【自主レポート】

合併による職員意識アンケート調査結果
2005年7月実施【2005年1月11日合併(旧亀山市・旧関町)】

 三重県本部/自治労亀山市職員組合

 社会環境の変化や職場の人間関係などにより、ストレスに悩む労働者が増加しています。最近の厚生労働省の調査では、精神的な疲れを感じている労働者は7割にのぼり、精神的な疲れが長く続くと様々なストレス関連疾患の原因となります。特に、心の健康、メンタルヘルス問題については、家庭や職場に与える影響はますます大きくなってきています。
 私たち自治体職員は、ここ数年、誰も経験したことのない市町村合併に直面してきました。そして、合併による様々な影響を直接受けました。特に、合併前、合併後の過重な労働により肉体的、精神的に負担を感じた職員は少なくありませんでした。それにより休職を余儀なくされた職員も出ています。
 亀山市職員組合としては、このような事態を重く受け止め、2005年7月、合併から半年が経過した時期に「緊急職員意識アンケート」を組合員を対象に実施しました。
 合併を経験した自治体の皆さんも同じだったと思いますが、合併前1年間は、通常の職務に加え、事務事業の調整が頻繁に行われ、合併協議会対応など時間外勤務の増大により今までにない負担を全ての職員が感じていました。
 そして、2005年1月11日に旧亀山市と旧関町と対等合併して新「亀山市」が誕生しました。対等合併ではありましたが、実際には旧亀山市の各職場、係に旧関町の職員が1人程度配置されました。旧亀山市の職員にとっては大きな変化はあまり感じられなかったと思いますが、旧関町の職員にとっては、かなり大きな精神的負担があったものと考えられます。また、旧関町庁舎が関支所となり、そこに異動となった旧亀山市の職員や環境の違う職場に異動となった職員にとっては、今までとは違う精神的・肉体的な負担があったものと考えられます。
 事実、両市町において合併前でもメンタルヘルスによるものと思われる休職者はいましたが、合併前より更に多くの職員がメンタルヘルスによるものと思われる休職に至りました。その多くは旧関町の職員でありました。
 職員組合としましては、休職者やその職場の責任者から話しを聞き、早期復職に向け、当局とも協力し合いながら対策を講じてきました。
 合併から1年半を経過した現在は、ほとんどの職員が復職し、元気に働いています。
 合併を機に、職員の意識はどのように変わり、何を感じたのか、アンケートの分析結果を踏まえ報告します。

 調査の概要
 配布数   385枚
 回収数   300枚
 未回収   85枚
 回収率   77.9%

総 評

 調査結果から、合併では職場環境の変化、人間関係、仕事量の増加等により多数の職員が何らかの負担を感じていることがうかがえる。対等合併と言いながらも、市町の合併により事務処理の方法等が旧亀山市の例を引き継いでいることから、出身別では旧関町職員の方が負担を感じている割合が高く、男女別に見ると、男性職員の方が負担を感じていることがうかがえる。
 また、合併してよかった点については、旧関町職員では、「専門性を身に付けることが出来た」という意見も多かったが、全体的に見てみると「その他」が最も多く、これについては、回答すべき項目やよかった点がなかったのか、注視すべき点である。
 一方、合併して悪くなった点については、仕事量が増えたと感じている職員が最も多いことから、「職域が広がる」=「仕事量の増加」=「苦しみ、負担を感じる」の構図がうかがえる。
 このような影響は、家庭生活にも波及していることからメンタルヘルスの原因となり得るものである。メンタルヘルス対策としては、職場の異動、仕事の軽減、降格制度の導入、気軽に相談できる機会等が多く、その他メンタルヘルス対策の意見としては、「専門医の紹介や組合としてカウンセラーを設置してはどうか」、「組合でメンタルヘルスに関する相談所を設けて欲しい」等の意見があった。職員組合としては、このような意見を踏まえながら、その予防策を含め、労働安全衛生委員会等において、有効的なメンタルヘルス対策の検討を進めていかなければならない。

緊急職員意識アンケート