【自主レポート】
都立障害者施設改革の基本的視点と方向性について
~今こそ「脱施設」に向けたビジョンの作成を~
東京都本部/自治労都庁職民生局支部日の出福祉園分会 山崎 淳
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1. はじめに
私たちは、この間の民生局支部自治研において東京都立障害施設利用者の地域生活移行の具体化を目指すことを目的に、以下のようなレポート及び取り組みをしてきました。
2001年 「重度知的障害者生活寮開設の方策と展望」として「のい」「みお」の設立の経緯・運営状況の報告と見学及び「知的障害者地域生活連絡会」での討論状況の報告
2002年 「障害者施設における園内生活寮の運営状況と今後の課題」として4福祉園の園内生活寮運営方の調査報告と何をもって園改革課題としていくか等についての報告
2003年 「社会福祉事業団改革における労働組合の役割~宮城福祉事業団「施設解体宮城宣言に学ぶ~」として宮城福祉事業団労組より施設解体に関わる施設労働者の立場からの現場報告をうけるとともに、町田福祉園の自活訓練事業の現状と課題についての報告
これらは、各施設の施設改革の現況を確認できたと共に、今後の課題を共有するものでした。今年度は、他県での「脱施設」への具体的な実践が行われている状況下での都立施設の民間移譲が示されていることを踏まえ、あらためて現場実践と事業団課題をつなぎ、我々が目指すべき課題の掘り起こしをしていきたいと思います。
2. 各福祉園での地域生活移行の取り組み状況について
2002年の自治研において、各福祉園の「園内生活寮の設置状況と運営」についてレポートしました。今回は、その追跡レポートとして八王子福祉園・町田福祉園・小平福祉園・日の出福祉園の重度知的障害成人4施設の地域生活移行に向けた取り組みについてまとめました。
(1) この間の各園での地域生活移行の状況は以下のとおりです。
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グループホーム
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家 庭
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備 考
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八王子福祉園 |
3
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1
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01年~04年
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日の出福祉園 |
0
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0
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町田福祉園 |
6
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4
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00年~03年
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小平福祉園 |
0
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0
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(2) この間の業務実践の中で各園とも、努力を重ねてきているところですが、「職員の意識改革」と「保護者の理解」等の他に地域移行への支援として、特に重要と報告された事は以下の点です。
① 園内生活寮での取り組み(検証)と、保護者・援護機関に見てもらうことで確信をしてもらう。
② 「本人」への徹底した寄り添いと、ファミリーサポートを進めることが重要。
③ コーディネーターを組織化して、独立して動ける体制が不可欠。
④ コーディネーターが、フォーマル、インフォーマルな地域関係者と関係を構築していくことが、園への理解・信頼につながる。
⑤ 施設へ後戻りしないために「ていねい」で継続したアフターケアとバックアップ体制が重要。
(3) 更に今後の課題として報告された事は以下の点です。
① 常時医療ケアを必要とする方の地域生活移行の仕組みをどう構築するか。
② 強度行動障害や「自閉」症等困難な支援のある方の地域生活への地域住民の理解をどのように創っていくか。(共生社会の実現)
③ 移行した後をどのように、「縮小」につなげるか。
