【自主レポート】

第38回地方自治研究全国集会
第9分科会 「やっぱはまりで、ぬぐだまる」(津軽弁)

病院の経営状況について

 

島根県本部/隠岐広域連合職員組合 野津  晶

1. はじめに

 私たちの働く隠岐広域連合立隠岐病院は、島内で唯一の入院機能を有する病院であり、周囲を海に囲まれた隠岐の島(島後)にあります。診療科は全16科、病床数115床、一日平均外来患者数456人/日、入院患者94人/日、総職員数233人の病院です。
 隠岐の島町の人口は約1万4千人、65歳以上は5,600人と高齢化率は40%です。島には、町立診療所が3か所と開業医が3か所あり、地域医療を支えています。ただし、島内に入院施設を有する医院、病院が他になく、救急を含むすべての入院加療を必要とする患者が集まってくるため、常に慌ただしく忙しい状況が続いています。

2. 病院の経営状況について

 2018年度の病院の経営状況は、医業収支が△7億8千万円(医業収益(約23億3千万円)-医業費用(31億1千万円))であり、経常収支は△1千万円(経常収益(約31億9千万円)-(経常費用32億円))である。経常収支がよく見えるが、実際には構成団体からの繰入金があり、不採算経費として赤字部分を全額補填してもらっている状況です。繰入金の総額も、2013年度は5億2千万円であったものが、2018年度には6億5千万円となっており大幅に増加しています。構成団体である町の交付税措置額も減少しており、このまま進めば、経営状況は危機的状況となるのは時間の問題となっています。

3. 職員組合として

 現在も、交渉のたびに、勤務環境の改善、離職防止対策を訴え、様々な改善・対策を行ってきました。どちらも病院が直面している喫緊の課題であり重要なことですが、経営に主眼をおいた要求はありませんでした。このまま経営悪化が進めば、現状の医療体制が維持出来なくなり、安心の医療を提供することが出来なくなることが考えられます。
 経営面については、我々も、自治体病院の役割を考え、安易な効率化ではなく、島民の期待に応えることを大前提としたうえで、しっかりと当局へ政策提言をしていきたいと考えます。