【レポート】

第39回静岡自治研集会
第1分科会 自治研入門 来たれ、地域の新たな主役

西ノ島町職員組合の取り組みについて


島根県本部/西ノ島町職員組合 北原 慎也

1. はじめに

 西ノ島町職員組合は現在64人の組合員が所属しています。西ノ島町は日本海に浮かぶ人口約2,700人の小さな島です。高齢化率は45%を超え、地域の医療、福祉の充実はもちろんですが、役場として町の公共サービスを担う責任は年々重くなっており、組合員も業務にやりがいを感じるとともに負担も大きくのしかかっている状況にあります。
 新入職員は、Iターンの方も多くなり、島の環境に馴染めないことや、商業施設の少なさ、結婚問題などからわずか数年で離職することも珍しくなく、人と人の関わりの大切さをあらためて感じているところです。島のことを知る、地域の人を知る、職場の仲間を知ることで、島で働くことの意義を感じてもらいたいと考えています。そのためにも職員組合として組合員同士をどうやってつないでいくか、ということを真剣に考えていく必要があります。

2. 青年部のボランティア活動について

 西ノ島町職員組合では、青年部を中心にボランティア活動に取り組んでいます。主に観光シーズンを前に観光協会主催の海岸の清掃に地域の人たちと一緒になって参加しています。西ノ島町は国賀海岸をはじめとした島根県でも屈指の景勝地があります。素晴らしい景色のなかで仲間と一緒になって、海岸清掃に取り組むことで、島の自然を感じ、仲間とともに働くことの大切さを感じてもらいたいと考えています。毎年、新入職員や若手の職員に声をかけ、ベテラン職員も交じりながら多くの職員が参加しています。特にIターンの職員はあらためてみる島の自然の美しさに目を輝かせています。また、この機会に知り合った地域の人や職員同士で新たな交流が生まれ、スポーツや色々な活動に誘われ、島での楽しみを知るきっかけにもなっています。

3. 今後について

 ボランティア活動の他にも、新入職員を歓迎する花見大会を行い、組合員同士の交流を深めることや、地域の行事への参加などで組合員と地域をむすぶ努力は続けていますが、やはり一定数の職員は離職していきます。また、このコロナ禍の影響で本土との行き来も自粛せざるを得ない状況になり、本土での気分転換もできにくくなったことから、モチベーションの低下が心配されます。Iターン職員は都会にいる家族に会うこともできず、苦しい日々が続いています。しかしながら、2022年度は感染拡大状況が落ち着いたころに海岸清掃が実施され、新入組合員とともに組合員14人でボランティア活動に参加しました。仲間や地域の人々と汗を流し、楽しんでいる若い職員の晴れやかな笑顔をみていると自然のなかで地域の人々と組合員をつなぐ活動の意義をあらためて感じたところです。
 コロナ禍では、どの単組も苦しい思いをしていると存じます。他の単組の取り組みやがんばりを知ることで西ノ島町職員組合も共にがんばろう、という思いを新たにすると感じています。コロナ禍のなかで様々な制限はありますが、これからも仲間から学び、しっかりとつながっていくことで地域に還元できるよう努めてまいります。