PSI-JC男女平等セミナー開催 ~「職場における暴力とハラスメント」と「男性の育児参画」をテーマに議論~

▲PSI-JCに加盟する組合からの大勢の参加者が活発な議論を行った

 

自治労が加盟する国際公務労連加盟組合日本協議会(PSI-JC)は11月29~30日、東京・自治労会館で2019年度男女平等セミナーを開催した。88人(女性53人)が参加し、PSIのジェンダー(男女平等)の課題について理解を深めるとともに、男女平等社会の実現をめざすために各加盟組合の活動にどう反映させていくかなどの議論を行った。

 

今回のセミナーでは、「職場における暴力とハラスメント」に加えて、「男性の育児参画」をテーマに設定。冒頭、PSI-JCの青木女性委員会議長(自治労本部副委員長)が「当セミナーをハラスメント防止と男性の育児参画を考えるきっかけにしてほしい。男女がともに働きやすい職場環境をつくるための活発な議論をお願いする」とあいさつした。

 

続いて、連合の井上久美枝総合政策推進局総合局長が講演し、今年、創設100周年を迎えたILO(国際労働機関)の総会で採択されたILO条約190号「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する条約」を説明。同条約は、ハラスメントに特化した初めての国際労働基準であり、包括的にハラスメントを禁止している。しかし、日本の関係法制にはハラスメントの防止措置はあるが、禁止規定がない。また、日本政府は条約採択に賛成したものの、批准にはなお慎重な姿勢であり、さらなる法改正が求められている。井上総合局長は、「ILO条約の批准をめざして、日本政府に働きかけを行うとともに情報発信や大衆行動などを含め、世論喚起を行っていく」と連合としての決意を表明。さらには、「職場から声をあげていくことが大切。PSIとしても先頭に立って取り組んでほしい」と訴えた。終了後は、講演内容を踏まえてハラスメントのない社会の実現にむけて、職場や労働組合、国などは何をすべきかについてグループで話し合った。

▲グループワークでテーマに対する理解を深める

 

2日目は、明治大学の鈴木賢志国際日本学部教授が「スウェーデンにおける男性の育児参画」と題して講演した。スウェーデンでは、家が貧しいために大学に行けないことや子どもを持った女性が働きにくい、障害があるから働けないということは社会にとって損失であるとの共通認識を紹介。「高い税収による充実した教育や職業訓練、福祉サービスの供給で誰もが自立し、自分の才能を見つけるチャンスを得る。それにより個々が力を発揮し、高い経済力を達成して再び高い税収を生み出すという好循環がある」と述べ、北欧諸国の社会モデルについての解説もあった。

 

その上で、スウェーデンにおける男性の育児参画については、「母親か父親のどちらかだけがずっと面倒を見ていたら、いろんな変化への対応は難しく、人格形成にも影響がある」「育休を取ることがリフレッシュになるし、子どもと一緒に過ごすことで、ビジネスの新しいアイデアが浮かぶこともある」というスウェーデン人の声を披露しながら、育児休業制度の充実はもとより「男性の育児参加は当たり前」「育児参加の促進が、組織の業績向上に結びつく」という考え方がベースにあることを指摘した。

 

▲講演を行う明治大学の鈴木賢志教授

 

鈴木教授は最後に「男性の育児参画を進めるためには、『女性の社会進出』と『男性の家庭進出』はセットで考えていくべきである」とコメントした。講演後は鈴木教授のゼミナールに所属する学生も参加したグループワークを実施し、男性の育児参画を進めていくための議論を行った。男性の育児参加については、初日に加盟組合から現状や課題についての報告があり、自治労からは本部の五十嵐青年部長が自治労の各都道府県の青年部役員に行った男性の育児参画に関するアンケート結果を説明。取得できなかった主たる理由として人員不足をあげ、自治労として男性の育児休暇取得推進のため業務量に見合った人員確保や育児休暇制度について職場への周知・理解の促進、管理職への働きかけなどに取り組むとした。