【自主レポート】

第34回兵庫自治研集会
第13分科会 地域で再生可能な自然エネルギーを考える

 京都市は、環境モデル都市として低炭素社会をめざし、これまでにバイオディーゼル燃料化事業やバイオガス化技術実証事業など、バイオマス利活用の促進に向けて先進的に取り組んできた。今回は、全国初の取り組みとなる、生ごみと紙ごみの混合物からエタノールに変換する「廃棄物からのバイオマスの回収とエタノール変換技術の開発」事業について紹介します。



「都市油田」発掘プロジェクト
廃棄物からバイオマスの回収とエタノール変換技術の開発事業

京都府本部/自治労京都市職員労働組合 山田 一男

1. はじめに

 京都市は、環境モデル都市として低炭素社会をめざし、これまでにバイオディーゼル燃料化事業やバイオガス化技術実証事業など、バイオマス利活用の促進に向けて先進的に取り組んできました。
 このようななか、全国初の取り組みとなる、生ごみと紙ごみの混合物からエタノールに変換する「廃棄物からのバイオマスの回収とエタノール変換技術の開発」事業が、環境省の2011年度環境研究総合推進費補助金事業に採択されたことにともない、2011年度および2012年度の2カ年で、本事業を日立造船(株)および熊本大学と共同実施することとなり、2011年8月19日、事業実施にともない京都市と日立造船(株)は「技術開発事業共同実施協定書」の調印を行ってきました。


2. 事業の概要

 京都市内から排出される一般廃棄物(家庭系・事業系)の生ごみと紙ごみを機械選別し、酵素と酵母および水を加えて槽へ投入し、同時に糖化・発酵させ、最終的に蒸留設備によりエタノール(濃度99.5%)を製造する。
 エタノールは、一般廃棄物1tあたり約60リットルの製造が可能で、ガソリン代替や温室暖房用バーナーおよび発電機等での実用化に向けた検討(解析・評価)を行う。


3. 実施体制

① 日立造船(株)は、京都市と協議のうえ効率的に機器・装置を設置し実証試験の実施および事業成果等の取りまとめを行う。
② 熊本大学は、実証試験で使用する酵母の提供や実証試験への指導を行う。
③ 京都市は、一般廃棄物および実証装置の設置場所を提供するとともに、これまでに蓄積されたごみ組成調査データをもとに、実証試験の内容についての助言を行い、試験結果の検証を共同で行う。


4. スケジュール <2011年8月19日付の予定>

① 実証試験期間        2011年8月~2013年3月末
② 試験装置設計・建設     2011年8月~2012年3月末
③ 試運転・調整        2012年3月~2012年3月末
④ 廃棄物の受入期間      2012年3月~2013年1月末
⑤ エタノール製造試験     2012年4月~2013年1月末
⑥ 解析・評価         2013年1月~2013年3月末


5. 実施(実証)場所

 京都市西部圧縮梱包施設(旧京都市西部クリーンセンター)敷地内


6. これまでの実証経過

 2011年8月に共同実施協定を行い、着工したエタノール実証プラント施設が2012年2月末に完成し、試運転を3月から開始した。4月には、京都市内の市立小学校や京都大学桂キャンパスから排出された生ごみと紙ごみ500㎏から、約35リットルのエタノール(濃度99.8%)を採取することに成功した。4月6日~7日には、ライトアップ開催中の二条城東大手門において、採取したエタノールを燃料としたポータブル発電機によるLED灯篭の実証実験を行ってきた。