【自主レポート】

第36回宮城自治研集会
第1分科会 ~生きる~「いのち」を育む・いかす、支えあう

 八女市職労では「昇任・昇格に男女間の格差があるのでは」との組合員からの発言を契機に、昇任等に関する職員意識調査を実施した。調査結果から浮かんだいくつかの課題に共通するのが「ジェンダー・バイアス」だった。それらの課題を改善するための取り組みを提言書にまとめ、春闘要求書と併せて当局に提出。女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画の策定に反映させ、協議の場を設定していくことを確認した。



男女がともに活躍できる職場づくりに関する提言
―― 職員意識調査から見えた課題と
その解決に向けた取り組み ――

福岡県本部/八女市職員労働組合 氷室佐由里

1. 意識調査の実施に至るまで

(1) 女性活躍の推進をめぐる国の状況
① 各分野で依然進まない女性の登用
 1999年に制定された男女共同参画社会基本法は、男女共同参画社会の実現を「二十一世紀の我が国社会を決定する最重要事項」であるとしている。2003年には「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に占める女性の割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」との目標が設定され、女性の参画に向けたさまざまな取り組みが進められてきた。しかし、内閣府「女性の政策・方針決定過程への参画状況調べ」によると、2015年現在、企業の管理的職業従事者で12.3%、国の本省課室長相当職以上の国家公務員で3.5%、都道府県の本庁課長相当職以上の職員で7.7%と、わずかずつ上昇する傾向にあるとはいえ依然として低い割合にとどまっている。
② 女性活躍推進法の制定
 こうした状況の中、国は2015年8月、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)を制定した。この法律は、女性の職業生活における活躍を推進して豊かで活力ある社会の実現を図ることを目的に、女性に対する採用や昇進等の機会の積極的な提供および活用、性別による固定的役割分担を反映した職場慣行が及ぼす影響への配慮、職業生活と家庭生活との両立を図るための環境整備などを基本原則としている。そして、国や地方公共団体等に対し、採用比率や管理職比率など女性の活躍に関する状況を把握・分析し、定量的目標や取り組み内容を定めた特定事業主行動計画の策定を義務付けるものである。これにより八女市でも行動計画を策定することとなった。策定にあたり、労働組合からの意見反映に活用したのが、男女がともに担う市職労委員会が実施した「昇任等に関する職員意識調査」である。

(2) 八女市の現状と取り組みの経過
① 管理職の女性比率は1割程度
 八女市は福岡県の南端に位置し、2度の合併を経て県内で2番目に面積の広い自治体となった。多くを中山間地が占め、八女茶に代表されるように主な産業は農業。人口は約66,000人で減少が続いている。男女共同参画行政に関しては、2004年に八女市男女共同参画のまちづくり条例を制定、2007年に男女共同参画都市を宣言し、現在まで第4次にわたる男女共同参画行動計画に基づいて施策を進めている。2015年4月時点で、市の管理職の女性比率は14.3%(42人中6人)である。2013年が8.3%、2014年が10.2%であったから上昇傾向にあり、また、全国平均12.6%、福岡県平均10.8%よりも高い。それでも、総職員数に占める女性の割合が37.3%であることからすると物足りない数字である。なお、課長補佐相当職では13.7%、係長相当職では35.7%となっている。
② 組合員の発信を受けた女性部の取り組み
 職員意識調査の発端は、2014年11月の市職労定期大会において組合員から「昇任・昇格に男女間の格差があるのではないか」との発言があったことである。それを受けて市職労女性部が2015年2月、「昇給・昇進等に係る八女市職労女性部員の意識調査」を実施した。これは女性部員のみを対象としたもので、134人が回答した。「昇進に男女差があると思いますか」との問いに「ある」と回答した割合は、39歳以下で69%、40歳代で50%、50歳以上で67%にのぼった。また、「女性管理職は必要だと思いますか」との問いには、全ての年代で約90%が「必要」と回答したが、自分自身の昇進については消極的な意見が多かった。女性部では調査結果の報告を兼ねて部員と女性管理職との意見交換会を開き、女性の昇進や働きやすい職場づくりに向けて率直に意見を交わした。
③ ともに担う委員会が取り組みを全体化
 「昇任等に関する職員意識調査」は、こうした女性部の取り組みを全体化しようと、男女がともに担う市職労委員会が実施したものである。ともに担う委員会は、市職労副執行委員長を委員長とし、執行委員、女性部役員、ユース部役員から委員を選出している。ともに担う委員会で意識調査の質問項目や実施方法を検討し、執行委員会、各職場ブロックから選出された中央委員からなる中央委員会での確認を経て、2015年6月23日、中央委員を通じて職員に調査用紙を配付した。組合員だけでなく管理職も調査対象としたが、現業職員や保育士には回答しづらい項目があったため、それらの職員は調査対象から外した。質問項目は、昇任や女性の登用に関する考え方、職場の配置や仕事の分担に関する考え方、家族のケアや残業の状況など、全17問である。調査用紙は封筒に入れたうえで中央委員が回収し、7月10日の期限までに418人(男性275人、女性143人)から回答が得られた。その集計および分析も、ともに担う委員会で行った。

