【自主レポート】

市民に見える市職の活動
~市民に必要とされる職員をめざし
  市民の望む職員をめざし
自治体改革(行財政改革)の前に組合改革を

 愛知県本部/小牧市職員組合

 自治研を非難するつもりではないが、組合が地方自治を考える前に、組合のあり方をまず考え直す時期に来ているのではないだろうか。
 特殊勤務手当やわたりなどの過去の産物を死守することは、全く市民に理解されない。堂々と市民に説明できる手当や昇給制度などを労働の対価として受け取ればそれで十分ではないだろうか。
 小牧市職員組合(以下:市職)は、古い体質の労使交渉による賃金・労働条件の闘争は放棄した。しかし御用組合に成り下がったわけではない。
 市職は、独自の活動を実施し、当局側とあくまでも協調協議により、紳士的な合意に基づき賃金・労働条件を決定している。
 そして部課長会、課長補佐会、消防職員とも連携を取り、市民の目に見える活動を年間を通じて実施している。
 市民に必要とされる職員、市職こそが、今後、公務員が公務員として、生き残れる唯一の道と考える。
 その活動のまず一つ目は、庁舎の省エネ対策としての朝顔によるフラワーブラインド事業。
 夏の省エネ対策として、朝顔によるブラインドを市役所南庁舎西壁面に設置し、市民の憩いの場とするとともに、18園の保育園・幼稚園・児童館でも保育士と園児によりミニフラワーブラインドを設置し、保護者や市民からも好評を得ている。
 二つ目としては、市の遊休地を利用してのフラワーオアシス事業。
 以前は国道と県道の交差点の一等地を草生えにして、空き缶も捨てられ、市民からも苦情が寄せられた場所を、組合員の手でスポット花壇として整備し、地元からも大いに市職を評価されている。
 三つ目としては、毎月の職員環境美化ボランティア事業。
 市内各地域を毎月第二土曜日の午前中に清掃活動を実施。4月と10月は目標最低500人規模で、その他の月でも毎月100人規模で実施している。
 一昨年からは、地元自治会ともタイアップする地域も出てきたり、連合傘下の市内企業ともタイアップするようになった。
 いずれも5年前の市職結成40周年の記念事業を実施するにあたり、従来の発想を転換、まず組合員や市職にとって重要なことは何か考えた結果、式典を取り止め、経費を見直し有効活用することが今後の市職の活動の原点と考えた。
 この記念の節目に「市民に理解される市職としての活動をアピールしよう」を合言葉にスタートした事業であり、特に職員環境美化ボランティア事業においては、部課長会、課長補佐会、消防職員も全面協力体制を取り、市内からポイ捨てゴミの一掃をめざした活動は、市職から市民への大きな発信となっている。
 以前、私が採用された25年前の市職は、共産党を全面に出した闘争組合。 
 当時市議会議員からも煙たがられた存在でした。昨年末、各派代表と市職の活動をアピールする場を設定し、意見交換の場では変貌した市職を大きく評価していただき、逆に議員側から定期的な意見交換会の開催提案があり、当局、議員を巻き込んだ市職の活動は大きな成果を上げていると自負をしている。
 協調協議と前述したが、これら一連の活動を、市長をはじめ市議会議員や当局側は大きく評価し、給与をはじめ賃金労働条件の向上にも、十分理解し合える協議の場の設定が持てるようになった。まず当局側に望むより、市職の活動を市民、当局側に評価させることが給与をはじめ賃金労働条件向上のための最大の武器と考える。
 しかし、この成果にあぐらをかいていられるほど公務員にとって甘い時代ではない。
 委託化を初めとする合理化が進むなかで、当局側の提案を待つことなく、市職から委託を初めとする合理化推進に関する提案を打ち出し、市民が望む行政をめざし、協調協議を進めている。
 その際に、市職としての委託推進の大前提は二点のみの、①雇用の確保と質の更なる向上、②貴重な税財源の有効活用。これには過去からの働き方と考え方からの脱却が不可欠。
 現在学校給食について、2つの給食センターと単独で給食調理業務を行っている8つの学校がある。今年の夏からは1給食センターを委託。2008年夏には8単独調理校を統合し新設給食センターを建築し委託。栄養士によるチェックや統一仕入れなど給食の維持向上を条件に検討を進めている。
