【自主レポート】

第37回土佐自治研集会
第11分科会 自治研で探る「街中八策」

 自治体で働く現業職員の魅力・必要性・重要性を広く市民にアピールすることを目的とし、神奈川県で初めて開催した、「まちで働くみんなの味方~自治体現業ふれあい祭り~」には、1,000人を超える来場者がありました。
 当日は、晴天にも恵まれ、各ブースでも行列ができるなど、多くの組合員、市民の方々が来場し、現業職場を身近に感じてもらうことができました。



第1回現業フェスティバル
「まちで働くみんなの味方~自治体現業ふれあい祭り~」

神奈川県本部/現業評議会

1. はじめに

 神奈川県本部現業評議会では「現業活性化」の取り組みとして学校給食部会が、未来を担う子どもたちの「食」について「子どもたちのために、安心、安全で豊かな学校給食」について議論し、「子どもたちの食と食育を考える集い」(食育シンポジウム)を2004年から毎年、開催してきました。講演型で開催してきたシンポジウムですが、2013年から体験型での開催とし対象を、市民、住民を中心とした結果、たくさんの市民の皆さまが来場してくださり、ある一定の手ごたえを感じました。こういったアピール行動で私たちの現業職場を知っていただき、市民の皆さまとともに「より良い、質の高い公共サービス」を作り上げていくことが、暮らしやすい市民生活に直結すると感じました。
 そこで、この取り組みを学校給食だけでなく現業全体で取り組むことが、現業全体の活性化、また質の高い公共サービスに繋がると考え、今回の開催に至りました。
 現業フェスティバルでは、県本部現業評議会や各部会(清掃・給食・用務・一般)が中心となり実行委員会を結成し、「自分たちから一歩前に踏み出そう」という共通の思いのもと、自分たちの仕事をどうしたらアピールできるのか議論を深めながら、職域ごとのブース出展などを検討してきました。
学校用務部会手作りの入場ゲート 藤沢市神台公園での開催前準備の様子

2. 出展ブースの紹介

<①エリア(清掃・一般現業)>
 ○清掃パッカー車実車展示・収集作業実演
 ○いろんな街の収集車パネルコンテスト
 ○被災地支援派遣パネル展示(清掃部会)
 ○高圧洗浄車による下水道管清掃実演(藤沢市興業公社)
 ○道路作業車(パトロールカー)展示
 ○ロープワーク実践講座(一般現業部会)

<②エリア(学校用務・給食)>
 ○ごみ分別・食材粉当てクイズ
 ○リユースプラスチック製品譲渡会(藤沢市資源循環協同組合)
 ○ネームプレート・クリスマスリース作り(学校用務部会)
 ○大人気給食メニュー試食配布「揚げパン・カレーうどん」(学校給食部会)
 ○三色食品群から生まれた「給食戦隊チョウリイーン」(茅ヶ崎市職労)
 ○それぞれの仕事紹介 など

<③エリア(横浜交通労組)>
 ○ミニ地下鉄 乗車体験(横浜市営地下鉄)

(1) ①エリア(清掃・一般現業)
 清掃エリアでは、清掃パッカー車実車展示・収集作業実演が行われ、子どもたちが収集車に乗り込み、記念撮影をしたり、ごみに見立てたビニール袋を収集車に投入する体験が行われた。
パッカー車 乗車体験。うれしそう スケルトン車の中をのぞくと……
模擬ごみ投入デモンストレーション
「ダンピング」て、言うんだよ……
ごみ投入体験……重たいものもあるけど、上手にできるかな……

≪いろいろな掲示物≫ パッカー車コンテスト、ボトルキャップアート、プラスチック資源活用。
           右下の写真は下水管。詰まった時にどう処理するのか、実演してくれたよ。

(2) ②エリア(学校用務・給食)
① 学校用務エリア
 剪定枝(学校の樹木や街路樹、庭木などの生育や樹形の管理で出た、枝の切りくず)を使った「クリスマスリースづくり」や、木の切り株を使ったネームプレートづくり。大盛況で用意したものがなくなるも、松ぼっくりを使ってミニツリー作成やどんぐりの人形づくりなど、子どもたちより大人のほうが……
大人も子どもも…… もうじき、クリスマス
松ぼっくりツリーとどんぐり人形 ネームプレートづくり

