【論文】

第35回佐賀自治研集会
第1分科会 住民との協働でつくる地域社会

 大阪都構想とそれによる非正規公務員の影響について、特別区に移行後の権限・事務分担とその職種、報酬の変化を分析することで論じています。また、それにあたっては、法定協議会会議資料や、大阪の自治を考える研究会書籍、大阪府自治労の提言なども参考にし、総務省「臨時・非常勤職員に関する調査結果について(2012年4月1日現在)」や大阪市人事室の資料とも関連付けながら具体的なイメージが湧くよう試みています。



大阪都構想と非正規公務員
~特別区での事務分担と職種、報酬の変化について~

大阪府本部/大阪市家庭児童相談員労働組合 西村 聖子


1. 特別区へ移行した場合の事務分担と非正規公務員の職種との関係

 大阪市が政令指定都市から「特別区」に移行後も、一区あたりの非正規公務員の率は、決して減少することはなく、むしろ増加する可能性が高いことは、筆者小論「大阪市の非正規公務員問題と大阪都構想 ~大阪都構想がモデルとする中核市の非正規率を中心に~」での中核市との比較により一定の証明がされたのではないだろうか。
 さらに、この論文ではなぜ非正規公務員は減らないのか、大阪市の非正規公務員の担っている職種と、大阪都構想が特別区に求める「中核市並」の事務分担との関係のなかで言及していきたいと思う。
 現在大阪市の非正規公務員が従事する業務の多くは、住民サービスに直結する「現場」で必要不可欠な仕事である。それは、政令指定都市から特別区に移行した場合に事務分担・権限が変化したとしても、その大半は引き継がれていくと予想される。
 まず、現在の立ち位置を確認するために、政令指定都市のもつ権限、事務分担について言及するが、北村亘氏によれば政令指定都市の特徴はその内部組織である①「行政区(=区役所)の存在」であり、そこで②「何の事務を実施しているか」と③「どのように事務を実施しているか」ということであると表現している(注1)。
 それは、法定協議会「大阪市における大都市制度の制度設計(パッケージ案)」(注2)資料をみても、区役所を特別区(中核市並の「分市」の権限をもつとされる)の「区割り」とその「事務分担・権限」に、また加えるならば自治労も懸念する大阪市廃止後に残る特別区を一括する一部事務組合の事務分担「非公務員化」の問題に集約していることからも、正しい指摘であろう。
 また、政令指定都市の認められている都道府県、一般市とは異なる職能(事務配分、関与、行政組織、財政)は、地方自治法第252条の19によって13の項目をあげている(注3)内容も参考になるであろう。
 北村氏は各行政団体の区分(道府県、政令市、中核市、特例市、市町村、および東京特別区)の中で自ら処理できる事務の権限(職能)を第30次地方制度調査会第6回専門小委員会資料(2012年2月2日)(注4)をもとに行政団体の区分ごとに「保健衛生」「福祉」「教育」「環境」「まちづくり」「治安・安全・防災」の6つに分けた表(注5)を作成している。
 そこから導き出されているのは事務の処理機能の規定が道府県を中心にした「入れ子」構造になっていることである。政令指定都市は道府県の「8割程度の権限(職能)」があるとし、中核市は政令指定都市の権限(職能)のおおよそ「7割」、特例市は中核市の事務処理のおおよそ「3割程度」の権限(職能)があると規定している(注6)。
 大阪府・大阪市特別区設置協議会作成の、「新たな大都市制度における新たな広域自治体・特別区の権限イメージ(注7)」も、北村氏の権限(職能)イメージとの共通性がみられ、都道府県、政令指定都市、中核市・特例市、一般市・町村(および東京特別区)の権限を、「健康・保健」「こども・福祉」「教育」「環境」「まちづくり、都市基盤整理」「住民生活、消防・防災等」の6つに分けた表を作成している。
 その中では、新たな広域自治体(新大阪府)の事務分担と、大阪市が特別区に移行した場合の事務分担・権限を明確にしている。特別区移行後の主な特徴は、簡単にいうと「特別区」を、「住民の最も身近な存在として地域の安心を支える」役割を中心とし「中核市並」の権限を基本とする、「福祉・保健などの住民に身近な行政サービスを総合的に提供すること」を、謳っていることである。
 具体的には大阪市が政令指定都市として持っている権限の約13パーセントを広域自治体(新大阪府)に移し、特別区は87%を移譲され、現在24区の区役所(行政区)を約5~7区に統合して、各特別区が「中核市並み」の基礎自治体とすることを目的とした。
