新型コロナウイルス対策にかかる緊急事態宣言および緊急経済対策に関する談話

1.政府は4月7日、新型コロナウイルス対策として緊急事態宣言を発するとともに、緊急経済対策を閣議決定した。止まらない感染拡大に対する市民の不安はすでにピークに達しており、緊急事態宣言は遅きに失した感が否めない。しかし、ウイルスとのたたかいが新たな局面に入ったものとして、真摯に受け止める必要がある。

 

2.一方、同日に閣議決定された緊急経済対策については、地域の公共サービスを担う立場からいくつかの指摘をせざるを得ない。まず、経済対策の事業規模についてリーマンショックを超える108兆円程度とうたっているが、実質の財政出動は39兆円程度にとどまる。しかも、「生活に困っている世帯に対する新たな給付金」(1世帯あたり30万円)については、そのうち4兆円程度の支出であり、支給対象となる世帯は相当限られることが予想される。

 

3.その支給に際しても、事務を委ねられる自治体窓口における混乱が危惧される。政府は、電子申請などにより窓口業務の軽減化をはかるとしているが、減収を余儀なくされた世帯や各事業者におけるネットの利用環境は不明であり、申請は窓口における対面作業に頼らざるを得ない。政府は、自由に使える臨時の交付金として1兆円相当を自治体に対し予算措置するとしているが、窓口等の整備、人員確保など、リーマンショック時の経験からは相当の経費を必要とすることから、需要に対応して十分か定かでない。加えて、地方税や社会保険料の納付の猶予や減免なども打ち出されているが、このことも、結果的に窓口での混乱を招きかねず、それが新たなクラスターを発生させないか、深刻な不安がつのる。

 

4.いま喫緊の課題となっている医療提供体制の整備として、マスクや消毒用エタノール、ガウン等を医療機関に優先配布するために、1838億円の予算が確保されたが、医療機関における不足の声は3月から起きており、遅いといわざるを得ない。さらに、これらを生産する国内企業への設備導入補助は29億円にとどまり、時期、額ともに今日的な状況からして不十分である。

 

5.また、これからウイルスの終息にむけて動かなければならない局面において、「反転攻勢」と声高に叫び、緊急経済対策の多くが、終息後の経済対策として提起されていることには違和感を禁じ得ない。経済対策の副題を、自ら「国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ」としているように、まず優先すべきは命と生活であり、補正予算の審議にあたっては、与野党を問わず、我々の懸念を正面から受け止めた議論を期待する。また、今後さらなる経済対策の必要性も想定されることから、例えば、所得にかかわらず、直下の生活保障を行う観点から一律の個人給付を行うなど、スピード感のある対応、またその執行にあたっては地域公共サービスに携わる労働者の声を十分勘案するなど、より広範な意見を反映し、第2次補正予算等の対策を講じるべきである。

 

2020年4月8日

全日本自治団体労働組合
書記長 鬼木 誠