【自主レポート】

ぐんまの名水を売り出そう
― おいしい水をアピールするプロジェクト ―

群馬県本部/群馬県職労・農業技術センター 工藤 暢宏

1. はじめに

 いま、水が売れている。不況でモノが売れない時代に、ミネラルウォーターの売上高は右肩上がりの成長を続け、水市場の拡大は著しい。最近では,前橋市内のスーパーマーケットでも数十種のミネラルウォーターが手に入るようになった。「関東の水がめ」と呼ばれる群馬でも、水を買う人が増えているのだ。また、ミネラルウォーターを買う人が増えると同時に、天然水にこだわり、湧水汲みに熱中する人も増えている。かつて、消費者の間では、「水はタダ」という意識が強かったが、その後、水道水の安全性への不安などにより「高品質の良い水」を飲みたいという要望が高まり、「おいしい水」を取り巻く状況が大きく変化してきたようだ。
 群馬には、多くの険しい山々や火山があり、県土の3分の2が森林に覆われている。そのため、年間降水量が少ないわりに、豊かな水環境が育まれている。特に、利根川上流には多くの水力発電所や人造湖が建設され、群馬県=水源県というイメージが強い。しかし,利根川をはじめとする河川だけでなく、数多くの名水(湧水)があることはあまり広く知られていない。実際には、環境庁(現環境省)の「全国名水百選」に、「箱島湧水」と「雄川(おがわ)堰」が選ばれており、最近では群馬の「おいしい水」を汲むために、わざわざ首都圏からやってくる人が増えているときく。「この水を飲まずして群馬は語れない」あるいは、「群馬に来たなら是非あの水を飲んでいってください」とか、胸を張って奨められる「おいしい水」が群馬にはたくさんあるはず。もっと群馬の「おいしい水」を世の中の人に広く知ってもらい、飲んでもらいたい。群馬の豊かな自然が与えてくれた名水は、皆で味わい、これからも大切に守っていかなければならない県民の財産である。本稿では、ぐんまの名水を広く売り出す(文字通り商品化まで視野にいれた)施策を提案したい。

2. おいしい水への関心が高まっている

 ミツカン水の文化センターが東京圏、大阪圏および中京圏の在住者620名を対象に、平成15年度「水にかかわる生活意識調査」を実施した。このアンケートの中で、「水道水をまずい」と感じる人は過半数を超えている。また、都市在住者がおいしいとイメージする水は、「湧き水」(43.1%)、「市販のミネラルウォーター」(19.7%)、「渓流の水」(18.8%)、「浄水器を通った水」(6.1%)、「井戸水」(6.1%)の順であった。「水道水」は全体の2.2%にすぎなかった。

3. 我が国にも「ウォーター・バー」が誕生

 2002年秋、東京都渋谷区の恵比寿ガーデンプレイスの中に、「R gath (アール・ギャズ) 」という我が国初のウォーター・バーがオープンした。カウンターに19席のイスがあるだけの簡素なつくりで、32種類のボトル・ウォーターを揃えている。一番の人気銘柄はアラブ首長国連邦のミネラル・ウォーター「マサフィ」、この銘柄は、最近、群馬県内のコンビニエンス・ストアにも出回るようになった。2番目は「スイス・ウォーター」、3番目はポルトガルの「ルソ」。その他、イタリア、スコットランドなど、世界の主要な水を飲むことができる。会社の昼休みに、水を飲みに来る常連客もいるそうだ。
 一方、ミネラルウォーターの売り上げは、1989年に国産・輸入を合わせて11万9,000m3だったが、1999年には国産89万4,000m3、輸入19万5,000m3、計108万9,000m3で過去10年間で、市場が9.2倍成長した。現在、市場に出回っているミネラルウォーターの国産品だけで22社以上、これらに輸入品を加えると30社以上の製品が販売されている。値段も高く、2リットル入りのボトル詰めで200円程度、ガソリンと同じくらいの値段だ。「水をお金で買う」という意識は欧米では当たり前のことだが、わが国でも、「うまい水は買ってでも飲む」という意識が定着したようだ。日本ミネラルウォーター協会によると、2002年の国産ミネラルウォーターの生産量は110万キロリットルであり、将来は、現在の3倍の生産が期待できるという。その根拠は、ミネラルウォーターの1人当たりの消費量が欧米諸国と比較しても少ないことにある。日本人の消費量は年間一人10リットル程度で、欧米ではやや少な目のイギリスの23リットルの半分以下の消費量である。イタリアの149、フランスの141リットルには比較にならない少なさである。我が国における、ミネラルウォーターの市場の急成長の姿はかつてヨーロッパやアメリカが辿ってきた道でもある。
 ミネラルウォーターの消費が拡大した背景には、消費者の健康志向や自然志向が考えられるが、水道水の品質の悪化も大きな要因の一つであろう。自治体では河川水を上水道として利用するとき、塩素殺菌を行わねばならない。そうすると、塩素臭が水に残って、味を損なう。加えて、地下水がトリハロメタンなどの有害化学物質に汚染される事例も増えてきたことも考えられる。水道水の品質に対する不安が消費者にミネラルウォーターを選ばせるのではないだろうか。

