【自主レポート】
浄化槽条例(仮称)の制定にむけて
香川県本部/丸亀市職員労働組合 大西 浩
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1. 浄化槽の現状について
(1) 浄化槽とは (資料を使って説明)
(2) 点検体制について (清掃、抜き取り、保守点検などを法律で定められたものを説明)
(3) 料金体系について(清掃料、抜き取り料、運搬料、処理料、保守点検料、法定検査料をそれぞれ、額と頻度などを説明)
2. 問題点
(1) 料金が不統一
(業者と利用者で契約で決められる、業者によって、料金が違う、その根拠がはっきりしない、どこまでの料金を請求されたのかも不明確、業者の情報が利用者に開示されていない、閉鎖的業界体質、処理料も各所で料金がちがう、その許可も市町まかせ、適正な処理料金なのかが不明確、行政のチェックも甘い、規制を厳しくしない、結局、利用者に負担転嫁している)
(2) 責任体制があいまい
清掃業者、保守点検業者、法定検査業者の許可において行政側もそれぞれ違うため統一した監督、チェックができていない。
3. 改革するために
(1) 浄化槽行政の条例化(公共料金的な形)
不統一な・不明朗な料金体系を、統一し、同じ公共サービスを提供するような体制にすべき。そのためには、条例化して料金をきめる。
ただ、浄化槽の所と、下水道の所とどう説得性のある料金にするかを検討する必要がある。その料金を何人槽ごとに決めていくかなどの検討も必要。
(2) 先進地の事例
新見市――7割が公共下水、1割が合併浄化槽という状況。だから、下水道料金を基本に、条例化して料金の統一がしやすい。
丸亀市の場合は……
(3) まず、浄化槽の統一料金を決め、条例化など公共料金的なものにする。最終的に公共料金にあわせていく
浄化槽清掃(合併・単独)は自治体の責務
浄化槽の清掃は年1回が義務づけられています。中でも汚泥処理は一般廃棄物として自治体に処理の責任があるため公平・公正にサービスを行うことが望ましいと考えます。
香川県の現状では、民間主導で管理が出来ていないのが事実であることから公共的に運営するように協議していかなければならない。
浄化槽清掃料金については料金体系が各地域業者でばらばらであり、直営自治体を除き業者間での低価格競争等により作業の品質低下が免れない状況です、なぜ均一な金額提示や指導が行政で出来ないのか、し尿汲み取り料金は出来ても汚泥や清掃料は料金規制がなく、公平・公正にサービスを行うことが望ましいと考えます。 一般に規制には経済的規制と社会的規制の2種類に分類されています。経済的規制は、市場の自由な働きに委ねたのでは、財・サービスの適切な供給や望ましい価格水準が確保されない場合に、参入者の資格や数、設備投資の種類や量、生産数量、価格等を直接規制することによって、産業の健全な発展と消費者の利益を図ろうとするものです。
一方社会的規制は、消費者や労働者の安全・健康の確保、環境の保全、災害の防止等を目的として、商品・サービスの質やその提供に伴う各種の活動に一定の基準を設定したり、制限を加えたりするものです。
最近の規制緩和の傾向の中で、経済的規制については原則自由・例外規制とすることを基本的考え方とし,社会的規制については本来の政策目的に沿った必要最小限のものとするといういいかたがよくされます。
価格規制は経済的規制ですから、なるべく規制をかけないほうがいい、というのが日本国内で支持されやすい意見だと思います。どちらかというと、清掃サービスの質について明確化し規制を行う=社会的規制をかけるという方が公平・公正だとおもいます。なお、自治体によっては浄化槽清掃業保守点検業者の許可・登録に関して条例を設けているところもありますし、今後、各自治体で公共サービスとしての料金体制も条例を設けていかなければならない。
浄化槽とは
公共下水道の普及していない地域で便所を水洗化するためには、浄化槽を設ける必要性があります。浄化槽は微生物の働きを利用して汚水を浄化します。微生物の中には、酸素を好まない嫌気性と酸素がないと弱まる好気性のものに大別されます。
浄化槽の中で私たちの台所や便所から流した汚水は、それぞれの微生物が汚濁物質を分解し、浄化します。浄化された水だけが放流され、汚泥はそのまま浄化槽の中に残り、残った汚泥はときどき清掃により取り除きます。
浄化槽は、便所からの汚水のみを処理する単独浄化槽と、便所の汚水だけではなく台所や風呂、洗濯等からの雑排水をまとめて処理する合併浄化槽があります。
浄化槽保守点検とは
浄化槽は健康管理というべき保守点検が義務付けられています。「浄化槽管理士」という資格を持った人によって行われます。主に、機能の診断・汚泥の調整・ブロワー等の調整・消毒薬の点検、補給を行います。
又、公共の水域の汚染等を引き起こさないために、1980年1月から年1回の公的機関による法定検査を受けることが設置者に義務付けられています。
清掃・保守点検するには資格が要ります
① 一般廃棄物収集運搬業 ② 浄化槽保守点検業 ③ 第2種酸素欠乏危険作業主任者 ④ 浄化槽管理士 ⑤ 浄化槽清掃技術管理士 ⑥ その他
単独浄化槽には以下の型式があります。
・分離接触ばっき方式
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・分離ばっき方式
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・散水ろ床方式
