「原点 共感 躍動」 自治労第92回定期大会 始まる

自治労第92回定期大会が8月27日、福岡県福岡市で始まり、全国から代議員・傍聴合わせて3000人を超える参加者が集まった。29日までの3日間、「原点 共感 躍動」をメインスローガンとする、向こう2年にわたる運動方針などを議論する。

 

自治労組織の「躍動」のため、組合員一人ひとりによる運動への参画を

川本委員長が冒頭、主催者を代表して次のようにあいさつをした。発言要旨は以下の通り。

人事院は2019年官民比較に基づき、月例給・一時金ともに、引き上げる勧告を行った。6年連続の引き上げ勧告となったことは、組合員の期待にも一定程度応える内容といえる。しかし、月例給の配分については若年層に対してのみにとどまるなど、まだまだ不満の残る結果だ。引き続き公務員連絡会に結集し、政府に対し給与引き上げの早期の実施と定年引き上げにむけた対応を強く求めていく。

組織の強化、拡大について、今回の第5次組強計画の大きな目標として「単組活動の活性化」をメインとした。組織の縮小傾向から組織拡大に転じ、何としても「80万人自治労への回復」を実現していく取り組みを開始する。また、2020年4月には「会計年度任用職員」制度がスタートする。当事者である臨時・非常勤等職員の声を聞き、意見を集約し、最後の詰めの交渉を行うよう、引き続きお願いする。

第25回参議院議員選挙において、組織内候補「岸まきこ」は15万7千あまりの個人票を獲得し当選することができた。しかし、前回の参院選の得票数を下回るなど、今後に大きな課題を残す結果となった。丁寧な総括をしていただきたい。また、安倍首相は、長年の悲願である憲法改正を強引に推し進めようとしている。引き続き、最大限の警戒感を持って「安倍改憲」阻止の取り組みを進めていくことが重要だ。

2020-2021運動方針案を提起するにあたり、メインスローガンを「原点・共感・躍動」とした。「共感」すなわち、地域公共サービスに携わる仲間としてお互いを認め合うこと、その必要性を改めて訴えたい。それが、労働運動の「原点」であり、その中から自治労組織の「躍動」を勝ち取ろう。そのためには、組合員一人ひとりの運動への参画が不可欠だ。ともに頑張ろう。

 

連合や政党から連帯と激励のあいさつ

 

 来賓として、はじめに連合の逢見直人会長代行が「自治労の皆さんが全国各地で連合運動を支えていただいていることに感謝する。連合は今年、結成30年を迎えるにあたり、新たなビジョン作りに取り組んでおり、これまでの『働くことを軸とする安心社会』を継承し、深めていく。また、連合の構成組織や地方連合会は、すでにさまざまな社会活動を行っており、それを全国マップとして(一覧化して)わかるようにし、志を同じくする個人からの支援も受けやすくしたいと考えている。地域が抱える貧困や格差、環境問題などの課題解決のための連合運動のファンを作る取り組みへのご支援をお願いしたい」とあいさつした。

 

 政党からは、立憲民主党の枝野幸男代表が「岸まきこさん当選のお祝いとともに、皆さんのご尽力に敬意と感謝を申し上げる。7月の参議院議員選挙では党として一定の成果があったが、安倍政権を倒すまでに至らず、期待に応えることができなかった。反省すべきは反省し、次の総選挙で今の政治状況を変えていきたい」と参院選を振り返った。その上でめざすべき政治について、「わが国が抱える諸課題に対してこれまでの政治は効率化や競争で乗り切ろうとしたが、その結果、政治が自己責任をあおり格差と分断を広げてきた。自分の力ではどうにもならない人生の局面で、役割を果たすのが政治だが、逆に格差と分断をあおっている。『今だけ、金だけ、自分だけ』の社会風潮を生み出している。多くの皆さんが求めているのは、将来の不安の解消だ。安心できる老後や子育て、働くということは市場原理では買えない。困ったときに寄り添い、支え合うことを通じて安心を高める社会としていきたい。『官から民』が正しいとの前提で社会や政治が動いてきたが、公務公共サービスの再評価、再構築こそがこれからの政治の役割だ。自治労に結集する皆さんはまさに公務公共サービスを担い、その先頭に立っている。その皆さんが安心して働ける状況を作ることが日本の活力につながる」と述べた。

