地域保健・精神保健セミナーを開催

自治労衛生医療評議会は2019年12月14~15日、東京で2020年度地域保健・精神保健セミナーを開催。保健師をはじめとする職員など39県本部、214人が参加し、住民が健康で安心してくらし続ける地域社会の実現や、そのための人材確保、体制整備を労働組合としてどう取り組んでいくのかについて議論した。

 

高齢化社会や疾病構造の変化、医療費の増大などの課題に対して保健師他の専門職にとって、生活習慣病に対する予防的介入も重要な任務となっている。3つ行われた基調講演の一つ「健康長寿と健康較差」 と題した星旦二東京都立大学名誉教授・放送大学客員教授の講演では、健康寿命の規定要因を分析。日本の住宅は冬の室温が低いことから結露によるカビやダニの発生が多く、「健康住宅」ではないとし、暖かい住宅ではアレルギーや心疾患、糖尿病などの病気になる人が減少するとの研究結果が報告された。

 

実際に英国では、寒さによる健康リスクが指摘されており、室温の最低推奨温度である18度を満たさない(賃貸)住宅は改修や解体の扱いとなり、日本では多くの家屋がこれに該当するとのショッキングなデータも示された。同時に、会話が弾む家やリラックスでき、ぐっすり眠れる家であることも大切な要素で、心と生存に良い「建」が「健康住宅」であると説明。参加者は、熱心に耳を傾けていた。

 

▲「健康長寿と健康較差」をテーマに話す星旦二東京都立大名誉教授・放送大客員教授

 

セミナーの冒頭には福井本部衛生医療局長が基調提起を行った。2019年9月26日に厚生労働省「地域医療構想に関するワーキンググループ」が、公立・公的医療機関等の担うべき役割や機能別病床数の再検証を要請する424病院の名称を公表した問題に言及。「自治労は、地域医療構想の基本的な方向性について、すべてを否定する立場ではない」としながら、「医療費削減を前提とした地域の事情を考慮しない取り組みには反対。高齢者が増加し医療需要が増加していく2040年にむけて、介護・在宅医療の充実を棚上げしたままの病床削減は、地域社会の崩壊をもたらす」と警鐘を鳴らした。

 

2日目は、「健康長寿の取り組みと人材確保の必要性~保健師等が地域でいきいきと働くために~」などをテーマとする分科会を設置。今後の取り組みを見据えて、参加者は活発な議論を行った。