【自主レポート】

第36回宮城自治研集会
第1分科会 ~生きる~「いのち」を育む・いかす、支えあう

 男女が互いにその人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現に向け、県や市の講座等に参加しながら、市議会議員として議場で取り上げ、市民の意識向上をめざしていくもの。



男女共同参画に関する事


青森県本部/弘前市議会議員 加藤とし子

 はじめに、男女が対等のパートナーとして尊重され、社会のあらゆる分野に参画できるように、これまでも男女共同参画の推進に努めてきましたが、長年にわたり形成されてきた「女は家庭に、男は仕事」という固定的性別役割分担意識やこれに基づく社会慣行や社会制度は、依然として根強く残っているのが現状です。
 このことからこうした意識を解消するなど、男女が互いにその人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現は、男性・女性ともに、生きやすい社会の形成をめざすもので、男女共同参画をさらに推進していくことが求められています。

 1999年「男女共同参画社会基本法」が成立しました。この「男女共同参画」の言葉は、保守系政治家に官僚たちが配慮したとも言われ、「ジェンダー平等」とした方がよいのかもしれません。
 同年に「改正男女雇用機会均等法」が職場のセクシュアル・ハラスメントの防止と対応とを「使用者の責任」としました。男女雇用機会均等法は高学歴女性の雇用機会を拡大し、意欲と能力さえあれば、男並みに総合職で働くことも可能となりましたが、「男女雇用機会均等法」が施行されて30年、大手企業千人動向調査によると女性総合職1期の8割が退職していたことが分かり、長時間労働の慣習は変わらず、育児と仕事の両立支援の遅れが響いたということで、性別役割意識を変える必要がある、と叫ばれています。
 2001年には「DV防止法」で夫の暴力は違法行為となりました。
 2000年には「男女共同参画基本計画」が策定され、2005年に第2次、2010年には第3次の策定が実施されました。内閣府男女共同参画室からのお達しにより、全国の各自治体では条例制定に奔走し、青森県においては2000年「あおもり男女共同参画プラン21」が策定され、2001年7月に真の男女平等が達成され、かつ、男女がともに個人として尊重される男女共同参画社会の実現をめざして「青森県男女共同参画推進条例」が制定されました。
 2002年に「あおもり男女共同参画プラン21」の改訂、2007年には「新あおもり男女共同参画プラン21」の策定、2012年に「第3次あおもり男女共同参画プラン21」の策定がされています。

 弘前市では、1999年「男女共同参画社会基本法」が施行されて後、同年3月に「弘前市男女共同参画基本計画」が策定され、多くの女性に学ぶ機会の提供や各審議会等への参画拡大を目的に「きらめき女性塾(1期2年)」を4期開講しました。
 また青森県においても「青森女性大学(1期2年)」が開講され、それら受講生として「男女共同参画とは何ぞや」を普段聞きなれない言葉や熟語に辟易しながらも3年間なんとか受講しました。
 旧弘前市、旧岩木町、旧相馬村が合併後、2012年3月に「弘前市男女共同参画基本計画」が策定され、人口減少と超高齢化社会の到来、財政状況の深刻化など、市を取り巻く社会経済環境はここ数年で大きく変化し、市はその変化に迅速に対応し、地域の持続的な成長、発展を実現するため、2014年5月に新たな最上位計画となる「弘前市経営計画」との整合を取り、内容の一部改訂が実施されました。
 2015年に「弘前市地域経営アンケート」を実施し、2016年3月に「弘前市男女共同参画プラン」を改訂。
 弘前市としては、政策・方針決定過程での男女共同参画の促進、男女共同参画社会形成への意識づくりと定着、職場、家庭における男女共同参画の促進、地域社会における男女共同参画の促進、一人一人の人権が尊重される社会の形成の5つの基本目標を掲げ、男女共同参画の実現をめざしており、計画期間は、2012年度から2017年度までの6年間とし、必要に応じて随時見直しを実施します。
 施策の方向としては、審議会等への女性の参画拡大、市女性職員の管理職への登用促進、女性の人材に関する情報収集と情報提供、女性のエンパワーメント支援の促進、男女共同参画社会形成に係わる理解促進、男性にとっての男女共同参画、男女共同参画に関する意識調査、豊かな心を育てる学校教育の充実、男女共同参画の視点に立った生涯学習と施策の方向が示され、諸取り組みが展開されていくので、現在、弘前市議会議員として4期の役目をいただき、市民の命と暮し、平和、基本的人権を守る立場からとして、主に、環境問題をはじめ、福祉、教育、労働、人権に関わり、行政に働きかけを行ってきました。