2. 意識調査結果から見えた3つの課題

(1) 調査結果の概要
① 回答者の属性
 回答者の属性を性別に見ると、男性64.9%、女性33.7%、無回答1.4%であった。総職員数に占める女性の割合が37.3%であるから、その構成比を反映したものと言える。年代別に見ると、10~20歳代が17.5%、30歳代が15.6%、40歳代が34.0%、50歳代以上が31.8%であった。職階別に見ると、係員が55.7%、係長級が22.2%、課長補佐級が12.3%、課長級以上が5.4%であった。年代構成に男女間の違いはそれほど見られないが、職階では、係員が女性では66.4%であるのに対し男性では50.2%、逆に課長補佐・課長級以上は女性7.7%に対し男性22.5%と、大きな開きがあった。
② 3つの課題に共通する「ジェンダー・バイアス」
 調査結果をまとめていくと、主に3つの課題が浮かび上がってきた。1つ目は「昇任等に関して男女間に意識の差がある」こと。2つ目は「能力や経験に不安を持つ女性が多い」こと。そして3つ目は「家庭での性別役割分担が影響している」ことである。これらに通じているのは「ジェンダー・バイアス」である。ジェンダー・バイアスとは、性差による偏見や、男女の役割について固定的な観念を持つことを指す。こうした意識が、職場での女性の活躍推進の前に横たわっていることが見えてきた。次に、それぞれの課題ごとに調査結果について述べる。

(2) 課題1:男女間の意識の差~昇任意欲が低い女性
① 若い世代で顕著な男女差
 昇任に対する考え方について「あなたは、どこまで昇任したいと思いますか」とたずねた。結果、男女とも「昇任したくない」の割合が最も高かった。しかしその割合は、男性では28.0%であったのに対し女性では47.6%にのぼり、女性は男性に比べて昇任に対する意欲が低いことがうかがえる。意外だったのは、この意識の差が特に大きいのが10~20歳代だったことである。男性では「部長級」、「課長級」が合わせて半数を超えるのに対し、女性では「部長級」0.0%、「課長級」7.4%にとどまり、逆に「昇任したくない」が44.4%であった。10~20歳代は子育てや介護など家庭責任の影響も少なく、入庁して間もないため職務経験に大きな違いが生じているとも考えにくい。にもかかわらずこうした結果になるのは、入庁までの育ち方や環境に要因があるのではないか。

あなたは、どこまで昇任したいと思いますか

あなたは、どこまで昇任したいと思いますか
(10~20歳代)

