【自主レポート】

第36回宮城自治研集会
第7分科会 若者力は無限大∞ ~若者と創り出すまちづくり~

 真狩村職の組合員が、地域住民と関わり、協力して取り組んでいる様々な活動について紹介します。



地域住民と組合員が一体となったまちづくりをめざして


北海道本部/真狩村役場職員組合 栁澤・藤本

1. 真狩村の概要

 真狩村は「えぞ富士」と呼ばれる羊蹄山の南に位置し、農業を基幹産業とした純農村で食用ゆり根は全国一の生産量を誇っています。人口(2016年6月末現在)は2,074人(男1,013・女1,061)、世帯数は928戸、面積は114.43km2で、道央と道南の中央に位置しています。近年では、オーベルジュ「マッカリーナ」やまっかり温泉、羊蹄山の湧水、羊蹄山自然公園キャンプ場などが観光地として人気を博しています。
 1895年に、香川・福島県人5戸18人がマッカリベツ原野に移住したのが村の開基で、昨年8月には開基120周年を記念した「ふるさと発信応援ステージ」を開催し、本村出身の演歌歌手・細川たかしさんのコンサートなどが盛大に行われました。また、作曲家の故・八洲秀章や版画家の故・一原有徳も、村の出身として知られています。
 北にそびえる羊蹄山に見守られながら、「笑顔咲く ふれあいの村 まっかり」をキャッチフレーズとして、村政を推進しています。


2. 真狩村役場職員組合の活動概要

 1968年に職員組合を設立してから半世紀近くが経過しています。
 この間、私たちが仕事を続けていくうえで起きる問題に対し、個人では解決できないことでも組織の力により少しでも解決できるよう日々の活動に取り組んでいます。
 また、村民に喜ばれ、組合員一人ひとりが自ら役に立つと実感できる仕事がしたいと願いながら、労働条件の改善だけではなく、やりがいのある仕事ができるよう当局に求め、組合活動はより良い地域社会の実現と質の高い公共サービスの提供をめざすため、先輩方の築いてきた伝統を継承、発展すべく日頃から活動を継続しており、加入率は、2016年現在で100%となっております。

(1) 真狩村職自治労野球部の活動
 現在、真狩村職自治労野球部は、本村の役場職員や臨時職員、羊蹄山ろく消防組合消防署真狩支署の職員のおよそ20人で活動しています。
 数年前までは、村内でも農家や他団体のチームで野球大会を開催するなど盛り上がりを見せていましたが、その後は、各チームとも選手の減少が著しく、試合開催自体も難しくなり、自治労職員野球大会後志予選においても、勝ち進むことが難しい年が続いていました。
 しかし、ここ数年の若手職員の採用や野球経験者の入部などから、活気が生まれ、自治労野球大会に向けた練習や他団体との練習試合を企画するなど、活動が精力的に行われるようになり、2年前には、初の全道出場を果たしました。また、村規模での大会出場は初ということで話題にもなり、選手はじめ関係者の心が躍動したことは言うまでもありません。
 さらに、本年においては、後志予選を勝ち抜き、2回目の優勝を飾ると同時に全道大会への切符を手にしました。今年の全道大会は、プロ野球も開催されている旭川スタルヒン球場にて行われることからも、選手および関係者の盛り上がりは隠せません。
 課題としては、選手層が薄いという側面はありますが、練習はじめ、全員野球という意識で、お互いをカバーしつつ、ひとつの勝利に向かっていく姿勢は、職場においても生かされることでしょう。
 また、他団体に所属する地域の方々との交流も増え、様々な地域住民との活動に対して潤滑油となる好循環を生んでいると感じています。


3. 地域住民との活動事例

(1) 真狩アグリパーク実行委員会「チャレンジ 羊蹄山!!」事業
 同実行委員会は、2000年まで村内各小学校で行われていた羊蹄山への登山遠足がなくなったことにより、「ふるさと真狩村の目前にそびえる羊蹄山に、ぜひ子どもたちを登らせてあげたい」という強い思いを持った保護者などの有志を中心に、2004年に発足しました。
 この会の目的は単純明快で、羊蹄山を登頂することにより、達成感や充実感を体感すると共に、自分の故郷を頂上から眺め、郷土を愛する心を育むことです。
 羊蹄山は標高1,898mで、登山に要する時間はおよそ4時間から6時間ほどかかります。
 「すごく大変でとても疲れたけど、羊蹄山に登ることができた」という子どもたちの達成感こそが、これから歩む自身の人生の中での糧となり、大きな経験・財産になることを期待しての事業です。
 毎年9月の最終土曜日に開催しているこの事業は、小学3年生以上の村民を対象とし、2004年の開始以降、悪天候等により中止となった年もありましたが、参加者は小中学生を中心に各回平均20人以上で、通算では250人ほどが参加しています。その年によっては、親子での参加や一度登ってみたいと思っていたという一般の方の他、近隣町村からの参加希望も多くありました。
 メンバーについては、当初は有志数人だったものの、年を追うごとに、学校の先生や役場・消防職員、登山ガイドなど、この事業に賛同する協力者の方々が増え、ゆるやかなネットワークが構築されているのが、この会の特徴でもあります。
 また、2013年には、10年にわたる事業の功績が認められ、(一財)北海道青少年育成協会より「北海道青少年顕彰」が授与され、これをきっかけにメンバーの士気も上がり、現在も継続実施できている活動の原動力となっています。
 課題としては、降雪や悪天候等を考慮しての実施時期の変更や参加者の安全確保等があげられていますが、近年では登山ガイド等にスタッフとしてご協力をいただいているため、その助言や指導を忠実に仰ぎながら実施できている状況にあります。
 協力スタッフは、ここ数年で20代のメンバーが増えており、この事業をとおして「真狩で暮らす地域の一員」として、様々な地域活動に今後携わっていく契機となっていくことを願っています。

