第158回中央委員会~春闘方針を決定  「参加する春闘」の実現を

自治労は1月30~31日、千葉県市川市で第158回中央委員会を開催した。中央委員、傍聴者あわせて約600人が参加し、春闘方針をはじめとする4つの議案について議論。すべての議案が賛成多数で承認された。

 

川本委員長は冒頭のあいさつで、2020春闘や会計年度任用職員制度の取り組み、おごり、緩みがとどまることを知らない安倍政権の問題などに触れるとともに、本年にも予想される衆議院議員選挙を念頭に、野党の連携強化への期待と、選挙戦勝利にむけた決意を述べた(委員長あいさつ要旨は別掲)。

 

続いて2019自治体確定闘争総括(案)および2019現業・公企統一闘争総括(案)、2019年第25回参議院議員選挙闘争の総括(案)を含む一般経過報告が行われ、参議院議員選挙の取り組みなどについて8県本部8人が発言。一般経過報告は本部答弁を経て承認された(主な質疑応答は下段に掲載)。

 

 

第1号議案「2020春闘方針(案)」は鬼木書記長が提案。「1年のたたかいのスタートは、春闘から」として改めて春闘の位置づけを明確化。その上で、春闘期の取り組みが全体化されていないなどの課題を指摘した。解決にむけ①春闘期―人勧期―確定期などの1年の各種闘争スケジュールを組織全体として確認する、②当局との交渉・協議に関する労使関係ルールを確立する、③組合員アンケートや職場集会を実施し、単組における賃金・労働条件、職場環境などについての課題の洗い出しと把握を行う、④一人ひとりの「組合員の参加」を基本に、職場の課題をもとにした要求書を作成、全単組で当局に提出して確実に交渉を実施し、交渉にあたっては幅広い層の参加を追求する、などを春闘期の課題にあげた。また、春闘の取り組み活性化には、職場・組合員を起点とした職場単位の日常的な活動、組合組織体制の確立が重要と提起。春闘が組織強化の好機と位置づけた。組合員の意見・要望を職場単位で把握、それを積み上げることで組合員全員が春闘に参加し、活動を実感できる要求づくりと交渉が必要と述べた。

 

 

第2号議案「当面の闘争方針(案)」は青木副委員長が提案。人員確保にむけた取り組みなどを含む職場の権利と勤務条件を確立する取り組みや、AI対策の取り組みなど自治体財政の確立と自治・分権および公共サービス改革の推進、地域医療の確保と充実のための取り組みを始めとする安心と信頼の社会保障制度改革の推進、政策実現にむけた政治活動の推進などを提起した。

 

 


第3号議案「2020年度一般会計・特別会計補正予算(案)」および第4号議案「中央本部運営規程の改正(案)」は伊藤書記次長が提案した。
これらの議案に対し、2日間で計33県本部35人から発言があり、討論後の採決ですべての議案が可決された(主な質疑応答は下段に掲載)。

 

 

 

最後に、川本委員長が、会計年度任用職員制度の開始にあたり「やれること、やるべきことをしっかりやり切って4月を迎えよう」と呼びかけた。さらに春闘への全組合員の参加を呼びかけ、団結がんばろうで閉幕した。

 

 

中央委員会における方針決定を受け、3月13日を統一行動日とする自治労の春闘は本格的にスタートする。

 

 

委員長あいさつ(要旨)

 

2020春闘にむけ、まず2019確定闘争における成果と課題について申し上げます。確定闘争では、要求書提出・交渉実施・妥結合意それぞれで前年を上回る結果となりました。「要求―交渉―妥結」をスローガンに運動を進めてきた観点からすれば、一定の成果といえる一方、統一闘争への結集については、引き続き課題を残す結果となりました。また、この4月からは会計年度任用職員制度がスタートします。条例化についてはほぼすべての自治体で終了しているとの調査結果がありますが、制度の趣旨を全く理解せず、労働条件を切り下げる事例が各地で起きています。各県本部、単組におかれましては、非正規を含めた自治体職員の処遇改善に地域で大きな社会的責任を持っているということを自覚し、課題解決にあたっていただくようお願いします。