② 男らしさ、女らしさを重視する地域性との関連
 そこで、市が2015年5月、満20歳以上の市民3,000人を対象に実施した「男女共同参画のまちづくりに関するアンケート」を参照したい。「男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしく育てるのがよい」という考え方に対する賛否をたずねたところ、賛成派が68.5%、反対派が19.9%で、賛成派が圧倒的に多かった。2010年に実施された前回調査と比較すると、賛成派は5.1ポイント増加し、反対派は3.3ポイント減少している。また、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方については、反対派が49.5%で賛成派の35.1%を上回ったが、前回調査から反対派が2.0ポイント減少したのに対して、賛成派は2.7ポイント増加している。ここから、八女市における「男は男らしく、女は女らしく」という考え方や、性別役割分担意識の根強さがうかがえる。このような地域性も、一般に「男らしい」特性とされるリーダーシップに関する自己評価に男女の差を生じさせ、管理職への昇任意欲の差に表れるのではないだろうか。職員意識調査での「女性の昇任を妨げているものがあるとすれば、それは何だと思いますか」に対する自由意見で、「慣習・伝統」「女性に対する偏見」「世間の風潮」などの回答が目立つことも地域性の特徴といえる。
③ 昇任の男女差に不満は少ない
 自分自身の昇任に限らず、女性の登用そのものについても男性のほうが積極的な傾向がある。「女性の役職への登用を進めるべきだと思いますか」とたずねたところ、「積極的に進めるべき」の割合は、男性で57.1%であるのに対し女性では36.4%だった。また、「昇任に関して男女の差があると思いますか」との問いに「男性のほうが早い」と答えた女性は67.8%にのぼったが、そのうちの52.6%が「相応の理由があるので不満ではない」と答えており、「不満である」の39.2%を上回った。こうした女性の消極的な姿勢の原因となっているのは何か。それは二つ目以降の課題から探ることができる。

女性の役職への登用を進めるべきだと思いますか

昇任に関して男女の差があると思いますか

「男性(女性)のほうが昇任が早い」と答えた方へ。
そのことを不満に思っていますか

(3) 課題2:能力・経験に不安を抱える女性
① 年代とともに高まる不安
 「昇任したくない」と答えた人に、その理由をたずねたところ、男女とも「自分の能力や経験に不安があるから」が最も多かった。特に女性では67.6%にのぼり、男性の51.9%を上回った。50歳代以上の女性では85.0%にものぼる。また、「女性の昇任を妨げているものがあるとすれば、それは何だと思いますか」と全員にたずねたところ、「女性には経験が不足しているから」と答えた割合は男性10.9%に対し女性19.6%だった。さらに女性の回答を年代別に見てみると、年代が上がるにつれて「女性には経験が不足しているから」の割合が高くなっていく。あわせて「女性は昇任に対する意欲が少ないから」の割合も、女性では年代が上がるにつれて高くなる。職務経験年数が増えるのとは逆に、能力や経験に対する不安が高まり、昇任への意欲が減っているという状況がうかがえる。

昇任したくない理由(複数回答)

女性の昇任を妨げているものがあるとすれば、
それは何だと思いますか(複数回答)

② 仕事の偏りを是認する風潮
 そのことと関連があると思われるのが、職場の配置や仕事の分担の偏りである。「各職場への配置や仕事の分担などで男女の差があると思いますか」との問いに、全体で44.8%が「ある」と答え、「ない」の27.3%を大きく上回っている。実際、防災安全課や環境課、建設課、農業振興課などは、女性職員は全くいないか、いても1人だけという状況である。逆に監査事務局や会計課はほとんど女性である。また、「『女性にとっては負担が重い』と思う業務はありますか」とたずねたところ、「ある」が48.3%、一方で「ない」は25.2%にとどまった。「負担が重い仕事」としてあげられたのは「防災・災害関係」が最多で、「交渉・折衝」、「戸別訪問・ケースワーカー」などが続いた。自由意見の記述からも、体力・腕力や交渉力が必要な仕事には男性が向いており、細やかな気配りが必要な仕事には女性が向いているという意識が見て取れる。職場の配置や仕事の分担に男女の差が「ある」と答えた人の54.7%、女性では62.5%と多数の人が、そのことを「不満ではない」としているのも、こうした意識があるからだろう。しかし、職場や仕事の分担が偏れば経験も偏る。係員でいるうちはいいかもしれないが、年齢を重ねて係長級以上になっていくとポストの数も限られ、経験したことのない職場で責任ある役職に就くこともあり得る。そこでは能力や経験に自信を持てず、それ以上の昇任を望まない一因となると考えられる。