② 学校給食エリア
 開催地、藤沢市の学校給食「揚げパン」と隣接する茅ヶ崎市の学校給食「カレーうどん」を無料提供。それぞれ400食を11時と13時の2回に分けた試食では、時間のかなり前から行列ができ、提供から30分も経たないうちに品切れに……
 試食した方からは、「学校給食がこんなに美味しいとは。今の子どもたちは幸せですね」などの感想が聞かれた。準備段階ではプレゼントとして、廃油を再理由した「手づくり石けん」を夏の暑いなか、部会役員全員で作成した。
 また、災害が発生した場合に外での調理も可能な「移動式回転釜」の展示も行った。川崎市ではこの回転釜を使い、子どもたちの職業体験学習を、毎年実施する取り組みも行っている。
大釜でつゆを作り、うどんを湯がいてから小鍋に移して温めて提供。夏には全国現評組織集会(千葉県・幕張)でカレーも提供した 茅ヶ崎市の「給食戦隊・チョーリイーン」。子どもたちには内緒だけど、本物の調理員が中に……手作りの衣装は栄養価を表現
温かいものは温かく、安心で安全でおいしい学校給食のこだわり 提供開始前からなが~い行列が。左側がカレーうどん、右側が揚げパン。早くたべたいなあ
ひとつひとつ、ていねいに揚げて砂糖をまぶす。2人の調理員で400本。技術がなければこなせないよ 災害時に必ず、役立つ移動式回転釜。タイヤがついているのでどこでも移動可能。いざという時のために研修を行っているよ

(3) ③エリア(横浜交通労組)
① ミニ地下鉄 乗車体験(横浜市営地下鉄)
 横浜市営地下鉄はブルーライン(BL)とグリーンライン(GL)の2線を運行している。BLはあざみ野(青葉区)~湘南台(藤沢市)の40.4kmを結んでおり、GLは中山(緑区)~日吉(港北区)の13kmを運行している。
未来の運転手さん 出発進行 ミニ地下鉄は保守職員の手作り

(4) ④その他全般エリア
 そのほか、各単組のキャラクターやゆるキャラが登場し、会場を盛りあげた。また他にも、いろいろな催し物が企画され、会場全体が活気のある催しものに……

3. 今後を見据えて

(1) ≪清掃部会ブース≫
 パッカー車の展示、乗車体験、疑似収集体験、車両ダンピングはおおむね好評であった。また、パッカー車コンテストについても、子どもたちからも大人気で、おおむね好評であった。
 しかし、パネル展示や被災地支援派遣パネル展示は、掲示の高さが高すぎて子どもたちが見えないことや、写真が全体的に小さく、見えづらかったこと。熊本災害支援写真展示は、子どもたちは関心を示さなかったことなど課題が残った。写真を拡大するとともに、コメントを入れるなどの工夫が必要である。
 また、疑似収集体験では、品目パネル等を活用して子どもたちにごみの分別をさせる「分別体験」を行うことや、大人むきに分別の啓発活動も実行するなど、今後に向けて思考が必要である。
 ラッピングパッカー車は、子どもたちにも人気なので無謀な運転ができないことや、内外で環境啓発につながるという点で、このような取り組みを広げていくことが必要である。

(2) ≪学校用務部会ブース≫
 手作りの入場ゲートは遠くからも見えて広報につながったとおもう。開催時期が11月だったことでクリスマスリースづくりは好評で、ネームプレートづくりも子どもたちが関心を示した。また、材料がなくなったあとに、即座にどんぐりや松ぼっくりを活用し、対応できていたことは、日頃から学校という職場で多種多様な仕事をこなしている利点が出たものと、感心した。
 反省点をあげると、クリスマスリースづくりのリースが大きすぎて、飾りの部品がなくなることや作成に時間がかかり、大勢の方に対応できなかったこと。また、仕事内容のパネルを展示したのだが、テントの奥にあり見えづらかったことや、人もついていなかったため、アピールできていなかった。
 加えて、誰がやっているのか、「学校用務員がやっている」ということを、わかった人がどれくらいいたのか、どれくらい自分たちの仕事のアピールができたのか、開催趣旨も含めて明確化が必要である。

(3) ≪学校給食部会ブース≫
 試食はスムーズに提供でき、温かく、美味しいと試食された方々からの声もあり、学校給食の今をアピールできたとおもう。しかし、課題が多く残り、次回に向けての材料としなければならない。
 まず、並ぶ時間が長いこと。仕方がないのかもしれないが、並ぶ時間を有効に活用できるものの模索が必要である。子どもを遊ばせておく場所が欲しかったという意見もあった。また、揚げパンとカレーうどんが一つの並びだと勘違いして並んでいる人が多くいた。大きな看板を設置するなど、表示形式や並び方の整理の工夫の検討をしなければならない。整理券方式や、整列方法を検討する必要がある。そのほか、一人で何個も持っていく人もいた。試食の個数制限があるので、一人一個の徹底や、カレーうどんと揚げパンの提供を一つにするなどの工夫が必要。パンフレットに「1人1個」など、明記も必要である。
 今回は、連帯の意味もあり神奈川県本部でTシャツを作成したため、Tシャツ着用での提供となったが、学校給食の試食なので、学校給食調理のアピールなら、学校給食調理通りにマスクと手袋の着用をしたほうがよかったのかもしれない。
 また、カレーうどんの提供容器にも課題があった。容器が柔らかかったため、持ち運び等で危ない場面がみられた。カレーうどんの試食については、子どもの火傷も懸念されるので、容器をしっかりした物に見直す必要がある。
 学校給食の献立と、知らない人もいた。看板等を活用して、学校給食の試食の提供、「学校給食のカレーうどん、揚げパン」というアピールと、学校給食が最も主張しなければならない安全性についても市民アピールをしないと、何のためのイベントなのか、主旨がみえない。学校給食のパネル展示も行ったが、展示のみで人の配置もなかったため、見ている方がよくわからなかったようだ。担当者をつけて、説明ができる体制を作ることが大切である。

