【自主レポート】自治研活動部門奨励賞

第35回佐賀自治研集会
第1分科会 住民との協働でつくる地域社会

 宇都宮市職労は2008年の夏に官民協働のまちづくり研究所「シティ・ラボ・うつのみや」を誕生させました。このシンクタンクは、組合員と市民が同じ目線で行政課題の研究や社会貢献を実践していこうというものです。私たちに課せられたミッションは、宇都宮の希望ある近未来を創造するために、誰もが参加できるフォーラム(広場)を設け、様々な実験活動を繰り返すことでした。今回は、その6年間の実績をもとに各種提言をします。



とある市職労系シンクタンクの実験成果と各種提言
―― 夢を現(うつつ)に、想いを像(かたち)にする
官民協働まちづくり研究所 「シティ・ラボ・うつのみや」
6年間の活動から…… ――

栃木県本部/宇都宮市職員労働組合・特別中央執行委員 郷間 康久

1. はじめに

(1) 設立の背景と趣旨
 今、都市は新たな変革の時代を迎えています。地球環境の急速な悪化や生き残りをかけた激しい都市間競争、地方分権に向けた行財政改革、そして複雑化、高度化する市民ニーズへの対応など、かつてない政策課題が山積しています。一方で、市民の暮らしやすさや公共サービスの質の違いによって、自治体が評価、選別されるなど、まさに自治の真価が問われる時代であるともいえます。
 このような状況下で、自治体がキラリと輝き続けるには、その地域の資源と特性を活かした都市政策を発展させていく必要があります。そこで私たちは、まちづくりにおける民主制のプロセス(市民参加)を活発にし、市民みずからの知恵と力で、都市の魅力を創造・拡大できるきっかけを作るとともに、公共サービスの提供側にいる職員(組合員)と受益者側の市民が協働で各種制度や政策に対して直接的に提言ができるしくみを整えてみようと考えました。
 これらの夢を現(うつつ)に、そして想いを像(かたち)にするため、私たち宇都宮市職員労働組合は、市民自治と都市政策の衆知を結集し、組合員ばかりでなく、一般の市民や事業者、学識経験者、専門家、NPOなどに広く呼びかけ、まちづくりや政策分野において各種提言のできる官民協働ネットワークを構築することを目的として、単組固有のシンクタンク組織「シティ・ラボ・うつのみや」(以下、「ラボ」)を誕生させました。

(2) 理想と現実の波間に漂う「市民船ラボ号」
 2008年の設立時には、初代理事長に元作新大学教授の沼田良先生をお迎えし、設立総会には知事や市長などにもご臨席いただくなど、華々しいデビューを飾ったラボでしたが、いざ研究員を募る段階になると、組合員、市民ともに関心が薄く、夢を満載する市民船ラボ号どころか、乗組員15人程度の漁船規模での出航となりました。
 その規模は何年経ってもほとんど変わりはなく、これまでに何度か座礁の危機にもぶつかりました。そこで私たちは、当初の目標であった量的活動から質的活動へと航路を転換し、進むべき針路は「(一過性の)打ち上げ花火より(しぶとく輝く)線香花火的な航海」を続けていくこととし、いつしかその輝きにつられて集まる新たな乗組員の登場を待ちつつ、それらの活動がきっかけとなって、共に巡航でき得る同志NPO船との遭遇に期待することにしました。

(3) 少数精鋭の実験体制と連携による協働戦略
 先に述べたように、正直に申し上げて、これまでのラボの実態と実績は決して誇れるものではありませんでした。しかし、私たちは決してあきらめることをせず活動を継続してきました。詳細は別項で報告いたしますが、活動の柱を①自主事業、②連携事業、③研究活動の3つに設定し、自主事業はスタッフが少数でもできる社会貢献活動、連携事業はメンバーが個別に関わるNPOや企業と分担して実践する共催活動、研究活動は、専門家や事業家のメンバーが中心となって有志を募り、その成果や提言を内外に発表する自主グループ活動としました。
 この体制の確立によって、私たちのラボは身軽で気軽な「少数実践型社会貢献NPO」に変貌を遂げることになりました。

