【自主レポート】

第35回佐賀自治研集会
第5分科会 発信しよう地域の農(林水産)業 つながろう生産者(地)と消費者(地)

 豊富な食資源と、北海道最東端のロケーションをパッケージすることにより、単なる「生産地」であった別海町を「北海道の新しい観光地」としてプロモーションすることを取り組んでいます。



日本最東端の女子旅の聖地をめざして


北海道本部/別海町職員組合 松本 博史

1. 観光庁事業に挑戦

 本年2月、東京ビッグサイトにおいて、観光庁「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」に選定された全国78地域が同事業によって取り組んできた成果を披露する「タビカレ学園祭」が開催されました。
 同事業は、昨年の同時期に全国613地域がエントリーし、書類選考により78地域に絞られ、観光資源の磨き上げに取り組む事業の支援が成されたものです。
 別海町からは、別海町観光協会がエントリー。「食観光日本一を目指すフードツーリズム推進事業 ~親子ででかける修学旅行と日本最東端でカメラ女子ツアー~」として提案。強みである食観光資源の磨き上げだけでなく、日本最大の酪農地帯、ブランド価値の高い水産資源を背景とした親子向けのツアー、そして日本最東端のロケーションとビジュアルを活かしたカメラ女子をターゲットとするツアーを実践し、観光地に向けてチャレンジしました。

2. 食観光資源の磨き上げ

 別海町観光協会は、町の観光政策である「食観光日本一を目指す北海道の新しい観光地・別海」を確立するために食観光振興施策に取り組んできました。
 「とっとりバーガーフェスタ ~全国ご当地バーガー№1決定戦~」で2年連続日本2位となった「別海ジャンボホタテバーガー」に続く、新たな食観光資源として、同協会は、2012年4月1日に「別海ジャンボホッキステーキ丼」、「別海ジャンボ鮭茶漬け」をリリースしており、これに続く食観光資源の開発に取り組みました。
 観光振興は、観光資源の創出と既存の観光資源の磨き上げの繰り返しであり、この作業は当然、携わる人の力、知恵が必要であることから、地域を挙げた体制づくりが大切です。
 別海町観光協会の食観光資源の開発は、誤解を恐れずに言えば「おいしいものを創ったから食べにきて」という飲食店、宿泊施設志向の取り組みではなく、「地域の生産者の生産活動の成果をPRする」という生産者志向の取り組みです。
 よって、多くの新・ご当地グルメのリリースを行いましたが、決して乱発する意識ではなく、別海町の生産者ひとり一人にスポットをあてたいがための商品開発作業です。
 2013年7月には「別海ジャンボホッキカツ丼」、8月には「別海ジャンボホタテジンギスカン」、9月には「別海ジャンボアサリ釜めし」、10月には「別海ジャンボサーモンバーガー」、「北海シマエビミニ天丼by別海」、「ザ・プレミアム・別海ジャンボホタテバーガー」をリリースしました。
 生産者の生産活動が地域の中できちんと料理という姿に加工され、多くの訪問客にお召し上がり頂くとともに、多くのメディアで取り上げられ、別海町の食観光が大きくクローズアップされ、テレビ、ラジオを地域の生産者にも視聴して頂き、生産活動の励みとして頂くことを願っているのです。

3. カメラ女子ツアーに可能性

 これまで食観光資源の創出に力を注いできた別海町でしたが、「カメラ女子」をターゲットとする取り組みを実施することで、さらにメディアに取り上げられ、これまで地域のわずかな住民しか知りえなかった観光資源を広く道民のみなさんに知って頂く機会となりました。
 クルージングにより真夏はアザラシウォッチング、初夏と秋には北海シマエビ漁、冬には四角い太陽等、食以外の景観資源のPRに成功しました。

4. 全国2位の快挙

 以上の取り組みが評価され、「タビカレ学園祭」においては、総合評価2位という成果を得ることができました。このほか、秋に開催された企画「タビカレプラスワン」(よくあるツアーのチラシ以外に観光の動機付けに活きるプラスワンの素材の企画化」では、全国2位、「タビカレ学園祭」中に実施された「最終プレゼン」では旅行会社部門第1位、来場者中の学生からの投票による評価では第2位、通年でのプロモーション実績は第2位と各種取り組みが評価されました。

5. 観光地をめざして

 このような結果もあり、本年度も観光庁「観光地ビジネス創出の総合支援」事業に採択され、これまでの食観光資源の創出とプロモーションに汗を流してきた5年間からシフトし、今後の5年間は観光協会が永続的に地域の観光振興の中枢組織として自立するための取り組みを展開することとなりました。
 提案事業名は、「食観光とOMOTENASHI日本一を目指すフードツーリズム推進事業 ~日本最東端の別世界でプレミアム女子旅~」です。
 本採択事業の提案にあたっては、SWOT分析を行い、別海町を取り巻く脅威、機会、そして別海町観光協会の強み、弱みを明らかにし、その上で3つの事業を柱に掲げました。1つ目は、徹底的な話題創出力、高い情報発信力、魅力的なブランド力を発揮する「強い観光協会づくり」。2つ目は、地域をあげて観光地を確立するための観光スポット総点検による「OMOTENASHIのまちづくり」。3つ目は、日本最東端の別世界の感激を伴う食や体験メニューの磨き上げとパッケージ化による「期待を裏切らない商品づくり」です。
 フィールドとしては、別海町と同じく、きわめて魅力的な食と景観の観光資源を併せ持つ羅臼町を加えて、拠点を根室中標津空港とし、3町の観光協会で連携して事業を進めています。
 フィールドを拡大することで、これまでの「カメラ女子」に加えて、「美食女子」、「冒険女子」らターゲットを拡大。季節別に各ターゲットに最適、最強のコンテンツをパッケージ化し、満足度の高いガイドツアーを実現するため徹底的に学習します。

6. 今後の展望

 別海町観光は、まだまだ未成熟でありますが、5年前は、「いままで訪問したことはないがこれから訪問したい観光地」の50位台(北海道を100エリアに分けて調査)でしたが、最新の調査によると20位台にランクアップしています。
 これまでのような「別海ジャンボホタテバーガー」や「別海ミルクガール」といった単一的、属人的な話題創出策ではなく、今後は、組織的、地域を挙げた取り組みとし、別海町民の特長である「連携、協調」の気質を活かしたチームワークの更なる向上が必要です。上記の取り組みにより、「強い観光協会づくり」を実践し、観光協会の抜本的な体質強化が実行され、「OMOTENASHIのまちづくり」により町民の観光客へのホスピタリティが向上し、「期待を裏切らない商品づくり」の結果、ロケーションや交通のハンディをものともしないプロモーションやリピーターの獲得が実現することを期待しています。そして、無名の生産地・別海町が名実ともに「北海道の新しい観光地」として成長することが当地の将来像です。
 私も商工観光課6年目となり、中枢で関わることは困難となってきましたが、これまでに巻き込んできた地域の方、お世話になった地域外の方があまりに多く、人事異動によって、何も関わらないというのは無責任であると考え、一市民として、今後も観光振興に寄与していきたいと考えております。