【自主レポート】

菜園活動の取り組み
~ ふれあい畑を通して ~

三重県本部/自治労阿山町職労・ともだ保育所 中島 千緒

 ともだ保育所では、人とのふれあいと命の大切さ、相手を思いやる気持ちを育むことをねらいとして菜園活動に取り組んでいます。保育所敷地内に約300のふれあい畑があり、保育所の園舎が現在の場所に移転した平成元年から地域の交流の場として定着しています。菜園をはじめた頃は、園児の祖父母が中心となって活動していましたが、核家族化や兼業農家の増加から、園児の祖父母に限らず父親や母親の参加も見られるようになりました。現在は、園児・職員、園児の家族、地域のお年寄り、また、園児が就学する小学校との交流にもつなげています。保育所と小学校との話し合いで、いちごの収穫には、昨年の秋にいちご苗を植えて卒園した小学1年生を招き、収穫を喜ぶと共に、在園児や保育所職員との再会も喜び合いました。その後に、1年生の一人ひとりからお礼と感想の書かれた絵手紙も届き、交流も一層深まったと感じています。また、来年度小学校に入学する年長児と6年生に進級する5年生が地域の人と交流し、約250本のさつまいものつるを一緒に植えました。「お姉ちゃんやって、やって」「つるを寝かせるんやで」「お兄ちゃんてすごいなあ」と5年生や園児の喜ぶ声が多く聞かれ、名前を教え合い、呼び合ったり、楽しそうに声を掛け合う姿が見られました。小学校や地域との交流は今後も深めていく予定です。
 現在、菜園には、さつまいも・きゅうり・なす・ししとう・ピーマン・トマト・かぼちゃ・すいか・ひとくちメロン・落花生などが植えてあります。それぞれの苗を観察しながら、大切に大切に植えました。農業の盛んな地域であるため園児の家族も菜園には関心を持って積極的に指導もしてくれます。また、保育所内に菜園があるので、園児も自由に菜園に入り、苗の葉の形や色の違いを観たり、苗が花や実をつけ、野菜が育っていく過程を自然に見ることができます。菜園で出会う小動物もいます。ミミズ・もぐら・カエル・クモ、ときにはヘビにも出会い、益虫と害虫から自然の摂理を考える機会も持つことができます。
 収穫後には、クッキング保育を行っています。食の安全を考慮して、有機肥料を使用し、無農薬で安全な野菜を安心して食べられるようにしています。5月下旬には、たまねぎとじゃがいもを収穫し、カレーライスやハヤシライス作りを楽しみました。また、掘りたてのじゃがいもを子どもたちが手でこすって皮をむき、ふかしいものおやつにしました。また、秋にはさつまいもを収穫し、焼き芋やスイートポテト作りを小学生との交流で、楽しみたいと思います。野菜の出来具合も年々違いはありますが、毎年12月には、協力いただいた方々を招き、感謝の気持ちで収穫祭を開いています。
 今後も、地域・小学校との交流や行事の持ち方、菜園の管理の仕方を工夫しながら、ふれあい畑を通して、たくさんの人とのふれあいを楽しみ、食物を育て、収穫の楽しさを味わい、思いやりを持てる子どもを育てたいと思います。

年間菜園活動計画
 
ともだ保育所
おうちの人との活動
地域交流
小学校との交流
園 児 の 活 動
備  考
4

5
・夏野菜の苗植え   ・小学1年生と交流
 (いちご摘み)  
・いちご摘み
・落花生と枝豆の種まき
・誕生クッキング
 (カレーライス作り)
・摘みたてを食べる
6
・さつまいものつるさし
・落花生の苗植え
・いちご畑とじゃがいも畑の片付け   ・小学5年生と交流
 (さつまいものつるさし)  
・じゃがいも掘り
・誕生クッキング
 (ハヤシライス作り)  
・掘りたてをおやつにして食べる
7

8
・夕涼み収穫祭     ・夏野菜の収穫
・夏野菜の手入れ
・落花生の土かけ
・とりたてを食べる
・給食の一品
9
・ふれあいクッキング ・夏野菜の片付け
・落花生畑の草引き
・独居老人を招く
  ・誕生クッキング
 (夏野菜カレー作り)  
・おやつの一品
・給食の一品
10

11
・いちごの苗植え

・たまねぎの苗植え
  ・小学5年生と交流
 (焼いも大会)  
・さつまいもと落花生掘り
・いものおやつ作り
・焼いも大会
・ぬか焼き
・落花生を洗って干す
・ぬかに焼き芋を入れる
12
・お楽しみ収穫祭 ・独居老人を招く   ・おやつクッキング
 (おいもケーキ作り)  
 
1

2
  ・肥料を入れる
・畑を耕す
  ・おやつクッキング
 (スイートポテト作り)  
・さつまいもと落花生のおやつ 
3
・じゃがいも植え   ・小学5年生と交流
 (じゃがいも植え)