主な取り組みとして、
市内事業者に対するワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の推進について
 ワーク・ライフ・バランスとは、「仕事と生活の調和」の意味で、働きながら私生活も充実させられるように職場や社会環境を整えることを指し、日本では人口減少社会の到来や少子化の進展を踏まえ、次世代の労働力を確保するため、仕事と育児の両立や多様な働き方の提供といった意味で使われることが多いです。
 働きながら子育てをする人や長時間労働によるストレスで健康を損ないつつある労働者が増加したことを背景に、こうした人々に必要なものとして用いられた言葉です。
 長時間労働を原因とする過労死・過労自殺、とりわけメンタルヘルス不全等による労災請求は右肩上がりといわれ、賃金不払いのサービス残業に対する労働基準監督署からの是正勧告も後を絶たないと言われています。

 弘前市では、20年後のめざす姿を「子どもたちの笑顔あふれるまちひろさき」として、子育てをする若い世代が安心して子どもを産み、元気に育てることができる環境づくりの推進のため、様々な施策を実施しています。
 ワーク・ライフ・バランス啓発事業は、「弘前市経営計画」、「弘前市まち・ひと・しごと創生総合戦略」においても、仕事と子育ての両立を必要な取り組みとして位置づけ、2012年度から「ワーク・ライフ・バランス」フォーラムを開催するとともに、昨年度からは、事業所を対象としたセミナーも年3回開催しています。
 また、仕事と子育てを両立できる職場環境づくりに取り組む企業を認定する「子育て応援企業認定制度」の推進を図りながら、育児休業や短時間勤務等の両立支援制度の定着と、これらを利用しやすい職場環境の整備、男性の育児参加を促進するための取り組み等についてオール弘前の体制で進めており、今後、男女共に子育てや家族の介護などライフステージに応じた仕事と生活の調和の実現に向けて、これまでの企業等を中心とした経営戦略につながる啓発のほか、新たに大学生などの若い世代に対し、働きやすい職場とは何かを考える場の提供、働くことと子育てや結婚することの両方に希望を持ち多様な働き方・生き方ができるよう、キャリアプランやライフプランを考えるなどの分かりやすいテーマで啓発に力を入れていくこととしています。
 また、「子育て応援企業認定制度」を創設し、認定を受けた企業等は、認定マークの使用が可能になるほか、市のホームページ等でのPR、連携する金融機関からは事業所と従業員の両方に貸し付け金利の優遇が受けられるようになっています。
 現在、子育て応援企業は5社が認定され、今年度は新たな取り組みの開始などを行った企業に奨励金の制度を開始しました。
 少子高齢化による労働力不足、今年度制定された、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」への対応など、仕事と子育てを両立できる職場環境づくりが今後さらに求められることとなります。
 子育て応援企業認定制度については、今後も、仕事と子育ての両立支援制度の定着と、制度を利用しやすい職場環境の整備のため、なお一層の取り組みがなされるよう、推進していくこととしています。
 弘前市内では非正規やパートで働く女性が多く、妊娠を職場に理解してもらえない、会社の制度が追い付いていないのが現状で、ワーク・ライフ・バランス? 耳慣れない言葉ですが、ここにも男女共同参画の理念が関わっており、より一層、仕事と生活の調和を図っていく上において今後も行政に働きかけていきます。