 

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「参院選では、『安倍政治を何とかしてほしい』、『野党は力を合わせて頑張ってほしい』との声をいただいた。衆議院議員選挙にむけて野党による『力合わせ』を積み上げていきたい。民主党による政権交代から10年が経つ。社会状況が大きく変化する中で新しい期待、社会の課題に向き合う政治的枠組みを作らなければならないと感じている。行き過ぎたグローバリズムと新自由主義が世界を覆っているが、そうした政策を自民党が進めることに対しそれを正すような政策、とりわけ経済政策を国民に示す必要がある。今回の参院選を通じて見えてきたことは、次の衆院選では家計と地域を大切にすることが問われるということだ。年金問題に加えて日米や日韓関係など安倍政権の政策の限界が見えている。野党として力を合わせ国会でしっかり議論していきたい。自治労定期大会を行っているこの場所は、毎年開催される大相撲九州場所の会場だ。大相撲のように『がっぷり四つ』に組んで安倍政権と論戦を展開していく」と発言した。

 

 衆院選にむけては、又市征治・社民党党首からも言及があり、「立憲主義や平和主義、民主主義を守るべく、次の総選挙で衆院の改憲勢力を過半数割れに追い込み、安倍政権を退陣に追い詰めるため、今からの準備が重要だ」とコメント。「改憲論議に振り回されて憲法が国民に保障する権利が忘れ去られているのではないか。例えば、憲法25条で定める生存権が果たして非正規労働者に保障されているだろうか。こうした状況に国民があきらめを感じていることに、政党や組織労働者の責任を感じる。権利侵害の状況を職場から議論し、広げていく。それが政治を変えていく力となる。今、求められているのは9条改憲ではなく、憲法で保障された国民の権利を踏みにじろうとする安倍政治を変えることだ」と訴えた。

 

 地元からは小川洋・福岡県知事が「地方創生は大きな課題であり、誰もが住み慣れたところで働き、暮らすことのできる地域社会を築いていくことが大切だ。多様化、複雑化する住民のニーズに的確に対応するためには自治体が相互に連携し、広域的かつ総合的に施策を展開する必要がある。その際、行政を現場の第一線で支える皆さんの力添えが不可欠となる。全国の皆さんが定期大会において自治体の諸問題を議論することは、大変意義深い。地域の発展のため、住民のニーズに一緒に応えていきたい」とあいさつした。

 

 参院選後の7月28日で2期12年の参議院議員の職を辞した自治労協力国会議員団団長の相原久美子前参院議員は、「今回の参院選で大きな力をいただいた。岸まきこさんと吉田忠智さんを国政に送っていただいたことにあらためて感謝申し上げる。これまで多大な支援をいただき、国政で議員活動を行うことができたことに心より感謝したい」と、自治労機関会議での最後のあいさつを行った。

 

 最後に参院選で初当選を果たした岸まきこ参院議員が登壇。「2年前に新潟市で開催した自治労定期大会で参院選に臨む決意を述べてから早2年が経った。当時は不安な気持ちで一杯だったが、夕張市の財政破綻を契機に地方自治の あり方が歪められてきたことに対し、『本来の地方自治を何とか取り戻したい。公共サービスに携わる皆さんの声を何とか国政に届けたい』との思いだった。皆さんの力で相原議員の後を引き継ぐことができた。熱くお礼申し上げる。今後は参院において江崎孝議員や吉田忠智議員とともに現場の声を国政に届けたい。私が大切にしたいのは地域や職場の課題、現場の実態を法案に『魂』として入れ込むことだ。当選が終わりではなくこれからが新たなスタートだ。全力で頑張りたい」と力強くあいさつした。