 事務分担表から推察できる移管後の特徴を、大阪の自治を考える研究会は「大阪市内中心部の都市計画権限や経済成長戦力に関する指定都市権限を新大阪府に吸い上げる一方、市民生活に密着した行政サービスである福祉や教育、住宅などを特別区に分担させ、府からも移譲を行う姿勢が鮮明(注8)」であるとし、その問題性を明らかにしている。
 非正規公務員の関連で考えると、児童相談所機能の特別区への移行、各区で行われている住民サービス部門(児童、生活保護・保健、市民生活に関連するケースワーカー、各種相談員 窓口関連業務)、非正規教員の採用、非正規保育士の採用など、特別区に移行した場合、非正規公務員として現在働いている労働者への影響は大きいと思われる。
 しかし、移行後の職員体制について非正規公務員も含めた再編イメージを、法定協議会や、大阪の自治を考える研究会でも全く取り上げていない。唯一、北村氏が他の政令指定都市の現状として、正規職員の人権費を削減した部分を、アルバイト、嘱託職員、臨時職員に切り替えることで(人件費ではなく物件費に計上されるため)、業務量が減っていないのに人件費だけを削減する歪みが出ており、この傾向は今後も続くであろうことを指摘している(注9)のは意義深い。
 事実、大阪市人事室の公表した、2013年10月1日現在の非正規公務員の局別採用人数をみていくと、非常勤嘱託職員(特別職・地公法3-3-3 大阪市OB含む)では、採用人数の多い順で、①こども青少年局1,243人(筆者のような家庭児童相談員、こども相談センター〔=児童相談所〕、その他児童関係の各種相談員など)、②福祉局578人(国民・介護保健関連、生活保護関連)、③病院局460人(大阪市立病院関連の看護師業務、病院経理等)、④区役所409人(宿直業務、税証明等各種窓口業務)となっている。
 次に、臨時的任用(以下、臨時職員とする)では、区役所24区合計(区採用)で56人となり、主に事務、福祉業務を担っている。
 任期付職員では、①こども青少年局173人(内170人が保育士の採用)、②区役所24区合計(区採用)228人(内 福祉業務として216人)である。
 再任用職員では、①区役所223人(税証明、保健関係窓口、地域安全対策業務)、②建設局199人(下水処理管理業務)、③環境局79人(廃棄物収集業務)となっている。
 つまり現在の大阪市では、圧倒的に児童相談所や各区役所、その他児童関係の各種相談員、保育士、(局採用・区採用があるものの)生活保護関連職種、そして区役所で働く多岐にわたる業務の中で、非正規公務員が多く働いており、その職種は、特別区に権限移譲された後も残っていく部門であると考えられるのである。
 とするならば、特別区移行後も児童相談所部分、生活保護部分は政令指定都市から引き継ぎ、区役所(行政区)を5~7に分割した場合でも窓口業務は旧区役所(支所)として実施するとされている具体的な権限から考えても、非正規公務員の数を特別区全てで合算した場合、今よりも数が減少するということは考えにくい。
 それは、筆者小論「大阪市の非正規公務員問題と大阪都構想 ~大阪都構想がモデルとする中核市の非正規率を中心に~」のなかでも述べたように、大阪都構想が特別区移行のモデルとする近隣中核市の豊中市、高槻市、東大阪市の非正規公務員率が2012年4月1日時点で、大阪市の1割に比して約3割と圧倒的に高いものとなっていることからも補強されるであろう。
 また、少しだけ触れると、大阪市が担ってきた事務(業務)のうち、新大阪府でも、特別区でも継承しきれない事務(業務)を「一部事務組合」として扱う可能性がある。その中には児童相談所の一時保護所や、身体障がい者・知的障がい者更生相談所が移行予定(注10)であり、交通・上下水道管理・ごみ収集などは民営化され、非正規公務員ですらない「非公務員」として職を完全に失ってしまう非正規公務員を生み出す可能性もはらんでいる。
 さらに正規公務員の職員配置を段階的に減らしていくことを狙いとする大阪都構想では、いくら総務省の新通知が2009年4月の通知に続き再度「任期の終了後、再度、同一の職務内容の職に任用されること自体は排除されないが、あくまで『新たな職に改めて任用』と整理。ただし、長期にわたっての連続任用には留意が必要。」(注11)といった非正規公務の実態に即さないひどい技術的助言がなされようとも、正規職員の仕事を補完するためには「非正規職員の存在は継続的に必要不可欠である」ということは隠しようのない事実だといえよう。