【近年の活動事例】
① 自主事業
 ・さまざまな社会問題や行政課題についてフリートーキング方式で議論し合う「しゃべり場」事業(随時)
 ・給食調理員の協力を得て市民の日に実施している「学校給食の揚げパン」チャリティー販売事業(毎年)

 

 ・独身ミドル世代を対象とした婚活支援事業「Ren.Com(レンコン)」(計4回)……【報告別掲】
 ・東日本大震災時に5,500本のカレンダーを集めて被災地(釜石市・石巻市)に届けた「あったか暦収集プロジェクト」……【報告別掲】
 ・ラボHP(http://www.city-labo-utsunomiya.jp)の運営管理

② 連携事業
 ・県トラック協会との協働による交通遺児のための農業体験事業「Kidsファーム」(2回)

   

 ・職員有志チーム「夢・希望・元気」が主催する原発被災地の小学生(福島県相馬市)を招いての「夏休み冒険づくしの旅inとちぎ」協力事業(2回)

 

 

 ・資源循環型社会づくりのための廃油回収事業

 

 ・ダンボール製のハウスキットで1,000棟の家を作り未来都市を描いた「夢の街プロジェクト」事業

 

 ・震災被災地の福島県広野町に「花を植えようプロジェクト」ボランティア隊に参加

 

 ・震災被災地の宮城県奥松島における「共同墓地修復作業」ボランティア隊に参加

 

 ・市内小学生による「落書き決死隊(消し隊)」活動において昼食調理協力

 

 ・高齢者疑似体験事業「近未来5種体験」イベント

 

③ 研究活動
 ・「宇都宮市における地域自治の展望と課題」論文発表
 ・「地域自治制度の検証―地域自治の光と影」論文発表
 ・「行政における家族支援総合窓口の必要性」に関する提言発表
 ・ミドル世代向けコンパ「Ren.Com」の実践と検証報告

(4) 6年間の主な活動成果と各種提言
① 大規模災害時における市民ボランティアの支援体制について
 ア 実践活動
   2011年の東日本大震災で家を失い仮設住宅に暮らす避難家族の方々が、年内いっぱいカレンダーのない生活を送っているという事実を知ったラボメンバーが発起人となり、被災地に明日を贈ろうとの思いで開始したのが「あったか暦収集プロジェクト」でした。
   市内の個人や企業、団体などをコツコツ回って未使用の壁掛けカレンダーを収集する一方で、宇都宮市職員労働組合の協力を得、職場や家庭にあるものを持ち寄っていただき総数約5,500本を集めました。
   さっそく私たちはこれらのカレンダーをワゴン車に積み込み、第1弾として5月26日(木)に、仮設住宅入居者説明会を控えた岩手県釜石市教育センターに約750本を届けました。
   また、第2弾として6月14日(火)には、宇都宮市内の運輸会社協力を得て約4,800本をトラックに積込み、宮城県石巻市の救援物資受け入れ所である石巻市総合運動公園に届けることができました。
   私たちが届けたものは単なるカレンダーかもしれませんが、そこには「今日という日を大切に生きてほしい」「明るい日(明日)は必ずやって来る」という想いを込めたラボと宇都宮市民からの「あったか」いメッセージがありました。
   受け取った被災者の方々からいただいた「ありがとう」の言葉は、今でも私たちの耳に残っています。

 