教育現場における性的マイノリティ(性的少数者)について
 文部科学省が公表した2014年度の問題行動調査で、全国の国公私立の小中高校などが把握したイジメは188,057件、小学校でみつかったイジメは過去最多の約123,000件、中学では減って約188,000件としています。
 イジメの内容は、「冷やかし・悪口・脅し文句」が半数超を占め、青森県教育委員会は、県内では1,197件、小学校・高校で増「重大事態」は3件あったと県公立学校分の結果を公表しました。
 学校教育について、文部科学省は2015年4月30日「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を出し、性的マイノリティの子どもたちに学校でも適切な対応と配慮ができるようガイドラインを示しました。
 2003年に議員立法により制定され、2010年に「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」、2014年には、全国の学校における対応の状況調査をし、具体的な配慮事項等をまとめ、学校における支援の事例についても明記され、例えば、服装については「自認する性別の制服・衣服や体操着の着用を認める」、更衣室やトイレについては「保健室、職員トイレ・多目的トイレ等の利用を認める」等などです。
 性的マイノリティの人たちは、社会に正しい知識が普及していないことから、いじめや暴力を受ける、不登校、自殺願望を持つなどの例が少なくなく、制服が着られない・「オカマ」「ホモ」「おとこおんな」「気持ち悪い」「近寄るな」と学校でいじめを受け、先生や両親にも言うことができず、不登校になった話や自傷行為を繰り返す事例などセクシュアルマイノリティの子どもたちの実態が出されています。
 性的マイノリティは「性の自己意識と(心の性)と生物学的性別もしくは身体の性」とが一致しない状態と説明される「医学的疾患・性同一性障がい」や「トランスジェンダー」のほか先天的に男女の区別がつきにくい体を持つ「性分化疾患」、性的指向が同性あるいは男女の両方に向かう、いわゆる「同性愛者、両性愛者」等を含んだ総称です。
 現在、タレントとしてバラエティ番組で活躍しているLGBTの人たちに対する理解が少しは認識されてきたのかなと捉えています。

LGBTとは、頭文字をとったもので性的マイノリティの総称として使われています。
レズビアン(女性の同性愛者)
ゲイ(男性の同性愛者)
バイセクシュアル(両性愛者)
トランスジェンダー(生まれた時の法的・社会的性別とは違う性別で生きる人、生きたいと望む人)

 子どもへの相談体制はどのようになされているのか。例えば、トイレや修学旅行、制服、体育の授業や着替えなどの配慮など現実的対応について、2013年度、性的マイノリティに関する相談は、全国で63万件以上の相談があり、その半数近くが、10代、20代で、小学校から高等学校まで合わせて606件の報告となっています。

 弘前市では、2013年度の市立の小・中学校の調査結果では、該当者がありませんでした。また、教育センターに相談支援チームを設置しておりますが、性的マイノリティに関する相談は寄せられていません。ただ、該当者が秘匿していることも予想されるため、いつ相談があってもよい様に支援体制を整える必要があるとしています。
 性的マイノリティに対して、正しく理解することが大切であると考え、市立小・中学校の教諭や養護教諭などで組織された性教育調査研究委員会があり、性的マイノリティに関して専門家を招いて研修会を行っています。そして、その研究の成果を冊子にまとめて市立小・中学校に配布して活用する予定としています。
 また、教育センターの相談支援チームが相談内容に応じて、医療や福祉、教育などの適切な機関との連携を進めていますが、性的マイノリティに関する相談にも対応できるよう支援体制を整えており、学校では、心の教室相談員やスクールカウンセラーも活用して、いかなる理由でもいじめや差別を許さない生徒指導や人権教育に丁寧に取り組んで、悩みや不安を抱える児童生徒の支援につなげています。
 今後、該当する児童生徒を認知した場合に備えて、教育委員会や市立小・中学校におきましては、まず、児童生徒やその保護者との信頼関係をつくり、関係機関と連携し、服装や髪型、授業内容においても、男女の枠にとらわれず、該当する児童生徒が求めるスタイルを認めるなど、現実的な対応ができる支援体制を構築していくとの事としています。
 また、教育現場における性的マイノリティ(性的少数者)の対応で校則については、主に中学校を中心に男子、女子それぞれで、防寒具や靴の色などのデザインまで規定していたり、頭髪の長さも細かく決められている場合もありましたが、現在では、場に応じた身だしなみを大切にしており、防寒具、靴などは季節に応じたものを着用することを伝え、服装や頭髪については、全体的な印象として、「さわやかさ」とか「清潔感」などの表現を用いながら、学びの場にふさわしいという観点で、生徒の自覚を育てる指導へと変化しています。

