【自主レポート】

第35回佐賀自治研集会
第9分科会 平和と共生のために、自治体は……

 安倍政権は、日本版NSC「国家安全保障会議」や「特定秘密保護法」を国民の反対の声を無視して、強行に成立させました。安倍政権は、平和憲法を変え、戦争のできる国にしようとしています。このような状況において、反戦平和に関する意識を少しでも持ち続け、自分たちの今ある生活を守るため「平和フォーラム・住都」の活動を通じ「反戦・平和」の行動に取り組んできました。



反戦・平和のたたかい


愛知県本部/自治労名古屋市連合労働組合・住宅都市支部・平和フォーラム住都

1. 「参議院選挙と憲法96条改悪」

 2013年7月9日(火)に、平和フォーラム学習会「参議院選挙と憲法96条改悪」を開催しました。弁護士の田巻紘子さんを招いて、改憲に関するお話を伺いました。参加者は50人を超え、みんな熱心に耳を傾けていました。
 憲法96条では、憲法の改正は、各議員の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認(国民投票において過半数の賛成が必要)を経なければならない、となっています。この96条を改憲する目的は、憲法改正を容易にし、自民党新憲法草案を憲法にすることにあります。
 自民党草案の危険な内容として、「立憲主義の否定」、「人権に対して広く制限を加えることの正当化」、「戦争の肯定、軍隊保持の明言」等が挙げられました。
 権力者が権力を濫用しないよう、絶対に侵すことのできない権利・自由を憲法で定め、これを権力者に守らせることが「立憲主義」であり、多数派支配によっても侵害できない少数者の尊厳・権利を守るのが近代憲法です。しかし、自民党草案では、現在の憲法の「人権の性質」や公人の「憲法尊重擁護義務」等についての条文を削除し、国民に憲法尊重義務を負わせる内容となっています。
 また、現在の憲法では、「公共の福祉」(他の人の人権との衝突場面を想定したもの)が人権を制約する理由となっています。人権以外に人権を制限するものはない、というものです。一方、自民党草案では、「公益及び公の秩序」となっています。もし、軍隊を派遣することが国益=公益だと判断された場合には、軍隊派遣のために人権が制約されることも考えられます。
 日本国憲法では、9条で戦争と武力の行使を放棄しています。しかし、自民党草案では、国防軍を保持することを明言しています。軍隊を持つことにより、軍事法廷が設置され、軍事機密を守るため、国民への情報が制限されることが考えられます。これは、国民が権力に対する批判ができず、独裁体制を生みかねない状況です。軍隊と自衛隊では異なります。自衛隊は、国が生命・身体を侵害しないよう配慮する義務がある、と言われています。しかし、軍隊となった場合、「公益・公の秩序」という旗のもと、隊員の生命・身体が侵害され、日本の隊員が、他国の人の命を奪うことになるかもしれません。
 自民党は、新憲法草案を策定し、日本国憲法の改憲を推し進めたいと考えています。自民党のめざす新憲法は、どのようなものか。どんな問題を孕んでいるのか。私たちの身近な問題として、周りの人と一緒に日本国憲法について話をしていくことが大切です。

田巻紘子 弁護士


2. 「戦争を行わない国をめざして」

 「特定秘密保護法案」審議中の2013年12月4日に「集団的自衛権のトリックと安倍改憲」の講演会に参加しました。
 論者は、東京新聞の論説編集委員である半田滋さんで、長年自衛隊について取材をしてこられた内容を交えて「集団的自衛権行使のための改憲」についてのお話をされました。
 自民党は、2012年12月に再び政権をとり、2013年夏の参議院選挙でも過半を確保して国会のねじれ状態を解消しました。そして、国家安全基本法特定秘密保護法案を強硬に成立させるなど、憲法改正に向けて着実に歩を進めてきています。次の安倍政権がとる行動は、平和憲法を変えて、米国との集団的自衛権を行使できる国、対外的武力行使を行う国に変えるということです。
 集団的自衛権の行使によって米国を守ることは、米国の強大な軍事力に対して他国が攻撃を仕掛ける確率は極めて低いため、現実的ではありません。
 日本が、集団的自衛権行使によってとる行動は、どのようなものかを考える際に、自衛隊が行っているソマリアでのPKO活動が参考になると思います。現在、日本は、PKO活動でソマリアにP3Cを派遣して活動しています。P3Cが駐機している飛行場には米軍のP3Cも駐機していますが、米軍機は他での軍事活動に使われており、ソマリアの活動には参加していません。このように現在でも、日本は国際貢献の際に米軍の後方支援という形で活動しているのです。したがって、集団的自衛権を行使できる国になれば、米国の決定に追随して軍事作戦に参加し、今よりもより前面に出て活動することになるでしょう。
 「集団的自衛権行使のための改憲」に向けて与党が次に制定させようと目論んでいるのは「国家安全保障基本法案」です。この法文の4条では、国民の国への協力がうたわれており、10条では我が国への攻撃に対してばかりでなく、「密接な関係にある他国」への攻撃に対しても武力行使をすることになっています。これは「集団的自衛権」の行使に該当します。11条では国連、同盟国への軍事行動への参加、12条では武器輸出ができるような記載がなされています。
 この法案を成立させることにより憲法9条を改正することなく、憲法の解釈を変えて集団的自衛権行使のできる国に変えていこうとしています。これは法案であるため憲法改正の場合と異なり、国会議員の2/3の賛成の必要はなく、国民投票の必要もありません。今の情勢ならばこの法案も通ってしまうかも知れず、危機的な状態だと思います。
 国家安全基本法や特定秘密保護法案は成立してしまいましたが、対外戦争を行わない国を維持し続けるために、諦めることなく世論を高めて反対意見を盛り上げていくことが重要です。


