【自主レポート】

第34回兵庫自治研集会
第5分科会 医療と介護の連携による地域づくり

 市立函館病院は、地域がん診療連携拠点病院(全国286施設、道南10施設)であり、道南で唯一の救命救急センターである。そのため、あらゆるレベルの救急患者や多数のがん患者が来院します。
 保険制度の改正により、入院医療から在宅、そして地域医療へと変化がなされ住民一人一人の疾患に対する関心も強められてきています。
 健康や病気に関する正しい知識を提供するため「函病健康教室」を開催し、市民にひらかれた病院をめざし取り組んでいることを報告します。



函病健康教室
市民にひらかれた病院をめざして

北海道本部/市立函館病院労働組合・副執行委員長 佐藤 誠一

1. はじめに

 市立函館病院(以下、函病という)の役割の主要な部分は急性期病院としての役割です。良質な急性期医療を提供すること、これが当院の担うべき最も重要な仕事であり、そのために必要なのは「高い技術」と「暖かい心」です。私たちは、常にその向上をめざした研鑽を続けます。 1999年から初めた、「函病健康教室」は当院を利用される方をはじめ、広く市民一般の方々が、自身の心身の健康に関心を持ち、健康を指向した日常生活を送れるようサポートするための一つの機会として、健康や病気に関する正しい知識と情報について当院のスタッフが講師をつとめ、偶数月第3木曜日に開催しています。

2. 開催の診療科と回数

 1999年8月、第1回~2012年4月までに106回開催。












































尿
























4
5
5
5
6
3
4
3
5
5
4
5
5
5
5
5
4
4
2
2
4
1
1
3
10
1

3. 参加者からのアンケート調査および結果

(第106回)
日 時
2012年4月19日(木曜日)午後2時~
場 所
市立函館病院 2階 講堂
講 師
心臓血管外科 科長 森下 清文 医師
テーマ
静脈瘤:レーザーで体に優しく、綺麗に治そう。

(1) アンケート調査対象
 206人の方のご出席をいただき、そのうち83人の方からご回答をいただきました。
 その結果は以下のとおりでした。



(2) アンケート結果
① 講師の講演は


講師の講演
   
 
 
全体
83
 
1
わかりやすかった
73
88.0%
2
普通
4
4.8%
3
わかりにくかった
2
2.4%
4
無回答
4
4.8%

  9割弱の参加者が、内容を理解していただいたと考えられる。
② 講演の内容は


講演の内容
   
 
 
全体
83
 
1
知りたいことが含まれていた
53
63.9%
2
知りたいことが概ね含まれていた
24
28.9%
3
知りたいことが充分には含まれていなかった
1
1.2%
4
無回答
5
6.0%

③ 質問コーナーでは


質問コーナー
   
 
 
全体
83
 
1
聞きたいことが聞けた
29
34.9%
2
聞きたいことが概ね聞けた
24
28.9%
3
聞きたいことが聞けなかった
3
3.6%
4
無回答
27
32.5%

④ 本講座を継続することは


本講座を継続することは
   
 
 
全体
83
 
1
有意義だ
78
94.0%
2
どちらともいえない
1
1.2%
3
もっと工夫が必要だ
1
1.2%
4
無回答
3
3.6%

⑤ 今後、この講座で取り上げてほしいテーマがあれば教えてください。

心臓の講座について 老人に多い肺炎について
しわ、しみ、美容について 認知症について
バネ指などの内視鏡手術について 呼吸器関係の病気について
色弱について 静脈瘤の講座をもう一度

⑥ その他、改善を望む点などお気づきの点があればご記入ください。

食事や健康、運動との関連も話してほしかった。 とても良かったです。
先生方の努力に感謝します。 有意義な講演で、知人のかたにもお話をしてあげたいです。
患者の症例を聞き、大変安心できました。 聴講者が大勢のため、後ろの席では画像がよく見えず、解説も聞こえにくかった。
質問から色々参考になりました。  

4. 地域住民への周知・広報の手段として

 新聞広告・院内掲示板・ホームページ・当日の午前・午後と院内アナウンス等で案内しています。



5. まとめ

 市立函館病院は健康教室を開催し13年を迎えた。当院の使命は地方センター病院として住民の求める医療を提供していかなければなりません。安全な医療、医療水準の向上をスタッフ一丸となって取り組んでいます。
 今回、106回目の函病健康教室の受講後のアンケート調査結果からもわかるとおり、「今後の講座に参加してみたい」と回答した方は78.3%、「本講座を継続する」について94.0%が有意義との回答の結果からも健康教室への期待度のあらわれとも言えるのではないでしょうか。
 これからも、市民の皆さんが健康な生活をおくる事を支援し、また病気になった場合でも安心して療養できる医療を提供していけるよう努力しなければいけないと考えています。
 そのために、地域の理解と信頼を得られる病院であり続けられるように、函病健康教室も市民のためのひらかれた病院づくりの一環と位置付けし今後も開催していきたいと思います。