「地方自治における公共交通のあり方を考える議員懇談会」(民進党)が発足

10月26日、地方自治における公共交通のあり方を考える議員懇談会(以下、議員懇)設立総会を、衆議院第二議員会館で開催した。民進党衆参の国会議員ら56人、自治労から川本委員長はじめ三役、都市交評常任幹事が出席した。

呼びかけ人を代表し江崎孝参院議員(自治労組織内)が、「公共交通政策課題や職場環境の調査・研究に取り組み、『住民・利用者のための公共交通政策』を確立する」との設立趣旨を提案、全体で確認した。役員は、顧問に髙木義明・前原誠司(衆)、会長に赤松広隆(衆)、事務局長に江崎孝(参)などを選出。

赤松会長は「交通路線が廃止され、学生やお年寄りの移動が保障されない事態は、地域社会の衰退を招き看過できない。地域における公共交通確立の取り組みを、政治の場で支援していきたい」と挨拶した。

 

会長に選出された赤松会長

会長に選出された赤松会長

川本委員長は、「旧都市交との組織統合から3年が経過し、地域公共交通課題に取り組んできた。過疎化の進行により、地域公共交通のあり方が一層問われている。解決策として、多くの自治体でライドシェア(注1)の導入が検討されている。『安全・安心』の確保を念頭に、自治労が調査・検証に取り組む。課題解決に尽力願いたい」と挨拶した。

挨拶する川本委員長

挨拶する川本委員長

都市交評安田議長は、「住民の移動を確保するため、交通政策基本法(注2)の精神の着実な浸透が必要。そのための政策実現に尽力願いたい」と挨拶した。

 

都市交評 安田議長

都市交評 安田議長

 

前原顧問・高木顧問はともに、基本法の制定に注力してきた立場から、高齢者等の移動保障や環境保全など課題の前進に継続して取り組むとの決意を述べた。

その後、「公共交通政策の現状と課題について」をテーマに、国土交通省松本総合政策局公共交通政策部長より説明をうけ、課題の共有化を図った。

最後に、江崎事務局長が「地方公共交通について課題は山積するが様々な領域で「伸び代」がある。本日を起点に、自治労・都市交評とも連携を図りながら、活性化の一助となる取り組みを進めていく」と述べ設立総会を終了した。

 

事務局長に就任した江崎孝参議院議員

事務局長に選出された江崎孝参議院議員

 

 

 

(注1)ライドシェア

仲介サイト事業者が、IT技術を活用して、有償輸送サービスを提供する一般の運転者と利用者とをマッチングすることで手数料収入を得る事業形態。

連合として、「公共交通については、特区制度を活用する場合も含めて、国民

生活の安全・安心を保障することを前提とし、単なる利便性や効率性の追求による安易な規制緩和は行わない」ことを政策要求として掲げている。

 

(注2)交通政策基本法

2011年3月8日に「交通基本法案」として閣議決定し、国会に提出。2012 11月の衆議院解散により、「交通基本法案」はいったん廃案となった。

2013 年 11 月 27 日、交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図ることを目的とする「交通政策基本法」が成立し、同年 12 月4日に公布・施行された。

同法第1条では、交通に関する施策について、基本理念及び交通に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにすることにより、交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図るとしている。

同法第15条では、政府は、交通に関する施策に関する基本的な計画として、「交通政策基本計画」を定めることとされている。期間は2014~2020年度までで、基本的方針、目標、施策の三層構造からなる。まちづくり政策と連携した地域交通ネットワークの再構築、電気バスの導入などの環境対策、女性や若年層等を活用した交通事業の人材確保・育成策、鉄道駅等のバリアフリー化や混雑緩和、駅への公衆無線LANの設置などの推進事項の現状や目標等が明示された。

住民・利用者のための地域公共交通政策を確立するうえで、交通政策基本法を活用し、自治体さらには地域住民が果たすべき役割は大きい。また具体的施策についても、所要の財源確保を含め、国と地方一体で進めていくことが問われている。