 

 

次に経済情勢についてです。人口減少・少子高齢化のもと、社会保障の充実は一向に進まず、「2000万円問題」など国民の将来不安は強まっています。また、米中貿易摩擦による中国の低迷が続けば、日本や世界経済への悪影響は避けられないとともに、中東情勢の緊迫化による経済打撃やオリンピック・パラリンピック後の景気の減速も想定されます。こうした経済情勢を踏まえると、2020春闘や夏の人事院勧告も厳しい結果になることが予想されることから、「交渉サイクルの確立」「統一闘争の強化」を2020春闘から再構築し、その中から組織の力を強めていくようお願いします。

 

 

最後に政治情勢についてです。公職選挙法違反が明らかな2大臣の辞任や前IR担当副大臣の収賄容疑での逮捕などの重大な問題が頻発し、それだけに終始したのが先の臨時国会です。憲法改正について安倍首相は、「私自身の手で成し遂げていく」などと述べ、さらには国会を通さず中東地域への自衛隊派遣も決定しました。このような政府の姿勢に憤りを感じる国民が多いにもかかわらず、内閣支持率は目立って下がっていません。安倍内閣支持の理由の第1位は、常に「他にいないから」となっており、「どうせ政治は変わらない」という気分が蔓延、結果として現状維持が選択されていると考えられます。このようなことが未来にむけた民主主義の発展にとって良いことであるはずがありません。2020年総選挙を万全の態勢で迎え、また、安倍政権を打ち破るためには、野党の連携強化が重要であるといわざるを得ません。自治労としても、全国の力をしっかりと結集させ、敵を見失うことなくそのたたかいを強めていきましょう。

 

 

 

経過報告(主な質疑応答)

とくに組織・運動・財政状況が厳しいとして指定された「重点支援県本部」からは「取り組み2年目となり、単組活動の強化で一定の効果が出始めている」との発言があり、単組役員対象のユニオンセミナー開催などの事例を交え、単組間交流による組織強化の実践について報告があった。

これに対して本部は、「今後も県本部と並走しながら、組織・基盤強化にむけてしっかり取り組んでいく」と答弁した。

 

 

また、2019年7月の参議院議員選挙闘争の総括について、県本部からは「私たちの方針提起や日常活動が、組合員に寄り添っていたのかを問い直しながら取り組みを進めていきたい」と自戒を込めた発言があった。また、次期参議院議員選挙にむけての早急な体制づくりを本部に要望した。さらに、組合員の政治闘争への関心が低下しているとの報告があり、組合員との日常的な意思疎通を実践しきれていないことが要因と分析した。今後にむけては「職場の課題に真剣に向きあい、組合員の声を聞くことの積み重ねの先に、政治闘争をたたかう基盤ができる」と述べた。さらに退職者会・OBなどとの連携の重要性にも言及した。

これに対して本部は、「次期参議院議員選挙にむけては、候補者も含めた体制確立の議論を進めたい」と答えた。また、「組合員の政治闘争への関心の落ち込みは危機的状況にあり、早急に処方箋を作らなければならない」との認識を示した。その上で、「政治闘争を強化・推進するためにも、第5次組織強化計画の実践とあわせ、県本部、単組の運動の底上げをはかっていただきたい」と答弁した。

 

 

 

 

議 案(主な質疑応答)

会計年度任用職員制度の確立

 

第1号議案「2020春闘方針(案)」に対して、多くの県本部から2020年4月からの制度開始が迫る会計年度任用職員について発言があった。昨年末に閣議決定された2020年度政府予算案における制度導入のための予算計上について、県本部からは「期末手当相当が措置されたが、処遇改善の原資としては各自治体からの需要額調査の規模と比べて大きな差がある。引き続き、総務省に昇給や前歴調整など処遇改善に必要な財源確保を要請する」などの財源措置に関する意見があった。

 

 