④ 地域生活を支えるヘルパーとの連携を具体化する。(ヘルパー研修の受け入れ等)
3. 東京都社会福祉事業団「目指すべき将来像」を検証する
今年1月に事業団より示された『利用者本位を徹底する「施設改革」の推進について(重点事業)』では、「事業団の目指すべき将来像」としてセーフティネット機能とセンターオブセンター機能が上げられていました。これらについて今後重点的に取り組んでいくということは、今後の事業団・施設運営にあたっては非常に重要であると思われますが、一方で私たちの認識と事業団の認識に大きなズレがあるように思われます。
(1) セーフティネット機能
本文からは、「民間施設では支援困難な利用者を受け入れるなど」しか記されていません。
一般的に「セーフティネット」といった場合、通所施設や入所施設等の制度の狭間にいる方や「非社会的行為」をしてしまう方等への見守りや偏見を無くすための支援を創っていくということと思われますが、他に説明がないためそういったことではなしに、単に「施設収容機能の強化」に受け取られる危惧があります。
現在施設を利用しているミドルステイやショートステイ利用者の多くは、「施設入所待機」の方も多く、複数の施設を転々とする中で「地域生活を継続するマネージメントがなされなかった結果としてそのまま施設入所になる状況もあります。今後早急に、ミドル・ショートステイ利用者のマネージメントシステムを構築していくことが求められています。
加えて、災害時の各施設での地域障害者の受け入れについてどこまで検討されているでしょうか。阪神淡路大震災では、多くの職員が支援に出かけました。今後起こるであろう大震災を想定し、ある一定の基準を持って各地域との協定を結び、具体的支援にむけ関係者でのネットワークを作っていく必要があります。
(2) センターオブセンター機能
これも「利用者支援の専門的技術などを民間施設に普及していく」という表記のみとなっています。
「センターオブセンター」とは、各都立施設が、地域福祉を支える中核的バックアップ機能」を強化するということではないでしょうか。
それは、
① 東京都内外の福祉施設等間のネットワークの構築
② 事業団のスケールメリットを活かした独自の圏域設定とサービス設定
③ 福祉と「働く」「医療」「教育」分野との連携をはかる
④ 東京都外(他県)施設利用者の帰還を具体化する
⑤ 政策提起及び全国に向けた発信
等が主な課題と思われます。
これらは東京都との対等な関係を構築すると共に、都立障害施設の収容機能の縮小と同時に取り組んでこそ意義があります。
(3) 古くて新しい課題こそ重点的に取り組む必要あり
事業団の事業方針では、地域生活移行と並んで、事故防止や職員研修の強化が強調されています。そのこと自体を否定するものではありませんが、職員の資質向上と競争で全てを解決しようとしていることには、大きな疑問を持たざるをえません。
一方施設現場においては、人員減をともないながらも集団処遇から個別支援へと支援方法を大きく変えてきました。
その過程において、
① 狭義・広義での身体拘束をどのようになくしていくか
② 強度行動障害を持つ利用者あるいは高齢・虚弱の利用者への支援向上の取り組み
③ 通所交流の拡大
④ 余暇活動の充実など現場職員の支援技術の向上のみならず、施設運営体制を大きく変更する中で取り組まなければならない課題が明らかになっています。すでに、支援ニーズ毎に体制を大きく変更しつつある施設もあり、これらの総合的かつ客観的評価をしていく必要があります。
(4) 施設サービスの支援者の多様化・社会化と今後の職員構成事業団派遣職員について
「16年度」では1,220名、「20年度」で1,148名、「26年度」では828名となり(「13年度」末現在)、平均年齢も「16年度」で46.4歳となり、「21年度」には51歳を超えることになります。中高齢の職員が多数を占めるとともに今後退職者が集中していく傾向が続くことになります。加えて、全体的な体力の衰えに対しても考えていく必要があります。今後、短時間労働やワークシェアリングなどについても検討する必要はないでしょうか。
一方で既に各園では、非常勤・障害者雇用・NPO・有償介助サービス・ボランティア等様々な雇用形態の「支援者」導入されていますが、今後もその傾向は強まるものと思われます。これらの方々は「常勤職員の代替」ととらえるのでなく、「施設利用者支援の社会化」としておさえるとともに、その研修を含むマネージメントが重要になってくるものと思われます。
4. 「利用者本位を徹底する施設改革の推進」の先に……。
この間私たちは、「誰でもが当たり前の暮らしを」をスローガンとして、各園レベルで施設改革の具体化に向けて取り組んできました。しかしながら、これまでの施設改革=「当たり前の生活の追求」は多くの人が施設に居続けることをやむなしとしたものでしかなく、抜本的に「施設収容」という壁をそのままにしてきたのも事実です。