2. 特別区に移行した場合の非正規公務員の報酬等の変化

 次に、特別区移行後の報酬の変化を想定して、近隣中核市の報酬について分析したいと思う。
 総務省「臨時・非常勤に関する調査結果について(2012年4月1日現在)(注12)」では、非正規公務員・事務補助職員の一週間の勤務時間、報酬等の状況を自治体区分別、任用根拠別に調査した結果を公表している。
 時給平均額が高い自治体区分を任用根拠別にみると、特別職の場合①政令指定都市(1,305円)、②市町村(1,253円)、③都道府県(1,097円)となっている。
 臨時職員では①政令指定都市(861円)、②都道府県(854円)、③市町村(841円)である。つまり、任用根拠にかかわらず政令指定都市の非正規公務員の時給平均額が一番高い。
 また、上林氏はそれをもとに年収換算額、正規職員との年収格差を算出している(注13)。それを引用すると、特別職の場合平均週勤務時間、時給額によって年収が一番高い「市町村」であっても、年収額が2,117,570円(平均週勤務時間額 32.5時間)となり、正規公務員の年収のおよそ34パーセントにしか満たない。
 臨時職では、年収換算額が一番高い「都道府県」の場合でも年収額が1,705,267円(平均週勤務時間38.4時間)となり、フルタイムで働いても年収が200万円にも到達せず、正規公務員年収のわずか27パーセントにしか満たないという衝撃的な数字が出ている。
 つまり「どの層も平均週勤務時間は常勤職員の4分の3を超え、最近の裁判例からは、『常勤の職員』と認められる」(注14)状態でありながら、年収は最も高額な場合でも200万円を超えるのがやっとであり、自治体の「官製ワーキングプア」は厳然たる事実であることがわかるであろう。
 では、大阪市とその他近隣中核市等の事務補助職の週勤務時間、報酬等はどのような状況であろうか? 図表1を参照してほしい(総務省「臨時・非常勤に関する調査結果について(2012年4月1日現在)」大阪府下版をもとに筆者作成。一般職17条は列挙した自治体内では任用されていないため除外)。

図表1 総務省「臨時・非常勤に関する調査」2012年
大阪府下各自治体別 事務補助職の報酬、費用弁償等比較表
※1 →全て一般事務職の人数であり、自治体によっては一般事務職≠事務補助職の場合もあることに注意
※2 宿直報酬→1回4,200円
※3 指導員報酬→学童指導員経験年数、職務に応じて月額26,750円、16,750円、6,750円の加算
※4 任期の定めのない職員の4分の3以上の勤務時間、2011年4月1日にすでに任用されているもの(130人中63人が対象)
※5 任期の定めのない職員の4分の3以上の勤務時間のもの
※6 2011年4月1日にすでに任用されているもの

