福山市保健師は、保健所(総務課・保健予防課・健康推進課)、松永保健福祉課、北部保健福祉課、介護保険課、児童部保育課に位置づき、市民が健康に過ごすための活動をしています。人数は、2001年度定員52人のうち2人欠員のため50人です。
1995年度の途中、母子保健計画策定に向けて福山市の母子保健事業のあり方を、各職場の保健師が集まり検討していましたが、充分な話し合いが出来ない状況でした。そこで時間外でも集まって話し合おうということになりました。それが私たちの自主勉強会のはじまりです。
今回の「自治研広島集会への報告レポート」を機に、今までの活動の経過をまとめてみました。
年 度
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主たる話し合いの内容
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結果・効果
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備 考
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1995年度
(発足時)
会場:
保健センター
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各職場にいる保健師の話し合いの場で 「母子保健事業のあり方」を検討している中、時間が少ないため、充分な意見交流ができない。
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自主勉強会として集まろうと発足 |
ブレイクスルー方式で皆の意見を積重ね、1つの表を完成した。
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・自分達で作成したという満足感
・参加者の事業目標についての意識統一 |
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1996年度
会場:
久松台公民館
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母子保健事業について、検討・学習をする3歳児健康診査実施にむけて問診票の内容について検討
聴力検査・視力検査の実際を学習(保育課の保健師より実際を説明) |
事業に生かせるものを作り上げることができた。 |
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1997年度
会場:
松永 北部
久松台公民館
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B型リハビリについての研修
3歳児健診が始まる前後の時期で、問診票の見直しや精度管理について。
精神保健福祉相談員講習会の復命
'98年度から中核市として保健所を立ち上げるにあたり、機構・業務について話しあう。 |
問診票が見直された。
乳幼児時期からの精神面の大切さがわかった。
'98.2か3月頃岡大の青山先生の講演開催へつながる。 |
親睦会
2回 |
1998年度
会場:
保健センター
明王台公民館組合
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機構についての問題点・課題の検討・案作成
保健事業について
介護保険が導入されるが、非該当の人へのかかわりなど、在宅ケアシステムをつくっていくことについて。
保健事業について
保健所業務と地域保健法をどのように合体して、業務を行えばよいか。
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精神保健・未熟児・介護保険 etc
ワーキングのチームを作り、健診・がん検診・訪問について話し合う。
※自治労 精神保健セミナーへ参加 |
機構案(作成)…No1
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'99.4~
・健康推進第1・2係となる
・北部支所が3支所一緒になる
・代表者会議 ・担当者会議の整理 |
組織・機構が決定したので自主勉強会は一時休憩する |
1999年度
会場:組合
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介護保険準備機関に保健師2人が介護保険課に兼務となり、介護保険制度での保健師の役割について話し合うことから再開した。
※自治労 精神保健セミナーへ参加
※自治体に働く保健師の集いへ参加 |
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中途から再開する
親睦会
1回 |
2000年度
会場:組合
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介護保険の実施による業務報告
今後の保健師活動について各自の思いを出し合う。
※自治労 精神保健セミナーへ参加
※自治体に働く保健師の集いへ参加 |
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親睦会
1回 |
2001年度
会場: 組合
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保健師増員の為に、資料づくりの意見交換
① 機構
保健師としてどういう機構がよいか、市民が利用しやすい配置はどうか、各ブロック・職場で出し合う。
11月平日の夕方
土曜日 AM ⇒ どちらかに参加してもらい全員の意見を聞く
② 精神保健の学習
精神保健の流れ、福山市の状況等業務担当課の保健師より聞く。
組合研修の復命
現場での対応について意見交換及び担当課より助言をもらう。
③ 視察
・栄養士と合同 新潟・福井・金沢・熊本・大分・佐賀・大牟田・川崎・横須賀
※保健医療福祉学習会へ参加
※精神保健西日本大会へ参加
※自治体に働く保健師の集いへ参加
※自治労精神保健セミナーへ参加
※自治労地域保健セミナーへ参加 |
保健師の募集
欠員2+1名
福山市保健師としての
・機構(案)作成 …No2
・各業務の位置づけについて、意識統一が出来た。
機構を考える際に役立った。
他都市の状況がわかり、今後各業務の参考にして検討していきたい。
① 精神保健:基本的に4ブロックでの対応がベストである
② 母子:業務委託等の検討が必要である。
③ 成人:健診についての業務量がわかった。
組合活動を通して人員増や市民サービスにつながる機構を作った実態を学んだ。 |
7月交流会
組合補助
2月親睦会
組合補助 |
1995年からスタートした自主勉強会は、スタート時は、「自分たちが自主的にやっているのだから組合など関係ない」という思いも強かったのですが、担当執行委員を中心に、「組合を活用したら」といった助言等をいただく中で、自治労主催の集会に参加させてもらったり、栄養士との合同の視察を企画し、実施するなど、自分たちだけでは出来なかったことが出来るようになり、最初に比べて幅が広がってきたのは事実です。
勉強会は、現在も月1回開催していますが、日々の業務に追われ同じ職場でもゆっくり話が出来ない状況であっても、この勉強会では、各職場から自由な意見が出し合えていますし、業務についての情報交換・研修報告等が直接聞け、よりわかりやすく、また研修会の主旨や組合としての方向性が認識できました。
この間、より良い機構をめざして検討を重ねて、その時の状況に応じたあるべき機構(No.1・2)が作成できましたし、いろいろな研修会に参加したり、視察に行くことで、直接他都市の状況や組合員の思いなどが聞け参考になる部分が多かったです。また、改めて福山の良さも再発見できました。どの自治体の仲間も同じような課題や悩みを抱えながら仕事をしており、市民ニーズに応え、より効率的な業務をしていくためには、自分たちが元気でいきいきとやりがいをもって楽しく働ける職場づくりが欠かせないことが確認できました。
運動的な視点とかいったことは、まだまだよくわかりませんが、担当執行委員の保健師へのあたたかい心遣いや熱意を感じる中で、少しづつ部会結成のことも考えようという気持ちになりつつあります。
一人ひとりが日頃の業務の中での課題をもって参加しており、活動の中に反映されています。今後、周辺自治体との合併もあり、今以上に職場の実態や課題等を話しあう必要があります。さらに、保健師だけの話し合いだけでなく、仕事に関わる仲間である栄養士部会や福祉児童支部等とも連携を取りながら、今後も続けていきたいと思います。
また、組合活動を通じて、他の自治体から学べる点はしっかり吸収しながら、市民の健康を推進していくために機構・業務整理・人員増につなげていきたいと思います。