 皆が「自分らしく」生きる道を考えていく上でも、性的マイノリティについて正しく理解し、性的マイノリティの人たちが何に苦しみ、どんな願いをもって生活しているか。「人は誰一人として同じ人はいません。その心や体の在り様はそれぞれ違います。少し違っているというだけで、差別やいじめを受けるような世の中であってはいけません。決めつけを捨て、その人自身をきちんと見ていくこと。当たり前について見つめ直すこと。そうすることが「自分らしく」生きていくために大事なことだと思っています。今後とも市民とともに行政に働きかけ、性的マイノリティに対する理解促進のため取り組んでいきます。

マタニティハラスメント(略してマタハラ)について
 近年、「ハラスメント」の言葉が多く使われるようになりました。「嫌がらせ」という意味で、言葉や態度などによって心を傷つける精神的暴力としての「モラルハラスメント」。職権などのパワーを背景にして本来の業務の範囲を超えて、人格と尊厳を傷つける「パワーハラスメント」等があります。
 また、マタニティハラスメントという言葉を耳にすることが増えました。マタハラとは、職場で妊娠・出産を理由とした解雇・雇い止めをされる、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的な嫌がらせ、自主退職を強要されるということを指します。
 具体的な内容として、妊娠について心ない言葉を言われた・無視された・妊娠を相談できる職場環境ではなかった・妊娠中や産休明けなどに、残業や重労働を強いられた・解雇や契約打ち切り、パートへの格下げ・自主退職へ誘導された・追い詰められたなどで、どこまでがハラスメントなのかを正確に判断や定義するのは難しいところとも言われ、ハラスメントをした側は、そんなつもりはなくても、された側が不快感を受けたり、傷ついたりするということが起こりうると言われています。
 昨年、病院に勤務していた女性が妊娠を理由に降格されたことが男女雇用機会均等法に反するかが争われ、最高裁が違法と初判断した訴訟の差し戻し控訴審判決で、広島高裁は、降格を適法とした一審の広島地裁判決を変更し、精神的苦痛による慰謝料も含め、ほぼ請求通りの賠償を病院側に命じ、女性が逆転勝訴しました。
 「女性労働者の母性を尊重し、職業生活の充実の確保を果たすべき義務に違反した過失がある」と病院側の対応を厳しく批判した内容で、働く女性の権利を認めた判決となりました。
 原告の女性は、社会問題化しているマタニティハラスメントをなくすためにも『マタハラ防止ルール』をつくって欲しいとのコメントを出しています。
 近年、サービス産業の発展や少子高齢化が進み、家庭に入った女性の支えで男性が長時間労働をするという従来の標準的な労働モデルは転換を迫られていると言えます。
 国は、妊娠や出産、育児を理由に、職場で不利益な扱いをするマタニティハラスメントの撲滅に向けて法律を改正して対策を強化する方針を示し、厚生労働省がマタハラに関する実態調査をはじめて実施しました。回答した女性の内、特に雇用が不安定で職場での立場が弱い派遣社員の被害が目立ったということでした。
 現在、50歳前後の「男女雇用機会均等法」第1世代には険しい道が、女性も男性と肩を並べて働く時代、そんな言葉の一方、育休の度に評価を下げられたり、男性のように会社人間になることを求められたという厳しい現実があります。
 多様な働き方の一つとして、話し合いで制度をつくり、女性が出産後も働き続けられるように「子連れ出勤可」の会社も出てきたことや、マタハラをなくすために育児中の社員を、同僚が気持ちよくカバーできる仕組みを作り上げ、これまで1人で担当していた取引先との詳細なやり取りなどを、社内のサーバーで共有し、ペアでの働き方を進めている会社が紹介されています。
 マタハラの事例として、「妊娠したり、出産したりした人は、お荷物だみたいな」・「流産しそうになった時に、上司から『妊婦は病人じゃないから』って言われた」・「『子育て中の女性は働くな』みたいな、かたちがある」とのこと。10年以上、女性の労働問題を取材しているジャーナリストからは「現場が無法地帯、ほとんどが泣き寝入り、企業に都合の悪い、残業はできない、そういった社員は切り捨てる、そういったことが非常に多い」など、働く女性が増えているのにもかかわらず、妊娠を職場に理解してもらえない、会社の制度が追い付いていないというのが今の日本の現状で、マタハラは少子化につながる要因として取り上げられることも増え、話題になっているものですが、その実状はまだまだ知られていないのが現状です。