各職場への配置や仕事の分担などで
男女の差があると思いますか

「女性にとっては負担が重い」と思う業務はありますか

女性にとって負担が重い業務が「ある」と答えた方へ。
それはどんな業務ですか(複数回答)

(4) 課題3:家庭での性別役割分担の影響
① 家事時間は女性、残業時間は男性が長い
 職場での女性の活躍を推進する上で、依然として大きな問題となるのが家庭責任の分担である。「あなたには育児・介護・看護などケアの必要な家族はいますか」とたずねたところ、「いる」と答えた人は全体で45.0%だった。「いる」と答えた人に、その家族を主に誰がケアしているのかたずねたところ、「自分」と答えた人は女性では76.6%にのぼった。男性では「自分」が19.2%、「配偶者」が46.4%だから対照的な結果である。また、平日に家事・育児・介護に関わる平均時間をたずねたところ、男性ではケアの必要な家族がいる場合でも「1時間未満」が52.0%であるのに対し、ケアの必要な家族がいる女性では「4時間以上」が50.0%にのぼった。その一方、1か月の残業時間の平均をたずねたところ、女性ではケアの必要な家族の有無に関わらず「30時間以上」は0.0%で、「10時間未満」が7割を超える。家事・育児等の時間は女性のほうが長く、残業時間は男性のほうが長い傾向がある。

ケアの必要な家族が「いる」と答えた方へ。
その家族を主にケアしているのは誰ですか

平日に家事・育児・介護に関わる平均時間は
どのくらいですか

1か月の残業時間は平均するとどのくらいですか

② 家庭責任が能力開発を妨げる懸念も
 ここからは「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担が垣間見えるが、女性も職員として働いているわけだから、「男は仕事、女は仕事も家庭も」という、いわゆる「新・性別役割分担」である。女性の残業時間が男性より短いのは、家事や育児のために帰宅する必要があるため、仕事を効率よく終わらせているからかもしれない。女性の負担感は重く、昇任したくない理由として「仕事と家庭の両立が難しそうだから」をあげた女性は、「能力や経験に不安があるから」に次いで多かった。また、「女性の昇任を妨げているものがあるとすれば、それは何だと思いますか」との問いでも、「家庭責任を主として女性が担っているから」との回答が圧倒的に多かった。「『女性にとっては負担が重い』と思う業務はありますか」の問いに「ある」と答えた割合も、ケアの必要な家族が「いる」女性と「いない」女性では開きがあることからも、家庭責任の影響がうかがえる。加えて、家庭責任の重さが女性の能力開発の機会を奪う懸念もある。「会議や研修への参加に男女の差があると思いますか」との問いに「男女差はない」と答えた人は、ケアの必要な家族が「いる」女性では65.6%、「いない」女性では79.2%と開きがあった。宿泊を伴う研修などに、女性が家族のケアのために参加できず、機会の平等が結果の平等につながっていない状況があるのではないか。

「女性にとっては負担が重い」と思う業務はありますか

会議や研修への参加に男女の差があると思いますか

③ 昇任意欲の負のスパイラル
 「女性の昇任を妨げているものがあるとすれば、それは何だと思いますか」との問いに、「男性のほうが期待されているから」と答えた女性は18.9%で、男性の4.4%とかなり差があった。これは、自由意見に見られた「男性のほうが家庭的な役割から見て扱いやすいから」という記述とも関係するだろう。ほかにも「人事当局が男性だから」「男性のほうが能力が高いとの思い込み」など、男性中心の組織に対する不信ともいえる意見が女性にあり、それは昇任意欲を失わせる一因とも考えられる。逆に男性は「女性は覚悟が足りない」「大変な仕事は男性がやると思っている人が多い」などの意見を持っていた。女性の昇任意欲の低さが、男性にはそのように映っているのかもしれない。負のスパイラルとも言える状況がうかがえる。