4. 「水の特区」構想

 今年2月の定例県議会で、小寺知事は塩素消毒無しの水道水の供給を可能にする「水の特区」構想を私案として明らかにした。この構想は塩素消毒を施さない水を水道水として用いることができるように、地区を限定した法律適用措置を講じ、条件を満たす市町村を「水の特区」に指定するというものである。小寺知事は「不特定多数の人が飲む水道水は、衛生的処理を行わなければならない。法令上は塩素消毒を施すことによって『水道』として許可される。そのため、谷川の清水や清冽な湧き水であっても、塩素を注入して、おいしい水をわざわざ、まずくして水道水として供給しているのが現状」と指摘した上で、「水の特区」構想を提示した。
 わが国の水道法では、一定濃度の塩素分が残留するように塩素消毒が義務づけられている。ドイツやカナダ、アメリカなどでは、塩素殺菌に替わる、オゾン殺菌を取り入れている。このため、水道水から塩素臭をほとんど感じることがない。わが国で「水の特区」を設定するには、水道法の規制が緩和される必要がある。もし、塩素消毒をしない「おいしい水」が水道水として利用できれば、「良質の水が飲める県」として、群馬を広くアピールすることもできる。そのため、この構想はたいへん意義の深いものであり、構想の実現を切に願う。できるだけたくさんの人に「群馬のおいしい水」を飲んでもらいたいし、遠くからも飲みに来てもらいたい。

5. 群馬のおもな名水と水質の特徴

 群馬には険しい山地や火山が多くあるため、数多くの湧水があり、それぞれ地域の人々に親しまれている。ここでは、中でも、よく知られた湧水を紹介したい。

(1) 箱島湧水(吾妻郡東村)
   箱島湧水は榛名山の火山活動により形成された湧水で、湧出量は0.35m3/秒(約3万m3/日)あり、県内有数の湧水の一つである。湧出量の季節変化はほとんどない。湧水口は箱島不動尊の境内にあり、杉の巨木の根元から轟音をたて水が湧き出す様子は壮観。県内の人気水汲みスポットの一つで、平日の昼間でも、水汲みに訪れる人が途切れることはない。箱島不動尊は800年以上の歴史をもつといわれている。現在でも、地域の方々の保全活動が盛んで、手入れが行き届いている。

(2) 赤城山周辺の湧水
  @ 赤城神社の御神水(宮城村)
    赤城山の山腹には滞留時間が短い地下水がいたるところで湧き出している。その一つが赤城神社境内の湧水で、箱島湧水と並ぶ県内人気水汲みスポットになっている。赤城神社境内の杉林の一角に水場がある。水量はあまり多くない。県外から水を汲みに来る人が多い。
  A 馬の水(宮城村)
    国道353号線から県立赤城森林公園そばの林道の崖にある水場。清水と湧水の中間のような位置づけの水場で、ビニルパイプで導水されている。流量は多くない。
  B 木曽三社神社の湧玉(わくたま)(北橘村)
    赤城山麓の南西部に位置する湧水で、赤城山周辺に分布する湧水としては最大級の湧出量を誇る。湧水箇所は池になっていて、池の中央から水が湧き出している。かつては生活用水として利用されていた。

(3) 谷川岳パーキングエリア(水上町)
   関越自動車道の関越トンネルの内の湧水。谷川岳パーキングエリアで飲むことができる。水場は上下線どちらにもあり、湧水量は年間でほぼ一定している。
   これまで紹介した湧水の特徴について、「続・名水を科学する(日本地下水学会編)」からのデータを紹介する(表1参照)。これらの湧水のpH は7付近で中性を示している。電気伝導度は谷川岳パーキングエリアの水が39.6μS/cm、馬の水が54.2μS/cmと低い値を示し、赤城神社の御神水が78.7μS/cmと低めだった。これらの水はあまり滞留時間が長くない地下水であると考えられる。水質組成(表2参照)では、箱島湧水にはNa、Ca2+とHCO3-の濃度が高くSO42-も大量に含まれている。箱島湧水はNa、 Ca-HCO3型(重炭酸ナトリウムや重炭酸カルシウムを多く含む)に分類される。赤城神社と馬の水はCa-HCO3型(重炭酸カルシウムを多く含む)で、木曽三社神社の湧玉もCa-HCO3型に分類される。谷川岳パーキングエリアの水はCa-HCO3型であるがSiO2(ケイ酸)とHCO3-の濃度が高い特徴があり、これは深層水であることと、この湧水が火山山麓部に位置することによる。