一方で、支部は1986年の自治研において「地域分室」構想を提起してきていましたし、事業団内でも「分園構想」を討論した経緯があります。今年度の厚労省の予算要求においては「サテライト方式」が要求されています。(結果として成就しませんでしたが)
既に他県において『施設収容』に対して抜本的に切り込む「脱施設」の取り組みが進められています。この間の施設改革の第一ステージは、地域サービスの拡充と個別支援への転換、第二ステージは地域生活移行であったとすれば、それらを礎として「脱施設」の具体化をはかっていくことが求められているといえます。以下にそれに向けた課題について提起します。
(1) 当面の取り組み課題
① 施設機能の再構築
・地域生活移行システムの確立(都立施設の有機的ネットワーク化と各園移行担当の組織化、より重い人の移行を)
・自活訓練事業の充実
・地域生活支援機能の整備(地域生活支援センターの設置、セーフティネット、センターオブセンター機能の確立)
・事業団、局の協働で「地域生活移行推進室」を設置
② 施設規模の縮小
・地域生活移行後の入所枠をショート・ミドル・地域生活移行型へ
・サテライト型施設の検討(23区分室の設置)ここが、脱施設化時に向けた、暮らし・活動の場を探す先遣隊の役割を担うとともに、地域サービスにも取り組む。
・施設改革による生活単位の縮小化
③ ショートステイ・ミドルステイのマネージメント体制の確立
ア 働く場・活動の場・余暇の場の創出
a 地域の中に
b 通所施設との協働
イ 支援体制の変更等
a 多様な雇用形態による支援スタッフの確保とマネージメント体制の確立
b ワークシェアリングの検討
ウ 都外施設利用者の帰還に関する検討会設置
④ 目指すべき「脱施設化」イメージ (東京モデルの創出を)
(1)をベースにしつつ
ア 施設は地域サービスセンター及び医療支援センターとして機能する。
イ 東京都の多摩地区遍在の解消を目的に特別区の23区に分室を設ける。
a 各分室が、東京都外施設利用者の帰還基地として機能するとともに、各グループホームのバックアップを担当する。
b 働く場、活動の場のひとつを担う。
c 地域サービスに取り組む。
ウ 居住は各地域に点在するグループホームへ移行する。
a より個別支援の必要な方には24時間型パーソナルアテンダントシステムを確保する。
b グループホームは、友人同士型、高齢者・子どもとの共生型、民間会社社員寮併設型、その他多様な形態を模索する。
・ 働く場、活動の場、余暇の場を広く、楽しく、気持ちよく
・ 具体的QOL(生活の質の向上)の確保
5. 各園での地域生活移行に向けた取り組み状況
【町田福祉園】
1. 園内・外自活寮等の設置状況と課題等
名称と形態
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利用者数とスタッフ
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運営課題等
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ウィルⅠ(園内職員宿舎) |
・利用者数5名(内体験的利用2名含む)
・職員4回/業務宿直
・NPO3回/夜間警備(20:00~8:00) |
・車椅子対応の浴室がない。(外も同様)
・入浴自立している利用者の入浴時見回りの不安がある。(職員数の問題)(外も同様)
・園内日中活動と地域生活日中活動(作業所)での目的・手法に差がある。
・医療的ケアが必要な利用者を支援するのは困難(外も同様)
・地域の災害協力等が十分に得られない可能性がある。(外も同様) |
ウィルⅡ(賃貸物件、園より徒歩12分) |
・定員3名(内体験利用1名含む)
・職員2回/週業務宿直
・NPO4回/夜間警備(20:00~8:00) |
・園から離れているため押し売り、入浴などの危険が予測される。
・緊急時の対応(バックアップ施設、協力医療機関等)の不安がある。
・利用者の食事管理に不安がある。(糖尿食等の対応が困難である。) |
2. 地域移行関連マネージメントでの課題等
(1) 個別支援計画関連
・入所時に地域生活移行に向けた園の考え方・事業内容等の説明が不足している。
・地域移行に向けての施設職員の意識と専門性の構築が必要である。
・地域移行に重点をおいた個別支援計画書式になっていない。
(2) 利用者の意思確認等について
・最重度利用者のため、言語による意思疎通が困難である。
・未経験のことが多いため、地域生活への不安がある。
・生活寮に関する情報が不足している。
・利用者選定方法に関して園全体のコンセンサス・協力体制が不足している。その対応策として「地域移行促進調整会議」にて地域移行システムの構築を図っている。
(3) 保護者に向けた課題等
・施設が一番安心という保護者の思いが強く、理解されない。自活訓練事業に参加する=地域移行(施設からだされてしまう)という思いをもつ保護者もいる。
・地域生活移行(重度生活寮)の概要自体(イメージ)がない。