3. 職員の声を反映するために

(1) 課題解決に向けた取り組みを提言書に
① 地域のためにも必要な女性の活躍
 八女市ではまだまだ管理職の女性比率は低い。職員意識調査でも多くの人が昇任や職場の配置、仕事の分担に男女の差があると感じている。しかしそれを不満とは感じていない人が多数派で、女性の昇任意欲も低い。その背景には「男らしさ、女らしさ」の意識や性別役割分担などのジェンダー・バイアスがうかがえる。こうした八女市の現状が見えてきた。このままでは女性の活躍の推進は図れない。しかし地方自治はそれぞれの地域の特性に応じて行われるもので、社会情勢の変化や価値観の多様化、さまざまな地域課題に柔軟に対応するためには、管理職が一方の性に偏るのは望ましくない。多様な人材が政策の立案や決定に携わることが重要であり、市役所という職場での女性活躍推進は地域活性化にも有効である。また、仕事と家庭の両立をはじめ、女性の活躍を妨げる要因と考えられる課題を解決して働きやすい職場をつくることは、すなわち男性も働きやすい職場をつくることである。そこで、男女がともに担う市職労委員会は「男女がともに活躍できる職場づくりに関する提言~『昇任等に関する職員意識調査』から見えた課題とその解決に向けた取り組み」をまとめた。
② 人材育成計画の再検討など4つの柱
 提言の内容は主に「人材育成・能力開発のあり方の見直し」「人事評価制度の活用」「安心して働き続けられる職場づくり」「男女共同参画社会の構築」である。「人材育成・能力開発のあり方の見直し」については、職員の意識や職場の風潮にジェンダー・バイアスがあることを認識した上で、八女市人材育成計画にジェンダーの視点を盛り込んで再検討することを求めている。意識的なジョブ・ローテーションや職場研修(OJT)を重視し、能力・経験に対する自信を持たせようとするものである。「人事評価制度の活用」については、職場のコミュニケーションを円滑にし、昇任等に関する不透明感を払拭して職員の意欲を引き出すため、人材育成を最大の目的として実効性のある制度確立を求めている。次に「安心して働き続けられる職場づくり」については、先行する次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画の着実な実施と、家庭責任を担いながらもキャリアアップできる環境整備を求めている。加えて「安心」という観点から、不当要求への対応を管理職等の個人任せにせず、組織全体で対応する仕組みづくりも重要である。最後に「男女共同参画社会の構築」では、意識改革のため地域全体で男女共同参画行政を充実させる必要性を述べている。

(2) 提言書を活かした組合活動
① 行動計画の豊富化へ労使で協議していくことを確認
 提言書は2016年3月24日、春闘要求書とあわせて市長をはじめ当局に提出した。春闘の要求項目にも「ワーク・ライフ・バランスの実現と男女平等の推進について」として、「女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画の策定にあたっては、労使が参加する対策委員会を設置するなど、労働組合の意見(『昇任等に関する職員意識調査』から見えた課題とその解決に向けた取り組み)を十分に反映し、実効ある計画にすること」を盛り込んだ。春闘は4月21日に妥結。当局は計画策定に市職労の意見を十分反映する考えを示し、計画を随時見直して豊富化していくために、進捗状況を把握して労使対等の立場で協議する場を設置していくことを確認した。
② 組合にも求められる女性の活躍推進
 組合員には、当局への提言書の提出に先立って意識調査結果を周知し、課題を共有した。2月16日に開催した中央委員会で、中央委員に対して調査結果を報告。3月4日に発行した市職労ニュースでは意識調査について特集し、管理職を含め全員に配布した。3月15日には、執行委員、中央委員に加えてユース部や女性部の役員なども対象とした春闘学習会を開き、春闘での要求項目に対する理解を深めるため、意識調査から見えた課題とその解決に向けた取り組みについて学んだ。なお、今回の調査では市職労に対しても「組合が取り組んでいる姿が見えない」「組合が一番男女差別をしている」など厳しい意見が寄せられた。家庭責任を担う女性が参画しづらく、女性役員が少ないといった点で、組合も職場と同じ問題を抱えている。その改善に取り組んで男女がともに担う市職労運動を実現することは、女性が活躍できる職場づくりにもつながるはずだ。男女がともに担う市職労委員会を中心に、各専門部等と連携して、役員育成や環境整備に取り組んでいかなければならない。