☆2012年4月1日時点の大阪府の最低賃金786円→2012年9月30日 800円に改定→2013年10月18日 時給819円に改定

 概括的にみると、特別職、臨時職といった任用根拠に関係なく、必ずしも大阪市(政令指定都市)が他の中核市よりも、時給額が高いとは言えないことがわかるであろう。
 特別職の場合、時給額が最も高いのは2014年4月に中核市に移行した枚方市の1,519円(週勤務時間31時間)となり、大阪市は時給額1,268円、月額156,000円、週勤務時間は30時間である。
 枚方市の特別職の年収を、月額報酬をもとに算出すると、2,414,400円と通勤費用(上限あり)である。勤務時間からみても実質的には「常勤職」であり、これが生活給であるのは否定できないはずだが、一時金、報酬の加算、退職金、時間外手当等は支給されていない。
 大阪市も、同様に年収を換算すると年収1,872,000円と通勤費用(上限あり)となり、枚方市との年収格差は約54万円である。また、政令指定都市の全国平均(時給1,305円 週勤務時間31.0時間 年収2,103,660円)と比較してみても年収で約23万円低く、大阪市の特別職・事務補助職の非正規公務員の待遇の悪さがうかがえる。
 また、大阪市と、豊中市、高槻市、東大阪市とを比較した場合、その結果は「その自治体による」としかいえない状況であろう。高槻市のように大阪市よりわずかに年収が高い自治体もあれば、豊中市、東大阪市のように、今より年収が下がってしまうところもあり、特別区の移行を想定する場合は、十分注意する必要がある。
 また、高槻市や八尾市のように、経験年数、職務に応じた報酬加算が支給されており、さらに八尾市では一時金、退職一時金、通勤費用といった月額報酬以外の手当が支給されていることも今後組合交渉で活用できる重要な情報である。 
 次に、臨時職の場合は、時給額が一番高いのは豊中市の1,020円(月額に換算すると約169,958円)、週勤務時間額が38.75時間である。大阪市は時給額938円(月額に換算すると156,294円)、週勤務時間額38.75時間となる。
 これをもとに、月額からおよその年収を換算すると、豊中市事務補助職の場合、年収2,039,496円、大阪市の場合1,875,528円である。両自治体ともに、諸手当は通勤費用(上限あり)のみの支給である。大阪市は豊中市と同じ勤務時間でありながら、年収は約16万円低く、特別職同様、大阪市の待遇が近隣中核市に比べ決して高いものではないことがわかる。
 また、今回一番報酬の高かった豊中市を含め臨時職員の報酬が総じて低く、任用根拠の違いによって非正規公務員の中でも格差が生じていることは、すべての自治体において緊急に改善すべき課題ではないだろうか?
 最後に大阪市同様の政令指定都市である堺市の臨時職・事務補助職員の時給額が860円と大阪市と比べてもさらに低いことに注目したい。堺市が政令指定都市として行政改革を推進し、政令指定都市トップクラスの健全財政を誇るならば、それと同時にこういった非正規公務員の格差問題にも注意深く目を向ける必要があるのではないだろうか?
 最後に、今回上林氏の指摘でもあったように非正規職員は正規職員の年収の3分の1以下であり、およその換算であるが生涯賃金を正規公務員が2億から2億5千万円くらいと仮定すると(平均年収額600万円×40年で2億4千万円)、非正規公務員は昇給なしで年収200万円、40年働くとしても生涯賃金は約8千万、大目にみて生涯賃金を1億円としても、正規公務員と生涯賃金で1億円以上の差があることを申し添えておく。

