高潮災害の特徴
浸水車両火災多発
火災の内訳
・車両火災 18件
・建物火災 2件(建物内の車両から発生したもの)
・その他火災 1件(廃車置場で廃車から発生したもの)
・ 計 21件
出火箇所 ダッシュボード周囲の配線部から18件
エンジン部の配線から3件
出火原因
・(1) 浸水した車の電気配線の分岐部およびヒューズボックス等が海水により腐食し短絡したもの。
・(2) 浸水した車の電気配線が海水により配線が絶縁劣化を起こし短絡したもの。
・火災件数21件のうち、駐車していて出火したもの19件、浸水後、エンジンを始動させ、その後放置していて出火したものが2件です。
今回の車による出火の特徴
1. 海水に車が浸かったこと。
2. 火災の原因が電気配線の短絡であること。
3. 激しく燃焼した車は1台のみで、他は、ダッシュボード周囲やエンジン部の一部であること。
4. 出火推定時間が地区によって異なることから潮の引いた時間に関係すると推測されること。
車両火災の対策について
今後、この事例を参考に、高潮や津波時に車からの出火危険を排除するため、次のことを行なう必要があります。
1. 高潮警報、津波警報が発令した場合は、直ぐに車を高所に移動させる。
2. 高潮や津波で車が浸かりそうになった場合は、バッテリーを外す。
・また、火災には至らなかったものの、数日後、エンジンがかかりにくくなったり、ヘッドライトが暗くなったりと、バッテリーを含む電気系統の異常が発生し、廃車にしたり修理の必要があったりしています。高潮や津波で海水に浸かった場合は、水洗いし自然乾燥後、エンジンを始動せずに自動車販売店などで点検を行った後に使用することが大切です。
・市内の中心部全体を覆った冠水であり、多くの家屋で大量のゴミが出て、多くのボランティアが駆けつけて、活動を行った。われわれも含めて市の職員もボランティア活動に従事し、一刻も早い復興への協力を行った。
地域防災計画の主な見直し概要
(災害予防計画)
① 高潮災害危険区域での気象、潮位情報の現場監視
② 災害時の情報伝達手段の確保
③ 高齢者、障害者等の災害弱者対策
④ 自主防災組織の結成促進や育成 など
(災害応急対策計画)
① 災害対策本部の設置基準の見直しや組織体制の充実
② 適時適切な災害情報の収集や市民への広報
③ 避難勧告の発令基準 など
(災害復旧計画)
① 災害ごみ等の処理 など
香川県高潮等対策検討協議会」の報告・提言
協議結果
(1) 浸水の発生原因
(2) 海岸保全施設整備で対象とする潮位(設計高潮位)
・新たな設計高潮位(香川県内の整備基準として、既往最高潮位を設計高潮位とする。)
(3) 海岸保全施設整備の基本方針
(4) 防災まちづくりに向けての取り組み
提 言
・ハード的な高潮対策の実施にあたって
・ソフト的な高潮対策の実施に当たって
17年の夏までの具体的な取り組み
① 高潮防災パンフレットの作成・配布
② 高潮ハザードマップの作成
③ 防災訓練・防災教育の実施
④ ボランティア防災団体の育成・推進
⑤ 個人でできる浸水対策の推進
⑥ 避難を呼びかける潮位基準の設定
津波・高潮対策市町連絡協議会の設置
協議事項
1. 防護施設整備推進アクションプログラムの策定
2. 防災まちづくり(ハード・ソフト)の推進
3. 津波・高潮ハザードマップの作成
4. その他、津波・高潮対策に関する事項
高松市の具体的な取り組み
1. 災害情報の収集・伝達・広報
2. 災害対応
3. 災害時要援護者の避難
4. 市民への防災に関する意識啓発
5. 災害に対する資器材充実
危機管理の発想
プロアクティブの3原則
(1) 疑わしいときは行動せよ
(2) 最悪に備えて行動せよ
(3) 空振りは許されるが、見逃しは許されない
高潮被害後の資器材の装備
1. 資機材搬送車1台(ゴムボート搬送用)非常備用
2. 救助用ゴムボート16艇 非常備用
3. 救助用ゴムボート4艇 常備用
4. 救命胴衣320着 非常備用
5. 救命胴衣60着 常備用
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