   これに続く私たちの震災支援活動は、とちぎリボンズという支援ボランティア団体が主催する福島県広野町に「花を植えようプロジェクト」、宮城県奥松島における「共同墓地修復作業」ボランティアへの参加と原発被災地の小学生(福島県相馬市)を招いての「夏休み冒険づくしの旅inとちぎ」の実施支援でした。
   いずれの活動も「被災地にとって、今、一番必要なこと」がコンセプトとなったボランティア支援の一環であり、参加したメンバーは汗だくになって「協働貢献活動」の一端を担ってくれました。大規模災害時における市民の力が、行政管轄の舞台外でこんなにも威力を発揮するものなのかと強く実感しました。
   最後に、寄附活動についての活動報告をいたします。前述のように、私たちは市内で毎年開催される市民の日イベントにおいて、学校給食調理員の皆さんの協力を得て「揚げパン」の販売をしています。その売り上げの一部は、震災以降の3年間、次の4つの募金に寄附いたしました。これも、大切な支援活動の一つといえます。
 ◆1年目……東日本大震災救援募金(下野新聞社)、東日本大震災被災者支援カンパ(宇都宮市職員労働組合)
 ◆2年目……震災遺児のためのケア施設「レインボーハウス」設立資金募金(あしなが育英会)
 ◆3年目……福島県いわき市の海岸に黒松を取り戻すための「苗木forいわき」募金(とちぎ環境未来基地)
 イ 提言内容
   私たちは上記の実践活動において、大規模災害時に市民が被災地支援を行う場合、経費や活動拠点の確保、情報収集などの分野においてさまざまな問題が存在していることを知りました。
   近年、市民による災害支援は被災地にとって物心両面に大きな力を発揮しています。この点を踏まえ、行政側はこのような活動をするボランティア団体と平時から連携を図り、それらの活動を養成援助できるしくみを早急に構築するべきでしょう。
   また、支援ボランティア向けの非常時シミュレーションなどを定期的に行うなどして、災害の際に、このような「市民力」が存分に活かせる体制を整えておくことも肝心です。
   なぜなら、災害発生直後は、現地が混乱していることが多く、どの段階から市民ボランティアを参加させたらよいかの判断が難しいからです。
   行政と市民が力を合わせて被災地や被災者を安全かつ的確に援助するためには「災害協働支援ガイド」のようなガイドブックを支援ボランティアに提供するとともに、災害支援情報共有システムなどの開発も検討する必要があると考えます。