3. 大阪「都」構想移行後に際した非正規公務員の「解雇」問題 

 ここまで、大阪都構想により、特別区移行後の非正規の職種、数、処遇について、近隣中核市と比較しながら分析してきた。その結果考えられるのは「特別区に移行した場合、非正規公務員の数は現在より増加する。待遇面は現在の大阪市を含む全国の非正規公務員がすでに劣悪な状態なので、移行後も同様である恐れがある。しかし、中核市によっては、今の大阪市よりも年収がわずかに高い自治体もみられ、一時金、報酬加算額、退職一時金についても議論する機会が残されているかもしれない。」というものに集約されるであろう。
 しかし、移行がなされた場合、最も心配されるのは、現在大阪市で働いている非正規公務員の「解雇」問題である。なぜなら、現在の大阪市において、私たち大阪市家庭児童相談員労働組合の最重要課題は「雇い止め」という名で横行している1年更新、3年ごとの事実上の「解雇」のあと、一般公募試験を受けて合格すれば再採用されるという雇用の不安定性をどう突破するのかということであり、決定的な対応策が見つかっていないのも事実であるからだ。
 そういった大阪市の状況のなかでは、特別区移行により整理、統合、分配しなおすといった過渡期には、一旦雇用を切られる可能性が非常に高い。
 今、自治労大阪が大阪都構想の非現実性について様々な角度から丁寧に証明し、よりよい大阪の自治を考えようと奮闘していることは理解しているつもりである。
 しかし、乱暴な言い方をするならば、非正規公務員の私たちが働く場として、現在の「大阪市」も決して居心地の良いものではなく、例え政令指定都市として現状維持されようとも、地方自治法改正による総合区が提案されようとも(究極的には大阪都構想が実現しようとも)、大阪市で働く非正規公務員にとって、今以上に悪くなるとは思えないという、諦念にさいなまれている。
 また、それと同時に、今後の大阪市のよりよい自治をつくる上で、非正規公務員を政策立案の中心課題にすえることができるのは、労働組合のもつ大きな役割であり、そこに期待もしている。労働組合側やその立場に立つ政治家が、大阪都構想「NO」だとするならば、その議論の中で「非正規公務員」の存在を財政面、人事管理面等での効率性・有効性・公平性・実施手続・社会経済の変化の観点から分析・評価、政策的に議論し、同時にそこで語られる議論を労働組合は「労働者の権利を守る団体」という特性を最大限生かし、非正規公務員(外郭組織の非公務員も)も含めた労働者の平等、公平とは何か? という本質的な中身になることを切に願う。
 その視点が加わった時、非正規公務員の活用が、規制緩和という結局のところ人件費削減のためでしかない使用者側の論理を突き崩すような強さが生まれるはずであるからだ。
 非正規公務員が大事な仲間だとスローガンを掲げることや、大阪市の非正規公務員の組織率をあげることや、公務員版パート労働法の適用や手当支給を可能とする地方自治法の法改正によって課題解決をすることも確かに重要である。
 しかし、私たちの働く大阪市は国の法改正を待つまでもなく、例え十分に組織化されていないとしても、自治体として独立し、よりよい「大阪の自治」を築くために、非正規公務員の問題を具体的かつ個別的な決定、対策を練ることで解決に導くことも可能であり、それも労働組合に課せられた大切な役目だと思っている。
 正規職員との間で生涯賃金におよそ1億円の差があることを、「コストカットができた」と安寧するのではなく「これほどコストカットしても良いのか?」という捉えなおしができるのは労働組合だからである。大阪都構想の行方は、今はまだみえないが、総合区や都構想が実現しても、このままでは大阪市で働く非正規公務員は、表舞台で一度も語られることなく、「忘れられた人びと」として埋没していく気がしてならない。
 一旦解雇され、新しい箱の大きさにあわせて、まず正規職員の人員配置を整え、新しい職に任用されるというような使用者側に都合の良い論理によって一般公募が行われ、仕事を奪い合い、さらに賃金面でコストカットされる可能性も大いに考えられる。
 なぜなら、すでにこの政令指定都市大阪市のなかで、雇い止め=「解雇」は人知れず横行し、それを止める手立てを、正面から議論する場もないからである。政令指定都市大阪は、そこに住むもの、そこで働くものにとって本当に住みやすい場所なのか。それが、今問い直されている。
 その視点を皆で共有できたとき、労働組合は(正規)公務員の「既得権」だけを守る団体といった大きな誤解が解け、より強い組織としてその存在をアピールできると、期待している。




(注1)北村亘「政令指定都市」中公新書 2013.7.25 p80
(注2)第6回大阪府・大阪市特別区設置協議会 開催結果 2014年1月20日 参考資料
(注3)(指定都市の権能)第252条の19 政令で指定する人口50万以上の市(以下「指定都市」という。)は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。
  ① 児童福祉に関する事務 ② 民生委員に関する事務 ③ 身体障害者の福祉に関する事務 ④ 生活保護に関する事務 ⑤ 行旅病人及び行旅死亡人の取扱に関する事務 ⑤の2 社会福祉事業に関する事務 ⑤の3 知的障害者の福祉に関する事務 ⑥ 母子家庭及び寡婦の福祉に関する事務 ⑥の2 老人福祉に関する事務 ⑦ 母子保健に関する事務 ⑧ 障害者の自立支援に関する事務 ⑨ 食品衛生に関する事務 ⑩ 墓地、埋葬等の規制に関する事務 ⑪ 興行場、旅館及び公衆浴場の営業の規制に関する事務 ⑪の2 精神保健及び精神障害者の福祉に関する事務 ⑫ 結核の予防に関する事務 ⑬ 都市計画に関する事務 ⑭ 土地区画整理事業に関する事務 ⑮ 屋外広告物の規制に関する事務
(注4)総務省 第30次地方制度調査会第6回専門小委員会 
(注5)(注1)同掲書 p84~85  
(注6)(注1)同掲書 p80~89 
(注7)(注2)同掲書
(注8)大阪の自治を考える研究会編著 「大阪市廃止・特別区設置制度設計案を批判する いま、なぜ大阪市の消滅なのか PARTⅡ」 公人の友社 2014.3.14 p27
(注9)(注1)同掲書 p209
(注10)(注8)同掲書 p24~27
(注11)総務省通知「臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について」2014年7月4日
(注12)総務省「臨時・非常勤職員に関する調査結果について(2012年4月1日現在)」2013年3月29日
(注13)上林陽治「非正規公務員と間接差別~東京都内自治体の非正規化の現状を踏まえて~」自治総研通巻420号 2013年10月号 p16
(注14)(注13)同掲書 p16