢者の地域の見守り活動をする「ささえ合いネットワーク」の登録団体にも登録しました。

(5) 夏フェスタインそうま、佐藤健作「不二プロジェクト」相馬公演
 福島県相馬市では、原発事故の影響もありスタッフ不足は深刻で、結果として閉鎖に追い込まれた施設も出てきています。2012年2月に西東京市民会館で開催された「震災から2年を前にして」のシンポジウムで、講師であるグループホームの職員から深刻な人手不足について報告されました。その上で、当日ゲスト参加した和太鼓奏者「佐藤健作」さんの祈りの太鼓を「是非相馬市で実施してほしい」という要望が出されました。被災地で過酷な中でがんばっている職員、住民を支援したいという気持ちで、福島の復興を祈念し、祈りの太鼓を演じる佐藤健作さんの太鼓講演の実現に向けた活動を相馬市職等の協力で展開、2013年8月には、「夏フェスタインそうま」、翌年4月12日には、相馬市民会館大ホールの公演を実現することができました。

(6) 将来を担う子どもたちを支援 ―― 山田町
 2016年6月には、東日本大震災から5年を経過したことを踏まえ、岩手県山田町で中高生の学習施設の「ゾンタハウス」や高齢者の居場所「街かどギャラリー」を運営している舟田さん、子どもたちとの交流を継続している東洋大学学生にも来て頂き、講演と意見交換会が開催されました。震災直後、全てが劣悪な環境の中、子どもたちの学習環境の整備は置き去りとなり、そのことが学力の低下につながり社会から取り残されることが懸念されていたそうです。そのような中、東洋大学森田明美教授から中高生の居場所づくりと学習支援策が提案されスタートした被災地での子ども支援。5年間の活動を踏まえ、子どもたちを見守り支援する大人たち、継続的に学習支援や様々なサポートをする学生等の支援の中、子どもたちに将来を切り開いていく力がついていると報告されました。
 まちづくりの主人公となっていく子ども支援を重要な復興支援策として位置付けることの必要性を強く感じました。ゾンタハウスで活動した中高生は、国会議員との意見交換会等での被災地の現状と政策提言等も森田教授とともに行っているとのことです。

4. コロナ禍における市民との協働による「おうち時間応援パック」の配布

(1) 団地へのアンケートで裏付けられた外出頻度の低下
 2020年4月に、新型コロナ感染症対策のために外出自粛する高齢者の心身の低下を危惧し、約700戸の団地居住高齢者にアンケートを行いました。

アンケートをポスティングする市のフレイルサポーター

 この調査の結果、外出頻度が低下した高齢者が41.2%、週1回以下の閉じこもり傾向が13.5%となり、大きな活動量の低下が見られました。特に、運動や会話の低下が顕著にみられました。

(2) 市民の求職者支援と共に外出自粛対策グッズの配布
 この結果も踏まえ、西東京市では、これまで以上に高齢者に対する外出自粛対策の必要性を感じました。
 このため、2020年6月には、市内に住民票がある75歳以上高齢者約26,500人に対して、自宅での運動に使えるトレーニングバンドを始めとする、フレイル予防の視点を入れた様々な冊子やグッズが入った「おうち時間応援パック」を配布しました。
 そのほかの中身として、教育委員会の協力のもと市内各小学校の小学生が高齢者に向けた応援メッセージを書いたメッセージカードや、友人・知人とのコミュニケーションの手段として市内の風景を写した絵葉書、高齢期の栄養についての注意を記載してあるパンフレット、熱中症対策としての水の気化熱を利用したクールタオルなどを同封しました。
 封入・配布方法も検討し、郵送ではなく、求職者支援として様々な作業を行う有償ボランティアを活用しました。
 この募集の際に、求職者に留まらず庁内各部署に周知協力を依頼しました。これにより、若年性認知症者、ひきこもりの若者など、普段は「支援される側」であった市民が、高齢者を「支援する側」として参加・協力することができ、しっかりとした報酬がある自身の活躍の場として、共生社会の一つの形としても意義があったと考えています。

(3) 配布したトレーニングバンドを使った体操講座の要望の声
 上記パックで高齢者に配布したトレーニングバンドには、市内病院の理学療法士でもあるフレイルトレーナーが監修し、運動方法を記載したリーフレットを同封すると共に、市公式YouTubeチャンネルにリーフレットの運動方法を撮影した動画も公開しました。
 しかし、個人ではなかなか取り組みづらいという声を受け、上記トレーナーを地域の希望する高齢者の団体に派遣する事業も同時に開始しています。
 これによって、運動方法の指導はもちろんのこと、地域の高齢者が集まるきっかけとして活用してもらうなど、外出自粛による高齢者の健康被害の低減に努めています。

