【自主レポート】

第35回佐賀自治研集会
第8分科会 男女がともにつくる、私たちのまち

 このレポートでは"子ども子育て支援新制度"についての幼稚園の現状と課題、もう一つは市立幼稚園が行っている"預かり保育"の実態について報告します。



由布市における“子ども子育て支援新制度”
の取り組みの現状と預かり保育の取り組みについて

大分県本部/由布市職員労働組合・幼稚園部会

はじめに

 由布市は湯布院町・庄内町・挾間町が合併した市です。市内には公立幼稚園が8園(園児数60~90人程度が3園、5~25人程度が5園)、公立保育所は2園ありましたが、指定管理制度を受け民間委託となりました。その2園を含め、私立保育園が8園あります。
 子どもを取り巻く情勢は年々変化しており、その度に私たちの働き方も変わらざるを得ない状況にありますが、今回の"子ども子育て支援新制度"導入によって、公立幼稚園のあり方がどうなっていくのか、由布市幼稚園部会としても学習を重ねているところです。このレポートでは"子ども子育て支援新制度"についての幼稚園の現状と課題、もう一つは市立幼稚園が行っている"預かり保育"の実態について報告します。

1. "子ども子育て支援新制度"にかかわること

 2013年の夏、大分県で全国保育集会が開催されました。自治労幼稚園幹事会としても、この全国集会の運営に関わる機会をいただき、その時にこの新制度について深く知ることとなりました。しかし、由布市では公立幼稚園にはこの情報が全く届いておらず、初めは「保育園のこと」と思ってしまいました。しかし熱心に討議している保育士の方々の意見やレポートを目にすることで、これは「子どもに関わるすべての機関」の形が変わるのだと認識しました。このことを由布市の幼稚園部会に持って帰っても、目の前の仕事に追われる毎日でなかなか全部員の意識の中に落ちていきませんでしたし、私も広げていけませんでした。

(1) 教育委員会へ
 そこで、まず由布市の状況を調べることにし、教育委員会にこの件について問い合わせをしました。どの市でも同じかもしれませんが、教育委員会の中で小学校、中学校、中・高一環教育校などの中では幼稚園の存在は薄く、この件に関してはまだ未検討の段階でした。迫ってくる2015年度のことを思うと『動かねば』と思い立ち、幼稚園部会として専任園長を伴い、「子ども子育て支援新制度について教えてください。」と新制度への意識を持ってもらうために教育委員会を訪ねました。教育長を始め、課長、担当者との話し合いを行いました。結果としては「この日を始まりとしてお互いに研究していきましょう……」と、この制度を考えながら"公立幼稚園で何ができるか"いうことを共に考えていこうという話になったところどまりでした。それでも幼稚園としては第一歩。また、県下の公立幼稚園の動きを教育長も気にしておられたのですが、大分県は大きな市(大分市、別府市など)が"日教組"であるため、自治労に集う小さな市の状況しか話すことができませんでした。幼稚園職場の組合が2つに分かれていることで、大きな問題が起こったときに力を合わせて考える、たたかうということができにくい現状をまたもや感じています。

(2) だれが一番詳しいか??
 幼稚園部会のみんなに「正確」にこの制度について説明したいと思い、誰に説明をお願いしようかと考えました。県本部からオルグにきてもらうことも検討してみましたが、身近な「子育て支援課」の課長に相談しました。子育て支援課はこの新制度の窓口ですが日頃は保育園や児童クラブなど子育てに関する福祉の課であり、幼稚園とはほとんどかかわりがありません。しかし、"子ども子育て会議"の担当課なので、この制度をすすめているまさに張本人(課)です。課長は快くこの件を承諾してくれました。そして、「ずっと心配していた。この制度が軌道に乗ったとき、公立の幼稚園は厳しい立場になるのではと思っていた。役に立つなら説明にいきますよ。」とのこと。とてもありがたかったです。課長から由布市の私立保育園が子ども子育て支援新制度に手を挙げ、8園揃って「幼保連携型認定こども園」に移行すること(2015年度からすぐには無理だろうが、準備でき次第)や、由布市の住民基本台帳で見る地域年齢別人口の状況、地域別児童・生徒数等の推移、次世代育成支援行動計画事業の状況や乳幼児までに及ぶ支援事業のようすなど私たちが知らなかったことを話してくださいました。
 事後研では、「今まで知らなかった保育所関係の事業や運営、子育て支援の状況を聞けてよかった」「この制度が幼稚園に及ぼす影響については、やはり心配だ」「幼稚園で出来ることはどんなことか」「教育委員会に積極的に働きかけてこの件を共に考えてもらいたい」「具体的にどんなことが必要かを是非考えたい(これからの若手職員)」……。そして、2014年10月末に由布市の新制度の方向が出されるのですが、2015年度の公立幼稚園募集の時には公立幼稚園の方向もある程度の見通しが出せるように検討していくこととなりました。やっと、動き出した というところです。

