【要請レポート】
1. はじめに 2000年7月8日、三宅島雄山山頂で噴火。避難指示が発せられる中、8月18日には高さ10,000メートルを超える噴煙をともなう最大規模の噴火が発生した。噴火に伴う火砕流、二酸化硫黄を含む大量の火山ガス、視界をさえぎる火山灰など、これまでになく強い火山活動のため、9月2日全島民避難が実施された。 2. 避難島民支援活動の概要 (1) 全島無人化の選択 (2) 島民と地域社会の大移動
(3) コミュニティの試練
島民からのメッセージから読み取れるとおり、情報源も大半がテレビであり、避難生活が一月になろうとする頃から、島民の引きこもりや健康障害が目につくようになる。将来不安、就労問題、教育問題、そして孤独感という大きな試練を乗り越えるため、生活物資以上に必要なものが、避難先である八王子でのコミュニティづくりとなった。 (4) 新たなコミュニティづくり
一方、都民交響楽団によるチャリティコンサート、連合三多摩による餅つき大会が開催され、納涼祭、八王子市職の文化祭、旗開きには島民が年中行事として参加するようになった。 (5) 予測以上に困難な帰島事業 3. 災害難民をつくらないための行政区域を越えた支援体制 災害の発生―救助―避難―再建といった流れの中で支援活動はそれぞれ違うものが求められる。約5年間に及ぶ三宅島避難島民支援活動は、避難生活にかかわる行政的支援でありコミュニティづくりであった。とくに三宅の場合は長期避難生活と帰島という中で、ボランティアといいつつも、限りなく公的福祉サービスに近いものとなった。 (1) 行政区域を越えた支援体制 4. 支援の機軸はコミュニティづくり 三宅島民は5年間の避難生活と帰島後の生活再建の中で、地域コミュニティが解体されそして生み出されるという経験をした。 (1) 軽視した島民のコミュニティ (2) 復興の鍵もコミュニティ
クリエイトアイランドの若者達も、三宅の復興には観光事業が必要だと語る。しかし一過性の見世物で人寄せをしても、三宅そのものの理解にはつながらない。つまり持続性に期待できないということである。 |
2000年 6/26 |
緊急火山情報「三宅島で噴火の恐れ、厳重に警戒」 |
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6/27 | 東京都災害対策本部、現地対策本部設置 | |
6/29 | 火山噴火予知連絡会「火山活動低下、今後の噴火可能性はほとんどなし」 東京都災害対策本部及び現地対策本部廃止 |
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7/8 | 雄山噴火(噴煙、火口から800m) | |
8/18 | 最大級の噴火(噴煙、火口から14,000m) | |
8/29 | 低温火砕流発生 東京都災害対策本部、現地対策本部設置 |
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8/31 | 火山噴火予知連絡会 「噴火が断続的に発生、8/18を上回る噴火、8/29を上回る火砕流発生の危険あり。火山ガスの警戒必要」 |
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9/2~4 | 全島民避難 | |
9/5 | 八王子市三宅島災害避難者支援対策本部設置 ・避難島民の受け入れ団地の特定(9/21、13団地、175世帯、562人入居) ・八王子市福祉部に避難者相談窓口設置 ・生活物資の調達(市職員中心)と提供 ・自転車の貸し出し(100台確保し9/21段階で77台貸し出し) ・南大沢福祉センターに避難島民の情報交換サロンとして懇談室開設。 ・保健士による出張健康相談実施 ・庁内カンパ 2,827,000円 市民からの義援金受付 261,728円 |
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10/1 | 避難島民の交流昼食会実施(八王子市立宮上小) ・八王子市立宮上小学校で、午前10時から午後3時まで開催 ・島民440人参加。西東京バスが送迎・生活物資 ・衣類など5,500点提供。(冬物コート、セーター、下着、食器、鍋類、タオル・シーツ、石鹸、洗剤、茶、電化製品などなど職員が中心となり持ち寄った) ・昼食会(学校給食のメニューをバイキング方式で提供) ・長谷川三宅村長、黒須八王子市長出席。参加島民のメッセージあり |
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11月 | 三宅島八王子島民の会結成(吉田初代会長) ・八王子に避難している島民の親睦と融和 ・八王子市、東京と、三宅島など行政機関の窓口 ・就労情報など避難島民への情報発信 ・支援物資の提供、餅つきや納涼など交流イベントの参加 |
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11/18 | 都民交響楽団による三宅島チャリティーコンサート(八王子市立南大沢市民ホール) | |
12/14 | 連合三多摩によるふれあい餅つき大会(八王子市立別所小学校) | |
2001年 1/12 |
八王子市職旗開きに島民の会招待 |
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3月 | 避難生活実態調査 | |
4/17 | 就労支援について八王子市、八王子市職、島民の会で協議(島民の就労希望アンケート実施…草刈、清掃、農作業が上位を占める) ・公的団体、民間事業者に要請 |