5. フードドライブ、マイバッグ、COOL CHOICEの取り組み

 日本の食料自給率は38パーセント(2017年度)と、食料の6割を海外から輸入している一方で、3分の1は食べられずに大量の食品が捨てられているという現状があります。このような「もったいない」状況を改善するため、西東京市職員労働組合では、生活困窮者・要支援児童等への食料支援及び食品ロスを削減し、ごみの削減、地球温暖化対策を図る目的で、市職員による初めての試み「フードドライブ」の実施を行いました。折しも2020年10月9日、食料援助を行う国連WFPのノーベル平和賞の受賞が決定しました。国連WFPが一年間に支援している食料は、年間約80か国、8,000万人以上に対して食糧を年間約420万トン(2019年度)提供しています。日本で無駄にしている食品の量は、年間約612万トン(2017年度推計・2017年度)、世界の食料支援量の1.5倍に相当します。すなわちこの食品ロスが必要なところに正しく循環すれば、いびつなまでの食料の不均等を解消することができます。また、飢餓の解決のため、私たちにできることは何だろうか。食品ロスを減らす運動の広がりは、世界の飢餓の現実を知るきっかけにもなります。
 今回、家庭で余っている未利用食品(乾物・飲料・調味料・レトルト食品等)を回収し有効利用することにより食品ロスを削減し、ひいては可燃ごみ及び不燃ごみ等の減量に寄与するものと考えています。
 また食品ロスについては、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の「誰一人取り残されない」という考えのもと、国際目標12の「つくる責任つかう責任」に位置付けられ、持続可能な消費と生産の具体的な指針が記載されるなど国内外で注目されています。今回、市職員から寄付された未利用の食品を健康福祉部地域共生課及び子育て支援部子ども家庭支援センターを通じて生活困窮者・要支援児童等へお届けしました。このフードドライブをきっかけとし、一人ひとりが意識をして、食品ロスをはじめとするごみの減量を考える活動に、今後も自治研活動の一環として協力していきます。
※SDGsとは
 2015年の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界をめざす国際目標です。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本も積極的に取り組んでいます。

6. 地域と繋がり、まちを創る西東京自治研センター

 私たちは、2015年12月、組合内に、西東京自治研究センターを設立。市民とともに福祉、災害環境等様々な分野で活動を展開、自治研センターの活動の中で多くの事を学びました。
 第1に現場を知り、絶えず現場の声を大切にすることです。
 日々変化するニーズを把握することの必要性を活動の中で再認識しました。労働組合の原点は絶えず現場にあります。
 第2に市民協働の実践の中で、市民と職員が繋がり、成長するということです。
 市民との活動の中で、生活感覚、多様性の受容、コーディネート能力といったスキルを学ぶことができたと感じています。
 第3に、今、行政に求められる役割についてです。
 市民ニーズを実現していくためには、様々な機関が有機的に連携していくことが必要となります。行政には、コーディネート役が求められます。災害時は、特に日常的に培った能力と関係性が問われると思います。質の高い公共サービスの実現に向け、人をどう繋げていくのか、そのための、感性と能力を高めていく必要があると思います。職員が現場で汗をかき共に議論し考え、「地域の力」「人の力」を繋げていくという協働のまちづくりの実践を重ねていくことが「最後まで地域で暮らしたい」と感じるまちづくりにつながるということを学びました。
 第4に市民からの市職労への信頼性の増大です。
 活動の中で、得られた信頼は、公共サービスを支える職員を守る力となります。
 第5に様々な立場を超え連携することで、様々な力、可能性は生まれてくるということです。
 市民、行政、市民団体、企業等の連携でそれまで想定できなかった活動が生まれてきます。
 第6は、政策提言のできる自治研究センターの必要性です。
 活動の中で様々な人、団体が繋がり必要性が明らかになった事項を政策に反映させるその力を自治研センターが持ち、地域を変える原動力になっていくことが求められています。
 福祉、子育て、環境、生活支援、被災地支援、産業振興、平和等様々な課題を市民、関係機関等とともに学び、活動し、まちを創っていくのも自治体職員である労働組合の社会的役割だと思います。「住んでよかった。」と思える西東京市を、市民とともに構築する拠点としての自治研センターにしていきます。