② ミドル世代向け婚活支援事業「Ren.Com」の検証と行政課題の抽出
 ア 実践活動
   2013年度にスタートした独身ミドル世代(35歳以上)の方々を対象とした婚活支援事業「Ren.Com(レンコン)」に私たちが取り組むきっかけとなった理由は、結婚を希望しながらも出会いの場に恵まれないまま中年期を迎えてしまい、結果として「今さら無理……」と安易に結婚をあきらめてしまう男性や女性が非常に多いという現実からでした。その証拠に、2005年の国勢調査に基づくデータによると、40代男女の結婚率は男性1.41%、女性1.03%となっています。一方で、多額の入会金や会費を支払い、結婚紹介所等に登録したり、お見合いパーティーに参加したりしても、結局は効果がなく、それどころかトラブルになるケースもあるようです。
   また、そんな方々にとって、最後の頼みの綱ともいえる行政側の結婚相談事業は、「自治体としての事業効果が薄いので、今後はノウハウをもった民間に任せたい」との理由から続々と廃止する傾向にあり、中年世代の結婚希望者は、まさに路頭に迷う状態に置かれています。
   こんな現状に私たちラボ研究員のお節介虫が騒ぎ出し、「それなら私たちが人生の花(華)を咲かせてあげましょう」と相成ったのがこの事業の始まりです。
   その手始めに、私たちは、まず気軽な出会いパーティーを提供していこうと考え、昨年の2月と7月に身内の独身ミドルを集めて実験的なパーティーを開催しました。これらのパーティーはいずれも好評で、多くの参加者から「ぜひ、継続してほしい」という要望が寄せられたため、第3回目から一般募集を行うとともに、「ミドル婚活無料登録制度」を設けて広く参加者を募ったところ、今年の7月の第4回パーティーは総勢50人を越える盛大なものになりました。
   さて、その成果ですが、現在のところ5組のカップルがお付き合いをしており、その行く末がちょっぴり気になるところです。とはいえ、主催者としては必要以上の干渉はせず、いつしか二人の間に人生を彩る二連花が咲き、それらが自然に実を結ぶ時期を待っていようと思っています。
   そもそもこのパーティーを「レンコン」と名付けたのは、池中に連なりながら可憐な花を咲かす蓮根のように、歯ごたえ(手ごたえ)があって風通しの良い「恋婚」パーティーになれば百点満点という思いからでした。
   だからこそ私たちは、「余計なお世話」と言われようとも、少子高齢化対策の一環であるとの大義のもとで、この事業をこれからもマジメに継続していこうと思っています。
 イ 提言内容
   宇都宮市は「街コン」と呼ばれる若者向け大規模合コンの発祥の地であり、その参加人数は一晩に3,000人を超えるようになりました。
   これとは対称的に、中年世代の独身者(離婚・死別を含む)にとって同世代異性と出会うきっかけは(仕事や地域活動等を除くと)極端に少なくなっています。同時に、結婚年齢は男女とも高くなっていることから、その時期に仕事に追われたりしていると、結婚のタイミングを逃してしまうというケースが増えているようです。
   私たちは過去4回のミドル世代合コンを実施する中で、「新しい出会い」に期待し、喜び、沸きあがる30代、40代世代を何度も目の当たりにしました。
   全国各地の自治体で官製型結婚相談所が廃止される傾向にあるようですが、せめてこの「出会いの機会」だけは何とか行政側の支援で創れないかと思います。もし、それが不可能なら、私たちのような健全なお節介グループの公式認定制度を創設していただき、PR支援や助成制度を設けていただきたいと思っています。
   その昔は、仲人を職業とするお節介やきがたくさんいて、その図々しさにあきれながらも感謝する親たちは結構いましたからね。
   さて、国は今年2月に「地域少子化対策強化交付金」として30億円を盛り込み、本格的に婚活支援に乗り出しました。内閣府の説明によると、当初は男女が飲食店で集う「合コン」への交付金活用を認める案もあったといいます。しかし、一部の議員から「税金で飲食させるのは国民理解が得られない」との反対意見が続出し今回は見送られたようです。私たちとしては本当に残念でなりません。
   島根県では「独身者のための結婚フォーラム」を開催し、香川県は「高校生や大学生など若い世代を対象にした結婚を考える講義」を実施するようですが、これらのどこが婚活支援事業なのか疑問です。(※これはあくまで私の個人見解です。2県の方ゴメンナサイ。)少なくとも私たちは、この交付金を各自治体に「出会い創造資金」として有効に活用いただくことを提言いたします。
③ 家族問題を取り巻く現状と家族相談窓口の創設に向けた研究と提言
 ア 実践活動
   ラボの現理事長である阿部美代子氏は家族心理士の資格をもち、家族内のさまざまな問題に対してカウンセラーの立場からアドバイスや相談を受けています。その母体は氏が代表を務める「家族相談室エコーズ」という民間団体ですが、私たちラボは、この組織と連携を図り、行政における家族問題支援のあり方について研究を重ねています。
   一方で、メンバー内には児童養護施設の退所児童を支援する「短足おじさんの会」に所属する者がおり、社会的養護の必要性や貧困家庭における子どもの教育支援等についてあらゆる角度から意見交換をしています。
   これらの活動はラボフォーラムである「しゃべり場」の議題に取り上げられることが多く、その題材研究から得られた意見をもとに、私たちは生活福祉、児童福祉、高齢福祉、障害福祉に加えて、総合的な家庭問題に対処できる行政窓口の創設を提言しようとしています。
 イ 提言内容
   どこの自治体でも、福祉分野は大きく分けて生活福祉、児童福祉、高齢福祉、障害福祉の4分野に分かれています。しかしながら、私たちの研究では、これらの福祉制度の対象者が家族の一員にいる場合、その方だけの支援対策では、すべてに効果があるとはいえないという事実を知りました。
   例えば、生活保護手当てをギャンブルに費やす父親、母子手当てを遊興代に使ってしまう母親、介護に疲れて心身を病んでしまう配偶者、認知症の親の放置、子どもに対する虐待など、当事者向けの福祉制度が家族構成員の状況や生活観によって消滅してしまったり、活かされなかったりするケースがたくさんあるのです。
   そこで私たちは、これらの福祉制度をより適正かつ有効に生かされるよう家族単位のカウンセリングやアドバイスができる総合窓口として各自治体に行政版「家族問題相談室」の創設を提唱しています。

