資料1
同和対策見直しについて
平成13(2001)年12月14日
広島県同和対策推進本部
(同和対策室)
同和対策は、事実上一般対策の枠外に置かれてきた同和地区、同和関係者に対し、その差別の解消を図るため、特別に施策を講じる必要があったことから、昭和44年(1968)以降、特別措置法のもとで実施されてきたものである。「国においては、こうした特別措置法に基づく特別対策の実施により、生活環境の改善等、おおむねその目的を達成できる状況になったことから、平成13年度末をもって、特別対策を終了し、一般対策の中で、他の地域と同様の施策によって対応することとしている。広島県においても、国の方針に準じて対応するものとする。
平成14年度(2002)以降は、これまで実施してきた同和対策事業の成果等を踏まえ、施策ニーズに対しては、地方公共団体の通常の施策の中で必要に応じ実施するものである。
Ⅰ 見直しに係る基本的事項
「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」は、平成13年度末で失効し、国の同和対策事業は、特別対策から一般対策に移行する。
本県においてもこのような状況を踏まえ、次の基本的考え方により同和対策事業の見直しを行う。
【基本的考え方】
1 国庫事業
国の方針どおり実施する。
2 県単独事業
(1) 同和地区、同和関係者に対象を限定して実施する特別対策については、廃止する。
(2) 事業の廃止に当たり、その性格上経過措置が必要なものについては、その措置を講じる。
(3) 一般事業の中で同和対策関係事業として実施してきた事業についても(1)(2)と同様の視点で見直す。
3 教育・啓発事業については、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に基づき策定する、人権教育・啓発に関する県の指針に基づき実施する。
【事業別の考え方】
1 物的整備事業
これまでの取り組みにより、住宅、道路等の物的な生活環境については一定の改善が進んだことから、平成13年度(2001)末をもって廃止する。今後は、既存の一般事業により実施する。
なお、国庫補助事業の「地方改善施設整備事業」及び「小規模住宅地区等改良事業」については、「対象地域を要件としない一般対策事業として実施する」とした国の方針に従って、一般対策事業として実施する。
2 個人給付・貸付事業
国においては、同和関係者の生活は、平成5年(1993)同和地区実態把握等調査結果からみると、就労・教育等に一部課題を残しているものの、物的な生活環境をはじめ様々な面で存在していた格差が大きく改善されており、同和地区、同和関係者に対象を限定して実施する施策は終了するとされている。県においても同様の措置とする。
なお、平成13年度(2001)末現在、償還中の同和対策修業資金支給事業」「広島県同和奨学金事業」の給付・貸付の対象者については、所定の修業年限の間、経過措置を講じる。
3 事業費融資償還費等補助事業
「地域改善対策高度化事業」については国の方針に従い廃止する。
平成13年度末現在、償還中の「同和地区住宅改良促進費」「市町村同和対策事業債償還補助事業」「同和地区中小企業融資制度」「同和対策農林漁業振興資金利子補給補助事業」については、償還終了までの間、経過措置を講じる。
4 人的配置事業等
相談員、指導員等の特別対策としての人的配置事業等は、平成13年(2001)度末で廃止する。
なお「相談活動支援事業」については、同和対策修業資金支給事業及び広島県同和奨学金事業の経過措置期間に合わせて、最大3年間の経過措置を講じる。
5 団体補助事業
各種団体に対する事業費補助金のうち、対象を主として同和地区、同和関係者に限定した事業については、廃止する。
6 隣保間関係事業
「隣保間」は平成9年度(1997)から社会福祉法上の社会福祉施設として一般対策事業に位置づけられており、「対象地域を要件としない一般対策として実施する」とした国の方針にしたがって、関係事業を含め一般対象事業として実施する。
7 その他
(1) 国庫事業
「小規模事業活性化推進委託事業」及び「職業指導、職業紹介及び職業相談事業」は、国の直轄事業であり、国の方針では、一般対策事業として実施される。また、「小規模事業経営支援事業費補助金(一般対策移行分)」については、国の方針に従い、対象地域を限定しない一般対策事業として実施する。
(2) 県単独事業
「へき地巡回診療事業」「同和対策推進費(同和地区住民に対する就職支援事業等)」については、事業対象を同和地区、同和地区関係者に限定した事業であり、廃止する。
Ⅱ 見なおし結果
区 分
|
国庫補助事業 |
県単独事業 |
合 計
|
事業を廃止するもの |
事業
8
|
事業
20
|
事業
28
|
|
経過措置を講じないもの |
5
|
14
|
19
|
経過措置を講じるもの |
3
|
6
|
9
|
|
個人給付・貸付事業 |
1
|
2
|
3
|
事業費融資償還費等補助事業 |
2
|
3
|
5
|
その他 |
|
1
|
1
|
一般対策として実施するもの |
9
|
3
|
12
|
合 計
|
17
|
23
|
40
|
|