(2) まっかり温泉スリッパ卓球実行委員会
 この実行委員会を立ち上げるに至った経緯は、2006年に真狩村商工会が「まっかり温泉」の指定管理者となったことで、温泉を盛り上げるために何かできないかと商工会青年部と役場職員で検討したことがきっかけでした。
 村は豪雪地帯のため、冬期間は観光客が減少し、まっかり温泉の利用者も同様です。そこで、冬場に温泉でイベントを開催し、集客したいと考え、まだ誰もやったことのない「温泉卓球」を考案。更に、卓球のラケット代わりにスリッパを使えば、あまり技術の差もなく誰もが楽しめるのではと、2007年2月に真狩村商工会青年部主催で、第1回大会を開催し48人が参加しました。
 第2回目からは目的の一つに「真狩村の活性化」を掲げ、商工業者や農業者、役場職員など多種多様なメンバーで実行委員会を組織し運営しています。実行委員のアイデアと会の発足から村内を中心とする様々な事業者の皆様にご協力とご協賛をいただき、補助金に頼らない運営を進めています。
 また、山形県河北町で行われた「世界スリッパ卓球大会」に実行委員が出場し、優勝したことをきっかけに、第6回大会からは「全日本スリッパ卓球選手権」の冠を付けて開催することとなりました。その後、山口県湯田温泉スリッパ卓球大会への参加を契機に次々と全国にある温泉地とつながり、現在は「全国ご当地温泉振興協議会」に加盟し、各地の卓球仲間との出会いが大きな財産になっています。この広がりは、当初から想定していないものですが、全国各地との交流を深められたことはかけがえのないものです。
 本年1月には、これまでの10年の活動の集大成とした記念事業として、第10回大会の前日に、ロンドン五輪女子卓球団体銀メダルの石川佳純選手の父・石川公久氏の講演会と共に全国から駆け付けたご当地温泉卓球メンバーによる活動報告会や「スリッパ卓球オールスター戦」などを実施し、「スリッパ卓球でつながる"地域力"」をテーマとした議論を深めることができました。
 多くの方々に、まっかり温泉にもっと来てもらいたい、ひいては「まっかりファン」になってもらいたいという当初からの思いは変わらずですが、10年目の節目にあたって、地域住民の皆さんにも「まっかり温泉スリッパ卓球ファン」になっていただき、地域力向上に向けて、共に励みたいと考えています。

(3) 真狩スポーツコミュニティクラブについて
 2014年5月、運営スタッフ12人によって、真狩スポーツコミュニティクラブは発足しました。発足時の運営スタッフは、20代から50代の商業、役場職員、農業、会社員で構成され、その目的は、スポーツを通じて住民がつながり、地域コミュニティの向上を図るために立ち上がりました。
 初年度には、4回のイベントを開催し、延べ112人が参加しました。その第1回目は、羊蹄山の南山麓に位置する羊蹄山自然公園で、「カレーサバイバル」を開催し、スタッフ含め35人が参加しました。内容としては、グループ別の子どもたちが公園内に隠された材料カードを探し出し、受け取った野菜やお肉で楽しくカレーを作り、ミニゲームや三角ベースなどを楽しみました。
 昨年は、6回のイベントを開催し、延べ258人が参加しました。また、賛同してくれるスタッフも16人となり、企画についても、子育てママ応援として女性限定のヨガ講座や道銀カーリングスタジアムでのカーリング体験など、多岐に亘るイベントを開催し、年々地域での広がりや活動の認知度が増しており、コミュニティの活性化に繋がっていると感じています。
 課題としては、財源がないため、参加者負担での企画運営になり、企画内容に制限がありますが、その反面、地域にあった企画を開催することで、活動への理解が得られ、企画運営を継続的に行うことができていると考えており、この継続が地域を作っていくと考えております。

(4) その他の活動
 前述の3つの事業の他にも、村づくり研究会にて主催している「フラワーロード事業」や「花見会」、真狩村を楽しむ会による「冬ふぇすた」や「全道歌うまい王決定戦」、全日本スノーモビル選手権真狩大会(同実行委員会主催)など、多種多様な活動があり、地域住民のひとりとして組合員も参加しています。


4. まとめ

 まとめにあたり、これまで紹介してきた活動に共通して感じていることは、どの活動も地域に既にある資源や人材を生かし、現在の地域に合う形で活動を楽しみ、継続しているということです。
 何か活動をするために、わざわざ、他方から特別な人を呼んだり、高価な機材や技術を用いたりするのではなく、純粋に「野球を楽しもう」、「山に登ろう」、「温泉と言えば卓球でしょ」、「部活みたいにいろいろ楽しみたい」といった気持ちを大切にし、自分たちにあった活動を考え継続しています。
 これら活動に対して、現在は、個々の組合員としての関わり合いですが、今後は、全体としての関わり合いへの展開など、さらに地域力向上に向けて、地域にあうかたちを模索し、まちづくり・地域活性に励んでいきたいと思います。