(3) ニーズ調査では
 ・3年保育にしてもらいたい
 ・土曜日や日曜日の保育を考えてもらいたい
 ・預かり保育の充実(入園式以前の4月の預かりや時間延長)……など
 その他、数々の要望があがっているようですが、分析結果はまだ公表されていません。上記3点を考えても、このことを実現するためには、勤務労働条件が大きく変わります。少ない職員数で運営している公立幼稚園で実現可能、あるいは今後予算措置できそうなものを考え、各種闘争の折りに当局へ交渉していきたいと思います。 資料(子育て支援課提供)

2. "預かり保育"にかかわること

 由布市では早くから公立幼稚園での預かり保育を実施しています。8園のうち幼稚園で行っているのは4カ所(1カ所は2園の希望園児を一緒に預かっているため、5園で4カ所)、小学校の学童クラブに所属できる園が3園です。
 14:00の降園時刻から18:00まで預かっています。専任の預かり保育職員(嘱託)を1日4時間の雇用で職員が当番制でそれを補佐しています。長期休業中は8:00から18:00までの10時間行っており、その内4時間が預かり職員、その他の6時間は職員対応です。その他、要項は下記の通りです。

① 対象者  仕事の都合で預かりを希望する家庭の園児
② 保育形態 1. 常時保育 経済的に保育を必要とする家庭の園児
       2. 臨時保育 突発的、短期的に保育を必要とする家庭の園児
③ 実施場所 由布院幼稚園、挾間幼稚園、由布川幼稚園、阿南・西庄内幼稚園(2園合同)
④ 申込方法 入園の申込みと一緒に受け付け
       臨時的に保育を必要とする場合はその都度連絡
⑤ 預かり料 1. 常時保育 月額 4,000円(市納め)
       2. 臨時保育 日額  400円(市納め)
         * 教材、おやつ代として別途1,000円徴収
         * 長期休業中の8月は8,000円(一日保育のため)です
         * 長期休業中の臨時保育は1日800円です
⑥ 保育時間 1. 月~金曜日 保育終了時から午後6時まで
       2. 長期休業中 夏休み・冬休みの月~金曜日 午前8時から午後6時まで(10時間)
⑦ 休業日  土・日曜日、祝祭日、年末年始(12月29日~1月3日)
       お盆期間中(8月13日~15日)、夏休み最終日(2学期準備のため)
⑧ その他  1. 保護者の方に必ず迎えに来ていただきます
       2. 園行事の関係で、預かりできない場合もあります
       3. 預かり開始は入園式翌日からです

 預かり保育の今の課題としては、園行事や市の研修などで降園時刻が早まっても、預かり職員の雇用は4時間しかできないということで、全職員の研修ができないことや、4時間のみの雇用なので、今後預かり職員を希望してくれる人材があるかということです。また新制度導入後、預かり保育の中で、入園式前に就園児預かりを行うことになるのではないか、土曜保育を行うようになった場合、土曜日も終日預かりになるのではないか、それに伴う少人数しかいない職員の現状の中での勤務形態はどうなるのかということが心配されます。子育て支援の本当の支援は何だろう。子どもの健康はもちろん、職員の安全衛生についても保証し、働き続けられる職場として共に考えていきたいと思います。