【自主レポート】

第36回宮城自治研集会
第2分科会 ~生きる~「いのち」を守る

 大分市では、2014年11月より、家庭ごみの減量とリサイクルを推進することと併せ、ごみ処理に係る費用負担の公平性をはかることを目的に、「家庭ごみ有料化」が実施されています。今回実施した、環境意識アンケートでは、"家庭ごみ有料化"と"ごみ減量" に対する関心について調査を実施しましたので報告します。



環境意識アンケートにみる環境行政の推進状況
―― 環境意識アンケート調査の結果・分析 ――

大分県本部/大分市職員労働組合・自治研部・現業評議会部会

1. はじめに

 現業評議会部会では、当初は環境保全の観点から、「市民環境意識アンケート調査」を行ってきました。2014年11月からは、家庭ごみの減量とリサイクルを推進することと併せ、ごみ処理に係る費用負担の公平性をはかることを目的に、「家庭ごみ有料化」が実施されることとなり、行政で働く者として「どれだけの市民が"家庭ごみ有料化"と"ごみ減量"に対して関心があるのか」を調査してきたところです。
① 調査日時
 2013年5月26日(日) 11:00~14:00
 2014年5月31日(日) 11:00~14:00
 2015年5月30日(日) 11:00~14:00
② 調査場所
 大分駅(上野の森口前広場・府内中央口広場)
③ 回答者数
 2013年 71人
 2014年 87人
 2015年 75人

【年齢】


【性別】


【世帯数】


【日頃から取り組んでいるエコ】(複数回答可)


 2013年、2014年の集計では節電や節水に取り組んでいる方が多かったが、2015年の集計では、家庭でのごみ減量に取り組んでいる方が増加している。"家庭ごみの有料化"に伴い、市民の意識や取り組みが高まったと考えられる。


2. 2014年11月から「家庭ごみ有料化」が実施開始

【"家庭ごみ有料化"が 2014年11月から始まりますがご存じですか】
(2014年アンケートより)


【"家庭ごみ有料化"の「市民説明会」に行きましたか】



【なぜ「市民説明会」に参加しなかったのですか】



 集計によると参加できなかった市民の多くの方は、「日程の調整がつかなかった」や、「市民説明会の開催情報が把握できなかった」等が多くみられる。

「家庭ごみ有料化の導入に伴い」(第2回清掃事業審議会より抜粋)
 ・大分市内688自治区全ての自治区への市民説明会の実施。
 ・13地区市民説明会の実施。(コンパルホールや地区公民館)
 ・まちづくり出張教室説明会の実施。(大分市生活学校連絡協議会 他)
 ・その他説明会の実施。
  (全日本不動産協会の会員研修会、大分県宅地建物取引業協会の研修会 他)
 ・各種学校へ有料化制度等の市民説明会ポスター及び提示依頼

「ごみ有料化市民説明会」……対象自治区 688自治区
主な意見・質問
 ・分別方法について
 ・不法投棄防止策に関すること
 ・指定有料ごみ袋以外で、ステーションに排出されたごみやルール違反ごみの対応について
主な要望
 ・指定有料ごみ袋は、破れにくく丈夫な袋にして欲しい
 ・ルール違反者の対応を徹底してもらいたい
 ・説明会へ参加が出来なかった市民への周知を徹底してほしい等

 多くの市民の方は、有料化の導入について「知っている」という回答が多かった。一方で、「市民説明会」については、大分市内688自治区全ての自治区において実施し、また、参加できない方を対象に「13地区市民説明会」も行っているが、「行ってない」という回答が圧倒的に多かった。
 多くの市民が"家庭ごみ有料化"の導入について把握しているものの、その一方で、ごみの排出方法について積極的に把握しようという意識が高まっていないのか、行政として不安が残る結果と言える。
 家庭でのごみ分別の状況を聞いてみると、

【家庭での"ごみ"分別は、きちんとできていますか】
(2013年、2014年のアンケートより)


【ごみの分別について】



【ご家庭では"ごみ有料化"でごみ減量に繋がっていますか】

(2015年)


 集計によると、ごみの分別は出来ているという回答が多いが、2013年より2015年の方が分かりにくいという意見が増加している。この結果から、"家庭ごみの有料化"に伴い、ごみの分別に対する意識が高揚しているとも見受けられる。また、分かりにくいと回答した方のうち、「品目が多すぎる」「プラの判断が難しい」等の意見が多かった。
【 "ごみ有料化"に伴い、意見があればお聞かせ下さい 】
 ・お金がかかって大変
 ・有料袋は不燃物を入れると破けやすい
 ・市民のごみ減量や環境意識の高揚につながる
 ・ごみを排出する側の責任をもっと明確にした方がいい


3. ~「家庭ごみ有料化」の導入から半年が経過してのごみ推移~

(「ごみ減量・リサイクル推進懇談会」より抜粋)

(1) 「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」の排出状況について
■「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」の半年間の排出量(合計)
  2013年11月から2014年4月の排出量 約46,147トン
  2014年11月から2015年4月の排出量 約41,446トン
■「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」の排出量(合計)年度別比較(単位:トン)
  ⇒「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」の排出量の削減率は逓減傾向にある。

(2) 指定有料ごみ袋の使用状況について
 ごみ減量・リサイクルに取り組むことにより、家庭から出すごみの量が少なくなれば、小さな袋を使用できるようになり、費用の負担軽減にもつながります。
 有料化実施前と実施後では、大袋(45㍑)を使用する方が減り、中袋(30㍑)を使用する方が増えました。

(3) 「資源プラ」の排出状況について
■「資源プラ」の半年間の排出量
  2013年11月から2014年4月の排出量 約1,229トン
  2014年11月から2015年4月の排出量 約1,564トン
 資源プラの排出量が大きく増加している。家庭ごみ有料化制度の実施により、これまで「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」の中に混入していた「資源プラ」が正しく分別されて排出されていることが推測されます。

(4) 「新聞紙・その他紙類・布類」の排出状況について
■「新聞紙・その他紙類・布類」の半年間の排出量
  2013年11月から2014年4月の排出量 約6,483トン
  2014年11月から2015年4月の排出量 約6,492トン
■「新聞紙・その他紙類・布類」の排出量年度別比較
 「新聞紙・その他紙類・布類」の回収率は増加していない。今後は、「新聞紙・その他紙類・布類」の回収率を増やしていく必要がある。

(5) 手軽にできるごみ減量
■4R運動について


4. おわりに……

 ごみ集積場には、現在でも指定有料袋でないごみの排出も見受けられます。
 2013年から3年間「市民環境意識アンケート」を実施するなかで感じたことは、2014年11月から"家庭ごみの有料化"が導入され、市民のごみ減量に対する意識が高まっているということです。
 環境保全の取り組みを進めていくなかで、ごみ減量という課題は大きなテーマですが、私たち行政だけではなく、市民・事業者が一体となって取り組んでいかなければ乗り越えるのが困難な課題でもあります。
 今後も、"日本一きれいなまち、おおいたし"の自然と環境、人々の意識を残していくために、さまざまな立場から環境保全を考え、取り組んでいきたいと思います。
 皆さん一人ひとりが身近なところから環境意識を高め、大分市の環境保全への取り組みを推進していただきますようお願いします。