【自主レポート】

子どもの安心・安全な学校生活
「さすまた」800本を各学校へ配布

京都府本部/京都市学校職員労働組合 植田 寿恵

 学校や幼稚園は、子どもたちの健やかな成長と自己実現を目指して教育活動を行うところであり、その基盤として安全で安心できる環境が確保されている必要があるということは言うまでもありません。
 しかしながら、近年、学校に不審者が侵入し、児童・生徒に危害を加えるという悲惨な事件が多発していることに伴い、児童・生徒の生命を守り、安心・安全な学校を目指す観点から、児童・生徒の校内安全管理体制のさらなる確立を図ることを目的とし、従来の取り組みに加えて新たに取り組む内容も含めて再確認する必要があります。
 京都市では、開かれた学校づくりと、学校・園のニーズに応じた防犯機器等の整備、教職員向けの安全管理手引書の作製や安全点検項目の改訂等、ハード・ソフト両面にわたる安全対策を進めているところです。
 また、各校・園では、独自のマニュアルの作製や毎月の安全点検、防犯研修などを通じて教職員全員が共通理解を図り、安全管理の徹底と防犯教育の充実に努めるとともに、保護者や地域の方々、警察等関係機関と連携・協力しながら、学校・園や地域の実情に応じ、子どもたちを守る様々な取り組みを展開しています。
 私たち管理用務員も各学校・園の教職員の一員として、防犯ベルの携行や来校者には自らが率先して挨拶し、「失礼ですが」等の丁寧な対応で来校用件を確認したり、また、児童・生徒が教室を離れる休み時間や給食時間、掃除時間などは、防犯カメラを用いて門の周辺の見張りを行い、特に死角となる場所等の校内巡視を強化しています。
 これまで、管理用務員の職務内容については、「教育環境整備に関する業務」と「管理運営に関する業務」の2点を柱に学校用務員の生き残りをかけてきましたが、これからは、学校・園の安全を守るためにも創意工夫溢れる取り組みを進めていくことが、児童・生徒を主人公とした教育現場に学校用務員が必要不可欠な職種であることの確立を図るための重要な課題です。
 私たちの勤務時間(早出午前8時~午後4時・遅出午前10時15分~午後6時16分)の中で、少しでも長い時間を学校(子どもたち)に関わっていくことが、京都市の子どもたちが安全で安心して学校生活が送れることの重要な役割となっています。
 子ども、保護者、地域の信頼との期待に応える「開かれた学校づくり」を進める中、管理用務員の意識改革及び技能の向上を目指すとともに、昨今、子どもが巻き込まれる事件等が全国的に多発している状況を受け、学校・幼稚園における円滑・的確な安全管理業務、安全教育の推進を図るために全管理用務員を対象とした防犯研修会等を実施しています。
 また、2005年6月には、学職労のなかの「学校用務研究会」が、非組・臨時を含めた全管理用務員に声を掛けて、「防犯さすまた」を800本作成し、各学校に配布しました。

<簡易「さすまた」づくり>

 主  催  学校用務研究会
 協  賛  京都市教育委員会
 日  時  2006年6月18日(土) 9:00~12:00
 場  所  元有済小学校・体育館
 参加対象  全管理用務員(非組・臨時を含む)

 実施日の6月18日(土)午前9時30分より、140余人の参加の下、花岡会長の挨拶で始まり、引き続き、教育委員会より多数の方々が激励にかけつけてくれ、代表して市田課長より激励の挨拶を受けました。続いて、清水事務局次長より作業にあたっての諸注意があり、早速、作業に取り掛かりました。
 体育館では、我々の仲間達が、パイプ加工や組み立て、ネジ固定などそれぞれの工程を流れ作業で行い、次々と「さすまた」を仕上げました。その後、門川教育長も激励に来られ、作業を見学された後、挨拶を受け、花岡会長より教育長へ「さすまた」の贈呈式が執り行われました。
 和気あいあいの中、約800本の「さすまた」が完成し、その後、各支部へ配布されました。

流れ作業で次々と完成
完成した「さすまた」を
門川教育長へ贈呈