【自主レポート】

第35回佐賀自治研集会
第1分科会 住民との協働でつくる地域社会

 地域に根差した保育所作りに向けて、保護者、住民、職員が手を取り合って取り組んできた活動報告。



地域の保育所をめざして


広島県本部/竹原市職員労働組合 高橋 信子

 

1. はじめに

 竹原市の人口は28,046人、竹原市立大井保育所は竹原市南西部に位置しています。前にはお寺、後ろにはお宮がある平屋の小さな小規模保育所です。定員は40人、0歳から5歳児が在籍し、毎朝「おはよう」の元気な声から始まる保育所です。
 周囲は穏やかな気候に恵まれ、田畑では米や野菜の栽培が行われています。四季の変化は美しく散歩では色々な経験もできます。また、農作業、公民館活動、ボランティア活動が盛んに行われ散歩中には沢山の方々に声をかけていただき「おはようございます」「こんにちは」と挨拶を交わし合い、みんなで手をつないで歩いています。

(1) いきいきサロン
 地域に在住される一人暮らしのお年寄りとのふれ合い活動。年間2回。内容は歌を歌ったり遊戯を見ていただきフォークダンスや伝承あそびをして、抱きあったり、目と目、手と手、身体と身体、心と心で伝えあいます。100%受け止めてもらう優しい笑顔に子どもたちはニッコリしています。

(2) イチゴ狩り
 近所のイチゴ栽培農家の方のご厚意で参加しています。イチゴハウスの中は「わー、おいしそう」「いいかおり」みんなで、器に沢山摘んでいただきます。おやつに「イチゴのミルクかけ」「イチゴジャムサンド」にして食べました。御礼にサンドイッチを持っていくこともありました。

(3) サクランボ狩り
 近所の農家の方から「おいしく色づいたサクランボが食べごろですよ」と連絡が入り、手作りの牛乳パックやペットボトルの容器を持って行きもいで食べました。準備していただいたコンテナの踏み台に上がって沢山とりました。二度もみんなで、いただきました。

(4) 「コッコチャン」こんにちは
 養鶏農家に「コッコチャンのところに散歩」と、草を取ってたべさせに行きます。ときには雛の赤ちゃんを見せていただき「かわいいね~ピヨピヨ」と命の大切さを学びます。おばちゃんに卵をいただき、ホットケーキやクッキーにしておやつに食べたり、御礼に持って行ったりしました。

 


(5) さつまいもの苗植え、いも掘り
 ボランティアの皆さんと毎年挑戦していますが、幾度も猪の被害にあい残念な結果になることもありました。しかし、地域のみなさんのご厚意で、スコップを使っていもほりの体験をし、でっかいいもを「ふかしいも」にして一緒にいただきました。時には「やきいも」にすることもありました。

(6) 田植え
 提供して下さった田んぼに行って、春にはレンゲ摘みやテントウムシ探しをして遊びます。そして、6月になると、田植の準備を散歩で見学します。
 ボランティアの皆さんと一緒に全身泥んこになって餅米の苗を植えます。ハダシで田んぼに入るのは不安そうですが、しだいにそんなことは気にしないで顔までどろんこです。おじいちゃんたちに教えてもらいながら3~5本の苗を植えました。その後の生育を見たり、おたまじゃくしがカエルになるまで皆で見守ります。保育所に帰るとタライで足を洗うのも楽しい水遊びです。

(7) 稲刈り
 大きく育った稲を鎌を使っておじいちゃんと一緒に一株、一株刈り取り縛って「はぜ」にかけました。イガイガするけどみんなで頑張って大切に運んでかけました。ネットを掛け雀さんから守り、電気柵で猪さんから守り、網で鹿さんから守りみなさんのお陰で稲は実ります。
 太陽さん宜しくお願いします。

