公営企業評議会が2017年度政府予算について厚生労働省と国土交通省に要請

厚生労働省に要請書を手交する佐藤議長(右)

 

公営企業評議会(公企評)は12月5日、2017年度の水道事業および下水道事業の予算について、厚生労働省と国土交通省に要請行動を行った。

午前中に行われた厚生労働省水道課への要請では、自治労から佐藤議長、岩本副議長、奥野局長、下村部会長ほか水道部会幹事4人が参加し、厚生労働省からは久保課長補佐ほかが対応した。

水道施設の更新・耐震化等への国庫補助・交付金制度の拡充や、財政基盤の脆弱な小規模事業体への対策と予算措置、「広域連携」や「官民連携」推進政策の課題など自治労からの要請に対し、厚労省は、2017年度概算要求で520億300万円を概算要求、2016年度補正予算案と合わせ920億300万円を要求しているが、厳しい予算編成のなか、施設の耐震化や老朽化対策を中心に交付金等で支援していくとした。また、財政的に脆弱な中小規模事業者は広域連携が有用な方策と考えていると見解を述べ、「広域連携」や「官民連携」はそれ自体が目的ではなく、水道事業の基盤強化のための有効的手段の一つであり、事業体・自治体が地域の実情を踏まえ検討をはかるものであると答えた。質疑応答では、自治労から、①簡易水道の将来のあり方、②大規模災害への自己完結型支援への機材支援や支援体制の構築、③「広域連携」での都道府県の役割と格差の是正、中核都市の役割、④コンセッション方式導入推進政策と、公営事業体と民間企業の責務、などについて質問および意見を述べ、厚労省の見解を質した。最後に佐藤議長が、事業の担い手として労働組合もコンセッション方式をはじめとする官民連携の課題を抽出するなど今後の水道事業のあり方を検討しており、また水道事業基盤強化への発信をしていくので、今後も厚労省と将来の水道事業を検討する意見交換の機会を設けていきたいと要請し、終了した。

国土交通省に要請書を手交する佐藤議長(左)

 

午後に行われた国土交通省への要請では、自治労から佐藤議長、石川副議長、奥野局長、村木下水道部会長をはじめ、下水道部会幹事ほか7人が参加。国土交通省からは松原下水道事業調整官ほかが対応した。

国交省は、2017年度予算では、下水道のライフライン機能を踏まえ、引き続き下水道事業が効果の高い事業を行えるよう制度設計していく、と答えた。さらに、大規模災害に対しBCPや災害対応マニュアルの見直しについての情報提供と的確な指導、技術の継承のための有資格者の配置、下水道台帳について電子データ化を検討ができるような予算措置と技術的支援、再生可能エネルギーの活用への情報提供と支援策の充実などの自治労からの要請に対し、熊本地震などで確認された他事業との調整などの課題を踏まえた対応について情報提供し、またBCPがより実践的なものになるよう努める、下水道の設計等を行う者の資格要件の緩和などで技術の継承に対応、「下水道全国データベース」を下水道事業の自己診断ツールとして活用してほしい、下水法改正で下水汚泥の燃料化が努力義務として追加され、下水道革新的技術実証事業によりランニングコストの削減を提言して下水道汚泥の再利用を推進しているので、下水道汚泥エネルギー化技術ガイドライン等を活用してエネルギー利用を検討してほしい、などと答えた。質疑応答では、①下水道職場における技術者の配置と育成など技術継承の課題、②原発事故で事業が一時停止、人口流出事業体への措置、③耐用年数を超えた下水道管渠への措置、④降雨時の河川と下水道の調整などにについて質疑を行った。

最後に佐藤議長が、住民のための下水道として今後のあり方など意見交換する場の設置を要請し、行動を終えた。