・施設生活と地域生活での利用者負担金の格差がある。
(4) 区市町村との調整
・援護機関との連絡・調整する時間が不足している。
・施設からの地域移行の一連の流れについての説明不足がある。
・保護者が施設(職員)まかせになっている傾向がある。
・援護機関によって地域移行に関する意識の格差がある。
(5) 経済的課題
・障害基礎年金、心身障害者福祉手当だけでは経済的に不足している。(重度障害者が地域生活するには、経済的基盤として障害基礎年金・心身障害者福祉手当・特別障害者手当ての受給が必要である。また、これらを受給した際にも、家賃補助を受けられるようにする必要がある。)
・病気・怪我などへの予期せぬ医療費支出に対する貯蓄が出来ない。
(6) 日中活動
・地域生活をした際の日中活動の受け皿が不足している。とりわけ、重度障害者を受け入れられる日中活動場所が少ない
(7) 地域との協働及びバックアップ等について
・地域との共生が図れるか不安である。
・地域の中のマンパワーが図れるか不安である。
・地域の他障害分野との連携とコーディネーター業務の確立が図れていない。
(8) アフターケア体制についての課題等
・施設として充分なバックアップ、アフターケア体制が図れるか不安がある。また、バックアップの内容自体が明確になっていない。
・利用者を含めた充分なファミリーサポートを図るのが困難である。(援護機関の対応だけでは不十分であり、いつまでも施設が見続けなければならない状況がある。また、保護者も頼ってしまう傾向がある。)
3. その他
・重介護型(一般入所型)利用契約書による地域生活移行の縛りがある。(一般入所型の「自動契約」の問題がある。)
【日の出福祉園】
1. 園内・外自活寮等の設置状況と課題等
名称と形態
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利用者数とスタッフ
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運営課題等
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ぱお(園内職員宿舎) |
・利用者(男性4名・女性3名)
・職員(6)+非常勤2+障害者雇用1名) |
・こだわりの強い利用者が複数利用されているため、利用者間のトラブルを防ぐため、職員の適切な援助が必要である。
・利用している旧職員宿舎に段差・階段が多いため、移動に不安のある利用者には職員の付き添いが必要である。
・入浴場面では職員が必ず付き添い、入浴介助が必要である。
・3世帯に分かれての食事であるため、配膳などに時間がかかる。職員が2名しかいない時間帯での食事は、利用者に戸外に出て世帯間を移動しなくてはならない。
・入浴はユニットバスのため、プライバシーの保護が出来にくい。
・車椅子利用を前提になっていない。
・日中活動は1日を通した活動が必要
・地域作業所との積極的な交流が必要
・高齢の利用者もおり、骨折などの危険性がある。
・防災訓練は、毎月行っているが、職員の少ない夜間の非難に時間がかかるものとおもわれる。 |
2. 地域移行関連マネージメントでの課題等
(1) 個別支援計画
・今年度より保護者の地域生活移行の希望の有無と個別支援計画に関する意見・要望及び援護機関への連絡・調整をする形式とした。
(2) 利用者の意思確認等について
・利用者本人の意思確認は難しいが、日常の支援の中で表情や行動の変化を読み取る努力をしている。
(3) 保護者に向けた課題等
・施設が一番安心という保護者の思いが強く、理解されていない。しかしながら、職員のていねいな説明の中で園以外の暮らしを考えはじめた保護者も出始めてきている。
・今年度は、通信の発行やグループホームの見学会を設けることとした。
(4) 区市町村との連携
・担当ワーカーとの定期的な情報交換を行っている。
・東京都全域の利用者を受け入れており、必要な情報を得るため各事業所が単独で区市町村の情報を収集しているが、まとまった情報を得られる窓口が必要である。
(5) 経済的課題
・年金の本人管理は必要
(6) 地域との協働及びバックアップ体制について
・NPO法人秋川流域生活支援ネットワークとの協働領域の拡大が課題
・地域での重度知的障害者対応ホームヘルパーの育成。
(7) アフターケア体制での課題等
・アフターケァにかかるスタッフの時間を必要な分保証することは難しい。
3. その他
・世帯寮の拡張による完全個室の園内生活寮の整備及び多目的室(旧保育室)を活用の検討
・園外に体験型グループホームを17年度に設置する計画がある。
・現在改革推進委員会では、昨年の改革ビジョンの具体化にむけ、設備検討チーム、暮らし方チーム(利用者の棟間移動、係間協業、医療環境等)、地域生活移行推進チームに別れ各実務に取り組んでいる。
【小平福祉園】
1. 園内・外自活寮等の設置状況と課題等
名称と形態