(5) 「シティ・ラボ・うつのみや」の規約(抜粋)、募集要項、役員体制
【ラボの規約】-抜粋版-
・ラボの目的
 「シティ・ラボ・うつのみや」は、宇都宮市における都市政策や市民自治に関する総合的な調査・研究を行うとともに、広範な市民や行政、事業者、大学、NPOなどとの協働により、地域に根ざした政策づくりを促進し、市民自治の拡充に寄与することを目的としています。
・ラボの推進事業
1)宇都宮市の都市政策、行政課題等に関する調査・研究・提言
2)宇都宮市の都市政策、行政課題等に関する研究会・講演会及び各種事業等の開催・実施
3)各種学習会・セミナーへの講師派遣・あっせん・テキスト等の作成配布
4)研究・活動報告の発行、時期に応じた刊行物の発行
5)委託を受けた研究テーマに関する調査・提言
6)その他前条の目的を達成するために必要な事業
・ラボの入会
 会員になろうとするものは、理事長に所定の入会申込書を提出する。会員の効力は、翌日から翌年の6月末までとする。
・ラボの会費
 会員の種別と年会費は次のとおりとし、加入口数については制限しない。
(1) 個人会員  年額  3,000円
(2) 団体会員  年額 10,000円
(3) 学生会員  年額  1,000円
・ラボの退会
 更新時期を6ヶ月過ぎても、会費が未納のときは、退会したものとみなす。
・会計年度
 会計年度は、7月1日から翌年の6月30日までとする。

【研究員募集要領】

『シティ・ラボ・うつのみや』は、素人研究員を募集しております。
申込み方法

お申込みの前に「規約」をご確認ください。
●右の申込書に必要事項をご記入いただき、FAX又はメールに添付してご送付ください。 Word pdf

送 付 先 〒321-0901 宇都宮市平出町2560 『シティ・ラボ・うつのみや』事務局
TEL: 028-661-2485 / FAX: 050-3156-7061 / E-mail:gohma5555@gmail.com
会   費 個人会員:3,000円(1口)/団体会員:10,000円(1口)/学生会員:1,000円(1口)
会費振込先 足利銀行岡本支店 (普)3090384 シティ・ラボ・うつのみや
備   考 ■個人情報の取り扱いについて■
 ご記入いただいた個人・団体名、所在地・住所、連絡先等の個人情報は、会員様への情報提供や行事案内等「シティ・ラボ・うつのみや」の活動のみに活用し、厳重に管理します。
■入会特典■
 入会いただいた会員の皆様には、
 ◎主催するシンポジウムやセミナー、学習会等をご案内いたします。
 ◎講師の紹介など、会員の調査研究活動を応援します。

【役員体制】-2014.7現在-
1. 役  員

役 職 氏  名 所  属  等 備   考
理 事 長 阿部美代子 家族相談室「エコーズ」代表 家族心理士
(スクールカウンセラー)
副理事長 小山 宣昭 NPO法人 とちぎリボンズ 中央事務局長
宇都宮市消防団河内東分団所属団員
(有)アルソアフィール代表取締役
副理事長 田村 好昭 宇都宮市職員労働組合中央執行委員長 宇都宮市職員
理  事 舘野 直義 ZOOプロジェクト・企業再生再建支援
機構(YT-SUPPORT CENTER)代表
ZOOプロジェクト代表取締役
理  事 増渕好次郎 うつのみやお祭りコミュニティ顧問 丸伊呉服店・社長【創業380年余】
理  事 手塚 理恵 栃木県行政書士会宇都宮支部長 行政書士
理  事 平出 清一 秘密基地で遊ぶ会・会長 宇都宮市農業委員、ガーデニング講師
理  事 山口  洋 宇都宮いちょうライオンズクラブ会長 戸祭保育園副園長

2. 監  事

監  事 齋藤  裕 斉藤行政書士事務所 行政書士

3. 顧  問

顧  問 赤羽根 肇 帝京大学地域経済学科客員教授 地域資源論・金融論
顧  問 森下  茂 自治労栃木県本部副委員長 宇都宮市職員労働組合特別中央執行委員
顧  問 郷間 康久 ヤンチャー地域計画研究所・所長
Gomaミュージックデザイン・代表
宇都宮市議会議員・宇都宮市職員労働組合特別中央執行委員

4. 事務局長

事務局長 金子源太郎   宇都宮市職員労働組合書記

5. 事務局員

企画部長 岡田 洋子 和太鼓グループ「鼓舞士」メンバー 宇都宮市職員
総務部長 大関 寛泰 まちづくり探検家
茂木町入郷棚田保全オーナー
連合栃木副事務局長
経理部長 広田 勝之   宇都宮市職員労働組合書記

