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評議会発

第17回オルグ養成研修会を開催

中小労働運動の原点に立ち返り学ぶ

 全国一般評議会は5月14~15日、東京・全水道会館において、第17回オルグ養成研修会を開催した。新型コロナウィルス感染症が5類に移行したことにより、会場参加を原則としつつウェブ併用で行った。参加者はのべ26人(うちウェブ4人)。
 2日間を通じて5つのテーマについて講演を行い、学習を深めた。すべての講演の講師を、全国一般運動の先輩である特別幹事と評議会役員が務めた。1日目の終わりには参加者の自己紹介を行いながら交流を深めた。

■主催者あいさつ要旨(福島議長)
 「日本の事業所の99%以上が中小企業であり、労働者の7割が中小労働者であるにもかかわらず、そこで働く人たちが置き去りにされている。全国一般運動、中小民間の労働運動がどのように生まれ、どういった経過をたどり、今どのような状況にあるのか。原点に戻り、どのように運動を進めていくか、自身も含めて勉強していきたい。全国一般の要である専従オルグが設置できない状況もあるが、今こそ労働組合が必要とされている時代。研修会を通じて学んでいこう」

■講演1「働く者の雇用と権利を守る動向と課題」講師:三木 茂 特別幹事
 個別紛争が増える一方、不当労働行為事件は近年激減しており、労働委員になっても任期中に一度も担当しないというケースも増えている。不当労働行為とは何か、救済のための方法、どのような心構えで委員を担当するかなどを説明するとともに「はじめから法律があるのではなく、団結による運動があってこそ働く者の権利が保障される」とした。労働委員会や裁判に依拠しないたたかいも必要であり、組合による職場のたたかいを弱体化させないことの重要性についても述べた。

■講演2「平和をめぐる情勢と課題」  講師:亀﨑 安弘 事務局長
 ロシア・ウクライナ紛争や北朝鮮によるミサイル発射を背景に、日本は「敵基地攻撃能力」を容認し、防衛費増大を掲げ「戦争できる国」へ突き進んでいる。今こそ労働組合として平和問題への学びが重要とし、なぜ労働組合が反戦平和の問題にかかわるのかという原点について説明した。ひとたび戦争が起こればすべてを失う。歴史の悲劇を繰り返さないため、平和憲法を遵守し改憲を許さず、平和問題を自分事としてとらえることの重要性を説いた。原発・エネルギー問題についても触れた。

■講演3「自治労の組織統合を振り返り・運動を検証する」
     講師:大浦 弘美 特別幹事
 全国一般は2006年に自治労と統合したが、経過を知らない組合員もいるため、折に触れて学ぶことは必要。なぜ、自治労との産別統合を選択したのか。連合の発足と総評の解散なかで、中小労働運動の灯を消さないための選択であったことを説明した。また、統合後の県本部段階での連携の事例や、未統合の地方労組の問題など現在の課題にも触れた。労働相談により組織化につなげ、組織を拡大してほしいと檄も送った。

■講演4「春闘の歴史と課題」講師:福島 憲一 議長
 日本の労働組合と春闘の歴史、春闘が果たしてきた役割と今日的な課題について、データを用いて解説。データは、妥結額や賃上げ率のほか、労働組合の組織率、非正規割合などもあげ、景気・経済や労働法制との関連ともあわせて説明した。オイルショック時には物価上昇に見合った大幅な賃上げを勝ち取ったが、経営側はこれに危機感を抱く。1989年に連合が結成されるも春闘による賃上げは縮小を続けているのが現状。春闘が機能するためには、労働組合が健全に機能していなければならず、自分たちの運動に責任を持つ必要があるとした。

■講演5「合同労組の歴史と中小・全国一般の展望」髙原 壯夫 特別幹事
 髙原特別幹事と故・田島恵一氏の共著「危機に直面する労働運動」を輪読しながら、中小労働運動の課題について解説。合同労組は、企業の枠を超えて団結し、同時に企業の中でたたかう。倒産・閉鎖は中小企業に真っ先に降りかかる、だからこそ地域において産業や業種を超えた団結が重要とし、中小労働運動の継承の必要性を述べた。また、今「ユニオン」が増えているが、ひとり加盟をさせ、争議が解決したら組合に残らず終わりというケースが増えている。こうしたことを「古くて新しい問題」とし、あらためて企業を超えた団結とオルグ活動の重要性を語った。

 参加者からは、全国一般運動の歴史を学べてよかった、不当労働行為の類型が理解できた、平和問題を学ぶ重要さを再認識した、産別統合の経過を知ることができた、学んだことを持ち帰り活動に活かしたい、などの感想があった。