介護ロボットは人材不足を救うのか?-スウェーデン労働組合むけ雑誌記者が自治労にインタビュー-

インタビューの様子

 

5月23日、PSI加盟組合であるスウェーデン自治体労働組合(Kommunal)の組合員のための雑誌「Kommunalarbetaren」(地方自治体労働者)の記者からインタビュー取材を受けた。1910年に創刊、1号につき50万部以上・年間20回発行する同誌は、日本における福祉、特に児童保育(幼稚園や保育園など)や高齢化対策についての特集記事を企画している。自治労より、佐保昌一社会福祉局長、中沼孝博介護部会副部会長、天本敬久介護部会幹事が対応した。

 

冒頭、佐保局長より歓迎のあいさつと参加者からの自己紹介に続き、記者のヘレナ・グンナーソンさんから、「近い将来スウェーデンにもやってくる少子高齢化社会について、特に福祉現場の人材不足の点において、日本がどのように対応しているかを学びにきた。労働組合の立場から自治労の意見を伺いたい」と取材の趣旨について説明があった。その後、一問一答形式でインタビューが進められた。主な質問は次の通り。

 

「介護職場の現状を教えてほしい」「組合としてどんな取り組みをしているか、また改善につながった例はあるか」「ロボットなどの技術導入をどう考えているか、また普及による職場への影響は?」「デメリットや危険性、入居者の反応は?」「職員の平均月収を教えてほしい」など、様々な質問が投げかけられた。

 

これらの質問に対し、佐保局長は介護職場の人材不足の原因や、政府要請などの組合の取り組みについてふれながら、基本的には介護ロボットやIT化などの技術導入は、人材不足や職員の負担軽減などの点でメリットがあるとして、前向きにとらえていると回答した。

 

また、介護職員として働く2人の部会幹事から、実際に介護ロボットの導入によって業務が効率化したことや、肉体的な負担の軽減につながっていることなどが語られた。「ロボットといっても、道具のひとつという印象。職員が足りない中で少しでも肉体的な負担が軽減されればと思っている」「事故が起きた時の責任の問題もある。機械だから100%安心というわけではないことを常に心がけている」など、現場の声からは、新しい技術への期待と懸念がうかがわれた。

 

ヘレナさんによれば、ヨーロッパでは、「ロボット」というといわゆる人型のロボットを想像し、介護の機械化には抵抗があるという。介護が必要な高齢者が急増する日本では、こうした技術の活用が介護職場をより魅力的なものにするとポジティブにとらえられていることにギャップを感じたようだ。また組合としても、介護・地域福祉集会の分科会テーマに取り上げるなど介護ロボット技術の普及に寄与していることに、「大変参考になる話が聞けた」と感想が述べられた。

 

 

左から中沼介護部会副部会長、佐保社会福祉局長、雑誌記者のテレーズさんとヘレンさん、天本幹事

 

 

自身の職場について語る天本介護部会幹事(中央)