 

表1 主な湧水の水質総括表
湧水の名称
電気
伝導度
(μS/cm)
pH
HCO3-
(mg/l)
Cl-
(mg/l)
SO42-
(mg/l)
NO3-
(mg/l)
Na+
(mg/l)
K+
(mg/l)
Ca2+
(mg/l)
Mg2+
(mg/l)
SiO2
(mg/l)
箱島湧水
126.9
7
38.4
5.2
11.3
2.5
6.9
1.4
11.4
2.5
42.6
赤城神社
78.7
6.9
32.9
1.7
0.6
1
2.7
0.8
7
1.8
35.3
馬の水
54.2
7.1
22.9
1.6
0.8
1.1
1.9
0.5
5.8
0.7
21.6
木曽三社神社
207
6.9
47.5
9.4
5.6
42.7
8
1.5
19.8
5.8
49.6
谷川岳PA
39.6
6.8
6.4
2.7
3
1.7
1.3
0.2
2.9
0.7
5.6
   採水時期−いずれの湧水も97年3月
 ** 数値は「続・名水を科学する(技報堂出版)」より抜粋


表2 水質組成による分類と特徴
水質タイプ(型)
水の特徴
重炭酸カルシウム型
Ca(HCO3)型
Ca(HCO32、Mg(HCO32 を多く含む水で、わが国の循環性地下水の大半がこの型に属する。石灰岩地帯の地下水の典型。
重炭酸ナトリウム型
NaHCO
NaHCO3を多く含む水で、停滞的な環境にある地下水がこの型に属する。 地表から比較的深い地下水に多い型。
非重炭酸カルシウム型
CaSO4,CaCl2型  
CaCl2、CaSO4を多く含む水、温泉水に多い型。一般の地下水には、みられない特殊な型、温泉水や工業排水の流入が考えられる。
非重炭酸ナトリウム型
Na2SO4,NaCl型
NaClやNa2SO4を多く含む。海岸近くの温泉や地下水に多い型。

 

6. おいしい水とは

 おいしい水という言葉をよく耳にするが、おいしい水とは単にミネラルを多く含んでいればよいわけではない。体に良いミネラル分を適度に含むことは重要だが、飲んで、おいしいと感じられるためには、水分子の状態も関係しているといわれている。
 水の分子式はH2Oであるが、水は一般に、5個以上の分子が結合した特殊な分子集団(クラスター)を形成している。蒸留したり、イオン交換樹脂を通した純水はクラスターが大きく(たくさんの水分子が結合して分子集団が大きくなり)、飲んでも、おいしく感じられない。都市部の水道水は濾過される過程で、クラスターが大きくなるためか、おいしくない。これに対して、名水と呼ばれる自然水はクラスターが小さく、飲んでおいしいと感じることができる。分子集団が小さいことはおいしい水の条件だが、クラスターの挙動の仕組みはまだ、よくわかっていない。どうすれば分子集団が小さくなるかはよくわかっていない。一般的なおいしい水の条件とは、厚生省の「おいしい水研究会」が1985年に発表したもので、おいしい水とは「適温で、人体に有毒な物質を含まず、味を良くする成分(ミネラルなど)をバランス良くふくむ水」と定義されている。あわせて、具体的なおいしい水の要件も数値で発表されている(表3)。不純物を含まない純水がおいしいわけではない。水のおいしさは含まれる成分とそれらの絶妙なバランスで決まる。

表3 厚生省「おいしい水研究会」による、おいしい水の要件
水 質 項 目
基 準 値
   蒸発残留物
30〜200 mg/l
   硬  度
10〜100 mg/l
   遊離炭酸
3〜 30 mg/l
   過マンガン酸カリウム消費量
3 mg/l 以下
   臭 気 度
3 以下
   残留塩素
0.4 mg/l 以下
   水  温
最高20℃以下
※蒸発残留物−カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガンなどの無機塩類、いわゆる、ミネラル分のことを指す。程良い割合で含まれると、水がおいしくなる。
※硬度−水にとけ込んでいる酸化カルシウムの量。
※遊離炭酸−水に溶けている炭酸ガスの量。
※過マンガン酸カリウム消費量−水中の有機物濃度の指標になる。
※臭気度−無臭になるまでの希釈率。
※残留塩素−水中に残っている、消毒に使用された塩素量。水道水は塩素で消毒するよう、法律で定められている。
※水温−10〜15℃の水は、清涼感を与える。

 

7. 「きれいな水」と「うまい水」は違うのか?