(8) 運動会
 場所は地域のいこいの広場で行います。地域の皆さんの心のこもった手入れの行き届いた芝の広場です。老人クラブ、ボランティアのみなさん、病院の託児所、デイサービス、育児サークルに案内をして一緒に行います。2年前より老人クラブの依頼で参加種目を増やし、無理なく楽しくふれ合い競技出来るように何度も話し合い「たまいれ」「でかぱん競争」「こぼさないでね」等、計画し大勢の方に参加していただき、にぎわいました。どの種目にも拍手喝采で子どもたちは自信満々でした。自治会より頂いたオリンピックにも勝る金メダルを胸に「ありがとうございました」と御礼を言いました。

(9) 敬老会
 9月に開催される地域の敬老会に、敬老者を含め150個のペンダントを年長児が作成し敬老会に渡します。中には「大切に部屋に飾っていつも見とるんよ、ありがとう」と、手作りのキーホルダーを子どもたちにプレゼントしていただき、大切にしています。

(10) 発表会
 公民館での開催3年目になります。一年目は地域の方、保護者の方にご案内し200人の来場でした。毎日の練習は大変です。保育所から公民館への移動は歩いて約10分間、雨の日や風の日もありました。しかし頑張りました。途中に出会う地域の方々に「頑張れよ、見に行くけんの~」と励まされ、「見に来てね」と挨拶をします。終われば、「上手にやったのう」と皆さんに誉めて頂き、胸を張り大喜びの子どもたちです。

(11) 餅つき
 前日より準備して、10数人のおじいちゃんやおばあちゃんと収穫した餅米で餅つきです。園庭では蒸す、つく、こねる準備万端です。実際に見る道具や方法に興味津津です。杵を持ち「ペッタンコ、ペッタンコ」とついたり、真っ白になりもんだり袋詰めをしたりして大忙しです。終わりには「雑煮」をいっしょに食べて賑わいます。

(12) 公民館祭り
 年長児が遊戯を披露します。一生懸命に踊る子どもたちに笑顔と拍手をいただきます。
 「かわいいね~元気がでるよ」と言われ子どもたちもうれしそうです。

(13) ひな祭り茶会
 近所の方のご厚意で10年あまり継続している、年長児が招待される「一年生になるお祝い・励まし茶会」です。実際のお手前や和風の伝統文化を見て緊張して座っていますが、和菓子をいただき、少し苦い抹茶は成長の証の味わいです。夢や希望も膨らむひと時です。

 


(14) お店屋さんごっこ
 いただいた卵でクッキング保育したクッキーをかわいくラッピングしてお店屋さんごっこで売ります。また、一年間お世話になった方々に心をこめた「一年間ありがとうございました」「一年生になります」とメッセージを書いて年長児が地域の皆さんに手渡しして歩きます。

 

(15) 入園式、卒園式
 一年間お世話になった方々を保育所に案内し、お祝いをしていただきます。「わしのようなもんが行ってもええかのう」「良いですよ、是非来てください」と案内します。いつものおじいちゃん達に子どもたちはニコニコ出迎えしています。

2. 終わりに

(1) 地域の方々との交流で得たもの
 核家族が多くなりお年寄りと過ごす機会が少なくなってきているこの頃、私たちは地域のお年寄りとのふれ合いや日本独自の伝統文化に触れる多くの経験ができました。また、子どもたちを地域の宝もののように大切にしていただき感謝するばかりです。生涯の中で二度と経験し味わえないかけがえのない体験をしました。その体験は、思い出となり心の栄養となり、明日へのエネルギーとなることでしょう。互いに大切に思う気持ちが共に生きる力に繋がっていくことと信じています。100%の笑顔で心開き受け止めていただく温かい心は子どもたちに計り知れない幸せいっぱいの穏やかな笑顔になりました。
 私たち職員は、仲間同士で何度も職員会議で話し合い、念入りに保育をすすめてきました。子どもたちがどのようにすれば一人ひとりがいきいき過ごせるかを考えてきた成果がこうして地域の人たちと共に地域の中で実践出来たことは大きな宝物です。
 これからも、継続して子どもたち、保護者、地域の方々、職員が手を取り合い、心を一つにして地域の中での保育所として育っていってほしいです。