【自主レポート】

第37回土佐自治研集会
第10分科会 みんなで支えあおう 地域包括ケアとコミュニティー

 介護予防に取り組む京田辺市では、高齢者人口の5%を、少なくとも週1回は京田辺市オリジナル介護予防体操に取り組んでもらうため、区・自治会(42区)を単位として、5~20人程度が参加できる、高齢者の身近な居場所を50カ所程度設置したり、高齢者福祉施設やオレンジルームにおいて、昼間時間帯に100~50人程度参加できるようにしたりと、健康寿命の延伸を目標に、さまざまな取り組みを始めています。



高齢者の身近な居場所づくり支援について
―― 健康寿命の延伸に向けて ――

京都府本部/京田辺市職員組合 木村圭伊一

1. 現状と課題

(1) 京田辺市のおかれている状況と将来の展望
 人口69,640人 高齢化率24.4%
 高齢化率は横ばいで推移する。

 しかし、介護保険のサービス適用者が増加し続ける。


2. 取り組み目標

① 目 標  高齢者人口の5%を、少なくとも週1回は京田辺市オリジナル介護予防体操をしてもらう。
② 人 数  17,761(人)×0.05=888(人)
③ 小目標
 ア 5~20人程度参加する高齢者の身近な居場所を50カ所程度設置し、体操に取り組んでもらう。
 イ 高齢者福祉施設(常磐苑・宝生苑)において、昼間時間帯に、一週間100人程度は参加する体操に取り組んでもらう。
 ウ オレンジルームにおいて、昼間時間帯に、一週間約50人程度は参加する体操に取り組んでもらう。

3. 取り組みの進め方

① 基本となる小単位を区・自治会(42区)と設定する。
 → 区・自治会の公民館は既存の社会資源として利用することが容易であったため。
② 取り組みについての理解を求めるため、全区・自治会長に取り組みの説明。
③ 居場所づくりは、区・自治会・その役員・民生児童委員・社会福祉協議会地区委員・老人会等の既存組織に限定せず、有志のボランティアも含めて、区・自治会の実情に合わせた主催とする。
④ 居場所の要件を緩めに設定。
 ・参加人数について制限なし。
 ・対象者は60歳以上が半数以上を占めること。
 ・最低限として介護予防体操を行うこと。体操はDVDに収録し音声やテロップによる解説により容易に再現できる。
 ・週に1回曜日と時間帯を固定して実施すること。
  → 認知機能の低下があっても記憶に残りやすい。口コミによる周知を期待できる。
⑤ 活動支援のため、居場所単位ではなく、区・自治会単位に補助すること。

4. 具体的な活動支援の内容

① 導入時支援として、居場所の自主・自律性を勘案しながら、長くても3ヶ月程度(10~12回)は職員が毎回参加した。
② 体操はリズム体操・筋肉トレーニング・嚥下体操等を取り込み、作業療法士が個々の動きの意味や目的についての解説を行うことで納得して行ってもらっている。
③ 開始間もない頃に体力測定を行う。3ヶ月後に再度行う体力測定との結果を比較し体力の向上を実感してもらう。
④ 介護予防活動のメニューを表にまとめ、選択できるようにする。
 → 区・自治会によって参加者の性別、年齢層、活動意欲、身体機能が異なるため、バリエーションに富む内容のメニューが必要。
⑤ ボランティアのグループを養成して、居場所で活動してもらう仕組みをつくる。(活動については、現在市職員がコーディネートしている。)

5. 職員による支援の体制

 作業療法士1人、管理栄養士1人、コーディネーター2人、保健師1人、事務職1人

(1) 参加者を増やす為の工夫
① 区・自治会の回覧板で居場所活動について広報してもらう。
② 市においてランチョンマット等の健康啓発グッズを作成・購入し、居場所のリーダーが居場所に参加しないひきこもりがちな人を訪問し、活動に参加するよう誘導する。
③ レクリエーションのためのメニューを考案し、準備しておく。要請があればレクリエーションのためのグッズの貸出しを行う。
④ 講師派遣のメニューを考案し準備しておく。講師派遣に要する費用は、各居場所で負担してもらう。

(2) 継続の為の工夫
① 居場所で実質的なリーダーとなる者に対して、慰労、意見交換、他の居場所の取り組み内容を相互に参考とするため、研修会を開催する。
② 居場所で製作した作品の展示会を開催する。例えば絵手紙や折り紙などの作品等。

6. 効果検証

 体力測定を実施。居場所支援開始時と、3ヶ月間体操を継続時での比較。
 測定項目・5m歩行・タイムアップ&ゴー・握力
 その結果95%の人に数値の向上があった。