 清酒や豆腐の善し悪しは使う水の品質できまるといわれ、清浄な水(きれいな水)はおいしい料理をつくるためには不可欠である。しかしながら、不純物を含まない純粋な水が「うまい水」であるとは限らない。実際は、不純物をほとんど含まない純水は文字通り「味気ない」水になり、「うまい水」にはならない。上述のように「おいしい」といわれる湧水などには、適度な鉱物質(ミネラル)が含まれているのだ。一般に、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを多く含む水が「硬水」、あまり含まない水が「軟水」と呼ばれるが、我が国の河川水のほとんどは「軟水」で、欧米のミネラルウォーターの多くは「硬水」に分類される。料理には「硬水」が適するのか、「軟水」が適するのか、決まった答えはない。それは、水の性質の違いが「食文化」の個性を培ってきたからである。日本の伝統料理は軟水を使うことを前提として発達してきた。また、ミュンヘン型の黒ビールは「硬水」をビンゼン型の淡色ビールは「軟水」を使用するのが習わしである。
 「群馬の水は分子生物学の研究に適している」と生物学者の間で流布している俗説がある。研究所が東京から群馬に移ると実験が上手く進むということらしい。これは「俗説」であって、実証された事実ではない。しかし、精密な実験や高度な分析には、水が実験の成否を決める大きな要因となりうる。不純物を大量に含む水道水などで、実験器具や試験管を洗っていては、正確な実験結果を導くことも難しくなる。酵素反応や化学分析には「純水」を用いることが不可欠である。群馬の水は「おいしくて、しかも、きれい」ということだろうか。

8. 具体的施策

(1) おいしい水のアピール実践フロー
   群馬の名水をどうやってアピールするかを順を追って、考察したい。

基礎データの収集
アピール戦略・商品開発
普及・PR
定着化

 

基礎データの収集

@ 県民に親しまれている湧水を募る
  例えば、「群馬湧水20選」(私案参照)などの名前で、県民参加でおいしい湧水を選定する。その際は、群馬県庁にホームページなどから応募できるようにする。
A 主な湧水の基礎データを収集する
  群馬のおいしい水をアピールするための前段として、湧水の実態を調査して、基礎的資料とする。今のところ、県内湧水の科学的データはほとんど集められていない。日本地下水学会によって水質調査が実施されているのは、本県では8湧水(雄川堰用水を含む)に過ぎず、県内の主要湧水については、水量や水質などについて調査する必要がある。特に水質については、水質総括表(表1、表2参照)を作成するとともに、水道法に基づく安全性検査や快適水質項目も実施し、水のおいしさの科学的根拠を示す。

群馬湧水20選(私案)
 
名 称
所 在 地
箱島湧水 吾妻郡東村箱島
雄川堰 甘楽町小幡
赤城神社の御神水 宮城村御夜沢
木曽三社神社の湧玉 北橘村下箱田
大清水トンネル湧水 水上町阿能川
玉原の名水 沼田市上発知町
釈迦の霊泉 月夜野町上牧
水盤舎の水 嬬恋村鎌原
妙法水 草津町草津
10
小野子の名水 小野上村村上
11
金善の泉 吾妻郡東村箱島
12
権田の泉 倉淵権田
13
弘法の井戸 藤岡市下日野
14
おどけ様 藤岡市下日野
15
干俣の延命水 嬬恋村干俣
16
大洲の水 桐生市梅田
17
暮坂の泉 中之条町上沢渡
18
薬王水 中之条町四万
19
大日堂の湧水 太田市東金井町
20
天ヶ池の湧水 佐波郡東村

 