3. STOP 「秘密保護法」大集会

 2013年12月6日、栄エンゼル広場で開催された特定秘密保護法反対集会に参加してきました。開会時刻の午後6時ではすっかり日も暮れてやや風もあり、この時期としてはとても寒い中、公園には沢山の組合の旗が立ち、大勢の人が集まっていました。昨日、参議院安全保障特別委員会を通過して、本日中にも参議院本会議で可決成立をねらっていることもあって緊張感もあり、いつもの集会に比べて警察官の数が多いと感じられました。集会は大きな混乱もなく粛々と進み、無事デモ行進も終わったようですが、集会の発言者に弁護士関係者やマスコミ関係者がいたのも意外でした。


4. 秘密保護法を廃止に

 2014年1月24日、今年最初の通常国会開会日の夜、18時から久屋のエンゼル広場で行われた「1・24秘密法を廃止に! 大集会in名古屋」に参加しました。
 すっかり暗くなった寒空の下、会場には3,000人が集まっており、反対する人の多さと熱気のこもった熱い訴えの中、平和フォーラム住都からは、急いで準備した「反対表明の寄せ書き」を持って、秘密保護法反対集会へ参加しました。
 秘密保護法は昨年12月6日、臨時国会最終日に強行可決されてしまいました。しかし、法律の内容に欠陥が多く、審議も十分になされたとはとてもいえませんし、何よりも「戦争を行うために必要な法」であることが問題です。法律成立後にも全国各地で行われている、反対集会やデモの多さから見ても「稀代の悪法」であるといえます。
 集会では94歳の元大学教授が発言され、「先の大戦中には、治安維持法を根拠にして特高警察が事件をでっち上げ、大学生までもが冤罪事件の被害者となった。」と紹介し、「現代の治安維持法」とも呼ばれる秘密保護法の危険性を訴えていました。
 集会の後、久屋のエンゼル広場から栄ミナミの繁華街を、「反対表明の寄せ書き」を持って盛大にデモ行進しました。この寄せ書きには約100の思いが書き込まれています。
 なお、この寄せ書きを西庁舎2階の住宅都市支部室に掲示しています。機会があればご覧ください。

「反対表明の寄せ書き」を持ってデモ行進 「反対表明の寄せ書き」


5. 今後の予定

 2013年末の国会で「国家安全基本法」「秘密保護法」は可決されました。「秘密保護法」については施行までの期間は1年を切っていますし「秘密保護法」の恣意的な運用によって言論の自由が制限され、「もの言えない社会」「情報に制限のある社会」に変えられてしまう恐れがあります。
 また現政権は解釈改憲によって集団的自衛権を行使できる国に変えていこうとしており、その拙速な動きには国民に広く意見を求め、議論を深めた上で決議しようという姿勢はうかがえません。昨年7月に麻生副総理が「第二次世界大戦前にドイツのナチ党が行った憲法改正の手口を真似て、誰も気づかないうちに憲法を変えたらいい。」と発言していましたが、これは現内閣の姿勢を如実に表しているといっていいでしょう。
 私たちが政府の動きに関心を持たず、流れに身をゆだねたままでは、平和・安全な社会を継続できないという危機感から、現政権の平和主義に対する考えを知り、判断する目的で2014年4月から、「国家安全保障基本法案(概要)」の勉強会をしています。またその成果を広げる活動も行っていく予定です。


6. 最後に

 東日本大震災から3年が経ちましたが、未だ福島第一原発は爆発事故を起こしたままで収束の目処は立っていません。現在も放射能を出し続けており見えない放射線に不安を抱きながらの生活を余儀なくされています。
 さらに、安倍政権は、「国家安全保障基本法」を成立させ、解釈改憲によって集団的自衛権を合憲化し、日本を戦争のできる国にしようと推し進めています。
 また、4月から消費税増税により、今後の経済状況が悪化しないか、今後も、注意していく必要があると考えています。
 私たちの生活が危ぶまれる今、反戦平和に対する知識や意識を持ち続けることは大切なことです。職場環境も一段と厳しさが増す中で、毎月1回スタッフ会議を開き、情報発信の仕方や活動方法について一人一人ができることを考え、「平和フォーラム・住都」の活動につなげていきたいと思います。