 さらに市職として、委託先の給食がこれまでの給食と質的に確保されているかどうか、業務がスタート後に試食会を実施し検証していきます。
 この給食センター委託に関し、組合的に最大の課題は調理員の雇用問題。  
 担当部局の教育委員会庶務課は人事課任せ。人事課は担当課の方向性を待って対応と、用地買収さらには建物建築のスケジュールは表に出されているが、雇用の問題は蚊帳の外の状態。市職から先に委託後の調理員の働く場所の確保を提案し調整している。
 具体策としては、現在保育園で正規調理員1人と臨時用務員1人体制の14園について、委託後、正規調理員2人の体制で行い、用務員の仕事も調理業務の合間を縫って実施していく方向。
 その準備段階として今年の夏休みの本務外勤務で、センター調理員を各3日間、保育園にて保育調理研修の実施を市職が提案し、人事課と教育委員会、児童課を市職がリードして、雇用の場の確保のためにプランを作成。
 保育園においては、今年秋に19番目の新設園を指定管理者に。市民の多様なニーズに対応すべく、延長保育の拡大、休日対応も検討中である。
 さらに、温水プールも指定管理者、図書館も受付業務を委託開始し、支所においても受付業務の委託の検討を開始した。
 委託を悪とする主張に市職は同調しない。質の低下が懸念されるのであれば、質の低下の原因を徹底的に当局側と検証し、問題点を解決した上で、質を維持しながら委託すれば何ら問題はない。今まで正規職員が携わっていたからの理由だけの保身は市民に一切通用しない。
 前例踏襲主義も再点検し、不必要なものの切り捨てと新たなニーズの発掘が必要とされている。
 人事評価についても、積極的な導入を市職は逆提案として当局側へ要望。
 公平性、透明性、納得性などの諸条件の整備を早急に行い、働くものが報われる、働きに応じた役職と賃金配分こそが、血税の使途には必要ではないでだろうか。
 しかしその中でも病気休暇を悪用する組合員もいる。本当の精神面も含めた病気休暇取得者には、職場を上げてのバックアップ体制を構築する必要はあるが、悪用者に対しては、残された組合員のためにも、市職から何らかのアクションを起こすことも組合としての組合員を守る運動の一つではないかと考える。
 また、行政のスリム化と同様に市職の体制のスリム化も必要と考える。
 現在、現業評議会、保育部会、青年部があり、現業評議会の下部組織として調理員部会、用務員部会、保育園部会、清掃部会の4つの部会が存在する。
 何故、特定の組合員だけの組織が必要なのか。各職場の融合のためであれば、対象者で組合抜きの親睦会でもいいのではないだろうか。
 市職としては、執行部が全責任を負う形で、執行委員と代議員による全職場の統一交渉体制と、最終結論はトップとトップの直接協議による決着こそが、組合員への説明責任を伴った組合活動ではないだろうか。
 市職としては、現評下部組織の調理員部会、用務員部会、保育園部会、清掃4部会について、今年3月をもって解体しました。現業評議会、保育部会、青年部についても、次期市職の9月の定期大会までに方向を出したいと執行部は考えています。
 最後に、首長を初めとする各種選挙体制の強化も今後の公務員の存亡には不可欠と考える。
 特に首長選挙では、市職が連合愛知、民主党の先頭に立ち、選挙戦をたたかい抜いてきた。また、昨年の衆議院選挙においては、執行部を中心に精力的な支援体制を構築し、三選した前田衆議院議員においては、市職の准組織内と言っても過言でない関係を築けている。
 近隣の首長、市議会議員選挙においても、連合愛知の一員として、組織拡大が最大のテーマであることを充分理解し、積極的な支援活動を展開している。
 昨年の豊山町長選挙、清須市長選挙、今年に入ってからの北名古屋市長選挙並びに市議会議員選挙、清須市議会議員選挙、春日井市長選挙並びに市議会議員補欠選挙では、今後の自治労組織拡大の足がかりが構築できたと総括するとともに、今後、県本部と連携を密にし、積極的に組織拡大に取り組んでいきます。
 来年予定される県議選挙並びに市議会議員選挙においても、市職の意見反映できる議員の擁立と当選に向けての体制の強化を急がねばならない時期に来ている。
 小牧市職は、当局側をリードする市職をめざし、市民に理解され、市民の望む行政を追求して、独自のスタイルで進んでいきます。