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評議会発

第19回青年女性交流会をウェブ開催

全国一般評議会は3月12日、青年女性交流会を開催。新型コロナウイルスの影響を踏まえ、3年連続のウェブ開催となった。参加者は30人。交流会は学習と交流を通じた活動の活性化と、若年層の育成を目的に続けている。

開会あいさつを大阪・村山さん(SYC労働組合)が行い「今年は一か所に集まっての交流を期待したが、ウェブであっても開催でき喜んでいる。光熱費等の値上げが家計に大きな負担となる中、防衛費を増額し、国民生活に目を向けない政府に憤りを感じる。大阪は反戦平和の学習を続けている。全国にこうした流れが広まり、防衛費増大の流れを食い止められれば」と述べた。
主催者代表としてあいさつを行った評議会幹事の北島さん(岐阜一般)は「私たち青年女性は、一貫して憲法を守り平和を追求する姿勢を貫いてきた。憲法第12条に自由と権利を守るための国民の『不断の努力』と記されているが、政権の力で法律が変わることを止められないときなど、ときとして無力感に襲われる。しかし『不断の努力』を諦めてしまえば市民生活を奪う戦争が起きてしまう。こうした思いをもって講演をうかがいたい」と語った。

講演「敵基地攻撃と日米一体化 防衛費は国民負担に」

防衛ジャーナリストの半田 滋さんを講師に招き、講演を行った。昨年12月、「防衛3文書」で「敵基地攻撃能力の保有」と防衛費の増額が閣議決定された。自衛隊員の安全の確保を超え「敵基地攻撃能力」を持つことは、「先制攻撃」を容認したに等しい。安倍政権下で進められてきた戦争できる国への道のりが現実化しつつある実態に触れ、日本が憲法で定められた範囲を超えた兵器を持とうとしていること、米国内で廃棄されている型落ちした兵器を高額で大量に購入させられることなどを述べた。また、中国が台湾を攻撃する「台湾有事」はあり得ないことではなく、米国が武力介入すれば日本も戦争に巻き込まれる恐れがある。沖縄での日米共同訓練や、弾道ミサイル避難訓練の実施は、有事による戦場化を想定しているという。
 私たちはこの状況を受け入れ、重い負担を強いられながら軍事力の強化を望むのか?選挙で意思を投じることが不可欠であると改めて感じさせられた。

防衛ジャーナリスト 半田滋さん

活動報告と意見交換で交流を深める

 後半は、自己紹介と参加地方労組の取り組み報告を行い、意見交換によって交流を深めた。コロナによる活動制限が残りながらも、フラワーアレンジメント講習会の実施(福井)、県本部主催のバーベキュー大会への参加(新潟)など、楽しみのある報告があり活動の前進がうかがえた。石川は、昨年の大阪の取り組みを参考に映画上映会を実施した。2018年度に青年女性部を結成した鉄構労は、組合員の半数以上が34歳以下の青年層。転勤のある全国組織だが、地域限定採用など働き方の多様化や、時間外労働問題について議論を行ったとの報告を受けた。大阪からは、戦跡めぐりや戦争を題材としたアニメ映画鑑賞など反戦平和の取り組み報告を受けた。一方、青年層の減少に直面する組織もあり、新卒採用者の組織化も青年女性部の課題である。
 フリートークでは、石川から「内灘事件」(1952年の朝鮮戦争時、米軍の砲弾の性能検査の射爆場として内灘砂丘が接収され、労働組合が反対運動を展開。接収された地は戦後、自衛隊の基地になることがほとんどだが、内灘は強い反対運動があったため、3年間の接収期間の後に返還)について発言があり、労働組合が平和運動に取り組む重要性を共有化した。ほか、子育て世代の青年層として、子育て支援の問題に関心が高いとの発言や、医療職場の組合員からは、コロナがおさまっても人の集まる場所にはなかなか参加しにくいとの声などがあった。

反戦平和と憲法保持を貫きながら楽しみも

交流会のまとめとして、北島さんは「講演を受け、政治について考える必要性を改めて感じた。皆さんの活動報告については、楽しさを追求する行事の報告を嬉しく思う。また、若い組合員が今日的な課題を学ぶ姿勢の素晴らしさ、伝統的に反戦平和を追求する取り組みを続けている組合には尊敬の念を抱く。反戦、平和、憲法保持を追求することが青年女性活動の底流にあるテーマ。一方で楽しみもしっかりと持ちつつ、活動を進めていってほしい」とした。
 最後に、石川・田中さん(北鉄自動車学校部会)が閉会のあいさつを行い「はじめての交流会参加だったが有意義な時間を過ごせた。これからも仲間たちと平和について議論していきたい。コロナの一刻も早い収束と、次回こそ対面での開催を願い、閉会のあいさつとしたい」と述べ、交流会を締めくくった。