アピール戦略・商品開発

 収集した基礎データと県民の意見に基づき、群馬県が自信をもって推薦できる「ぐんま名水」を選定する。名水の認証が与えられた湧水を様々な媒体(マスメディア)で広くアピールする。名水に関係が深い市町村と協力して、名水をボトル詰め飲料として商品化する。自治体の水の商品化事例は前橋市(「まえばしの水」)と粕川村(「元気村粕川天然水」)がある。旧国鉄の商品化事例(「大清水」)も参考になると考えられる。ボトル詰め飲料は複数の銘柄を作る。例えば、群馬の名水「赤城山麓の水」、「榛名のいわしみず石清水」、あるいは「谷川岳の名水」といった名水シリーズにする。贈答用のセットも用意し、県内や首都圏のデパートや高速道路のパーキングエリアに置いてもらう。

普及・PR

@ 「ぐんまの名水フェア」の開催
  群馬の名水を軸に、群馬の水資源・水環境を広く県民に理解してもらうイベントを開催する。「ぐんまの水と文化」などをテーマに有識者の講演会を開いたり、名水試飲会などを催す。
A 「ぐんま水の学校」開講
  県内の湧水を飲みながら、群馬の水環境や水の循環、湧水の成り立ち、水利用の知恵や工夫などを学んでもらう。県内外の小中学生を対象とするサマースクールとする。
B 群馬の名水情報専用のホームページをつくる
  専用ホームページと県庁ホームページをリンクさせて広くアピールする。ホームページには主要湧水マップを載せ、アクセス方法、水質、飲料の可・不可などの詳しい情報を掲載する。また、ホームページには県民などから寄せられた名水探訪等の旅行記なども載せる。名水情報のページは「ぐんま名水ゲートウェイ」などの堅苦しくない名前が良い。ホームページには利用者の意見が直接書き込めるような「掲示板」を設ける。
【ホームページの具体的内容は次の通りである】
 ア 県内名水マップ−アクセス方法、名水の特色、水質、飲料の可・不可、由来、伝説などを情報として載せる
 イ 県内名水ランキング−訪問者数、アクセスしやすさ、水量など特色で名水をランキングして、一つ星☆〜五つ星☆☆☆☆☆で表現する。利用者の投票方式も可。
 ウ 群馬の名水(ボトル詰めした水)が当たる名水クイズや懸賞
 エ ボトル詰め飲料「ぐんまの名水」シリーズのオーダー・フォーム−希望者は事前登録して、ホームページから直接水を注文できるようにする。
C 季刊観光情報誌「ほっとHOTぐんま」などで、名水特集を組む。
D 名水をめぐる観光ツアーを企画
  「群馬の名水を飲む」などの趣旨で観光バスツアーなどを旅行社に企画してもらい、首都圏からの観光客を誘致する。例えば、ツアー企画「群馬フラワーパークと赤城山系のおいしい水の旅」など。
E 「ウォーター・スタンド」の設置
  JR高崎駅などに上記のボトル詰め飲料「ぐんまの名水」シリーズがすぐその場で飲める「ウォーター・スタンド」を設置して、多くの観光客、通勤客に廉価で、群馬の名水を味わってもらう。できれば、東京駅や上野駅にもスタンドを設置したい。

定着化

@ 取水源となる地域の環境を良好な状態に保全する。
A 湧水を衛生的に管理するための指導者の育成と指導マニュアルを作る。
B 湧水を管理する地域住民グループやNGOを支援する。

9. 期待される効果

@ 群馬の豊かな自然を広くアピールできる。
A 県民の水環境に対する理解が深まる。
B 子どもたちが水に親しむ機会が増える。
C 観光客が増える。

10. おわりに

 群馬県民一人が毎日使っている生活用水は1日482リットル。全国平均の393リットルと比べるとかなり多い。水資源が豊富な群馬に暮らす私たちは、ともすれば、水の恩恵を忘れがちになる。「関東の水がめ」ともよばれる群馬には、水を育む豊かな森林があり、湧水が人々の暮らしの中に今も息づいている。群馬のおいしい水を、群馬の人たちだけで独り占めするのはもったいない。多くの人たちに群馬のおいしい水を飲んでもらいたい。「群馬のおいしい水、まだ飲んでないの?」という声が全国各地で聞こえることを期待している。

11. 参考文献

@ おいしい水安全な水 左巻健男著 (日本実業出版社)
A トコトンやさしい水の本 谷腰欣司著 (日刊工業新聞社)
B 名水を科学する 日本地下水学会編 (技報堂出版)
C 続・名水を科学する 日本地下水学会編 (技報堂出版)
D 理化学辞典 第5版 (岩波書店)
E 「はかる」と「わかる」くらしを変える分析の話 
  堀場製作所コーポレート・コミュニケーション室、工作舎編 (工作舎)
F ウォーター・ビジネス 中村靖彦著 (岩波書店)