 女性に限らず、育児に参加しようという男性に対する嫌がらせ「パタニティーハラスメント」も対象で、育休や介護休業を申請した男性に「奥さんがとればいいじゃないか」等といって諦めさせるのも嫌がらせです。
 ただ、いくら法律を改めても職場での言動を直接規制するのは困難です。妊娠や出産、育児などを抱える部下や同僚などを積極的に支える姿勢が、職場でより高い評価を得られるような制度づくりや意識改革を進めなくてはなりません。
 マタニティハラスメント、いわゆるマタハラについては、商工政策課のほか、市民参画センター、市民生活センター等の相談窓口においても、2012年度からの3年間に相談を受けた実績はありません。
 一方、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律、通称「男女雇用機会均等法」や育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律、通称「育児・介護休業法」に基づき、マタハラに関する相談受付や助言、事業者に対する指導、勧告を行っています。
 国の青森労働局管内の相談件数は、2012年度が39件、2013年度が32件、2014年度が27件となっており、マタニティハラスメント、いわゆるマタハラは、市、県及び青森労働局において、2012年度から3年間、相談の実績はありませんでした。
 男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法において禁じられている、マタハラ、パワハラは、あってはならないことであり、事業主を始め、働く人全てに対し、継続して周知、啓発し、その防止に努めていくとしています。
 市では、青森労働局の依頼により、昨年「市政だより」に、マタハラ防止に関する記事を掲載したほか、市ホームページにも、同様の記事を掲載し、周知、啓発に努めています。今後とも、青森労働局と連携、協力しながら、マタハラ、パタハラの防止、啓発に取り組むとともに、市に対して相談があった場合には、内容を伺い、専門窓口である青森労働局雇用均等室を紹介し、円滑な対応に努めていくこととしています。
 終わりに、1999年「男女共同参画社会基本法」が施行されて以降、女性の審議会等への参画が増えたようですが、市の管理職や議員に占める比率は、『出る杭は打たれる』でまだまだであり、もっと『出過ぎた杭は打たれない』の人材が増えて欲しいと願っています。
 マタニティハラスメントについては、現段階では、相談実績はないとのことですが、ハラスメント(嫌がらせ)について、働く方がたや事業者に認識していただく上で、まずは最初の1歩かと思っています。
 また、ワーク・ライフ・バランスや性的マイノリティについて、市の教育担当者から「中学生からの相談が寄せられた」との声を伺い、今日までひとり一人の人権を尊重する上で「DV問題」や「デートDV」、中でも「LGBT」の問題は、学校教育の中での「いじめ」という観点から取り上げ、中学生の心に響き、学校へ相談する行動に至ったことは、行政への働きかけの必要性を強く感じております。

 現在、NPO法人青森県男女共同参画研究所やウィメンズネット青森の会員として所属しておりますが、日々、活動して感じることは、男女共同参画のテーマは、生きていく上で当たり前の意識であり、「女性が強くなって家制度が壊れた」との認識を示される方もいらっしゃるので、これからも今日まで取り上げてきたテーマ、例えば、認知症や成年後見制度、学校事務職員の共同実施導入、環境問題等について追求し、施策の中で前進していることを実感するとともに、新たなテーマを議場で取り上げていくことが、男女共同参画推進に向けての意識づけとなることだと切に感じています。今後とも男女共同参画、基本的人権、いのちと暮らしを守る視点からアンテナを張り巡らして臨みたいと心しています。