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利用者数とスタッフ
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運営課題等
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自立ルーム(職員宿舎) |
・利用者(男性3名・女性2名)
・職員(福祉サービス3係職員…常勤13名+非常勤2名) |
・日中活動の場が確保できない。 |
地域体験室(園外アパート…平屋一戸建て3K風呂トイレつき) |
・利用者数(1名…体験利用の利用者3名が交代で利用している。)
・職員(自立ルームと兼務)
・夜間は夜勤が見回り、他は携帯電話で節目節目に利用者より連絡 |
・園から離れているため、押し売り・入浴などの危険が予測されることに適切に対応しなければならない。
・園のデイサービスなどでの受け入れについて検討が不十分。
・糖尿病に対する対策 |
2. 地域移行関連マネージメントでの課題等
(1) 個別支援計画
(2) 利用者の意思確認等について
・利用者は盲重複障害を持っているため、地域生活のイメージをもつことが困難。また、生活寮等に関する情報が不足している。
(3) 保護者に向けた課題等
・施設が一番安心という思いが強く理解されない。
・高齢の保護者には、地域移行という考え方そのものを伝えるのが困難。
(4) 区市町村との連携
・市が生活寮設置に消極的。
(5) 経済的基盤
・年金の本人受給に対する理解が得られにくい。
・本人受給が最近始まった利用者は蓄えが少ない。
(6) 日中活動
(7) 地域との協働及びバックアップ体制について
・地域移行後のバックアップについて具体的検討が不十分。
(8) アフターケア体制についての課題等
【八王子福祉園】
1. 園内・外自活寮等の設置状況と課題等
名称と形態
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利用者数とスタッフ
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運営課題等
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のいⅠ(世帯用宿舎) |
・利用者(男性4名・女性4名)
・職員 |
・宿舎自治会との共催による防災訓練の実施 |
のいⅡ(旧園内保育室) |
・利用者(女性4名) |
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Be(単身用職員宿舎) |
・利用者(男性8名) |
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らら(単身用職員宿舎) |
・利用者(7名) |
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2. 地域移行関連マネージメントでの課題等
(1) 個別支援計画関連
・地域移行に向けた計画書の作成
(2) 利用者の意思確認等について
・直接的な意思確認が困難な利用者が多いが、体験的利用を通してその表情、精神的状況など生活の様子を生活棟利用時との比較によって判断する。
・本人状況以外の要素として、家族の理解・地域資源の整備状況・収入の確保など本人の状況以外の要素による選定にならざるを得ない。
(3) 保護者に向けた課題等
・地域生活への移行についての「理念・価値観」の共通認識を持つ。
・保護者にとって施設入所のみが「安心の場」との意識が強く、そのことを払拭するための情報の提供・学習の場の設定などが必要。
・権利擁護・人権意識を確立するためにも、後見人の選任を推進するべきである。
・事業団として保護者会等への働きかけが必要。(ex.説明会、パンフレットの作成など)
(4) 区市町村との連携
・区市町村地域福祉計画との調整
(5) 経済的課題
・家族の経済支援を受けずに、年金・手当てのみの収入で生活が成り立つ仕組みが必要
(6) 日中活動
・通所先の確保(作業所等の重度対応の整備、区市町村の連携、施設内でのデイサービスのあり方検討)
(7) 地域との協働及びバックアップ体制等について
・地域資源との連携
(8) アフターケア体制
・治療食・形態食について栄養士等の指導助言を、地域生活移行後のアフターケァメニューに加えることが必要。
3. その他
・利用契約時の説明と合意形成
・具体的地域移行については、もっとも障害の重い方からすすめ、ケーススタディによる普遍的課題の抽出を行う。
・施設本体の将来構想につても同時に明らかにする必要がある。(施設規模の縮小化)
・世話人の労働条件の改善
・事業団職員の早期退職による世話人の確保策
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