(4) ≪一般現業ブース≫
 一般現業部会は多種多様な職種があり、少数職域で職種が統一されていないなど、参加方法がむずかしかったことがあげられる。そのような状況の中でも一定のブースを設けて参加したことは今後につながる。今回の一般現業部会従事者分の動員割り振りを新たに考える必要がある。
 参加にあたっては開催単組に丸投げになってしまった傾向もあり反省しなければならない。しかし、今回ブースで行った「ロープワークの実演、講習」は評判が良かったので次に繋げたい。今後に向けて、災害時調理や保育調理が提供しているおやつを試食ブースで実演試食することや、保育調理で実際に、保育園で提供している、簡単なおやつの作り方の指導、実演。また、部会が行っている研修の、屋内調理や創作料理講習も視野に、検討をしていくことが必要である。

(5) ≪全体≫
 今回の開催では、確実な集約には至らないものの、試食やブースごとの参加者の数、またアンケートやプレゼントの数などから想定すると1,000人を超える来場者があり、大盛況であった。晴天にも恵まれたことで、各ブースでも行列ができるなど、多くの組合員、市民の方々が来場し、現業職場を身近に感じてもらうことができたと感じた。しかし、各部会からの意見集約にもある通り、課題も多く残った。
 まず、アンケートが実施できなかったこと。今後に向けて参加者の意見が聞けなかったことが悔やまれる。スタンプラリーを実施したので、そこにコラボするなど、今後、実施することが大切で、次につなげていきたい。また、スタンプラリーは全てのブースを体験してプレゼントに交換できるという手法であったが、実際には時間が足らずに帰ってしまった方も多くおり、結果的にプレゼントが余ってしまった。全てのブースを体験しなくても何カ所以上で交換できるという手法も検討しなければならない。またプレゼントでのアピール行動として各プレゼント(今回は花と手作り石けん)に作った経緯や作成者の情報等の説明書きをつけるとより一層、啓発につながったのではと反省もある。学校給食部会が廃油を再利用して作成した手作り石けんや、現業職場で育てた花やたい肥などがあったため、尚更である。
 広報の手法では、当日ビラ配布エリアの確認がスムーズにできなかったこと。開催前の手法についてはSNS(フェイスブック、ツイッター)の活用、現業職場のパンフレットを作成し、配布をするなどの検討も必要である。
 開催場所については、おもった以上に会場が広く、集約が思うようにできなかった。また、公園という場所のため、入り口を限定出来ず、人数把握が難しいということを考慮して、人数の把握をするための方法を考える必要がある。
 会場全体、各ブースにおいて、当日の役割と指示者の配置の明確化、意思統一の徹底を開催前から図る必要がある。運営においては、全体、各ブースで声かけが少なく、何を行っているかわからない。アピールの検討、プラカード等の活用も検討を。当日、天候は良かったが午前中は風が強く、テントが風で飛んでしまうことがあった。幸い一人のけが人も出なかったが、テント設置も含め、天候に左右されない体制の検討もしていかなければならない。
 運営費について、学校給食の試食提供方法について「食材の材料費だけもらうことはどうか」、また用務部会でも「材料費だけもらうのはどうか」というお金の徴収についての意見も出たが、公務員のイベントで徴収することがいいのかという問題はある。しかし、開催にあたっては費用がかかることなので、「寄付金、募金、カンパ形式」などの検討も、必要になるかもしれない。
 自治体・環境キャラクターやゆるキャラの出演は子どもたちや大人にも人気だったので、各自治体のアピールにつながることから続けていきたい。
 今後にあたっては、全体的に子ども向けのものが多かったので、幅広い年齢層も参加できるブース(学習ブースなど)も必要ではないか。自治体現業職場の役割と重要性をもっと知ってもらうため、現業全般と各部会で10分程度のプレゼンを、舞台を設けて実施する(ゆるキャラ、キャラクター等も巻き込み)など、現業フェスティバルの開催趣旨に沿った内容の検討を行う必要がある。また、開催要員についても検討を行う。そのためにも、議論の場を多く設けるため、実行委員会の開催頻度も考えなければならない。
 そのほかにも、行政をどう巻き込んでいくのかも課題である。次回の開催につなげるため、しっかり総括を行い、検討を重ねて、より良いイベントになるよう職員全員で模索していきたい。