総務大臣定例交渉を実施

自治労は10月23日17時から、総務大臣との定例交渉を行った。川本委員長、杣谷副委員長、仙葉副委員長、青木副委員長、福島書記長、田中書記次長が出席し、総務省からは石田大臣、杉本公務員部長、望月市町村課長、加藤消防救急課長ほかが出席した。

 

地方自治制度のあり方について

第32次地方制度調査会における「核となる都市を中心とした圏域単位の行政をスタンダードとする」法的枠組みをつくることに対して、川本委員長は以下のとおり述べた。「多くの自治体がこの間経験した市町村合併において、行政サービス経費の効率化には限界があることが明らかになっている。また、中心部以外の役所・役場機能の喪失による大規模な自然災害への対応の遅れなども、看過できない課題となっている。これらに対する最近の国の対自治体政策は、地方分権に逆行する中央集権型に逆戻りしてはいないか」。その上で、「自治体は多種多様であり、全国一律・画一的な制度を強制するのではなく、自治体と住民が多様な制度を自ら検討し選択できる後押しこそが必要である」として地制調での議論のあり方を質した。
これに対し、石田大臣は「圏域における地方公共団体の協力関係は、中期的な視点の議論であり、少子高齢化社会がピークを迎える2040年頃の姿から逆算する形で、今の時点から議論することが重要であると考えている。今後の地方制度調査会においてしっかり議論していただき、地方側でも同様の時代認識を共有していただいた上で、どのような展望を描くのかなど、ご検討いただきたいと考えている」とした。

臨時・非常勤等職員について

川本委員長は、臨時・非常勤等職員について2020年4月1日の改正地方公務員法・地方自治法の施行を前に、各自治体議会で条例制定にむけた動きが全体として鈍く、同時に制度改正を悪用した賃金の切り下げ提案も相次いでいる現状を示した。その上で会計年度任用職員の制度創設の意義である「職務内容等に応じた常勤職員との均等待遇の実現」には、ほど遠くなってしまうことを危惧し、今もって不明とされる処遇改善に必要な財源の確保についての総務省の考え方を明らかにするよう追及した。
これに対し、石田大臣は「会計年度任用職員への移行準備の状況等について、引き続き各地方公共団体の対応などを調査する予定であり、そうした実態を踏まえつつ、地方財政措置についても検討していきたい」とした。また「会計年度任用職員制度」導入後においても「任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営」という原則は維持すべきものとする考えを示した。
これらに対し、川本委員長は「安定的かつ持続的な行政運営の実現のため、地財確保、地方税制全般の充実など、引き続きご尽力いただきたい」と重ねて要請し、前向きな対応を求めた。

消防職員に関する定例協議 

引き続く消防職員に関する定例協議での、川本委員長の発言は以下の通り。
第107回ILO総会・基準適用委員会において日本政府は「消防職員委員会の運営方針の改正を行うこと」「新たに労働側との定期的な意見交換の場を設けること」を表明し、その後、総務省消防庁は、「消防職員委員会の組織および運営の基準」の改正を行い「消防職員委員会の運営事例集」が発出され、全国で説明会が行われていると承知している。しかし、ILOの場において政府側から、「消防職員委員会制度は団結権の代償措置」と認識しているような発言があったが、同委員会はそのようなものではない。依然、パワー・ハラスメントなどが頻発するなど課題が山積している消防職場において「健全な労使関係」の構築は急務であり、その方策は団結権の回復以外にない。消防職員の団結権に関して大臣の所見をお聞かせ願いたい。また、総務省消防庁は今秋から「実務者レベルにおける定例協議を行うこと」を表明している。具体的な協議のあり方について、今後双方の事務レベルでの作業を早急に開始するということでよいか。
これに対する石田総務大臣の回答は次の通り。
今後とも、消防職員の団結権を含む地方公務員の労働基本権のあり方については、国家公務員についての動向を踏まえ、関係者の意見をよく伺いながら対応してまいりたい。また、消防職員の団結権に関しては、1995年に自治大臣と自治労との間で「代替措置」として、消防職員委員会制度を設けることに合意し、消防組織法を改正したと認識している。今後とも、消防委員会運営の一層の円滑化と充実がはかられよう労働側と相談しながら、実務者レベルでの協議を開始していきたい。
この回答を受け川本委員長は「課題解決の根本は、団結権の保障である。大臣には、重ねて、消防職員の団結権をはじめ公務員の労働基本権問題についての前向きな検討を要請する」とし、定例会見を終えた。