(6) 「シティ・ラボ・うつのみや」のシンボルマーク、ロゴ、イメージ画の紹介

 ラボのイメージにふさわしいシンボルマークを市民協働でつくろうと公募で呼びかけ、応募作品を審査した結果、作新学院高校デザイン科3年生(当時)の亀和田歩さんの作品を採用することを決めました。
 採用された亀和田さんは、「宇都宮の妖精をモチーフに、楽しそうにみんなで話し合いをしながら、何かをつくり出すイメージを表現してみました」と作品のコンセプトを話してくれました。このマークは、ラボ関連の印刷物などに積極的に活用しています。

 このロゴマークにある「Lab」は研究所を意味するラボラトリーという英単語の一部からとったもので、右肩の「+」は何かを生み出すイメージから加えられたものです。また、aとbには「冷静に考える二つの瞳」が表現されています。ラボラトリーには写真の現像所という意味がありますので、私たちは夢を現像する研究所でありたいといつも思っています。

  このイメージ画は、栃木県在住の画家である青山ミツヒデ氏がラボのために特別に描いてくれた作品で、絵のタイトルは「ラボ公園に咲く花が見えますか?」です。二人の男女が大切な宝物を持って可憐な花のもとに集まろうとしているこの絵のように、私たちラボ研究員は、「キモチ=ホンネ」を集めることからはじめます。みんなで持ち寄った夢のタネ(ネタ)に、一人一人の想いの雫をタップリふりかけて、楽しく育て合う場所……それが「ラボ公園」なのです。

(7) ラボが取り組もうとしている今後の活動
◆自治体系労働組合の未来像を探るワークショップの実施と社会貢献型ユニオンの創造に関する調査研究活動
◆児童養護施設退所者のための「巣立ち支援プロジェクト」
◆子どもの元気創造事業(秘密基地で遊ぶ会連携事業)
◆「カフェのある街―うつのみや」シティブランド推進事業
◆冒険&体験型クラインガルデン整備事業(仮称GO-DASH村創設事業)
◆SNS活用による行政サービスの充実化研究
◆「縮退社会」の到来に向けた各種行政課題の研究
◆自然エネルギーの活用に関する調査研究
◆冒険教育に関する調査研究
◆行政における婚活支援事業のあり方研究
◆家族問題に関する事例調査と解決のための提言活動
◆カジノの活用による社会資本の確保とまちづくりに関する調査研究

(8) 結びに ― ラボが描くこれからの夢(ゆめ)と像(かたち)―
 私たちのラボは、設立から6年が経過しましたが、まだまだ発展途上の研究所です。これから大きく成長するのか、それともさらに小さくなって消滅してしまうのかまったくわかりません。
 一つだけいえることは、私たちの描く夢は不滅ということです。社会にはさまざまな難関や難問が嫌というほど用意されています。その壁を一人で乗り越えるのは大変かもしれませんが、せめて3人寄れば文殊の知恵も生まれます。つまり、たった3人でもラボは生き残っていく術を身につけているということです。
 私たちラボは、これからも夢と希望を持ち、知恵と力を持ち寄って、社会に横たわる「?」(疑問)を「」(感動)にカエルための活動を展開していきます。それは間違いありません。
 そして最後に忘れてはならないこと……それは、私たちの生みの親である宇都宮市職員労働組合への恩返しです。自治体系組合の活動は今、大きな過渡期を迎えています。組織力や組織率の低下は最大の課題ではありますが、組合に対する若者の関心が薄れつつある時代にあっては、ある意味「受け止めならなくてはならない現実」かもしれません。しかし、もし組合の存在意義まで失ってしまったら、役所は健全性をも失いかねません。
 なぜなら、市民の暮らしを支える仕組みやルールをつくっているのは自治体に働く「人」だからです。鶏と卵の話に例えるなら、健全な組合あっての職員、健全な職員あっての自治体、健全な自治体あっての健全な市民生活の確保ということです。
 だからこそ、私たちはラボ活動の中から宇都宮市職員労働組合の新たな存在価値をも見い出そうとしています。その実像はまだハッキリと見えませんが、虚像でないことは検証済みです。
 このラボが、組合と市民を繋ぐ架け橋となり、組合や組合員に対して市民の賛同と信頼、協力が得られた時、宇都宮市職員労働組合は「市民後援型」のまったく新しい労働組合として生まれ変わることができるでしょう。
 私たちはそれを確信しています。