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・腐敗槽方式
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・長時間ばっき方式
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合併浄化槽には以下の型式があります。
・分離接触ばっき方式 |
・嫌気ろ床接触ばっき方式 |
・脱窒ろ床接触ばっき方式 |
・回転板接触方式 |
・接触ばっき方式 |
・散水ろ床方式 |
・長時間ばっき方式 |
・標準活性汚泥方式 |
・接触ばっき、砂ろ過 |
・凝集分離方式 |
・接触ばっき、活性炭吸着 |
・凝集分離、活性炭吸着 |
・硝化液循環活性汚泥 |
・三次処理脱窒及び脱燐 |
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農業集落排水処理施設は、以下の条件を満たしていることが必要です。
1. 公共施設としての恒久性の確保
公共施設であることから、所要の機能を長期安定して維持できるとともに、耐久性に優れている。
2. 農村地域にあった小規模分散処理
1から幾つかの集落を1単位としてとらえるので、地域にあった分散処理である。
3. 処理水のリサイクル、汚泥の農地還元化
資源の循環にあった施設である。
4. 維持管理
専門の技術者による定期的な管理によって、地域の住民の方々とも密接な施設である。
5. 環境への配慮
周りの環境に適した施設である。
6. 関係法令に適した施設
浄化槽法や建築基準法等の関係法令の適用を受けているので、各種の関係法令を十分満たしている施設である。
浄化法抜粋
第3章 浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃
(保守点検)
第8条 浄化槽の保守点検は、浄化槽の保守点検の技術上の基準に従って行わなければならない。
(清掃)
第9条 浄化槽の清掃は、浄化槽の清掃の技術上の基準に従って行わなければならない。
(浄化槽管理者の義務)
第10条 浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年一回(環境省令で定める場合にあっては、環境省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。
《改正》平11法160
2 政令で定める規模の浄化槽の浄化槽管理者は、当該浄化槽の保守点検及び清掃に関する技術上の業務を担当させるため、環境省令で定める資格を有する技術管理者(以下「技術管理者」という。)を置かなければならない。ただし、自ら技術管理者として管理する浄化槽については、この限りでない。
《改正》平11法160
3 浄化槽管理者は、浄化槽の保守点検を、第48条第1項の規定により条例で浄化槽の保守点検を業とする者の登録制度が設けられている場合には当該登録を受けた者に、若しくは当該登録制度が設けられていない場合には浄化槽管理士に、又は浄化槽の清掃を浄化槽清掃業者に委託することができる。
第10条の2 浄化槽管理者は、当該浄化槽の使用開始の日から30日以内に、環境省令で定める事項を記載した報告書を都道府県知事に提出しなければならない。
《追加》平11法087
《改正》平11法160
2 前条第2項に規定する政令で定める規模の浄化槽の浄化槽管理者は、技術管理者を変更したときは、変更の日から30日以内に、環境省令で定める事項を記載した報告書を都道府県知事に提出しなければならない。
《追加》平11法087
《改正》平11法160
3 浄化槽管理者に変更があつたときは、新たに浄化槽管理者になった者は、変更の日から30日以内に、環境省令で定める事項を記載した報告書を都道府県知事に提出しなければならない。
《追加》平11法087
《改正》平11法160
(定期検査)
第11条 浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年一回(環境省令で定める浄化槽については、環境省令で定める回数)、指定検査機関の行う水質に関する検査を受けなければならない。
《改正》平11法160
(保守点検又は清掃についての改善命令等)
第12条 都道府県知事は、生活環境の保全及び公衆衛生上必要があると認めるときは、浄化槽管理者、浄化槽管理者から委託を受けた浄化槽の保守点検を業とする者、浄化槽管理士若しくは浄化槽清掃業者又は技術管理者に対し、浄化槽の保守点検又は浄化槽の清掃について、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
2 都道府県知事は、浄化槽の保守点検の技術上の基準又は浄化槽の清掃の技術上の基準に従って浄化槽の保守点検又は浄化槽の清掃が行われていないと認めるときは、当該浄化槽管理者、当該浄化槽管理者から委託を受けた浄化槽の保守点検を業とする者、浄化槽管理士若しくは浄化槽清掃業者又は当該技術管理者に対し、浄化槽の保守点検又は浄化槽の清掃について必要な改善措置を命じ、又は当該浄化槽管理者に対し、10日以内の期間を定めて当該浄化槽の使用の停止を命ずることができる。
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