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4/23 | 三宅島元気農場開設約70人の島民が参加 | |
5月 | 八王子市対策本部、八王子市職、三宅島八王子島民の会の三者で日常的な就労・生活支援に向けた生活支援プロジェクト設置の協議開始。 | |
5/28 | 火山噴火予知連絡会「大規模噴火の可能性は低い。火山ガスの警戒必要」 | |
8/25 | 第1回交流納涼祭(島民の会、八王子市、連合三多摩、八王子市職の共催) | |
10/22 | 火山噴火予知連絡会「火山活動は低下途上。引き続き火山ガスの警戒必要」 | |
10/31 | 生活支援プロジェクト発足(生活情報、就労情報=就労支援) | |
12/10 | 生活支援プロジェクト・島民の会合同会議 | |
2002年 1/11 |
八王子市職旗開きに島民の会招待 |
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5/23 | 火山噴火予知連絡会「火山活動は低下途上。風下の火山ガスに警戒」 | |
5/29 | 三宅島生活支援プロジェクト交流会 | |
8/31 | 第2回交流納涼祭(島民の会、八王子市、連合三多摩、八王子市職の共催) | |
10/1 | 八王子市内避難島民約650人(約260世帯)を超える。 | |
10/15 | 火山噴火予知連絡会「二酸化硫黄の放出量は最盛期の1/6。風下の火山ガスに警戒」 | |
12/18 | 生活支援プロジェクトと連合三多摩合同年末交流会開催 | |
2003年 1/6 |
東海汽船、三宅島への寄港開始 |
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1/10 | 八王子市職旗開きに島民の会招待 ・帰島支援ボランティア登録開始 ・ボランティア登録の内容 |
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3/1 | ボランティア通信第1号発行 | |
3/28 | 三宅島火山ガス安全対策検討委員会設置 | |
4/1 | 滞在型一時帰島開始 | 帰島支援一般ボランティア登録募集開始 |
4/10 | 三宅島現況報告会(島民の会、八王子市職) | |
5/13 | 火山噴火予知連絡会「二酸化硫黄放出量は横ばい。風下の火山ガスに警戒」 | |
6/25 | 長谷川村長「年内帰島は不可能」との考え方を示す。 | |
6月末 | ボランティア登録120人に達する。 | |
7/26 | 島民・ボランティア交流会 | |
8/30 | 第3回交流納涼祭(島民の会、八王子市、連合三多摩、八王子市職で共催) | |
10/16 | 三宅島帰島プログラム準備検討会設置 | |
2004年 1/9 |
八王子市職旗開きに島民の会招待 |
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1/27 | 火山噴火予知連絡会「火山ガス放出量は横ばい。風下の火山ガスに警戒」 | |
3/30 | 三宅島帰島プログラム準備検討会最終報告 | |
4/26 | 三宅村議会高松議長との協議 | |
6/30 | 火山噴火予知連絡会「火山活動が活発化する兆候はない。小規模な火山灰の噴出の可能性あり。風下の火山ガスの警戒は継続」 | |
7/20 | 帰島に関する基本方針発表 | |
7/21 | 三宅村帰島対策本部開設・避難島民説明会 | |
12/7 | 三宅島八王子島民の会と帰島支援に向けた協議 | |
12/12 | 三宅島帰島支援交流会(島民70人参加) ・島民の会アンケート調査実施 |
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12/22-23 | 三宅島帰島前現地調査 | |
12/25 | ボランティア通信7号発行 | |
12/27 | 三宅村役場に帰島支援関連で協議 | |
2005年 1/7 |
八王子市職旗開きに島民の会招待 |
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1/23 | 三宅島帰島支援交流会 ・引越し支援、廃棄物処理など協議 |
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2/1 | 全島民避難指示解除・高濃度地区公示 | 帰島開始 ・引越し作業支援(5世帯) ・引越し事務代行(3世帯) |
2/1~7/31 | 現地ボランティアに8クルー・40人が参加 | |
4/9~11 | 帰島支援ボランティア現地調査 | |
4/19 | 三宅島帰島支援事前会議 | |
5月 | NPO法人クリエイトアイランド事務所開設 | |
6/19~22 | 復興支援・交流事業推進に向けた現地調査 | |
7/7 | クリエイトアイランド交流事業について八王子市長、教育長に要請 ・高濃度地区被災者の雇用促進 ・行政視察等の受け入れ、現地案内 ・海岸遊歩道整備事業、林道工事の受注 |
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8/4 | ボランティア通信12号(最終号)発行 | |
8/21~24 | 自然体験教室のモニター派遣 | |
9/13 | クリエイトアイランドに自転車20台送る | |
11/5-6 | 第7回八王子市職文化祭に三宅物産販売 | |
2006年 1/13 |
八王子市職旗開きに島民の会招待 |
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4/29 | 三多摩メーデーに三宅物産販売 | |
6/29~7/1 | 三宅島現地交流会 |