【自主レポート】

第35回佐賀自治研集会
第12分科会 地域包括ケアシステムの構築

 日田市では、年に数回保健師部会を開催しており、分散配置されている職場の情報交換や協議等の取り組みを行っている。また、部会には書記長および執行部が参加し、情報提供はもちろんのこと協議を重ねながら専門職の現状を把握していることが部会の力となっている。
 今回は、県本部市町村保健師部会幹事会で実施した「保健師業務時間調査」の結果について、保健師部会で協議したので報告する。



保健師業務時間調査について


大分県本部/日田市職員労働組合・保健師部会 川内ちえみ

1. 日田市の保健師部会について

 2005年度の市町村合併(1市2町3村)以降、保健師は合併以前の勤務地(本庁と5振興局)で業務を行ってきたが、2012年度振興局の保健師が本庁に集中配置され、保健分野の本拠地が1本化された。また、従来から福祉分野に分散配置された保健師とともに保健部会を開催し取り組みを行っている。
 保健師部会は、合併後保健師の補充採用がなかったため、数年かけて独自に業務時間や年齢バランス等の資料を作成し職員係に協議を求め、採用の要求を行ってきた。その結果、2012年に3人、2013年に2人の保健師が採用された。

日田市の保健師の分散配置(2014年度)
健康保険課(健康支援係・保健医療係) 16人(課長補佐1含む)
長寿福祉課(介護認定係・長寿福祉係) 3人
延寿寮(高齢者施設) 1人
社会福祉課(障害福祉係) 3人

2. 保健師業務時間について

 県本部市町村保健師部会幹事会より配布された、*「業務時間調査」の単組別集計表と*日田市保健師業務時間調査での所属別割合ついて、保健師部会で協議を行った。(*別紙資料参照)
① 業務時間調査より見えてきた現状
 ○日田は、一般事務(支払いや補助金等の事務)の割合(40%)が高い。
・健康支援係は事務職がいないため、保健師が事務全般を行っており、業務に占める割合は19%である。係の事務時間合計は488時間で、事務人員に換算すると、2.91人となる。
・社会福祉係(障害福祉係)では、事務の割合が76%であるが、保健師業務の云々ではなく人員配置の不足(休職等)により、係の業務量が多すぎることが問題。
     
② 今後の課題や調査について
・保健と福祉分野の実状が異なるため、分野ごとに他市と比較すると見えてくることもあるのでは。
・係に事務職がいるか等、職場の人員配置等の状況を調査して判断するべき。
・行政で働く保健師(専門職)として望ましい姿を具体的に描いていきながら、分散配置での職務を実施していくことがこれから必要。

③ 調査表についての意見
・調査月が2月であったことから、基準時間を一人152時間(8×19日)として集計しているが、有休取得等の場合を考慮して基準時間の調整が必要では。
・時間調査のみでなく、分散配置の業務内容の調査も必要ではないか。
・その他のその他に該当する業務に、保健師的業務がある。

3. 協議を終えて

 日田市も含め大分県全般で保健師の分散配置が進んでいるが、保健師の専門性を発揮しながら行政職員として日々の業務を行っていくためには、保健師だけで行うのではなく、職場のみんなと職場環境を改善する取り組みが必要だと改めて感じた。
 そのためには、私たち自身が共通課題に取り組み、職場の中でめざす姿を見失わない姿勢を保っていける仲間づくりを、保健師部会を橋渡しとしてめざしていきたいと思う。

資 料