本部は、「会計年度任用職員の財源については、報酬・給料の見直しと期末手当分や社会保険料増加分等が確保された。各自治体への配分は普通交付税で一定率を配分した上、調査に基づく会計年度任用職員の任用予定数にあわせて特別交付税により配分を調整する方向で検討されている」と説明。「財政措置について明らかとなったことから、あらためて春闘期で労働条件引き上げの取り組みを」と答えた。また、「会計年度任用職員は一般職に位置づけられることから、労働基本権が制約されることになるのでは」との問題意識に対しては、「基本権の回復にむけた対応を強化していく」と回答した。

 

 

各自治体で関係条例等の改正が行われているが、法改正の趣旨を十分踏まえていないケースも多く見られ、いくつかの県本部からは「自らのこととして取り組めただろうか」との振り返りとともに、取り組みへの自省の弁があった。また臨時・非常勤等職員の当事者2人からは「当事者の組合と自治体単組、県本部が連携した粘り強いたたかいにより、一定の納得ができる処遇を勝ち得た」との報告を受けた。同じ自治体で働く常勤職員との均等・均衡を基本として制度の改善を行うため、当事者の声を集めながら処遇改善と組織化を一体のものとした取り組みのさらなる強化が必要であることを全体で共有した。

 

定年延長の実現、人員確保

 

県本部からは、定年延長を見据え、交代制勤務などがあり加齢により就労が難しくなる「困難職種」への対応などについての質問があった。

 

本部は「雇用と年金を確実に接続させるためには定年引き上げが必要であり、困難職種だとしても年金支給を早めることは困難な中、延長される定年年齢まで働き続けられる職を作り上げるしかない。まずは、フルタイムの再任用の職を増やす取り組みをお願いする」と答えた。

 

また、台風などの自然災害が頻発する中で、土木職や技術職の人員不足があらためて浮き彫りとなったとの県本部からの報告に対し、本部は「自治体として住民を守り支援するのが使命だが、この間、技術職員や現業職員をはじめとして現場で対応する職員が不足していることが災害に弱い自治体につながっていることを省庁や政党に強く要請してきた。引き続き人員確保の取り組みを強化していく」と述べた。

 

 

このほか、第2号議案「当面の闘争方針(案)」に関わり、反戦・反基地運動の強化や地域医療再編への取り組み、組織強化と連動した共済推進への取り組みなどの発言があった。

 

 

 

 

 

クローズアップ中央委員会 ~ 第1号議案 ~

あなたの参加が職場を変える大きな力に

 

2019年8月に福岡市で開催した第92回定期大会での「2020-2021年度自治労運動方針」および「第5次組織強化・拡大のための推進計画」では、単組活動の活性化など、自治労の組織強化を一つの大きな柱としている。一人ひとりの組合員の参加と声を集める活動を通じて、日常活動の活性化をはかり、組織強化・拡大につなげていくことが重要であるため、2020春闘をその好機と位置づけ、取り組みを進めることとしている。

 

第1号議案2020春闘方針(案)では、「参加する春闘」をテーマに掲げている。賃金・労働条件の改善のみならず、要求書づくりの段階から提出・交渉に至るまで、一人ひとりが「参加する春闘」をめざしている。何か一つでも具体的な役割を担うことで、組合活動の意義を実感し、経験の積み上げにつなげていく狙いだ。

 

中央委員会の質疑討論では、会計年度任用職員制度に関わる発言が多くあがった。法の趣旨を逸脱する使用者側からの提案やそれに伴う雇用不安の現状などが報告される一方、処遇改善のために当事者の声を交渉の場に反映させることの重要性や労働基本権に関わる問題意識などを訴える発言もあった。

 

会計年度任用職員制度における課題についても、雇用形態の枠を越え、同じ職場で働く仲間として、一人ひとりの運動への参画が必要不可欠である。

 

皆さんの職場にも、解決すべき課題が必ずあるはずだ。改めて「参加する春闘」という2020春闘のテーマを確認し、組合の役員だけに任せる運動ではなく、一人ひとりが参加し、声をあげ、力をあわせて行動していくような春闘をともに作り上げていこう。